[住所&電話番号公表]日本にはエッフェがあるから : f

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(エッフェ)
2024年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2024 Bronze 受賞店

イタリアンEAST百名店2023選出店

食べログ イタリアン EAST 百名店 2023 選出店

この口コミは、hongo555さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

5.0

¥20,000~¥29,9991人
  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
2024/02訪問7回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥20,000~¥29,9991人

[住所&電話番号公表]日本にはエッフェがあるから

東京は言うまでもなく日本一の&世界有数の消費地ですから、日本中から世界中から素晴らしい食材や旨い酒や香辛料、調味料が集まってきます。
もちろんそれは大変ありがたいことで、東京に居ながらにして日本各地の旬の美味いものを、世界各国の珍しい食材をいただくことができますし、ミシュランの星付きが世界一多い都市というのもまあそれくらい食のクオリティは高いよねと納得するだけというか、特に驚きはありません。

ただ、東京には篦棒に美味しいものはたくさんあっても、感激する&魂を鷲掴みにされるような料理って実は出会ったことがほぼありません。
若い頃から修行して努力を重ね、有名店で有名シェフ&店主の薫陶宜しきを得て海外でも武者修行し、日本に戻ってきて(サポートを得て)独立する、というのが料理・飲食業界の王道、優れた料理人を育成するためのシステムが東京にはあるのですが、これでは料理人の”秀才”は多数輩出できるものの、”天才”は現れないような気がします。
大草さんの焼鳥を食べた時の衝撃は、今でもはっきり覚えていますけど。

もちろん、何を以って天才料理人と言うのか定義はありませんし(そもそも育成できるもんじゃないw)、多分に感覚的なものですけど、私がこれまで数多の料理をいただいてきてこの人はすごい、real dealだと感服する料理人は数えるほど、そのうちのお一人がエッフェの宇佐美シェフです。
エッフェに行きたい一心で秋田に通っていますw
この地には季節ごとに美味しいものが驚くほどたくさんありますから、エッフェ以外の店に行くのも楽しみにしていますが、何はなくともエッフェです。
最近、エッフェの近くで新築マンションの分譲が始まっていて、心が揺れ動いていますw

で、コロナ明けで急に忙しくなり、約1年ぶりのエッフェです。
諸々調整してやっと来ることができました。
しばらくこない間に店の住所および電話番号を公開しましたので、どなたでも予約が可能にはなりましたが、完全予約制は変わらずで予約なしでは入れません。
ワンオペで1日最大8名(頑張れば9名)ですから、依然として狭き門です。

いつものように雑居ビルの階段を3階まで上がり、門前払いの看板を横目に扉を開けてくねくね廊下を進み、宇佐美さんにご挨拶。
お変わりなくお元気そうで嬉しいです。
パーマかけたんですね、お似合いです。

宇佐美さんの仕事は食材が持つ味や香りを最大限引き出すなんて言うレベルではなく、素材同士を喧嘩させて最後には無理矢理仲良くさせちゃうような力強さと、よくそんな発想が出て来るよねとこちらが吃驚するような意外な組み合わせ、そして度を越しているとしか思えない下拵えの手間と、繊細で丁寧な調理&仕上げで構成されており、その完成までの最後の一仕事を目の前で見ることができるという楽しみがあります。
料理って味覚だけじゃなく、五感で楽しむものなんだといつも教えてくれます。

こちらの店にお伺いするのは今回で7回目ですが、毎回来る度にご紹介下さったマイレビューアーさんに心の中でありがとうございますと感謝しています。
この店と我々を結びつけてくれた方ですから、本当に有り難く、何度お礼を申し上げても足りないくらいです。
では、本日も唯一無二の地元食材をフル活用したイタリアン、いただきます。

●泡:フランチャコルタ UBERTI
エチケットの裏にはフランチャコルタ・ブリュット・フランチェスコ・プリモと書かれています。
ロンバルディア、エルブスコ地区のフランチャコルタですから、カデルボスコやベッラヴィスタと同じですが、初めて飲むかも。
柔らかくて粒立ちの細かい泡なのは他のフランチャコルタと同じですが、ややドライでシャルドネらしい華やかさもあります。
僅かな苦味はピノ・ネロでしょうか。
スタートにいただくと食欲を刺激されます。

●チカメ金時 カルパッチョ
金目鯛に似た釣り金時鯛の身を1週間ほど寝かせて旨味を引き出し、苺に巻いて供されました。
僅かにオレンジオリーブオイルで塩はなし、苺と白身魚とは最初から吃驚ですw
底引きだと獲れることがあるそうですが、釣りは数が少なく個体も大きかったそうですよ。
やや水っぽい身なので寝かせて水分を抜いたんだとか。
コリコリとした白身は真鯛のような旨味が乗っていて、これがなぜか苺の酸味とぴったりです。
甘くて酸っぱくて、最後は白身の旨味がじんわり迫ってきます。
エッフェ版prosciuto e meloneということなのかな。
うーん、最初から唸る・・・w

●紅ずわい蟹とふくたちとボッタルガのマリネ
仁賀保で揚がった紅ずわい蟹の身を、この時季結球させないで育てた白菜:ふくたちと和え、上から自家製のボッタルガをたっぷりと掛けてあります。
豊潤な蟹の甘味と茹でただけで苦味の残るふくたちが、なぜかボッタルガで仲良くなっちゃってますw
一緒にする理由が食べて初めてわかる料理です。
もちろん美味しいんですが、蟹ってこんなに美味しかったっけ?と認識を改めるくらい濃厚な味わいがします。

●ワイン:Pra´ Monte Grande 2020 
ここからはワイフのリクエストでワインをアッビナメントすることにします。
最初はソアーヴェ・クラッシコです。
こちらのヴァルポリチェッラはいただいたことがありますが、ソアーヴェは初めてです。
軽快な味わいですがちゃんとボディもあって、蟹にも真鰭にもよく合いました。

●真鰭のフリット
今度は素材の良さをそのまま素直に活かした料理が出てきました。
この真鰭も10日寝かせて水分を抜き、芯まで火を通し過ぎずにふっくら揚げてあります。
そこに干してから冷凍したパンチェッタを削り掛けて完成。
真鰭は寝かせただけで一切何もしていないとのことですが、パンチェッタの軽い塩気だけでものすごく美味しい。
素材が一級品だと手を加えないほうが美味しいと宇佐美さんよく仰っていますが、これはそれくらいの素材だったということですね。

●ワイン:Cortem Magnam Nomine Gabianam Castello 2017
ピエモンテのシャルドネです。
ヘイゼル・ナッツのような香ばしい強い香りがして、香り通りのふくよかな甘味があります。
ミネラル感もありますが、徐々に蜂蜜のような甘味が強くなり、豊潤な味わいですね。
ちょっと甘味が強すぎる気もしますが、余韻はそれほど長くないのでキレもあります。
温度が上がってくるとさらに華やかになります。

●黒むつのソテー
大変脂乗りの良い黒むつを低温でじっくりと火入れしてふんわりとしたソテーに仕上がっています。
ほんかんぞうの花の蕾:金針菜をさっと茹でてヌメっとした食感が黒むつと対照的で、テクスチャの妙がここでも発揮されています。
両方とも秋田の誇る食材なのに、地元ではなかなかお目にかからないですよね。
特に金針菜は漢方薬などに使われる高級品ですから生で食べるってエッフェでしかない。
以前、もっと育ったかんぞうをいただいたことがありますが、とても滋味豊かだったのをはっきり覚えています。

●初物の桜鱒ボール
続いて登場したのは法蓮草でボール状に包まれた桜鱒。
bagnomaia:湯煎したような鮮やかな桜色はオーヴンでじっくりと火入れした成果です。
色調のコントラストが美しく、法蓮草の緑と桜鱒の背と腹の鮮やかなオレンジ色が食欲を唆ります。
少量のコラトゥーラ:ナポリの魚醤でスッキリとした塩味をつけただけ、鱒の旨味が際立ちますよ。
エッフェでは桜豚といさじゃのポルペットとか、海老とチョコレートを和えて(!)とんぶりをまぶしたキューブとか、驚くべき組み合わせ&驚異的な美味さの塊系料理?をいただいてきましたが、この桜鱒ボールもシンプルながら泣きそうになるくらい美味しい。
美味しくて感激して心が震えるから泣きそうになるんですよねw

●自家製パン
宇佐美さんの焼くパンは驚くほど美味しい。
自然な甘味と軽さと、小麦の香りにクラムのふんわり感、クラストのサクサク感、官能的です。
このパンをお強請りするのは申し訳ないと思うので、いつも少しずつ食べているんですけど、気がつくとお代わりが置かれていますw
エッフェのパンを食べると、宇佐美さんの料理に対する考え方、アプローチの仕方が凝縮していると感じます。

●山内人参のソテー
甘味が強く個性的な味わいのする山内人参が秋田県で復活して久しいですが、最近は秋田市民市場でも売っているのを見かけるようになりました。
宇佐美さんも普通に秋田市民市場で購入しているみたいですw
ソテーすると僅かなえぐみも消えて甘味が引き立ちます。
その上に赤雲丹とオーヴンでパリパリにしたカーボロネッロ、ペコリーノチーズを掛けて秋田の冬の味覚がお皿の上で完成です。

●薯蕷のフリット
八郎潟のいさじゃとバターをソースに敷いた薯蕷のフリットにひろっこが添えてあります。
いさじゃの癖のある塩気がバターで円やかになり、驚くほど上品な味わい。
薯蕷の甘味と粘りがフリットできれいにまとめられて、いさじゃバターがしっかり支えます。
ひろっこのほろ苦く甘いソテーが素晴らしいアクセントですが、ひろっこ自体も主張しますね。
秋田の食の豊かさ、冬にこれだけの食材が揃う贅沢さを存分に楽しみます。
仕事で疲れた身体に栄養と滋味が沁み込んでいく感じがします。

●ワイン:Castello Di Fagnano
キャンティ・クラッシコです。
まさにサンジョヴェーゼそのもののわかりやすいタンニンと酸味と甘味のバランスです。
久しぶりにどキャンティwいただきましたが(先日のフィレンツェではレ・マッキオーレだったし)この独特の甘味は後引きですね。
気がつくとグラスが空いていて、お代わりしてしまいますw

●大館の桜豚と海鼠
今日一番驚いた食材の組み合わせです。
雌の桜豚をじっくりローストして賽の目くらいに切り、何と少量の海鼠が和えてあってさらにパイナップルが加えてありました。
どの素材もそれぞれ別に食べたことがある人はたくさんいると思いますけど、一緒に食べた人はエッフェに来た人だけだろうなぁw
で、一緒に食べると桜豚とパイナップルはすぐに仲良くなり、桜豚と海鼠も案外簡単に仲良くなりました。
驚いたのはパイナップルと海鼠が最初から仲良しだったことですw
これは・・・美味しいんだけど美味しい理由を知りたくなる。
味って理屈じゃないはずなんですけど、一方で化学反応で解析可能な側面もありますから、なぜこれを人間が美味しく感じるのか、誰かに教えてもらいたい。
宇佐美さんにその旨聞いたら、この桜豚を食べた時に普通に合わせたら美味しくなるだろうなと分かったからとしか。
つまり天才に聞いても答えは頭の中にしかないってことですよね。

●パスタ
今日はペスカトーレです、と宇佐美さんが説明しながら出してくれた皿には、パスタだけがきれいに盛り付けられています。
え?え?え??????全員クエスチョンが頭の上に浮いているのが見えますw
その後の説明によると、海老、烏賊、帆立ほか魚介たくさんと大蒜でソースを作り、それを煮詰めて一番美味しいタイミングで具材を全て濾したソースだけで茹でたそうです。
なるほど〜っていうのは簡単ですけどwペスカトーレに使う魚介はパスタと合わせていただく時には既に”出汁殻状態”になっているわけですから、美味しいエキスだけパスタに移ればそれで良いじゃないかというシンプルな発想らしい。
なので、宇佐美さんは比内地鶏のきりたんぽ鍋を食べる時に具材はどうするんですかと聞いてみたら、普通に食べますよとw
そうだよね、自分の食事と仕事は一緒にしないよね。

●比内地鶏のヴァポーレ プティヴェール添え
きりたんぽ鍋の食べ方を聞いたからじゃないですけど、比内地鶏の蒸し焼きがプティヴェールと一緒に登場。
大きなムネ肉を塊のままじっくり蒸し焼きにして、火を通し切らずに仕上げました。
脂もそのままでムネ肉とは思えないほどジューシーで甘く、プティヴェールの苦味と塩気がまるで調味料のようです。
でもある意味ほっとする味、よく舌が慣れ親しんだ味です。

●鮑のステーキ ラディッキオ・タルティーヴォソース
蒸してから低温で火を入れて柔らかいのに十分弾力を感じる鮑のステーキには、鮑の肝とラディッキオ・タルティーヴォを合わせて炊いたソースが敷かれています。
このソースが本当にヤヴァいです。
寿司屋だったら飯玉入れてってお願いしちゃうだろうなくらい美味いw
バターは使っていないようですが、苦味と甘味、仄かな塩気とコク、完璧です。

●ワイン:Torrione 2015
トスカーナの赤です。
サンジョヴェーゼだけでなく、メルローやカベルネをブレンドしてあるようでしっかりしたボディのあるワインに仕上がっています。
舌にピリッときた後に甘味がやってきて、どっしりとした飲み応えがあります。
鼻に抜ける香りは、黒酸塊(すぐり)とか珈琲のようなスモーキーさがあり、温度が上がるにつれてだんだん甘くなりました。

●秋田錦牛の藁焼き ロビオラチーズのソース
全くサシの入っていない赤身の秋田錦牛が表面だけ火入れして、甘味と酸味のバランス絶妙なロビオラチーズのソースを纏って登場。
濃厚なのに軽く、軽快な味わいなのにしっかり食べ応えがある一皿です。
このあっさりしたロビオラチーズのソースが、藁の香りがふんわり漂う牛肉と合っちゃうんだから凄いよね。

●デザート:蕗の薹アイスクリーム
もう秋田の山里では蕗の薹が採れるようで、爽やかな苦味のある春先取りのアイスクリームをいただけました。
目の前で作ってもらったアイスクリームですから、鮮烈な蕗の薹の香りが店内に広がります。
これまでいただいた12皿のコースを振り返りつつ、飼い犬に噛まれて散々な正月だったらしい宇佐美さんの話を聞いて、ゆっくりと秋田の夜が更けていきます。

今日も驚きと喜びの連続、宇佐美さんの頭の中ではごく普通に繋がる食材の組み合わせなんでしょうけど、我々凡人には思いもつかない地元秋田の素材が万華鏡のようにぐるぐる巡って、それぞれの皿に完結していくのを目の当たりにすると、本物のフュージョンとはこういうことなのかもしれないと思わずにはいられません。
奇を衒うという言葉の対極にある、創意工夫を重ねた末に辿り着く料理の数々に、客はただ驚き、食べて喜び、幸せを感じるわけですね。
今日も本当に美味しかったし、宇佐美さんのワンダー食ランドを楽しませてもらいました。
ワインもオーソドックスなものからユニークなものまで惜しげもなく飲ませてもらえるので、それも大きな楽しみです。

エッフェがある限り、我々は秋田に通い続けますw
やっぱりマンション買おうかな・・・w
ご馳走様でした!!

  • f - 住所も電話番号も公開されましたから興味のある方は是非一度お越しください!

    住所も電話番号も公開されましたから興味のある方は是非一度お越しください!

