僕にとってベトナム料理は醗酵風味のカモと鍋、それに、ふりかけ : サンフラワー 本八幡店

2015.12 夜
2016.01 夜

１２月　１人 3000円ちょっと
・ゴイ ドゥドゥ 1150円
・コーヤー サオボー 980円
・ボーコー 1380円
・スン ヌン 1000円
・コムチン ハイサン 1080円
・ブンボーフエ 1380円
・スーパードライ(中瓶) 480円
・ネプモイ 3500円（これは高い）
４人で、いくらだったかは不明

１月　１人 6700円くらい
・コース 4000円 ×5
・カモ 8000円
・ライス 200円 ×2
・スーパードライ中 480円 ×2
・ベルビュークリーク 550円
・ルアモイ 3500円
５人で 33410円

　本八幡のベトナム料理屋が熱いらしい。呼んでいただいたので、２度も喜んで出かけた。
　サンフラワーと言ってもフェリーじゃないよ。もちろんヒマワリ。割と洒落た内装ではあるけど、グラスの磨き具合がイマイチ、米がイマイチ、など、そこはかとなくベトナム現地感が漂う。こういうお店は良く出るもの、ベトナム人が良く食べるものをお願いするに限るよね。フレンドリーなママさんに相談しながらお願いするのが一番良さそう。
　まずは、ママ特製のふりかけが素晴らしい。甲殻類を使っているのかと思ったら魚。フォルムや色を聞いて、南方系の魚の名前をあげ、写真を見せて確認したところ、どうもダツらしい。釣り師的にはダツなんか食うのかって感じ。臭い、青臭い魚なんです。それが醗酵と良いホグレ具合で骨まで入っているのに、しっとり感。このふりかけだけでご飯が美味しく食べられる。このふりかけだけを評価したら4.5って感じ。かなり好き。ご飯とふりかけだけ食べに来ても良いでしょうか。
　ママが隣に来て、まかないを食べ始めた。強烈な醗酵風味のくっさい何か、それと何か、ご飯に混ぜて。単品で食べると臭くてやってらんねーって感じが、混ぜたら化ける。これだよ、これ、好きなベトナムの味。20代の頃にベトナム料理にハマった時期があって、その頃食べていたのが、アヒルの内臓を抜いていろいろ詰めなおして焼いたヤツ、と、鍋。ニョクマムも最近のヌルい風味じゃなく、くっさいヤツ。鼻をつまんで食べれば美味しいねって。なれてきたら、めちゃめちゃ美味しいやんって。期待させるまかない。
　と言う事で、初回に食べたのは、まぁイケる感じ。先に行ったハスの店と逆で、麺や米料理以外が美味しかった。特に鍋に近い料理の煮込み。かなりイケた。カモと鍋が出来るか聞いたら、作れるみたいな事を言っていた。それで再度、カモと鍋料理をセッティングしていただいた。僕にとって美味しいベトナム料理は醗酵風味のカモと鍋。新たにふりかけが加わった。


・ゴイ ドゥドゥ (3.5)
　アオパパイヤのサラダ。見た目からシャキっとしたパパイヤが多め。タレが強すぎる事もなく、野菜としての美味しさバッチリ。

・コーヤー サオボー (3.0)
　牛肉とゴーヤの炒め物ングォ添え。
　ゴーヤは大ぶり、牛肉細切れ。牛肉がもっと大きいと良いんだけどな。味は、ちょっと日式中華っぽい。無難に美味しいけど、ベトナム料理を食べてる実感が薄い。

・ボーコー（4.5）
　牛スジ煮込み。鍋料理に近い味。
　赤ワインでコクたっぷりに煮込まれ、抜けた風味のアニスとクローブ。そんなに強いわけでは無いんだけどね。良いバランスで、きたーっって感じ。タイでも無く、インドでも無く、中国でも無いスパイス使い。もちろんワイン使いはフランスの影響だと思われ。宗主国であったフランスと中国の影響を感じさせますね。隣のタイは抜いて、フランスとインドと中華を混ぜました的な。キリストさんも言っている、ワインは血だ。血の味だ。そう言うとクセが強そうだけど、ベトナムはあくまで大人しい風味。とろーりスジ肉、ふんわり独特なスパイス使い。ハマった。ここのママの鍋は絶対に美味いよね。確信した。