  • f - 完全予約制であることは変わりがないのでフリでは入れません

    完全予約制であることは変わりがないのでフリでは入れません

  • f - この扉の向こうには食のワンダーランドが待ってるんですよワクワク

    この扉の向こうには食のワンダーランドが待ってるんですよワクワク

  • f - 最初はフランチャコルタ UBERTIは初めていただきました

    最初はフランチャコルタ UBERTIは初めていただきました

  • f - ロンバルディア、エルブスコ地区のフランチャコルタです

    ロンバルディア、エルブスコ地区のフランチャコルタです

  • f - 柔らかくて粒立ちの細かい泡なのは他のフランチャコルタと同じですがややドライ とても気に入りました

    柔らかくて粒立ちの細かい泡なのは他のフランチャコルタと同じですがややドライ とても気に入りました

  • f - チカメ金時のカルパッチョ なんと苺が巻いてあります

    チカメ金時のカルパッチョ なんと苺が巻いてあります

  • f - 紅ずわい蟹とふくたちとボッタルガのマリネ

    紅ずわい蟹とふくたちとボッタルガのマリネ

  • f - 豊潤な蟹の甘味と茹でただけで苦味の残るふくたちがボッタルガで仲良くなっちゃってますw

    豊潤な蟹の甘味と茹でただけで苦味の残るふくたちがボッタルガで仲良くなっちゃってますw

  • f - Pra´ Monte Grande 2020 ソアーヴェ・クラッシコです

    Pra´ Monte Grande 2020 ソアーヴェ・クラッシコです

  • f - 真鰭のフリットには凍らせたパンチェッタを削りかけて完成

    真鰭のフリットには凍らせたパンチェッタを削りかけて完成

  • f - ポサーテの用意はなく全皿お箸でいただきます

    ポサーテの用意はなく全皿お箸でいただきます

  • f - Cortem Magnam Nomine Gabianam Castello 2017 このピエモンテのシャルドネが大変美味しかった

    Cortem Magnam Nomine Gabianam Castello 2017 このピエモンテのシャルドネが大変美味しかった

  • f - 黒むつのソテー 脂ノリノリを敢えて落として金針菜をさっと茹でて敷いてあります 素材の美味しさが際立ちます

    黒むつのソテー 脂ノリノリを敢えて落として金針菜をさっと茹でて敷いてあります 素材の美味しさが際立ちます

  • f - 桜鱒を法蓮草で包んでボールにしましたw

    桜鱒を法蓮草で包んでボールにしましたw

  • f - 自家製パン 本当に美味しいパン&料理にぴったりのパンです 大好き!

    自家製パン 本当に美味しいパン&料理にぴったりのパンです 大好き!

  • f - 山内人参を蒸し焼きにしてソテーにした上に雲丹をたっぷり

    山内人参を蒸し焼きにしてソテーにした上に雲丹をたっぷり

  • f - 薯蕷のフリットには八郎潟のいさじゃとバターをソースに敷いてひろっこを添えてあります

    薯蕷のフリットには八郎潟のいさじゃとバターをソースに敷いてひろっこを添えてあります

  • f - Castello Di Fagnano キャンティ・クラッシコは久しぶりです

    Castello Di Fagnano キャンティ・クラッシコは久しぶりです

  • f - サンジョヴェーゼそのもののわかりやすいタンニンと酸味と甘味のバランス 美味しくてお代わりw

    サンジョヴェーゼそのもののわかりやすいタンニンと酸味と甘味のバランス 美味しくてお代わりw

  • f - 大館の桜豚と海鼠 本日一番の衝撃w パイナップル風味なんです

    大館の桜豚と海鼠 本日一番の衝撃w パイナップル風味なんです

  • f - 一切具材がないペスカトーレ これも衝撃的に美味しい

    一切具材がないペスカトーレ これも衝撃的に美味しい

  • f - 比内地鶏のヴァポーレ プティヴェール添え ある意味ほっとする味わい

    比内地鶏のヴァポーレ プティヴェール添え ある意味ほっとする味わい

  • f - 鮑のステーキ ラディッキオ・タルティーヴォソース このソースが本当にヤヴァい

    鮑のステーキ ラディッキオ・タルティーヴォソース このソースが本当にヤヴァい

  • f - Torrione 2015 トスカーナの赤ですがサンジョヴェーゼだけでなくメルローなどがブレンドされています ビロードのような重さと優雅さ

    Torrione 2015 トスカーナの赤ですがサンジョヴェーゼだけでなくメルローなどがブレンドされています ビロードのような重さと優雅さ

  • f - 秋田錦牛の藁焼き ロビオラチーズのソース サシなしの真っ赤な肉とソースのコントラストが美しい

    秋田錦牛の藁焼き ロビオラチーズのソース サシなしの真っ赤な肉とソースのコントラストが美しい

  • f - デザートは蕗の薹のアイスクリーム 目の前で作ってくれます

    デザートは蕗の薹のアイスクリーム 目の前で作ってくれます

  • f - これだけ食べてワインいただいてコスパ抜群です

    これだけ食べてワインいただいてコスパ抜群です

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2022/12訪問6回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥20,000~¥29,9991人

[秋田某所]このリストランテが日本にあって良かったと心からそう思います。

さて、愈々エッフェの時間になりました。
秋田の旅行は毎回とても楽しいですが、その楽しみの半分以上を占めるのはエッフェです。
季節を違えて幾度も伺うことができるのもご紹介くださったマイレビューアーさんのお蔭です。
この場を借りて改めて御礼申し上げます。m(_ _)m

では本日も秘密の扉を開けてワクワクしながらクネクネ廊下を抜けます。
あ、今日は我々2人だけなんですね!
宇佐美さんを独占できるとは大変光栄です。

●泡:フランチャコルタ
フランチャコルタはブリュット“プリマ・キュヴェ”です。
シャンパーニュと同じ製法で醸造されるフランチャコルタは泡立ちが細かく香りも華やか。
ただでさえテンション上がっているのにさらに上がっちゃいますねw
今日は何がどんな組み合わせでいただけるのか、期待が高まります。

●せこ蟹と白ひろっこ
オリーブオイルで和えた香箱蟹の身と内子と白いひろっこです。
ひろっこはグリーンですが、陽に当てないと白く柔らかくなるんだとか。
ホワイトアスパラガスと同じですね。
少し柔らかめに茹でてから焼き付けてあるので甘い良い香りがします。
蟹身の淡白な旨味がひろっこの甘味でふんわり口溶けて大変美味しい。
毎回秋田の豊かさに感激しつつしっかり味わいます。

●赤目河豚  
メインの食材は河豚ですが、ここにシチリアの松の実と三関の芹を和えて、軽く焼き付けたパンチェッタだけで味つけてあります。
さらりとした脂と軽い塩味で赤目河豚の旨味を引き出してくれます。
数日寝かせた身がほんのり甘くて、噛むほどにじわじわと旨味が楽しめます。
芹ってこういう使い方しても名脇役として活躍してくれるんですね。
それにしても12,000km離れた場所で生産される食材同士がが目の前の皿で一緒になっていることに感慨を覚えます。

●バルベリー鴨のブレザオラ 山内人参添え
3時間蒸し焼きにしたという山内人参と自家製のブレザオラです。
牛肉(主に赤身)を塩漬けにした生ハムがブレザオラですが、鴨でもしっとり出来上がるんですね。
薄くスライスして添えてあるのはみかんのソースです。
敢えてレモンじゃなくみかんにしたのが絶妙な味わい。
甘味が強い山内人参とブレザオラの軽い塩味をみかんの爽やかな酸味が包んでくれます。

●ヨロイイタチウオのソテー
白身魚はヨロイイタチウオとのこと、ヒゲダラですね。
グアンチャーレが巻いてありますが、一度脱水用に巻いてさらに焼き用に巻き直したそうです。
食材がどうしたらより美味しくなるかを常に考え続けている宇佐美さんらしい皿ですね。
締まって程よい弾力のある白身にグアンチャーレの塩味と脂が移ってフィレ肉のような味わい。
どうしてこんなことを思いつくのか、本当にすごい&美味いです。
敷いてあるプチヴェールも苦甘くて印象的です。

★舞茸と薯蕷のスープ
天然舞茸を天日干しにして出汁に使っちゃうハイパー贅沢スープですw
薯蕷を擦り下ろして、宇佐美さんがアフミカータしたスカモルツァチーズを練り込んでボッコンチーニにしてあります。
激ウマ!!!!
これはヤヴァいです美味すぎます。

●白ワイン:CIMAIO
マルケのヴェルディッキオです。
少し貴腐菌のついたヴェルディッキオだそうで、豊潤という表現がぴったり。
甘味が強いですが余韻が長いわりにきれいに消えます。
またテンションが上がりますね。

●甘鯛のソテー
フライパンでじっくりと火を通してオーブンに入れた甘鯛の下に縮緬キャベツが敷いてあります。
焼き付けたのがイサジャを練り込んだ自家製バターとは恐れ入りますw
イサジャは八郎潟で採れる独特の味と香りのアミで、イサザアミだからイサジャです。
もう本当に美味いとしか表現しようのない秋田の食材の組み合わせ。
季節ごとに訪れたいと心から思うのは、この発想の素晴らしさ故です。

●自家製パン
オーブンで温めてフカフカになった甘い香りのするパンをいただきます。
プレーンと胡麻つきの2種類、宇佐美さんはパンにも全く手を抜きません。
美味しいのでお代わりしたくなるのですが、たくさん作ってはいませんからありそうだったらおねだりしようw

●比内地鶏のポルペッティーニのソテー
高原比内地鶏のモモ肉を丸めてポルペッティーニ(と宇佐美さんは仰いますがポルペットのサイズ感です)にし、表面にケールを付けて焼き上げたものです。
クリーミーなソースは天然のえのきを炊いて裏漉ししてから味を整えたものだそうで。
なんだかもう本当にヤヴァい美味さとしか・・・w
美味しすぎて深い溜息をついてしまいます。

●赤ワイン:Magno Megonio1999 Librandi
なんと20年以上寝かされたワインを我々のために開けてくれました。
カラブリアのマリョッコ100%のフルボディです。
エチケットの裏には5000本と書かれていますから貴重なワインを開けて下さったんですね。
フルボディですがタンニンは決して強くなく、重厚感はありながら華やかさも軽快さも持ち合わせています。
ワインは飲むものです・・・と柔かに仰いました。
確かにw

●鮑と桜豚グラノアルソ
もちろんグラノアルソ:焦げた小麦だけでは料理になりませんからw鮑と桜豚を優しく火入れしたものを乗せ、零余子(むかご)と百合根を合わせてあります。
敷いてあるソースは、ローズマリー、タイム、オリーブオイルを合わせた香り抜群のグリーンソース。
グラノアルソの香ばしい苦味が桜豚の脂の甘味と鮑の旨味を引き立ててくれます。

●だだみ(鱈の白子)
宇佐美さんがだだみをどのようにアレンジするのか、いつも興味津々ですが、今日はラム肉のボロネーゼを敷き、ペコリーノチーズと一緒に焼き付けただだみが出てきました。
驚異的な美味さ・・・
チーズと白子はもともと相性が良いですけど、ラム肉を炊いて合わせると口溶け抜群のパスタソースのようになります。
淡白で濃厚で味わい深いのにあっさりという矛盾した皿です。
ラムと白子をペコリーノとトマトで繋ぐなんて素敵なアイディアです。

●赤ワイン:Etna Rosso Tenuta delle Terre Nere 2012
これはバローロ・ボーイズで有名なマルク・デ・グラツィアがシチリアで立ち上げたことで話題になったワインですね。
これも10年以上寝かせてありますから飲み頃です。
シチリアの土着品種ネレッロ・マスカレーゼとネレッロ・カプッチョで造られた香り高いワインは、美しいルビーレッド。
ほんのり松脂のようなバルサムの香りが個性的です。
タンニンはありますが穏やかで、はっきりした甘味と後から追いかけてくる酸味のバランスが素晴らしい。
これは仕事を終えた宇佐美さんにもお勧めして一緒にいただきました。

●デザート:独活のアイスクリーム ラテムース ガトーショコラ
毎回何を素材に使うのか楽しみなデザートですが、今回は独活でしたw
普通使わないよねっていうものを宇佐美さんは使うので、今日も驚くやら楽しいやらです。
目の前でアイスクリームメーカーを使って出来立てを更に盛り付け、ガトーショコラとラテのムースを合わせて完成。
独活ってアイスクリームになるんですね〜なんて話しながら一緒にワインをいただいて話をするのは大変楽しいです。

珈琲をいただいて本日も大満足の宇佐美ワールドでした。
秋田の食材の豊かさは常に実感していますが、それでも素材の組み合わせの妙と手間隙を惜しまない下拵えで毎回驚きの連続の料理がいただけます。
しかも説明を聞いていると全部理に適っているんですからすごいですよね。
今日も大変楽しくて美味しかった・・・感激です。

秋田に、日本にエッフェがあって本当に良かったと思います。
これがイタリアのどこかにある店だったら、頑張っても毎年一回くらいしか伺えないですからw
秋田に行きたい理由、それがエッフェです。
ご馳走様でした!!!


  • f - 秋田市内某所 電話番号も住所も非公開です

    秋田市内某所 電話番号も住所も非公開です

  • f - この引戸を開けると天国が待ってますw

    この引戸を開けると天国が待ってますw

  • f - 今日は我々二人だけ お箸がセットされていました

    今日は我々二人だけ お箸がセットされていました

  • f - ではフランチャコルタからスタート ブリュット・プリマ・キュヴェです

    ではフランチャコルタからスタート ブリュット・プリマ・キュヴェです

  • f - 前菜はオリーブオイルで和えた香箱蟹の身と内子と白いひろっこです

    前菜はオリーブオイルで和えた香箱蟹の身と内子と白いひろっこです

  • f - 二皿目:赤目河豚にシチリアの松の実と三関の芹の和え物です

    二皿目:赤目河豚にシチリアの松の実と三関の芹の和え物です

  • f - 軽く焼き付けたパンチェッタの塩味だけでこれだけ美味しいなんて

    軽く焼き付けたパンチェッタの塩味だけでこれだけ美味しいなんて

  • f - 松の実はモルタイオで少し潰して敷き上から丸も乗せます

    松の実はモルタイオで少し潰して敷き上から丸も乗せます

  • f - 三皿目:バルベリー鴨のブレザオラ山内人参添え 3時間蒸し焼きにした山内人参はとても甘いです

    三皿目:バルベリー鴨のブレザオラ山内人参添え 3時間蒸し焼きにした山内人参はとても甘いです

  • f - 四皿目:ヨロイイタチウオのソテー

    四皿目:ヨロイイタチウオのソテー

  • f - ヒゲダラにグアンチャーレを巻いて脱水しもう一度グアンチャーレを巻き直して焼くという手間のかけようです

    ヒゲダラにグアンチャーレを巻いて脱水しもう一度グアンチャーレを巻き直して焼くという手間のかけようです

  • f - 五皿目:舞茸と薯蕷のスープ仕立て

    五皿目:舞茸と薯蕷のスープ仕立て

  • f - 天然舞茸を天日干しにして出汁に使っちゃうハイパー贅沢スープなんです!

    天然舞茸を天日干しにして出汁に使っちゃうハイパー贅沢スープなんです!

  • f - 二本目:マルケのヴェルディッキオで貴腐菌が少しついているので甘味が主張します

    二本目:マルケのヴェルディッキオで貴腐菌が少しついているので甘味が主張します

  • f - 六皿目:甘鯛のソテー 縮緬キャベツが敷いてあります

    六皿目:甘鯛のソテー 縮緬キャベツが敷いてあります

  • f - イサジャを練り込んだ自家製バターで焼くとは素晴らしい!

    イサジャを練り込んだ自家製バターで焼くとは素晴らしい!

  • f - 自家製のパンです これも小麦粉の自然な甘味だけで大変美味しい

    自家製のパンです これも小麦粉の自然な甘味だけで大変美味しい

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    焦がした小麦を中心に蒸し鮑と桜豚を合わせ零余子と百合根を添えるという宇佐美ワールド全開の一皿

  • f - 九皿目:ラム肉のボロネーゼを敷いてペコリーノチーズと一緒に焼き付けただだみ!

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2022/10訪問5回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥20,000~¥29,9991人

[秋田市某所]秋田県産食材50種超で織り成す宇佐美マジック

秋田に来る理由、それはエッフェがあるからです。
他にも美味しいものをいただける店は多々ありますが、エッフェは唯一無二の存在、宇佐美シェフの料理をいただかずに日本の今のイタリアンは語れないと断言しましょう。
おお、今回は初めから振りかぶってるねw

今回は出張がきっかけでしたが、出張が決まった途端とった行動はエッフェの予約を取ることでした。
もちろんワイフも仕事を放り出してw遅れて行くと。
夫婦揃って食いしん坊ですのでこうなります。

ということで、今回も張り切って宇佐美さんが内装も施した秘密の城に伺います。
扉を開けてウネウネと折れ曲がった廊下を抜けると、宇佐美さんが待つ厨房前の極上空間です。
ご挨拶してカウンターテーブルに着きました。
さて、今日は何がいただけるのか、今から楽しみで仕方ありません。

では、最初にフェラーリを開けていただいて、今回のエッフェの料理に乾杯。
早速手を動かし始めた宇佐美さんの手元を見逃すまいと凝視を開始します(ストーカーかw)。

●渡蟹のインサラータ
渡蟹の身を解して落花生と自家製ボッタルガ(!)で軽くマンテカーレ。
オレンジの香りのオリーブオイルが回し掛けられていて爽やかな旨味が口いっぱいに広がります。
最初からもう宇佐美ワールド全開な感じというか、ああエッフェにまた来れたなぁという実感が湧きます。
前回は茄子で和えたのにびっくりしましたが、更に上を行って渡蟹をおおまさりとボッタルガで和えるなんて、どこから思いつくんでしょう・・・

●鼬魚(いたちうお)のフリット
細かいセモリナ粉をさらに篩って細かく口当たりを良くしてからりと揚げたフリットです。
フェンネルを和えた塩の香りが素晴らしく、アツアツの鼬魚の上品な白身の味わいが際立ちます。
熱を入れてふっくら締まった身の甘さと、それでも残る柔らかさが絶妙のバランス。
鼬魚なんて人生で幾度かしかいただいたことがないですけど、これは忘れられない味です。

●白ワイン:フラシテッリ 2020年
イスキア島の土着品種ビアンコレッラとフォラステッラで造ったワインです。
イエローワインと言っても良いくらい明るくて美しい黄色。
しっかりと甘い香りがあって爽やかな甘味と酸味、余韻は短いですね。
魚介にぴったりな味わいです。

●とんぶりの丼
続いて、とんぶりに何か混ぜ物をした器が出て来ました。
宇佐美さんによると牡丹海老と松茸を細かく切って和えたんだそうです。
うわ〜、そんな贅沢な丼ってなかなかないでしょ。
パリパリするのは牡丹海老の殻を焼いて細かく砕いたものだとか。
素晴らしい香りと様々な食感が一度にドーンと押し寄せる料理ですね。

●真鰭のマリネ
梨、茗荷、ミントと真鰭をリンゴ酢とオリーブオイルでマリネ。
う〜ん、こんな組み合わせどうして思いつくのかなw
宇佐美さんに聞いてみたら、この料理はモヒートを飲んでいる時に思いついたらしいです。
なるほど、確かに言われてみればミントの清涼感が食べるモヒートっぽい気もする。
梨と茗荷も苦味と甘味があるモヒートの味わいをうまく再現しています。
でも最後には真鰭のグルタミン酸がしっかり楽しめるからすごいよね。
心から美味しいと思える一皿です。

●アオリイカと自家製パンチェッタのソテー
松の実と三関の香り高い芹と一緒にアオリイカに軽く火を入れて、パンチェッタの脂でコーティングした一皿です。
宇佐美さんの料理は素材の組み合わせが独特なだけでなく、香りが全部素晴らしい。
この皿も三関の芹の峻烈な香りとパンチェッタの脂の甘い香りが絡んで、この香りだけでワインが飲めますw

●白ワイン:ディ・レナールド ”サンクス” 2018年
例によってミネラル感のある白が飲みたいとリクエストしたら、宇佐美さんが選んでくれました。
マルヴァジーア、フリウラーノ、ソーヴィニヨン・ブランにヴェルドッツォを少量ブレンドしたバランスの良い味わい。
もちろんミネラル感はしっかりありますが、白ワインとは思えないほど豊かなボディですね。
それでいて酸もしっかり感じられて大変美味しいです。

●栄螺と真菰茸のタリオリーニ風
タリオリーニ風というのは細く麺状に切った石橋牛蒡を使ってあるから。
とても柔らかくてサクサクと心地良い歯触りが楽しめます。
栄螺と真菰茸との相性も抜群、石橋牛蒡が主役のお皿なんでした。
確かにタリオリーニになってます。

●桜豚と平茸のソテー
もちろん平茸は天然です、すごーい!
秋田の秋の味覚なんだそうです。
天然の平茸って香りが抜群で味が濃いです。
桜豚の柔らかな肉と脂とぴったり、主役を奪う活躍です。
合わせるとバターのような濃厚な味と香りになるんです。
宇佐美さんがただ焼いただけなんです、調味料も使ってませんとw
秋田の豊かさを更に更に実感します。

●メトド・クラッシコ:ジャンニ・テッサーリ 60mesi 2010
次に宇佐美さんが選んでくれたのは、メトド・クラッシコ(瓶内二次醗酵)の白。
60mesi=60ヶ月ですから5年熟成してから出荷したんですね。
それが2010年ってことはさらに12年を経た発泡ワインです。
泡がきめ細やかでシャンパンのような上品さがあり、ガス圧も十分で熟成した甘くて華やかな香り。
味わいはリッチで滑らか、うっとりする美味しさです。

●鰆のチュピン
ジャンニ・テッサーリさん(会ったことないけど縁を感じる)の傑作を味わっていると、今度は何やら紅色の濃厚そうなスープが出てきました。
これはリグーリアやカラブリアで食べるチュピンというスープだそうで。
行ったことあるけど食べたことないぞ・・・
使っているのは鰆にカラブリアの唐辛子、それと赤玉葱とのこと。
鰆は海水を塗って冷蔵庫で乾燥させること1.5日ほど、十分に旨味が凝縮したところで擦り潰してスープにしてあります。
とろりとした口当たりのスープは甘くて辛くてコクがあってキレもあります。
濃厚な味なのにすっきり、後引きな味です。
ゴクゴク飲んでは勿体ないwじっくり味わっていただきました。

★比内地鶏と天然舞茸のカルトッチョ:スープが人生一の旨さ
紙に包んでオーブンで焼かれたものがカウンターに置かれました。
cartoccioからはとても香ばしい鶏肉の焼けた匂いがします。
比内地鶏と一緒に入っているのは天然の舞茸、先日地元でも運良くいただきましたが、香りが全然違います。
今朝届いたばかりの天然舞茸ですから、鮮度抜群です。
これが美味くない道理がない、特に染み出したスープは我が人生で最も美味いと断言できるスープでした。
これを飲んだらもう死ぬしかないw恍惚とするってこう云うことを言うんでしょうか・・・

●自家製ニョッキ
宇佐美さんはニョッキも一から自分で作ります(私も作りますけどw)。
だってそのほうが美味しいですよね。
美味しい兎肉が手に入ったそうで、豆と一緒に炊いてニョッキと合わせてくれました。
私は卯年ですがwコニーリョには目がないので、ワクワクしながらいただきました。
ジブロット風にコニーリョとファッジョーリを白ワインで煮込み、茹でたてのニョッキと絡めれば出来上がりのシンプルな料理ですが、素材が良いとここまで美味しくなるかぁそうか。
噛むことのプリミティブな喜びをたっぷり味わいました。

●赤ワイン:サンタ・ゴスティーノ 2015
シチリアの赤と云えばネッロ・ダーヴォラですが、これはシラーとブレンドしてあるとのこと。
豊潤な香りと味わいはそのままに、野暮ったさ(が良いんだけど)はなくなって上品な後味と余韻が生まれています。
普段自宅ではネッロ・ダーヴォラ100%しか飲まないですから却って新鮮です。

●里芋のサラダ仕立て
茹でて擦った里芋の上に乗っているのは饅鰻(ぬたうなぎ)!
食べたことあったか記憶にないよw
里芋には紅玉が細かく切って混ぜ込んであり、しゃりしゃり食感と爽やかな香り、円やかな酸味と甘味を加えてくれるので饅鰻のクセというか泥臭さは感じられません。
秋刀魚の香りがするホルモンwって言う感じでしょうか・・・
素直に美味しいんだけど、食べたことがないから味の表現が見当たらない。
ワイフは韓国で食べたと言っていました。

★ラム肉のソテー
秋田産の白茄子をペースト状にして敷き、分厚いラム肉を表面だけしっかり焼いて乗せてあります。
上にはカリカリに揚げた細切りの牛蒡が乗っており、ごく軽く岩塩が散りばめてあってお皿の美しさ&完成度が素晴らしい。
では早速一口・・・大変柔らかくて香り高いラム肉ですね。
肉汁もたっぷりあってジューシー、完璧な焼き上がりです。
これを美味いと云わずして何を美味いと云えば良いのだ!と云うくらい美味いですw
秋田県北部の藤里町というところで飼育されているサフォーク種は、数も少なくて滅多に食べられませんから大変ラッキーでした。
ちなみに、ラムは生後12か月未満の羊、マトンは生後2年以上の羊のことで、その間の羊はホゲットと言います。

●デザート:香茸のアイスクリーム
幻と言われる香茸をデザートに使うなんて!と思いますが、香茸の味と香りを余すところなく楽しめる一品です。
アイスクリームメーカーに細かく刻んだ香茸を入れてしばらくするとアイスクリームになりました。
それと普通のバニラアイス(って言っても濃くて美味い)と合わせて盛り付けてくれました。
香茸の仄かな苦味とコリコリとした食感、そしてびっくりするほどの旨味を楽しみました。

ああ、これで今日の至福の時間も終わりに近づきました。
グラッパをいただきながら、今日の食材についていろいろとお話を伺いました。
それと今度、日比谷で限定のチェーナイベントを3日間開催すると云う話も聞かせてもらいました。
それは是非行きます!と言ったら既に予約でいっぱいなんだそうで・・・そりゃそうだねw
秋田まで来られない全国のファンもいらっしゃるでしょうから、日比谷の席はお譲りします(負け惜しみ)。

2人でワイン5本、デザートを含めて全13皿、存分に4時間楽しませていただきました。
宇佐美さんには感謝しかありません。
年内にもう一度来たいとワイフがゴネ始めたのでw年末にお伺いすることになりそうです。

今日もご馳走様でした!

  • f - 不意に来る客を丁寧に拒むw入口です

    不意に来る客を丁寧に拒むw入口です

  • f - このドアを開けるたびにワクワクドキドキします

    このドアを開けるたびにワクワクドキドキします

  • f - 調理を始めた宇佐美さんの手元を眺めつつフェッラーリを飲む幸せ

    調理を始めた宇佐美さんの手元を眺めつつフェッラーリを飲む幸せ

  • f - 渡蟹のインサラータです

    渡蟹のインサラータです

  • f - 渡蟹と落花生と自家製ボッタルガを軽くマンテカーレ

    渡蟹と落花生と自家製ボッタルガを軽くマンテカーレ

  • f - 鼬魚(いたちうお)のフリットです

    鼬魚(いたちうお)のフリットです

  • f - とても上品な白身でふっくらと甘くフェンネルの香りが鼻腔を擽ります

    とても上品な白身でふっくらと甘くフェンネルの香りが鼻腔を擽ります

  • f - 2本目はイスキア島の土着品種ビアンコレッラとフォラステッラで造ったフラシテッリ

    2本目はイスキア島の土着品種ビアンコレッラとフォラステッラで造ったフラシテッリ

  • f - とんぶりのどんぶりですw

    とんぶりのどんぶりですw

  • f - とんぶりに牡丹海老と松茸を細かく切って和えたどんぶりって・・・すごい!

    とんぶりに牡丹海老と松茸を細かく切って和えたどんぶりって・・・すごい!

  • f - 強烈に旨味の強い真鰭に梨と茗荷とミントをリンゴ酢とオリーブオイルでマリネってどうしてこんなこと思いつくのかなw

    強烈に旨味の強い真鰭に梨と茗荷とミントをリンゴ酢とオリーブオイルでマリネってどうしてこんなこと思いつくのかなw

  • f - アオリイカと自家製パンチェッタのソテー

    アオリイカと自家製パンチェッタのソテー

  • f - 松の実と三関の芹とアオリイカをパンチェッタの脂でコーティング

    松の実と三関の芹とアオリイカをパンチェッタの脂でコーティング

  • f - 3本目はディ・レナールド ”サンクス”

    3本目はディ・レナールド ”サンクス”

  • f - 栄螺と真菰茸のタリオリーニ風です

    栄螺と真菰茸のタリオリーニ風です

  • f - 細く麺状に切った石橋牛蒡の柔らかさと旨味が炸裂します

    細く麺状に切った石橋牛蒡の柔らかさと旨味が炸裂します

  • f - 桜豚と平茸のソテーです

    桜豚と平茸のソテーです

  • f - 桜豚の脂を平茸が全部受け止めて最高の味わいになってます 主役は平茸ですねw

    桜豚の脂を平茸が全部受け止めて最高の味わいになってます 主役は平茸ですねw

  • f - 4本目はメトド・クラッシコ 5年瓶内二次発酵させたジャンニ・テッサーリです

    4本目はメトド・クラッシコ 5年瓶内二次発酵させたジャンニ・テッサーリです

  • f - 鰆のチュピンはカラブリアのスープ 唐辛子と赤玉葱で鮮やかでコクのあるスープになっています 

    鰆のチュピンはカラブリアのスープ 唐辛子と赤玉葱で鮮やかでコクのあるスープになっています 

  • f - パンももちろん自家製 ザクザクとした食感が堪りません

    パンももちろん自家製 ザクザクとした食感が堪りません

  • f - 比内地鶏と天然舞茸のカルトッツォ

    比内地鶏と天然舞茸のカルトッツォ

  • f - 本日一番感激した味わい スープが絶品でした

    本日一番感激した味わい スープが絶品でした

  • f - 自家製ニョッキはコニーリョとファッジョーリを合わせてあります

    自家製ニョッキはコニーリョとファッジョーリを合わせてあります

  • f - 素材が良いとここまで美味しくなるって云うお手本のような一皿です

    素材が良いとここまで美味しくなるって云うお手本のような一皿です

  • f - 5本目はサンタ・ゴスティーノ シチリアの赤ですがネッロ・ダーヴォラにシラーをブレンドしてあります

    5本目はサンタ・ゴスティーノ シチリアの赤ですがネッロ・ダーヴォラにシラーをブレンドしてあります

  • f - 里芋のサラダ仕立てにはぬたうなぎが乗っています

    里芋のサラダ仕立てにはぬたうなぎが乗っています

  • f - 里芋には紅玉が細かく切って混ぜ込んであってぬたうなぎとの相性抜群でした

    里芋には紅玉が細かく切って混ぜ込んであってぬたうなぎとの相性抜群でした

  • f - 秋田産サフォーク種ラム肉のソテー 超美味!

    秋田産サフォーク種ラム肉のソテー 超美味!

  • f - 白茄子をペースト状にして敷き、上には石橋牛蒡を細切りにして揚げたものが乗っています

    白茄子をペースト状にして敷き、上には石橋牛蒡を細切りにして揚げたものが乗っています

  • f - デザートは香茸のアイスクリーム! 香茸をデザートにするなんて凄すぎる!

    デザートは香茸のアイスクリーム! 香茸をデザートにするなんて凄すぎる!