・スン ヌン (3.5)
　写真撮り忘れ。
　何か酸っぱ辛いものを塗って焼いた骨付きバラ肉。しっかりした火加減。しっかりした漬け込み。しっかり焼いても漬け込みが効いてて、食べやすい硬さ。安心して食べられる。

・コムチン ハイサン (3.3)
　パラッパラの焼き加減で優しい風味の炒飯。塩加減が薄いのは良いけど、風味も弱め。ここで、ふりかけ。ふりかけをかけるとコクと旨味としょっぱさが増す。ふりかけ込みなら3.8くらいまで上がる。でもね、白米をもらって、ふりかけで食べたら、そっちの方が好きだった。

・ブンボーフエ (2.5)
　スープはコクが薄く複雑さ無し。麺は太いけど、楽しくない。やっつけ感漂う一品。これだけ残念。無かった事にしよう。

・コース (3.5)
　コースは、生春巻、イカメシのようなベトナム料理、サラダ、鍋、デザート。
　メインの鍋とデザートがかなり良かった。4000円分あるかと言われると、少し微妙。

　△生春巻
　　小さめのエビ３尾が入ってて、セコさは感じない。味は普通。
　　タレがほんの少しベトナム風のなますにピーナツ。薄味で食べやすい。

　○イカメシのようなベトナム料理
　　小さなイカ（おそらくスルメ）に何か詰め物をしてじっくり煮込んで。
　　タレにまでイカの味が出ていて丁寧な調理を感じる。

　○サラダ
　　多くの葉野菜、ベトナムの葉野菜（エゴマっぽいのとスィートバジル）入り。
　　柔らかい酸味主体の味付けでサクサク行ける。

　◎鍋
　　丁寧に下処理した肉類（牛筋、豚バラ、つくね、鶏ガラ）に何か秘密の出汁。
　　あっさり複雑で少し甘く、肉の出汁バッチリ。汁が美味い。
　　美味い汁なので、野菜が美味しくなる。
　　〆には麺を入れて。茹で過ぎないよう早めに食べよう。

　◎デザート
　　タイだとサクーに近いけど、かなり大きなタピオカに野菜ゴロゴロ。
　　砂糖ではなくスキムミルク入り。ココナツの果肉や果汁、サトイモ、カボチャ。
　　タピオカが秀逸で、ビーダマに近い大きさで、回りは蕩け、芯は硬く、良い食感。

・かも (4.5)
　「Vit tien」かと思ってたら、ママは「イェップワイ」と言うような事を言っていた。良く分からないけど、これだ。これが食べたかった。四半世紀前の福岡在住時に南十字星で食べていた、鴨の詰め物料理。内臓を抜いて、ハーブやスパイスと内臓を和えて、詰めなおし。じっくり馴染ませて、オーブンで焼く。製作には２・３日必要な要予約料理。焼くためのオーブンをわざわざ船橋店に数百万円かけて設置したとか。日本人は注文しないらしいですけどね。
　かもはキッチンバサミでママが切り分けてくれる。ザクザク切る時からプワーンと八角とニョクマムみたいな醗酵臭が香る。これだこれ。かもの下半身は男性用、上半身は女性用。
　詰め物はタレに入れて薬味として使う。ちょっと詰め物がしょっぱいかな。タレもしょっぱめなので、少しずつ使った。ガッツリとタレに漬けた時は野菜に包んで。皮のパリっと焼けた部分は香ばしく、内側ほどスパイスが染みて、少ししっとり。醗酵臭はあるけど、醗酵の美味さもしっかりあり。美味いなー。モクモクとむしゃぶりついた。次はいつ食べられるだろうか。また食べたい。

・ライス (-.-)
　米は残念ですよ。でも大事なのは米じゃない。ふ・り・か・け。
　ここのふりかけは最強だな。醗酵風味、香ばしさ、辛さ、塩気は強く無い、気にならない小骨までイン。きっと健康にも良い。残念な米でもワシャワシャと食べられる。おなかいっぱいでもふりかけのためにおかわりしたい。


　鍋とかもとご飯だけ食べたらすごく満足感が高そう。ベトナムらしい味を堪能できました。ハーブが豊富な季節なら、もっと美味しいんじゃないかと思う。