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2022/05訪問4回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥20,000~¥29,9991人

[秋田某所]日本が秋田が世界に誇れる素晴らしい店です

4回目のエッフェです。
毎回伺う度に驚きと感激と発見があります。
そして秋田という土地の食材の豊かさを実感し、毎回クラクラしながら店を後にしていますw

宇佐美さんのお人柄も素晴らしいし、何もかもが楽しくて仕方ありません。
しかも来る度にどんどん皿のレベルがアップしていきます。
もう完全にハマってます。

さて、本日は4人で伺いました。
お隣はお一人様の男性です。
この店にソロの客は珍しいですね。
では、今宵はアンドレ・アリーチのフランチャコルタでスタートです!

●渡蟹のサラダ仕立て
焼いた茄子と和えてフェンネルの香りをたっぷり立たせたサラダ風の一品。
宇佐美さんの食材に対する深い洞察力が発揮されています。
だって茄子と渡蟹を合わせるんだよすごいよね。
味の濃い渡蟹の旨味爆発、蟹味噌も入っていて最初から秋田の旬の食材満喫です。

●墨烏賊としどけのフリット
続いては揚げ物、身の厚い墨烏賊に旬の山菜しどけを合わせて衣を纏わせたフリットです。
なんという素晴らしい香りがするんでしょうか。
食べる前から美味しい保証付きですw
ふっくら入った火が墨烏賊の甘さを引き立てています。
秋田まで食べに来る価値がある料理です。

フランチャコルタがあっという間になくなったので、パントゥンというヴェルデカ主体の白ワインをいただきつつ、さらなる料理を待ちます。
もうすでにテンションマックスですが、表情は冷静を保っています。
男子たるもの、無邪気に喜んでいる場合じゃないからねw

●黒鯥のグリル
お次は焼き物、こんがりと焼き上がった黒鯥の上に細切りにした蕪と削ったボッタルガが乗っていて、レモンオリーブオイルが回しかけられています。
これも香り抜群、レモンの爽やかな香りも旨味ですね。
ジューシーな黒鯥の身と脂、しっかり焼けた皮がとんでもなく旨いですが、蕪とボッタルガも効いてます。
焼いただけで旨いのにシャキシャキ蕪とボッタルガを組み合わせるなんて、宇佐美さん凄過ぎw

●桜鱒の法蓮草包み
包丁で叩いてマッシュしたという桜鱒にランゲ(ということはピエモンテ)のトーマチーズを一緒に練り込み、法蓮草で丸く包んでインボルティーニ風にオーヴンで焼き上げてあります。
中は半生というか、火が通り切っていないので桜鱒の香りと味の旨味が際立っています。
どうしてこういうことを思いつくのか&この火入れ加減が思い浮かぶのか、宇佐美さんの頭の中を覗いてみたいよw
トーマチーズの柔らかい香りが立ち上り、チーズのコクを纏った桜鱒は無敵です。
旬の川魚は淡白な味わいだけでなく、力強さというか素材の持つエネルギーを感じます。
優しいけど強い味です。

●貝のスープで炊いた大鳴子百合
今度は見たこともない食材がエスプーマを纏って登場。
大鳴子百合ってなに?(百合だ)食べられるの?(だから出てきた)と馬鹿みたいなことしか思い浮かばないw
あとで検索したら、滅多にお目にかかれない高級山菜だそうです。
もちろん初めていただきます。
根は剃って淡い甘さがあるソースとしてかけられていますがエスプーマではなく、粘性があって泡立つんだとか。
食感はとろりとしたグリーンアスパラな感じでシャキシャキ感もあり、まさに春の咽せるような若さを感じる味わいです。
西貝の出汁で炊かれた大鳴子百合は大変印象に残る一皿でした。
エッフェに来て良かった、心からそう思います。

●たらの芽を練り込んだ山芋とクラテッロのピッツァ風
今度はスライスしたクラテッロが丁寧にペーパーに広げられていきます。
オーブンでカリッと焼いた山芋の生地にスカモルツァを乗せ、その上にクラテッロを敷いてさらに凍らせたバターマンゴーシャーベットをガリガリと削ってたっぷりとかけてくれました。
ほんのり苦いたらの芽がふわっとカリッとした食感の山芋に包まれて香り抜群、そこにクラテッロとスカモルツァの塩味(えんみぢゃないよしおあじだよ)が来てマンゴーの甘塩っぱい味わいが冷たく切れ味良く余韻を出してくれます。
なんじゃこれ!?
苦くて甘くて塩っぱくて熱々で冷たくてすごく美味しい・・・
もう降参です食べるけどw

I'OraというTNだからトレンティーノ・アルトアディジェのノジオラをいただいて、クラテッロの濃厚で上品な塩味(だからえんみぢゃないって)を楽しんでいると、今度は魚が焼けるとても良い香りが店内に広がってきましたよ。

●雉子羽太のソテー
淡いピンク色の美しい雉子羽太をゆっくり温度を上げてスダーレし、ふわふわな食感に仕上げてあります。
雉子羽太って秋田でも揚がるんだね〜びっくり。
西日本では九絵、羽太といえば高級魚の代名詞ですが、なかでも雉子羽太は希少です。
敷いてある根曲り竹がオリーブオイルでこんがり焼かれ、雉子羽太のふわふわと良いコントラストですね。
シンプルに丁寧に火入れするからこその絶品料理です。
これは悶えますw

●高原比内地鶏のモモとムネのグリル
雉子羽太の次は比内地鶏ですwもうどうしたらいいのっていうくらい嬉しいよ。
それもただの比内地鶏じゃなく、黎明舎系の高原比内地鶏です。
比内地鶏は2007年の偽装事件をきっかけに県畜産試験場系の比内地鶏に置き換えられたそうですが、昔ながらの味わいの濃い黎明舎系がびっそり残っていて、それがこの高原比内地鶏なんだとか。
粗く刻んだ紫アスパラのソースに皮目がパリッと焼けた高原比内地鶏が飛び切り美味い。
卵と蜂蜜、フレンチマスタードでアレンジしたアングレーズソースがぴったりハマっていますね。
全国各地に美味い鶏肉があってどれも好きですけど、この高原比内地鶏は別格です。
特にムネ肉はしっとりとしていてとてもジューシー、ムネ肉のイメージが一変しますよ。
これも悶えますw

●全粒粉タリオリーニ
自家製のパンをオーブンで温めて出してもらい(パンを切るときのザクザクとした音が堪らない)、高原比内地鶏ってこんなに美味いんだ〜と感激していると、今度は宇佐美さんが打った生タリオリーニが登場。
ソースはコシアブラと胡桃が混ぜ込んであって、塩味(えんみぢゃないよしおあじだよ)は何と雲丹で取ってあります。
うわーうわーうわー美味いw
パスタにも山菜を使って季節感だけでなく苦旨い初夏の酸味も味わえるとは心憎いです。
すでに9皿目ですが、どれ一つとして同じ類の味はなく、どれも違ってどれも美味しい・・・凄すぎるでしょ。

●久六島の蒸し鮑
秋田と青森で領有権を争ったらしい日本海屈指の好漁場、久六島で採れたサイズ感のある鮑です。
新玉葱と水だけで蒸したんだそうで・・・
その炊いた汁を煮詰めて、そこに加えたのは何とエスプレッソを叩いて作ったパウダー。
苦味と甘味が鮑の旨さを極限まで引き出してくれます。
ああ、今日も美味しくてすでにヘロヘロですw

ヘロヘロになりつつワインが切れたので、今度はお馴染みのプラネタが登場。
でもCOMETAってあまり見かけないな。
シチリアの土着品種フィアーノ100%の濃厚芳醇な白ワインです。
これは温度が上がったらさぞかしブーケが立つだろうなという素敵なワインでした。

●桜豚のグリル 重兵衛トマトと栄螺と蕗の薹のラグー
これも秋田では旬の蕗の薹が爽やかに香り、トマトソースに栄螺がゴロゴロとたくさん入って豚肉の上に乗っています。
重兵衛トマトは何か味を足したのかと感じるくらい超濃厚で(糖度が7度以上あるんだって)、そこに栄螺の旨味が加わるものですからとんでもないことになってます。
桜豚の脂と栄螺とトマトソースがタッグを組んで、蕗の薹の香りが優しくサポート。
なんだかもうダメ押しのダメ押しを食らってるみたいに強烈な皿が次々と繰り出されて至福なんだけどノックアウト状態です。

これに合わせるのはガッティナーラの2013年。
一度見たら忘れない特徴的なボトルのネッビオーロ100%です。
溶岩に流されて溶けちゃった瓶みたいですからご存知の方もいると思います。
スパイシーですがバラのような優雅な香りがしてタンニンが柔らかく、余韻がとても長いです。
肉をいただくにはベストのコンディションですね。

●蕨、虎杖、秋田錦牛、オクラのコンポジット
秋田錦牛がメインの食材ということではなく、どれも主役級です。
軽く焼いて香りを立たせた蕨と虎杖を、これも軽い火入れの秋田錦牛と和えてチーズとポテトチップスを食感のアクセントに加え、さらに細かくしたチーズとオクラを散りばめてあります。
これまでいただいたどの皿とも違う香りと味わいなんですけど、山菜と秋田の食材という組み合わせは同じです。
この単純な方程式にこれだけ多くの解が用意されているとは本当に驚きでしかありません。
美味しいだけでなく、香りが今この時の秋田なんです。
日中は天気も良くて汗ばむ陽気ですが、吹く風は爽やかで緑の匂いがします。
まさにこの時季の秋田の香りと味を、贅沢にもそのままいただいています。

●グラッパのグラニテ
ついにデザートの時間になりましたw
18時からスタートで既に22時を回っていますから、4時間以上食べ続けていますが本当にあっという間。
楽しくて美味しい時間は一瞬に感じます。
このバニラ主体のグラニテも凝りまくっていて、泥鰌をグラッパと生のベルガモットでベロベロにしてキャラメリゼして粉々にしたものwと日向夏が入っています。
泥鰌入りのデザートなんて世の中で食べたことがある人いるのかなw
こんなに楽しい食事は日本国中どこを探してもエッフェにしかないと思います。

さて、お名残惜しいですが始まりがあれば終わりがあるということで、本日の至福の時間が終了。
昨日伺った鮨駒での宇佐美さんのエピソードなどを伺って、楽しい食後のひと時を過ごしました。
その際にお一人様の男性ともお話をしたのですが、なんと某有名食品メーカーで社命で全国を食べ歩いている方でした。
羨ましい・・・仕事で全国食べ歩けるなんて・・・
それでお給料もらえるなら即転職します!!入れてくれ〜〜〜w
やってみると体調管理も含めて大変なんだそうですけど、絶対やりたい。

ということで毎回マイギネス更新の素晴らしい料理を今宵もいただくことができました。
次回はいつ伺えるかわかりませんが、また次回は何をどうアレンジして食べさせてくれるのかワクワクしながらお邪魔します。
秋田人はこの店を誇りに思うべきですね。
こんなに素晴らしい店は日本中探してもここだけです。
5点満点で5万点差し上げたいw

ご馳走様でした!!!!!

kebiちゃんごめん、また興奮しちゃったけどなんとか4000wくらいに収めたよ・・・

  • f - いつもの人を寄せ付けない看板が出迎えてくれますw

    いつもの人を寄せ付けない看板が出迎えてくれますw

  • f - この扉をスライドさせれば至福の時間が過ごせることを保証します

    この扉をスライドさせれば至福の時間が過ごせることを保証します

  • f - 最初はフランチャコルタで華やかにスタート

    最初はフランチャコルタで華やかにスタート

  • f - 作品1:渡蟹のサラダ仕立て

    作品1:渡蟹のサラダ仕立て

  • f - 渡蟹のほぐし身を焼いた茄子と和えてフェンネルの香りをたっぷり立たせたサラダ風の一品です

    渡蟹のほぐし身を焼いた茄子と和えてフェンネルの香りをたっぷり立たせたサラダ風の一品です

  • f - 作品2:墨烏賊としどけのフリット

    作品2:墨烏賊としどけのフリット

  • f - 身の厚い墨烏賊に旬の山菜しどけを混ぜ込んで身と合わせて衣を纏わせたフリットです

    身の厚い墨烏賊に旬の山菜しどけを混ぜ込んで身と合わせて衣を纏わせたフリットです

  • f - 2本目はパントゥンというヴェルデカ主体の白ワイン

    2本目はパントゥンというヴェルデカ主体の白ワイン

  • f - 作品3:黒鯥のグリル

    作品3:黒鯥のグリル

  • f - 黒鯥の上に細切りにした蕪と削ったボッタルガが乗っていて、レモンオリーブオイルが回しかけられています

    黒鯥の上に細切りにした蕪と削ったボッタルガが乗っていて、レモンオリーブオイルが回しかけられています

  • f - 作品4:桜鱒の法蓮草包み

    作品4:桜鱒の法蓮草包み

  • f - 包丁で叩いてマッシュした桜鱒にランゲのトーマチーズを練り込み法蓮草で丸く包んでインボルティーニ風にしてあります

    包丁で叩いてマッシュした桜鱒にランゲのトーマチーズを練り込み法蓮草で丸く包んでインボルティーニ風にしてあります

  • f - 表面だけ火を通して中は半生に見えますがちゃんと温度は上がっていて香りが抜群 もう最高です

    表面だけ火を通して中は半生に見えますがちゃんと温度は上がっていて香りが抜群 もう最高です

  • f - 作品5:貝のスープで炊いた大鳴子百合

    作品5:貝のスープで炊いた大鳴子百合

  • f - 大鳴子百合は滅多にお目にかかれないという高級山菜だそうです 春の咽せるような若さを感じる味わいです

    大鳴子百合は滅多にお目にかかれないという高級山菜だそうです 春の咽せるような若さを感じる味わいです

  • f - 作品6:たらの芽を練り込んだ山芋とクラテッロのピッツァ

    作品6:たらの芽を練り込んだ山芋とクラテッロのピッツァ

  • f - オーブンでカリッと焼いた山芋の生地にスカモルツァを乗せ、その上にクラテッロを敷いてさらに凍らせたバターマンゴーシャーベット!

    オーブンでカリッと焼いた山芋の生地にスカモルツァを乗せ、その上にクラテッロを敷いてさらに凍らせたバターマンゴーシャーベット!

  • f - 3本目はI'Oraというトレンティーノ・アルトアディジェのノジオラ

    3本目はI'Oraというトレンティーノ・アルトアディジェのノジオラ

  • f - 作品7:雉子羽太のソテー

    作品7:雉子羽太のソテー

  • f - 淡いピンク色の美しい高級魚、雉子羽太をゆっくり温度を上げてスダーレしふわふわな食感に 敷いてあるのは根曲がり竹のソテー

    淡いピンク色の美しい高級魚、雉子羽太をゆっくり温度を上げてスダーレしふわふわな食感に 敷いてあるのは根曲がり竹のソテー

  • f - 作品8:高原比内地鶏のモモとムネのグリル

    作品8:高原比内地鶏のモモとムネのグリル

  • f - 黎明舎系の今では希少な高原比内地鶏をパリッと焼いて粗く刻んだ紫アスパラのアングレーズソースです もう泣いちゃう!

    黎明舎系の今では希少な高原比内地鶏をパリッと焼いて粗く刻んだ紫アスパラのアングレーズソースです もう泣いちゃう!

  • f - この自家製パンが途轍もなく旨い パン屋さんはこの店に食べに行く価値がありますよ

    この自家製パンが途轍もなく旨い パン屋さんはこの店に食べに行く価値がありますよ

  • f - 作品9:自家製の全粒粉タリオリーニ

    作品9:自家製の全粒粉タリオリーニ

  • f - ソースにはコシアブラと胡桃が混ぜ込んであって塩味は何と雲丹で出しています!

    ソースにはコシアブラと胡桃が混ぜ込んであって塩味は何と雲丹で出しています!

  • f - 作品10:久六島の蒸し鮑

    作品10:久六島の蒸し鮑

  • f - 秋田と青森で領有権を争った日本海屈指の好漁場で採れたサイズ感のある鮑を新玉葱と水だけで蒸してあります

    秋田と青森で領有権を争った日本海屈指の好漁場で採れたサイズ感のある鮑を新玉葱と水だけで蒸してあります

  • f - 4本目はプラネタ、シチリアの土着品種フィアーノ100%の濃厚芳醇な白ワインです

    4本目はプラネタ、シチリアの土着品種フィアーノ100%の濃厚芳醇な白ワインです

  • f - COMETAだから彗星ですね

    COMETAだから彗星ですね

  • f - 作品11:桜豚のグリル 重兵衛トマトと栄螺と蕗の薹のラグー

    作品11:桜豚のグリル 重兵衛トマトと栄螺と蕗の薹のラグー

  • f - 旬の蕗の薹とトマトソースに栄螺がゴロゴロとたくさん入って豚肉の上に乗っています

    旬の蕗の薹とトマトソースに栄螺がゴロゴロとたくさん入って豚肉の上に乗っています

  • f - 作品12:蕨 虎杖 秋田錦牛 オクラのコンポジット

    作品12:蕨 虎杖 秋田錦牛 オクラのコンポジット

  • f - 軽く焼いて香りを立たせた蕨と虎杖を秋田錦牛と和えてチーズとポテトチップスを食感のアクセントに加え細かくしたチーズとオクラを散りばめてあります

    軽く焼いて香りを立たせた蕨と虎杖を秋田錦牛と和えてチーズとポテトチップスを食感のアクセントに加え細かくしたチーズとオクラを散りばめてあります

  • f - 5本目はガッティナーラの2013年

    5本目はガッティナーラの2013年

  • f - 一度見たら忘れない特徴的なボトルのネッビオーロ100%です

    一度見たら忘れない特徴的なボトルのネッビオーロ100%です

  • f - 最終作品:グラッパのグラニテ

    最終作品:グラッパのグラニテ

  • f - 泥鰌をグラッパと生のベルガモットでベロベロにしてキャラメリゼして粉々にしたものと日向夏がグラニテの下に敷いてあります

    泥鰌をグラッパと生のベルガモットでベロベロにしてキャラメリゼして粉々にしたものと日向夏がグラニテの下に敷いてあります

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2022/02訪問3回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥20,000~¥29,9991人

【秋田某所】Il solo ed unico 他では決して味わえない宇佐美シェフの料理

3度目のエッフェ。
初めて伺って以来、こんなに料理で感激することがあるのかという体験をさせてもらっています。
こんな体験は京味、Martin Berasategui、あら輝、L'ami Jean…数えるほどしかありません。
京味もあら輝も今は昔、コロナでは海外に行けませんからエッフェに伺って食事することが、大袈裟かもしれませんけど我々夫婦の生きるモチベーション&生活リズムの1つになっています。

さて、今日は真冬の秋田、どんな料理が出てくるのかもう朝からそれしか頭にないw(からラーメン食べた)
想像してもわからないので(当たり前だ)、秋田市民市場で見た食材が宇佐美さんの手に掛かってどんな風に変わるのか妄想するだけですけどそれが楽しい。
思いも拠らない食材の組み合わせ&調理の仕方&ワンオペのライブ感&どこで入手しているのかわからないワインの数々・・・何もかもが素晴らしいですから、もう開店時間前から掛かり気味です。

いつもの極めてハードルの高そうな店先のインフォメーションを眺めつつ店内へ。
この廊下を抜けてフロアに入る瞬間が堪りませんw
宇佐美さんにご挨拶して、今日は奥のカウンター席へ。
 
着席すると、宇佐美さんがご予約は18時半でしたよね?と仰います。
あれ、18時じゃなかったっけ?逸る気持ちが抑えられず勘違いしたようですw
まだ仕込みが終わっていないので少々お待ちくださいとのこと、どうぞどうぞごゆっくり。
先に泡召し上がりますか?とお気遣いいただいて、コッパまで出して下さいました。
こちらの間違いなのにご対応下さってありがとうございます。m(_ _)m

●スプマンテ:フェッラーリ・ペルレ・ミレジム 2015
シャルドネ100%で粒立ちの細やかなスプマンテです。
メトド・クラシコですからシャンパーニュやフランチャコルタといってもいいくらい。
エレガントなのにフレッシュで花のような香りが清々しいですね。

●コッパ
スプマンテのアテにスライスして出してくれました。
仕込み中なのに本当に申し訳ありません。
かなり熟成の進んだ(おそらく2年は経ってるはず)コッパで旨味が強くてはっきりしています。
素材オンリーでもこれだけ美味しいんですから、この後の料理への期待が際限なく高まります。

●ずわい蟹とひろっこのサラダ
ひろっこは浅葱の新芽です(学習してます)。
この時季の秋田の味覚ですね。
それと地元で獲れたずわい蟹のほぐし身を和えてオレンジの香り高いオリーブオイルでまとめてあります。
秋田の食材の組み合わせは意外なアッビナメントを生み出すというか時に化学反応を起こすんですが、これもその類で真冬なのに春がもうすぐ来るねという味になってます。
爽やかで甘苦くて旨味の余韻が舌に残る印象的な味、最初からこんなに旨くてどうするのw

●黒ムツのフリット
脂の乗った厚切りの黒ムツに目の前で摺り下ろした秋田の薯蕷(山の芋)をつけて揚げます。
薯蕷は強烈な粘りがあり、自然薯もびっくりの濃さですが、このくらいじゃないと脂の乗った黒ムツに負けちゃうんだそうです。
時間をかけてじっくり揚げたフリットは甘さのある衣の下からジュワッと脂が湧いてきて食べる快感そのもの。
1人1ピースなんて云わず10ピースは食べたい美味しさだけどこの後があるからねw

●ワイン:サンクト・ヴァレンティン 2019
アルト・アディジェのソーヴィニヨン・ブランDOCです。
ミネラル感のあるものをリクエストしたら宇佐美さんが選んでくれました。
やや緑っぽい黄色で軽い酸味がありボディはソフトな印象。
ミネラル感もあり、白ワインなのにエレガントな飲み心地です。
これは肉にも合わせられそうだ。

●三関の芹と赤目鯛 グアンチャーレのソテー
とんでもなく旨そうな香りがします。
赤目鯛と三関の芹をグアンチャーレの塩気だけでソテーしたとのこと、他に調味料は要らないとか。
確かに素材の持つシンプルではっきりした味、淡白なのに骨格のしっかりした味です。
身の間にある僅かな脂がグアンチャーレと反応してフォンのような役割です。
単純に旨いというレベルじゃない、身も心も震える旨さです。
ひろっこも芹も市場で見かけたので今日使うかなとは思っていたのですが、まさかこんな風に出てくるとは・・・

●山内(さんない)人参のブリュレ 雲丹乗せ
山内人参は横手山内地区特産の品種で、これまで作り手が少なく手に入らなかったそうです。
糖度が極めて高いのに、太くて長いので使い勝手が悪くて作付けが減ってしまったとか。
その山内人参を5時間蒸して(!)皮を目の前で剥がし、どっさりと雲丹を乗せて珈琲カップに盛り付けて出してくれました。
これがデザートだと言われても納得するくらい甘い人参に、雲丹の海塩が乗ってきてとんでもなく旨い。
人参と雲丹の組み合わせってムースくらいしか聞きませんが、ごく自然に当たり前のように受け入れられる絶妙の味わいです。

●甘鯛のグリル クラテッロ乗せ
続いて秋田産の甘鯛がグリルされて登場。
でもここからが全く予想外で、クラテッロを乗せ(まあここまではわかる)、さらにバターと紅の夢というリンゴを凍らせたシャーベットを削ってふりかけてあります。
なにこれ〜!もう♡が乙女状態ですよw
サクッと火が通ってパリパリの鱗をクラテッロの塩気と脂が包み込み、甘塩っぱさがさらに追いかけてきます。
全部混じると美味しいという言葉以外に何も出てこないw
美味しくて打ちのめされるってこと、あるんだね。

●ワイン:カペッツァーナ・トレッビアーノ 2019
フィレンツェ近郊の白ワインらしい。トレッビアーノ100%です。
黄金色で樽熟したような甘味と香りがあり、しばらくすると軽やかな酸味が感じられます。
このラベルに見覚えがあるなと思ったら、オリーブオイルで同じものがありました。
ワイナリーでオリーブも収穫しているところは結構あります。

●比内地鶏のポルペッテ
比内地鶏もそのまま焼いて出さずw丸めてポルペッテにしてシチリアの松の実とグリルしてあります。
半分に切って焼き付けたのは春菊、こういう発想はどこで湧くんでしょうか、宇佐美さんの頭の中を覗いてみたいw
しかも、いさじゃ(八郎潟のアミ)を混ぜたレモン風味のオリーブオイルを掛けてあります。
塩っぱ酸っぱ甘くて比内地鶏の旨味が口の中で爆発、松の実特有のコリコリ食感に春菊の香りがします。
何でこれでバランスが取れるのか不思議だけど、旨いんだから脱帽です。
比内地鶏って噛むほどに旨い鶏肉だなと改めて実感します。

●自家製パン
ロースターの上で焼き上がった後ずっと保温していたパンがザクザクと切られて出てきます。
この切ってる音がもう美味しいと臨席の奥様から名言が出ましたよw
毎回いただいて感心するのは、パンの甘味。
おそらく発酵時間を長く取っているので、ふくよかでしっとりしていて生地のキメが細かい秋田美人みたいなパンです。
全粒粉とプレーンの2種類がいただけます。

●大館さくら豚 肩ロースのグリル 台湾産の棗乗せ 
大館さくら豚は雌しか出荷しない希少品種だそうで、その肩ロースを長時間低温調理してしっとり焼き上げてあります。
大きく切り分けた肉塊の上に賽の目切りにして乗っているのは台湾産の棗。
林檎のようなさっくりした食感と酸味のある甘味が桜豚のしっとりした食感とジューシーな味わいとのコントラストを生みます。
肉だけでも飛び切り旨いのに、ここに棗が乗るとマイブームの甘塩っぱい味になります。
前回とは違ったアレンジでこうも味の印象が変わるものなのかと感心しきり。
いつまでも噛んでいたい味なんだけど、食べるとなくなっちゃうんだよなぁw

●ワイン:ボルゴ・ディ・ジェーテ 2015
抜栓した途端に広がる圧倒的なブーケ、独特の甘い香りがします。
南イタリアコッリ・ディ・サレルノの赤ワインでティントーレ・ディ・トラモンティという土着品種です。
飲むの初めてだ。
タンニンは薄くミディアムボディで、僅かにダークチェリーのような渋味を感じます。
これなら肉でも魚でも選ばずに合わせられそうです。

●あきたこまちのリゾット 
蕗の薹が入った早春のリゾットは貝の出汁を煮詰めたブロードで炊いてあります。
振りかけられているのはありがちなトリュフではなく、エスプレッソの粉。
米の甘味に蕗の薹の苦味と香り、貝の出汁の旨味が加わって春の味ですね。
もうすぐ来る春を待ちかねている宇佐美さんの心境が表れた一皿かもしれません。
今年は大雪でもう勘弁して欲しいと仰ってましたから。

●黒穴子のソテー
秋田の大きな穴子を皮目だけじっくり焼き上げ、パイナップルの芯に近いところと独活を敷いた一皿。
この身の幅広さだけ見てもそこそこのサイズの穴子であることがわかります。
皮目はカリッと、身はふっくら柔らかく焼き上がっていて淡白な旨味が堪らない。
独活とパイナップルの爽やかな酸味がレモンなどよりも一層味を引き立ててくれます。
このセンスが素晴らしいよね。

●ダダミとトマトとトンノのボロネーゼ
ダダミ(鱈の白子)とドライトマトを戻してオリーブオイルで和えたもの、それにツナをマリネ風にアレンジしてあります。
主役はこの時季ならではの大きくてとろとろのダダミ。
炙ったカーボロネッロが上に乗っています。
トマトとツナがダダミの旨味と絶妙なバランスです。
トマトと合わせるなんて考えもしませんけど、こんなに美味しくなるなら大いにありです。

●ワイン:ルケ・ディ・カスタニョーレ・モンフェッラート
オペラ・プリマ(最高傑作)と自信満々にラベルに入れるだけあって甘くてふくよかな香りと濃いタンニン、大変好みのフルボディです。
フルボディのさらに上くらいの骨格ですw
樽熟のどっしり感があるしっかりしたテクスチャーで、ブルゴーニュもびっくりでしょう。
裏ラベルにはナンバリングもあり、限られた本数しか造られていないようですね。
これはコースのこの辺りに出そうという宇佐美さんの計らいを感じましたありがとうございます。

●秋田錦牛のソテー 香茸と帆立のソース
本日のコースも佳境でしょうか。
とても丁寧に火入れした秋田錦牛のフィレの上に帆立の貝柱と肝がごろごろっと乗り、帆立の紐を使ったソースがとろりとたっぷりかけられました。
焼いて帆立と和えてあるのはふくたち、白菜の赤ちゃんというか結球していない白菜だそうですよ。
この時季の秋田の味覚ですから市民市場で買って帰ろうw
それにしても上品な旨味のフィレ肉に乗った濃厚な帆立ソース(というかつけ添えくらいのボリューム)が全く邪魔しない。
香茸もたっぷりで良い仕事しています。
旨味の相乗効果っていうことなのかな、牛肉のステーキを食べるより段違いの満足感があります。
しかも軽くてスイスイ食べられちゃう。
食べ進むほどに食べたくなる味ってすごいなぁ。

●熊肉のペポーゾ
本日のびっくり食材は秋田阿仁町の山で獲った月の輪熊の肉を使ったペポーゾ、赤ワイン煮です。
上には素揚げした牛蒡が乗っています。
シチリア産のサボテンの蜂蜜、miele di fico d'indiaが赤ワイン煮をさらに濃厚かつ旨味の強いものに仕上げていますね。
ルケという突出した赤ワインとのアッビナメントも素晴らしいというか、凄すぎます。
まさにこのワインとこの一皿という出会いを感じます。
魂が震える旨さです。

●ワイン:レ・マチョーケ・ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ 2008
大好きなシエナの赤ワインです。もう宇佐美さんには好みを完全に把握してもらっていますね。
サンジョヴェーゼ・グロッソ100%のいかにもトスカーナらしい華やかさと甘味のあるフルボディです。
軽快なのに切れ味が良く、ピリリと胡椒のような味が舌先に残るのが面白い。

●沼山大根のジェラート 黒みかんソース
横手の沼山地区で栽培されているいぶりがっこにぴったりの大根をジェラートに仕立ててあります。
生産者の高齢化と手間がかかる品種ということもあって一旦なくなってしまったそうですが2018年に復活しました。
辛味が強い大根だそうですが、火を通すと甘くなるんだとか。
それに黒みかんのソースを敷いて秋田産のデザートにするなんて、最後まで全く手を抜かない料理を楽しませてもらいました。

全12皿の料理にパンとデザート、最初にコッパもいただいてワイン6本のCucina Italiana fatto in Akitaが終了。
まったく本当にすごい料理、すごいアイディアと組み合わせと味わいでした。
ここでしか味わえない皿は宇佐美さんの個性、料理に対する考え方そのものです。
まさにIl solo ed unico、唯一無二の料理の数々を今回も堪能しました。

次回は4度目、ふと
 「三度びお会いして、四度目の逢瀬は恋になります。
  死なねばなりません。
  それでもお会いしたいと思うのです。」
という陽炎座の品子の言葉が頭を過ぎります。
もう一生離れられないかも・・・宇佐美さん迷惑だろうけどw

ご馳走様でした!!
次回も楽しみにしております!!


翌朝、秋田市民市場で昨晩いただいたひろっこ、山の芋、三関の芹(今年はもう終わりだそう)、山内人参、沼山大根に比内地鶏などをガツガツ買っていると、おはようございます!と声をかけられました。
あれ宇佐美さんじゃないですか!?
今日もお目にかかれてとても嬉しいです!
何を買ったか聞かれて、宇佐美さんに作っていただいた料理に使われていた素材を片っ端から買ってますと言ったらにこにこ笑っていました。
ご自宅でも秋田を堪能してくださいとのこと、嬉しい限りです。
今回も食&食材の宝庫、秋田の底力を実感しました。

kebiちゃんごめん、また興奮して5000w以上書いちゃったけど許してね。

  • f - 秋田県立美術館前のにぎわい広場にはキャンドルがたくさん灯っていてきれいでした

    秋田県立美術館前のにぎわい広場にはキャンドルがたくさん灯っていてきれいでした

  • f - 店先に到着 秋田某所で所在地は秘密なんですw

    店先に到着 秋田某所で所在地は秘密なんですw

  • f - このドアを開けるのが毎回楽しみで仕方がない 今日はどんなものがいただけるのか・・・

    このドアを開けるのが毎回楽しみで仕方がない 今日はどんなものがいただけるのか・・・

  • f - 予約時間を間違えて早くきてしまったのにもかかわらずスプマンテを出していただきました

    予約時間を間違えて早くきてしまったのにもかかわらずスプマンテを出していただきました

  • f - 泡を飲みながら仕込みを続ける宇佐美さんの手元を見て楽しんでます

    泡を飲みながら仕込みを続ける宇佐美さんの手元を見て楽しんでます

  • f - おつまみですとコッパも切り出して下さいました 神対応ありがとうございます!!

    おつまみですとコッパも切り出して下さいました 神対応ありがとうございます!!

  • f - 一皿目はずわい蟹とひろっこのサラダ ひろっこは浅葱の新芽です

    一皿目はずわい蟹とひろっこのサラダ ひろっこは浅葱の新芽です

  • f - 2皿目:黒ムツのフリットは身が厚いですよ

    2皿目:黒ムツのフリットは身が厚いですよ

  • f - 薯蕷(山の芋)を摺って衣代わりに使ってあります

    薯蕷(山の芋)を摺って衣代わりに使ってあります

  • f - 2本目はサンクト・ヴァレンティン アルト・アディジェのソーヴィニヨン・ブランです

    2本目はサンクト・ヴァレンティン アルト・アディジェのソーヴィニヨン・ブランです

  • f - 3皿目は三関の芹と赤目鯛 グアンチャーレのソテー

    3皿目は三関の芹と赤目鯛 グアンチャーレのソテー

  • f - 赤目鯛と三関の芹をグアンチャーレの塩気だけでソテーしました 相変わらず驚きの連続です

    赤目鯛と三関の芹をグアンチャーレの塩気だけでソテーしました 相変わらず驚きの連続です

  • f - 4皿目は山内(さんない)人参のブリュレ雲丹乗せ

    4皿目は山内(さんない)人参のブリュレ雲丹乗せ

  • f - 甘い甘い山内人参を5時間蒸して雲丹と合わせました 異常に美味くてどうしようw

    甘い甘い山内人参を5時間蒸して雲丹と合わせました 異常に美味くてどうしようw

  • f - 5皿目は甘鯛のグリル クラテッロ乗せ 松笠揚げのようなカリカリ感とクラテッロが合います

    5皿目は甘鯛のグリル クラテッロ乗せ 松笠揚げのようなカリカリ感とクラテッロが合います

  • f - 3本目はカペッツァーナ・トレッビアーノ 2019 樽熟感があって甘いのに爽やかな酸味があります

    3本目はカペッツァーナ・トレッビアーノ 2019 樽熟感があって甘いのに爽やかな酸味があります

  • f - 6皿目は比内地鶏のポルペッテ 松の実と春菊を合わせるなんて!

    6皿目は比内地鶏のポルペッテ 松の実と春菊を合わせるなんて!

  • f - しかもいさじゃ(八郎潟のアミ)を混ぜたレモン風味のオリーブオイルを掛けるなんて!

    しかもいさじゃ(八郎潟のアミ)を混ぜたレモン風味のオリーブオイルを掛けるなんて!

  • f - パンは全粒粉とプレーンの2種類 これも自家製です

    パンは全粒粉とプレーンの2種類 これも自家製です

  • f - 7皿目は大館さくら豚肩ロースのグリルです

    7皿目は大館さくら豚肩ロースのグリルです

  • f - この極めて美味な豚肉は前回いただいて大変印象が強かったのですが今回は台湾産の棗を乗せて味わいが全然違います

    この極めて美味な豚肉は前回いただいて大変印象が強かったのですが今回は台湾産の棗を乗せて味わいが全然違います

  • f - 4本目はボルゴ・ディ・ジェーテ 2015 ティントーレ・ディ・トラモンティという土着品種は初めてです

    4本目はボルゴ・ディ・ジェーテ 2015 ティントーレ・ディ・トラモンティという土着品種は初めてです

  • f - 8皿目はあきたこまちのリゾット 緑色は出始めの蕗の薹です 早春の味です

    8皿目はあきたこまちのリゾット 緑色は出始めの蕗の薹です 早春の味です

  • f - 9皿目は黒穴子のソテー 皮目だけを焼いてあります 厚い身がふっくらします

    9皿目は黒穴子のソテー 皮目だけを焼いてあります 厚い身がふっくらします

  • f - 独活とパイナップルの爽やかな酸味が穴子を引き立ててくれます

    独活とパイナップルの爽やかな酸味が穴子を引き立ててくれます

  • f - 10皿目はダダミとトマトとトンノのボロネーゼです もう訳がわからないw

    10皿目はダダミとトマトとトンノのボロネーゼです もう訳がわからないw

  • f - ダダミ(鱈の白子)とドライトマトを戻してオリーブオイルで和えたものとツナをマリネしてボロネーゼ風に仕立てました

    ダダミ(鱈の白子)とドライトマトを戻してオリーブオイルで和えたものとツナをマリネしてボロネーゼ風に仕立てました

  • f - 5本目はルケ・ディ・カスタニョーレ・モンフェッラート Opera Primaと主張するだけのことはあるフルボディです

    5本目はルケ・ディ・カスタニョーレ・モンフェッラート Opera Primaと主張するだけのことはあるフルボディです

  • f - 11皿目は秋田錦牛のソテーの上に帆立ソースです

    11皿目は秋田錦牛のソテーの上に帆立ソースです

  • f - 牛フィレ肉の上に帆立の貝柱と肝がごろごろっと乗り紐を使ったソースがたっぷり

    牛フィレ肉の上に帆立の貝柱と肝がごろごろっと乗り紐を使ったソースがたっぷり

  • f - 12皿目は熊肉のペポーゾ 秋田の山中で獲った月の輪熊を赤ワインで煮込んだ逸品です

    12皿目は熊肉のペポーゾ 秋田の山中で獲った月の輪熊を赤ワインで煮込んだ逸品です

  • f - 6本目はレ・マチョーケ・ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ 2008

    6本目はレ・マチョーケ・ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ 2008

  • f - デザートは沼山大根のジェラート黒みかんソース

    デザートは沼山大根のジェラート黒みかんソース

  • f - 復活した沼山大根は辛味が強く火入れすると甘くなるんだそうですよ

    復活した沼山大根は辛味が強く火入れすると甘くなるんだそうですよ

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2021/10訪問2回目

4.6

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気3.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥20,000~¥29,9991人

2度目のエッフェ 前回以上に素晴らしい体験ができました

前回目眩くような素晴らしい食事の体験をしてしまい、これはひょっとして夢か幻かwと思ったエッフェにもう一度伺う機会を得ました。
のっけから大袈裟な表現で恐縮ですけど、本当にこれは凄いというか驚異的な独創性と発想力から構成される料理だなと感心しきりでした。
もちろん奇を衒ったようなそこら辺のフュージョンなんちゃらwとは別次元、組み合わせの妙が深い味わいを生みます。

今回は、ワイフが前回の帰りがけに今日の予約をスケジュール無視で取ったのでw本日を迎えることができました。
習近平もびっくりの強権発動でしたが、結果的に感謝です。
無理が通れば道理引っ込む典型ですw民主主義存亡の危機ですな。

ともあれ、今日はひんやりした空気の中をホテルからてくてく歩いて来ました。
枯れ葉の舞う街を、こんな店があるあんな店もあると歩くのは楽しいです。
古色蒼然とした食堂レトロな雰囲気の喫茶店など、魅力的な店もいくつか発見しましたよ。

ということで、市内某所の秘密の階段を上がり、店名も何も書いていない入口を通り、「(予約がないと直接来ても)対応致しかねます」と書かれた人を寄せ付けない掲示wを見つつ曲がりくねってなかなか正体を明かさないように作られた廊下を抜け、宇佐美シェフが待つ魅惑のキッチンにやって来ました。
あら、今日は我々を含めて5人ですか、こう云う日もあるんですね。

先ずは泡をお願いすると、コントラットのアルタランガ・ミッレジマート・パドゼの2015年を注いでくれました。
泡が繊細でちょっとスプマンテとは思えません。
瓶内2次発酵&48カ月熟成でルミュアージュも手でやっているそうですよ。
ブラックベリーのようなブーケで味わいも豊か&繊細です。
こんなの手に入るなんて、信頼のおけるルートをお持ちなんですね。

さて、いつものように(って2回目だけど)宇佐美劇場の幕が静かに開きます。
前回と違うのは隣に宇佐美さんの全ての動作をほぼ実況しつつ、素材を当てようと(ありがたいご指導により削除済)ことだけです。

最初の一皿が目の前で徐々に形を成していきます。
宇佐美シェフの動きを眺めながらスプマンテをいただくのは既に楽しみでしかないです。
こうして出来上がったのは渡蟹の身をほぐしてフェンネルと和えたサラダ仕立ての皿。
シチリア・ブロンテ産の松の実も入っています。
茴香の香りがふわりと立って食欲を唆りますね。
渡蟹の身は繊細で、柔らかく甘く、そして少しの塩とビネガーで奥行きのある味わいに仕上がっています。
松の実のコクと油が、食感も含めてとても良いアクセントです。
こういう料理をどうやって思いつくんだろうか。
発想力の豊かさに最初からびっくりです。

続いて目の前で作られていったのは全然わからないけどw素晴らしい香りが立ち昇るスープ。
米代川の天然鮎を焼き干しにして出汁にしちゃったみたいですよ。
玉ねぎの皮と合わせてスープの素を作ったんだとか。
浮いているのは金茸です。
昨日もたかむらでいただきましたが、素晴らしい味と香りがするキノコです。
味付けは塩だけとのことですが、とても深い味わいでずっと飲んでいられるスープです。
天然鮎は婚姻色のものを使っているそうで・・・こんなスープが仕込める環境って本当に素敵です。

こちらが旨すぎて言葉もないなか、宇佐美さんは焼き物開始。
細切りにしたポテトを焼き付けたひげ鱈でした。
上にはロビオラチーズとエルベッタを振りかけて完成。
うっとりするビジュアルです。
ふっくらとした火入れでひげ鱈(って鱈じゃないけど)のジューシーな白身が際立ちますね。
焼き付けたポテトの甘味とロビオラチーズの塩味、エルベッタの僅かな苦味が複雑な味わいにしてくれます。
旨いんだけど、旨すぎて素直に旨いって言えないw
すごいって言葉しか思い浮かばないんですよ。
美味しいとかいうレベルじゃなく、別次元の味わいになります。
始まって2〜3皿であっという間に宇佐美さんの虜です。 

少し落ち着こうw
スプマンテがなくなったので次のボトルをお願いしました。
どんなのがいいですか?と聞かれても、これから出てくる料理がどんなものかわからないので頼みようがないし、何が出てくるのか聞くのは楽しみが半減するようなものだし、そういう時はお任せするに限ります。
ということでトラヴィスのストラヴィーノ・ディ・ストラヴィーノが出て来ました。
これはトレンティーノ=アルト・アディジェですね。
イタリアで白といえばこちらとフリウリです。
甘いブーケなんですが、口に含むとドライでやや酸味があります。
それが時間が経つにつれて甘く華やかに香ります。
へぇ、こんなワインだったかな(記憶にない)。
ゴールドトラミネールという全く聞いたことの品種が使われていることにまたびっくりです。
たぶん以前飲んだストラヴィーノ・ディ・ストラヴィーノとは違うものでしょう。

アプリを使ってこのワインと自分の相性を確かめているワイフと3人でワイン談義していると、前回に続いてキューブ状の料理が出て来ました。
前回のキューブは鮎と西瓜を組み合わせたものでしたが、今回は表面がつぶつぶしてますね。
このつぶつぶはとんぶりでした。
合わせてあるのは、秋田で獲れた海老全部とチョコレートを練り合わせて焼き締めたものとか。
発想が天才的、というか異才かな。
海老とチョコレートだって!?思いつかない以前に試さないよねw

では興味津々で一口。
ビターな味わいがしてすぐに甘くなり、と思った途端僅かな塩味にとんぶりのつぶつぶが来ます。
これは言われても海老とチョコレートとは思えない不思議な旨さ。
美味しいんだけど、どう表現していいかわからない初体験の味わいです。
子供の頃、実験で適当に何か混ぜたらとんでもないすごい薬ができたみたいな話に憧れましたけど、まさにそんな感じ。
少なくとも海老とチョコレートの相性は良いことだけはわかりましたw

男鹿半島沖で獲れたのどぐろがきれいにソテーされて登場です。
例によって片面焼きですね。前回はアラが片面焼きでした。
敷いてあるのは春菊とバナナを炒め合わせたものだそうです。
うふふ、海老とチョコレートの次は春菊とバナナかw

もうのどぐろは何も言わなくても素晴らしくジューシーで脂の一滴一滴が甘く、申し分のない旨味です。
軽く塩した表面のテクスチャが香ばしく、身のプリンプリンとの対比が楽しい。
そして春菊とバナナです。
これは・・・素直に美味しい!
バナナって調味料になるんですねぇ。
比較的しっかり目に塩した春菊とバナナを合わせると私の大好きなdolce e un po'salatoな味わいになります。
甘塩っぱいってことですw
素材の先入観を外して素直に組み合わせると、こんな素敵で豊かな世界が待っているんだと宇佐美さんは教えてくれます。
ああ楽しい、隣が煩くなければだけど。

続いては肉料理。
これは見た目にも鶏肉と舞茸とわかります。
比内地鶏の首皮をささみに巻き、天然舞茸とグアンチャーレで作ったクリームソースを掛けた一皿です。
これは先ほどの皿と比べたら王道の旨さですねきっと。
グアンチャーレはそれほど熟成していないものを使っているそうですが、天然舞茸の奥深い味に塩と脂のアクセントをつけてくれます。
首皮の弾力とささみのさっくり感の対比にコクのあるクリームソースが絡むともうこれは絶品としか言いようがない。
天然の舞茸ってスーパーで売っているものとは全く全然これぽっちも同じではありません。
全く違う食品です。
味の濃さ、旨味、香り、繊維の強さ、何を取っても100mくらい差のある段違い平行棒ですw

ワインが空いてしまったので、お手隙でまたまた宇佐美さんにお任せ。
ラグレインが出て来ましたが・・・2001年じゃないですか。
20年も寝かせたのに我々のために開けちゃっていいんですか?いいんですかああそうですかw
ワインは飲むためにあるとはいえ、20年ものを抜栓するのはちょっとした勇気というか気合が必要ですよね。
Steinraffler:スタインラフレールでいいのかな。
これもトレンティーノ=アルト・アディジェです。
軽い酸味と強くて辛いブーケ、その後にやや重めの甘味が舌に乗ってきます。
余韻はすごく長いですね。
でもキレがあってきれいに消えていきます。
これは寝かせておいて大正解のワインですね。

宇佐美さんがまたお肉をオーブンに入れました。
どうやら大きな塊の豚肉のようです。
そこそこ時間は掛けてはいますが、低温でじっくり火入れしているみたいで取り出した肉はピンク色。
表面を(もったいないけど)切り落として、牛蒡の薄切りにムカゴと合わせてだんだんと完成に向かいます。

出来上がったのは桜豚(確かに色が桜色です)のメスの肩ロース、秋田の石橋牛蒡と秋田のムカゴが添えられた一皿です。
牛蒡は生ですが、しゃりしゃりと瑞々しく、甘味のある肉汁がじわじわ湧いて出てくる豚肉と合います。
ムカゴはゴロゴロしているのでさすがに一緒に食べませんが、ほんのり甘くてこれも豚肉との相性はとても良いと思います。
しかもこの豚肉が信じられないくらい柔らかい。
肉汁たっぷりなのも肩ロースとしては変わり種ですが、この柔らかさは驚異的です。
これも秋田の特産品なんだよね。
最近、秋田に住むことを具体的にイメージし始めている自分がいますw

次はこれがプリミなのかなwキタッラが出て来ました。
本日は秋のキノコ三昧です。
金茸に銀茸、天然えのきも使います。
キタッラはギターの弦のような金属の糸の上で転がしてパスタにすることからその名がつきましたが、宇佐美さんはまさにそのキタッラを使って作ります。
イタリアでも滅多に手作りしている人見ないのに、秋田にいてびっくり。
弾力と歯応えのあるキタッラに繊維質なキノコがとてもよく合います。
シャキシャキしたパスタって言ったらいいのかな。
不思議な食感ですが大変な美味です。

ここでこのキタッラの隠し味に何を使っているかのクイズになりましたw
なかなか当たりませんでしたが、最後にはcoffeeだと教えてもらいました。
ふーん、この仄かな酸味とコクは珈琲由来なんですね。
カレーに入れたりするのは聞きますが、パスタにも入れるとは意外でした。

ワインがまたまたまたなくなってしまったので、お任せでイル・モリーノ・ディ・グレース・グラティウス2001年が登場。
20年も寝かせたのに我々のために開けちゃっていいんですか?いいんですかああそうですかw
グレースの水車小屋って意味がよくわからないけどサンジョヴェーゼ100%のトスカーナワインですから美味しいに違いない。
ガンベロ・ロッソで見たことがあるような気がするし。
いただいてみると、爽やかなタンニンに果実味たっぷりで、開けたばかりなのにふくよかな香りが店内に広がります。
これはすごい、20年寝かせてこの円やかさとコクはトスカーナワイン最大の長所だと思います。
こんなの飲んじゃったら気軽にイタリアの赤飲めなくなっちゃうよ・・・

赤ワインの美味さに一人で唸っていると、また肉料理が出て来ました。
叩いて成型した生の牛レバーに公魚と白魚を焼いて砕いたものを乗せ、鱈の白子とゴリで作ったトロトロのソース(マヨネーズと言っていました)がかかっています。
宇佐美さん曰く、ヴィテッロ・トンナートを逆にしたイメージだそうですw
なるほど、牛のほうに火を入れないで魚に火入れしてあるからですね、ってどうしてこういうこと思いつくんだろう・・・
作っているうちに気が変わってこの料理になったそうですけどw元々何をイメージしていたのかは教えてくれませんでした。
教えてくれないと知りたくなりますが、知らないほうが良いのかもしれません。

どれもクセのありそうな食材ばかりですが、宇佐美さんの手にかかると魔法のように洒脱で美しくて美味しい料理になります。
こんなことがあっていいんだろうかと首を傾げてしまうような不思議な料理。
でもとても美味しいので素材を聞いて狐に摘まれた気分になる訳ですね。
目の前には異能の天才がいて、片や凡百の大喰らいですからこういう構図になるのかw

ワインと逆ヴィテッロ・トンナートを楽しんでいるとまた良い香りが漂って来ました。
一皿一皿のポーションはそれほどでもありませんが、皿の数は既に9皿目です。
松鯛が美しいソースを纏って登場です。
秋田って本当にすごいところですね、松鯛も揚がるんですか・・・
魚介のエキスを使った少し辛味のあるソースが掛かっていますが、松鯛の弾力ある強い味わいに伍するにはこれくらいのパンチのあるソースが必要なんでしょうね。
これもこれまでにいただいたことのない味わいで驚きました。

またまたまたまたワインが・・・w
すみません、お手隙でよろしくお願いしますと頼んですぐに出て来たのは慣れ親しんだウマニ・ロンキのクマーロでした。
なんだか安心するな。
モンテプルチャーノの2015年ですから先ほどから比べると若いです。
若いですが香りは甘く、口に含むとかなりエレガンテな味わいです。
濃厚ですが重厚ではなく、若干の軽さも感じられます。
これはバランスの良いワインです。
バリックも結構効いている感じがします。

さて、再び調理し始めた宇佐美さんの手元を見ていると肉とサザエらしきものを和えています。
うーん、美味しそう&だけどなんだかわからないw
例によってお皿を一人一人の前に置きながら、バルベリー鴨のロースとサザエをシチリアのペコリーノチーズで和えましたと伝えてくれます。
やや黄色っぽいですから、サフランが入ったエンネーゼのようです。
思ったより塩味はまろやか、バルベリー鴨とサザエの旨味が混じり合ってチーズがきれいに包み込んでくれます。
チーズと鴨というとオードブルのイメージですが、サザエが加わると一気に旨味が爆発するというか、ワインのアテレベルではなくて完成度の極めて高い美味しい料理に変身します。
この組み合わせも食べたことないw
宇佐美さんの手にかかると、次々と意外性&独創性のある皿で楽しませてもらえます。

あ、ついにデザートが出て来ましたね。
今日の飛び切り楽しい体験もどうやらここまでです。
仁賀保の無花果をチョコレートに練り込んだものの上に、同じく仁賀保の生姜を入れたヴァニラアイスが乗っています。
デザートも地元の食材にこだわる姿勢が徹底されています。
濃厚なチョコレートの中にむちむちとした無花果の味わいが顔を覗かせ、冷たいヴァニラアイスも爽やかな生姜の後味が残ります。
チョコレートとヴァニラは鉄板ですけど、無花果と生姜が隠れた主役になってます。

今日も前回以上に楽しくて美味しくて驚きの連続、エキサイティングな食事体験でした。
気がつけば4時間余り、時間が過ぎる感覚は全くありませんでした。
30分くらいしか経っていない感じ。
たかむらも同じですが、わざわざ来て食べるだけの価値が明確にある素晴らしい店ですね。
県内の滋味豊かな食材を活かして独創的な料理に仕上げていく宇佐美さんの手元から目が離せません。
秋田にエッフェありです。

これで夏、秋と伺いましたので、次回は真冬の味覚を味わいに来たいと思います。
こちらもたかむらと同様、少し間を空けてチェーン訪問してしまう店です。
ちなみにたかむらの高村さんとエッフェの宇佐美さんは同い年なんだとか。
お互いに認め合っている良きライバルであり、地元の飲食店業界を盛り上げる良き仲間なんでしょうね。

今回も感激しきりでした。
驚異的に美味くて想像力豊かな11皿とデザート、ワイン5本で秋田の秋を食べ尽くした感があります。
もちろん大々大満足ですけど、宇佐美さんの引き出しをもっと開けてみたい衝動に駆られます。
本日もお約束のようにワイフが次回の予約を切り出し、無事真冬の秋田を味わう準備が整いました。
この店(とたかむら)がご近所な方=秋田市在住の方で両店に予約可能な状況にある人は本当に心の底から幸せ者だと思います。

ご馳走様でした!!


私の願いはたった一つ。
次回は静かに集中して、五感で極上のお皿を楽しみたいものです。

  • f - とある建物のなかに看板も出ていない店があります

    とある建物のなかに看板も出ていない店があります

  • f - 完全予約制なので直接来ても無駄だよwと書かれています

    完全予約制なので直接来ても無駄だよwと書かれています

  • f - 店内は8名程度がゆっくり座れるカウンター席のみの構成です 隅々まできれいに掃除が行き届いていて大変気持ちの良い空間に仕上がっています

    店内は8名程度がゆっくり座れるカウンター席のみの構成です 隅々まできれいに掃除が行き届いていて大変気持ちの良い空間に仕上がっています

  • f - 最初はスプマンテから コントラットのアルタランガです

    最初はスプマンテから コントラットのアルタランガです

  • f - 最初のお皿は渡蟹のサラダ仕立て 香りが素晴らしいです 

    最初のお皿は渡蟹のサラダ仕立て 香りが素晴らしいです 

  • f - 渡蟹はフェンネルと和えてあってシチリア・ブロンテ産の松の実がとても良いアクセントになっています

    渡蟹はフェンネルと和えてあってシチリア・ブロンテ産の松の実がとても良いアクセントになっています

  • f - スッと出て来たスープがとんでもなく美味いって幸せなことだよね 贅沢なことに天然鮎の焼き干しを出汁にしてます 金茸を浮かべてありますがまあ香りも味も強いです

    スッと出て来たスープがとんでもなく美味いって幸せなことだよね 贅沢なことに天然鮎の焼き干しを出汁にしてます 金茸を浮かべてありますがまあ香りも味も強いです

  • f - ひげ鱈と細切りポテトを焼き合わせてあります

    ひげ鱈と細切りポテトを焼き合わせてあります

  • f - ひげ鱈の上にはロビオラチーズとエルベッタが振りかけられています

    ひげ鱈の上にはロビオラチーズとエルベッタが振りかけられています

  • f - 2本目はトラヴィスのストラヴィーノ・ディ・ストラヴィーノ

    2本目はトラヴィスのストラヴィーノ・ディ・ストラヴィーノ

  • f - ゴールドトラミネールという聞いたことのない品種が入っています 珍しいねぇ

    ゴールドトラミネールという聞いたことのない品種が入っています 珍しいねぇ

  • f - 見た目では絶対なにかわからない食材の組み合わせ登場w

    見た目では絶対なにかわからない食材の組み合わせ登場w

  • f - 海老とチョコレートを混ぜてとんぶりをまぶしてあります

    海老とチョコレートを混ぜてとんぶりをまぶしてあります

  • f - こんな料理は世界広しと雖もエッフェだけでしょうね

    こんな料理は世界広しと雖もエッフェだけでしょうね

  • f - 男鹿半島沖で獲れたのどぐろのソテーです

    男鹿半島沖で獲れたのどぐろのソテーです

  • f - ソテーだけならごく普通ですけど敷いてあるのは春菊とバナナを炒め合わせたものです どうしてこんなこと思いつくのかな

    ソテーだけならごく普通ですけど敷いてあるのは春菊とバナナを炒め合わせたものです どうしてこんなこと思いつくのかな

  • f - これは見た目でなんだかわかる唯一の料理かもw

    これは見た目でなんだかわかる唯一の料理かもw

  • f - 比内地鶏のささみと舞茸ですが・・・舞茸は天然でささみには首肉を巻きつけてあります

    比内地鶏のささみと舞茸ですが・・・舞茸は天然でささみには首肉を巻きつけてあります

  • f - グアンチャーレを使ったクリームソースが全体をまとめていますがこの組み合わせもまずないと思います

    グアンチャーレを使ったクリームソースが全体をまとめていますがこの組み合わせもまずないと思います

  • f - 3本目はラグレイン え20年寝かしたものを今日開けちゃうんですか!?

    3本目はラグレイン え20年寝かしたものを今日開けちゃうんですか!?

  • f - 桜豚の肩ロースの低温グリルに石橋牛蒡と大曲のムカゴです

    桜豚の肩ロースの低温グリルに石橋牛蒡と大曲のムカゴです

  • f - この豚肉が驚異的に柔らかい 牛蒡は生で使っています

    この豚肉が驚異的に柔らかい 牛蒡は生で使っています

  • f - ムカゴもほんのり甘く豚肉との相性がとても良いですよ

    ムカゴもほんのり甘く豚肉との相性がとても良いですよ

  • f - キタッラをキタッラで作る人は日本で宇佐美さんしかいないんじゃないかと思います

    キタッラをキタッラで作る人は日本で宇佐美さんしかいないんじゃないかと思います

  • f - 金茸 銀茸 天然えのきも入っていて秋のキノコまつり状態ですw

    金茸 銀茸 天然えのきも入っていて秋のキノコまつり状態ですw

  • f - 4本目はグラティウス2001年 またまた20年寝かせたワインが抜栓されました

    4本目はグラティウス2001年 またまた20年寝かせたワインが抜栓されました

  • f - サンジョヴェーゼ100%のスーペル・タスカンなんでした

    サンジョヴェーゼ100%のスーペル・タスカンなんでした

  • f - 逆ヴィテッロ・トンナートと言われてなるほどと感心しました

    逆ヴィテッロ・トンナートと言われてなるほどと感心しました

  • f - 牛レバーには火を入れないでソースになる魚に火入れしてあるから逆なんですね そんな発想なかなか浮かばないけどw

    牛レバーには火を入れないでソースになる魚に火入れしてあるから逆なんですね そんな発想なかなか浮かばないけどw

  • f - 松鯛です!秋田で松鯛いただけるとはもう嬉しくて嬉しくて

    松鯛です!秋田で松鯛いただけるとはもう嬉しくて嬉しくて

  • f - 松鯛といっても鯛ではありませんが身の旨さが素晴らしいんです 海釣りする人でも釣ったことある人はそんなに多くないんじゃないかと

    松鯛といっても鯛ではありませんが身の旨さが素晴らしいんです 海釣りする人でも釣ったことある人はそんなに多くないんじゃないかと

  • f - ワインも5本目に突入! ウマニ・ロンキのクマーロです 若いけどエレガントなワインですからもっと寝かせればさらに美味しくなるに違いない 

    ワインも5本目に突入! ウマニ・ロンキのクマーロです 若いけどエレガントなワインですからもっと寝かせればさらに美味しくなるに違いない 

  • f - バルベリー鴨ロースとサザエのソテー エンネーゼソース和えです

    バルベリー鴨ロースとサザエのソテー エンネーゼソース和えです

  • f - 唐突に終わりがやって来ました デザートです残念な気持ちが先に立ちます

    唐突に終わりがやって来ました デザートです残念な気持ちが先に立ちます

  • f - デザートも秋田の食材 仁賀保の無花果入りチョコレートに仁賀保の生姜入りヴァニラアイスです

    デザートも秋田の食材 仁賀保の無花果入りチョコレートに仁賀保の生姜入りヴァニラアイスです

  • f - 宇佐美さんがよく飲みましたねとボトルを並べてくれたので記念撮影w ワインも本当に素晴らしかったです 贅沢な3時間でした

    宇佐美さんがよく飲みましたねとボトルを並べてくれたので記念撮影w ワインも本当に素晴らしかったです 贅沢な3時間でした

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2021/07訪問1回目

4.7

  • 料理・味4.8
  • サービス4.5
  • 雰囲気4.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥20,000~¥29,9991人

滋味豊かな食材が分解され再構築される宇佐美シェフのmetodo italiano

今回の秋田訪問のメイン、エッフェです。
住所も電話番号も非公開の店ですから、アプローチについてはノーコメントです。
もちろん店の周囲にそれとわかるような看板の類は一切ありません。
今回はありがたいことに相互フォローしているレビューアーさんのご厚情でご紹介いただき、宇佐美シェフに連絡をとって訪問日程を決めました。
レビューアーさんには感謝してもしきれません。
この場を借りて改めて御礼申し上げます。m(_ _)m

ということで、「当店は完全予約制のレストランです 直接ご来店でのご予約、お問い合わせは対応いたしかねますのでご了承ください」と書かれた丁寧だけれど有無を言わせず門前払いなインフォメーションの先にある木製の引戸を開けて店内に。
S字型に拗っている廊下を、容易に姿を現さないフロアに向かって進みます。
何だかワクワクする仕掛けですね。

辿り着いたフロアは、ユニークなへの字型&やや幅広のカウンターが設えられた開放的な空間でした。
シンプルで使い勝手の良さそうな設えです。
後から聞いたんですが、宇佐美シェフご自身が内装を手掛けられたそうです。
シェフが大工もできるってすごいよね。聞いたことないです。

カウンター中央の席に座らせていただきました。
ここは宇佐美シェフの手元や所作が全て拝見できる特等席です。嬉しいな。
今日のゲストは8名、椅子が一つフロアの角に置かれていますので最大9名が着席可能のようです。
椅子も幅広で座り心地が良いですね。
全体的にゆったりした寛げる雰囲気があります。
これがDIYなんて大したもんだなぁ・・・

では、先ず泡をいただきます。
フェラーリをグラスに等分に注ごうとしてだんだん量が増していくのが微笑ましいw
グラスから立ち上がるシャルドネの泡を味わいつつ、さてこれから何が出てくるのか勝手にイメージします。
ジビエは使うのか、魚はどんな料理にするのか、地元の野菜はふんだんに使うとして、どんな組み合わせにするんだろうか・・・期待は膨らむばかり。

でもコースは宇佐美シェフの頭の中だけにあるので、料理が出てくるまでは誰もわかりません。
目の前で展開される調理された素材を盛り合わせる段階で、ひそひそと何を作っているのか想像し合うのが今から楽しみです。

最初に生ハムを乗せた白身の魚がバットに入れられて登場。
薄めに切りつけられて皿に並べられ、バーナーで炙られていきます。
盛り付けは我々の目の前、これはワイン飲みながらオープンキッチンを楽しめますね〜。
そしてパラパラと濃いグリーンの素材がふりかけられました。
個人的にはガスバーナー炙りはどうしても僅かに匂いが残るので苦手なんですが、最後にオリーブオイルが回しかけられると大変良い香りが立ち上がります。

全員に皿が行き渡ると宇佐美シェフが徐に説明を開始。
白身魚はこぶ鯛でした。それを昆布ではなく生ハムで塩味を移してレモン味のオリーブオイルと焼いたモロヘイヤを合わせてあります。
最初からmolto unico!

こういう食べたことのない料理が最初から出てくるのが楽しいです。
見ただけで味がわかるものよりもワクワク感が違います。
早速口に入れるとレモンの香りとモロヘイヤの苦味がきて、こぶ鯛のとても上品な甘味とほんのり塩味が追いかけてきます。
炙ってあるので表面がざらついていますが、これがモロヘイヤとレモン味のオリーブオイルを受け止めてくれます。
なるほど、つくりもウニコなら味わいもウニコです。
最初の皿からびっくりです。

泡を飲み干して、最初はRocca Svevaのchiaropuroをボトルでいただきました。
ヴェネトの白でインコントロ・マンツォーニ、ミュラートゥルガウ、ガルガーネガ、モスカートの混合です。
軽くて爽やかな酸味とほんのり残る苦味が魚でも野菜でも幅広くまとめてくれるワインですね。
アプリコットとかライムの華やかな香りも1本目としては適役かと思います。

続いて目の前で盛り付けられたのは朝採れ玉蜀黍のポタージュ。
もちろん単なるポタージュではなく、上には玉蜀黍のひげ(で子供の頃遊びましたよねw)で雲丹を包んで短時間揚げたものが乗っています。
温度が上がって味わいが濃くなった雲丹とサクッとした食感が楽しい玉蜀黍のひげに、ポタージュが絡むと、最近ハマっている甘味と塩味がバランス良く合わさった味わいです。
濃厚なんだけど後味爽やか、何だかいくらでも食べられる味わい(またかよ)ですw
この甘い玉蜀黍は「おおもの83」という生育が83日でOKの早生ながら大きく育つ品種だとか。
味が良くて早く育つなんて優等生ですね。

お次は、細長いバットに几帳面に敷き詰められたパテ風のものが出てきました。
これを切り分けて皿の上に一つ一つ盛り付けていきます。
宇佐美シェフの所作を拝見しつつワインが飲めます。
ワンオペの一番楽しい要素がこの瞬間かなと思います。

グランメゾンの一糸乱れぬ同時進行&シェフは料理を出すタイミングと盛り付けのフィニッシュをコンダクターよろしく統括するというのも悪くはないですけど、最初から最後までシェフのイメージや食材に対する考え方がそのまま反映されるワンオペはある意味究極なのかなと思います。
なによりミニマルな美しさが醸し出されるのが好きです。

喩えて言うと、ブレンデッドウヰスキーはブレンダーというシェフの役割を果たす人の舌がモルトとグレーンを掛け合わせて飲みやすくバランスの良い味わいを生み出すわけですが、個性的なシングルカスクにも一気加勢の強さやシンプルで美しいテクスチャがあります。
どちらが良いということはなく&どちらにも魅力がありますけど、好みで言えば私は断然シングルカスクの個性的な味わいを尊重します。
宇佐美シェフはまさにシングルカスクのような驚きと興奮を齎してくれる人ですね。

おっと脱線。
ワイフとあの色は鮎っぽいよねなどとひそひそ話していると、米代川の天然鮎をすり潰して生の西瓜の皮とオーヴンで水分を飛ばした西瓜を遇らったとのこと。
鮎だけはわかりましたが、それを西瓜と合わせるなんて、どんな味わいになるのか楽しみです。

一口いただいただけで宇佐美シェフがいかに多くの味の引き出しをお持ちかがわかります。
これも私がハマっている塩味に夏らしい爽やかな甘みを乗せた一皿です。
鮎の香りと苦味も素晴らしいの一言。
なんて美味しいんでしょう。大好きな味です。

天然鮎の旨味と西瓜の組み合わせに大喜びしていたら、カップにかわいく盛り付けられた一品が登場。
白いのはストラッチャテッラ、赤いのは重兵衛トマトとの説明です。
コントラストが鮮やかですね。
前の皿とのコントラストもお見事です。

ストラッチャテッラはブッラータチーズの中のトロトロ部分ですが、食感を考えて少し固まった部分も入れてあります。
そこに重兵衛トマトの濃厚なソース(ペーストよりもさらに濃く煮詰めてある)が合わさると、これもほろ苦くてコクがあって甘味と塩味が追いかけてくる複雑系な味わい。
チーズとトマトは極めて相性の良い素材同士ですが、この皿は相性が良いなんてもんじゃなく、家族か竹馬の友かくらいの親密度ですね。

この重兵衛トマトは品種としては桃太郎だそうですが、塩水で育成してトマトにストレスを与え、より甘味と味の濃さを追求したものだとか。
ぜひ食べてみたくて由利本荘の生産元に問い合わせましたが、この時期のトマトは既に完売、トマトジュースのみネットで取り寄せることができました。
これを煮詰めてソース作ろうっとw

あ、また脱線。
この濃厚なトマトペーストをトロトロのストラッチャテッラと混ぜ合わせていただくと、もう何だか美味しすぎて訳がわからないw
アンコーラ!と言いたい味わいです。
ブルスケッタにしてバジルの葉を遇らったらさぞかし美味かろうと思います。

でもこのカップにはバジルはないのにバジルの香りがする。
スプーンをバジルと一緒に入れておいて、香りを纏わせているからなんですね。
香りだけ食べるような感覚でイタリア国旗をイメージする料理を美味しくいただきました。
この重兵衛トマトを煮詰めるのには低温のオーヴンで10日間火入れしたんだそうです。
昨日に引き続いて、良い意味で立派な変態さんが目の前にいらっしゃることに興奮しますw

続いて先ほどから時間をかけて火入れしていたポルペットが登場。
いさじゃという八郎潟で採れる淡水のアミと紅の夢という紅玉の変種のソースを敷き、桜豚のモモ肉などを叩いて作ったポルペットを乗せて、刻んだ茗荷を振りかけてあります。
いさじゃは秋田のソウルフードで宇佐美シェフ曰くとても臭いんだそうですがwソウルフードって大抵匂いが強烈だったりしますからね。

これも大好きなdolce e un po'salatoな味わい。
決していさじゃは臭くはなく、多少クセがある程度で日本人だったら(特に酒呑みは)むしろ好ましいと感じる人が多いと思います。
くさやの干物が好物な人(私のことです)は何も感じないところか美味しくて嬉しいだけですね。
それにしても地元のソウルフードとりんごでこんな味わいのソースを作るなんて本当に驚きです。
ポルペットもじっくりと火入れされていてとても柔らかく、しかも肉の弾力があって食べ応えがあります。
ワインがいつの間にか消えたから、お手隙で次をお願いします。

宇佐美シェフが出してくれたのはピエモンテのMinaia Gavi 2018です。
甘くてほろ苦い香りがして、きれいな酸のある白ワインです。
コルテーゼってあまり馴染みがないですけど、しっかり口の中を支えてくれる感じで大変美味しいです。
宇佐美シェフはワインのチョイスのセンスも素晴らしいと思います。

自家製のプレーンと胡麻の2種のパンをいただいて、ポルペットの皿に残ったソースを一滴残さず掬い、ワインを口に含んで独言ていると、次の皿の準備が始まりました。
今度は魚ですね。うーん、とても良い香りがする。
登場したのはアラのソテーでした(あら魚偏に荒という漢字は食べログに表示されないんですねw)。
皮目だけ火入れしてあり、身のほうは直接火に当てていないので見るからにふっくらした焼き上がり。
敷いてあるのは空芯菜で、コラトゥーラとレモンの香りのするオリーブオイルでソテーしてあります。
アラも秋田近海で揚がるんですねぇ、いいなぁ。

ふんわりとした火入れで、上品な香りのするの身は、噛むとねちねちと独特の食感です。
じっくりと時間をかけて焼き上げてあるので、旨味が中に綴じ込もっています。
じんわり溢れてくる軽い脂と身の旨味が堪りません。
この空芯菜のコラトゥーラ炒めとの味の対比もとても面白い。
強い旨味と上品な旨味が口の中でいい感じに混じり合います。
宇佐美シェフはこの皿をイメージしてワインを選んでくれたのかと思うくらいGaviとの相性も抜群です。
この皿には参った。この3倍くらいは食べたい絶品の味わいです。

興奮して食べていたら、目の前では鶏肉が串に刺されて塩胡椒されてます。
お、ここはやはり比内地鶏でしょうか。
地元では案外手に入りにくいとは聞きましたが、市民市場では煮炊き用の薄切りにしたものは売っていました。
しばらくしてきれいに盛り付けられて出てきたのは、やはり比内地鶏のモモ肉とムネ肉でした。
おお、アラに続いて比内地鶏とは山海の美味の共演ですね。
敷いてあるソースはゴルゴンゾーラのパンチが効いていて、特に脂のあるモモ肉との相性が素晴らしい。
個性的ですが甘味も感じられるバランスの良いソースなので、皮の脂の旨さを引き立ててくれます。
いや、これも文句なく旨い、旨いとしか言いようがないくらい旨い。

魚と肉を両方味わえて本日のコースのピークかと思っていたら、次に登場したのがあきたこまちのリゾでした。
プリミとかセコンディという流れじゃなく、懐石料理のような構成なのが面白い。
ほんのりグリーンなのは枝豆が入っているそうです。
上に乗せてあるのはカリカリ一歩手前のグアンチャーレと軽い火入れのあおり烏賊とのこと。
これも素人が思いつきもしない素材の組み合わせですが、しっかり塩気を出したグアンチャーレと温度を上げて甘みを増した烏賊の組み合わせがなんともunicoです。
口の中で様々な味が混ざり合ってどんどん旨味を増していくのがすごい。
満足感というか、皿の完成度が高いので食べていて高揚感が味わえます。

続いては羊肉とサザエのグリルにサルサヴェルデがかかったものが出てきました。
盛り付けも見ていて大変楽しい。
作業工程がわかるだけでなく、どの人にどれくらいのポーションで出すのかがだんだんわかってくると、あの皿は自分のかななどと密かに期待したりもできますw

羊肉の火入れは完璧で柔らかくサザエは軽い火入れですが、大きさを揃えてあるのでゴロゴロとしたワイルドな食感と弾力が楽しめます。
サルサヴェルデはローズマリーやイタリアンパセリ他数種類のハーブを使っていようですが、驚異的なバランスでどれかが強く主張することなく、控えめに味の骨格をまとめてくれます。
こういう状態をアッヴィナメントっていうんだよね。
美味しくて溜息をつくなんてなかなかありませんけど、今日はすでに何度か漏れ出てますw

さて、ワインが終わったので次を・・・と思ったら、ワイフが同じピエモンテの赤が飲みたいと言い出しました。
え、ピエモンテの赤ってバローロかバルバレスコだろ〜ここでそんなこといきなり言うか?と思う間もなく宇佐美シェフがじゃあバローロ行ってみますか、と一言。
一応ワイフはbuon mercatoでお願いしますねとは言ったものの、覚悟を決めていただきますw

viglioneのバローロは2013年のヴィンテージでとてもふくよかな香りがします。
少し時間をおいてテイスティングすると、ネッビオーロ特有の薔薇のような香りが立ち上り、しっかりした酸とタンニンでまさに正統派バローロの味わいです。
これはとても美味しい、美味しいってことは・・・w

でも美味しいからいいや〜とバローロを楽しんでいると、続いて鳶舞茸と鮑のtagliatelleが出てきました。
タリアテッレは地元の小麦粉にセモリナ粉を混ぜて打ったものだそうです。
鳶舞茸は地元秋田でも夏にしか味わえない希少な食材のようで、もちろん初めていただきましたが、とても味が濃くて香りも高いですね。
そこにゴロリと鮑が乗ってとても噛み応えのあるタリアテッレと一緒にいただくと、ポーションは小さめながら完成度の高さがよくわかります。
この夏の舞茸によくぞ鮑を合わせてくれたと感謝&感激です。

お次は仙北丸茄子と秋田錦牛の内腿のソテーが登場。
仙北エリアの丸茄子は秋田の伝統野菜らしく、とてもジューシーです。
秋田錦牛の脂を吸い込んで旨味もたっぷりです。
牛肉は内腿ですからシンタマですね。
大変柔らかい赤身で、そこに岩牡蠣と玉葱の皮で作った甘味と旨味が爆発しているソース(どうしてこんなこと思いつくんでしょうか)が合わさるともう言葉がありません。
ただただお互いに顔を見合わせて、美味しいねとしか言えないw

ドルチェが出てきました。おそらくこれで最後でしょう(当たり前だ)。
男鹿半島で栽培した若美町のマスクメロンにグラッパを入れた香りの良いアイスクリームが浮かび、その上から低温でじっくり焼いて水分を抜いて砕いたクリスピーな生ハムが振りかけてあります。
île flottanteをアイスクリームで再現したようなきれいなドルチェですね。
それともprosciutto e meloneをドルチェで再現するイメージでしょうか。
いずれにしても最後までdolce e un po'salatoな絶妙な味わいが楽しめました。

食後にいろいろとお話しさせてもらいましたが、一人でやっているので手間をかけずに時間をかけるといった趣旨のお話をされていたのが特に印象に残りました。
少量ずつ本日は自家製パンを含めると13皿出して下さいましたから、これは大変手間がかかると思うんですが、早めに仕込んでおいて時間をかけて料理に仕上げるといったイメージでしょうか。
厨房には数多くの設備がありますから、さながら化学実験のように様々な試みが行われているんじゃないかなと想像します。
楽しくもあり、大変でもあるんでしょうね。
宇佐美シェフの料理にかける情熱の片鱗を感じることができました。

ワンオペのイタリアンやフレンチは何軒か伺っていますし、好きで通っている店もありますが、どちらも自分の思ったようにやりたいという気持ちが、手分けして作る仕事の効率化よりも勝るケースが多いように感じます。
あとは自分以外の人と厨房に入るとなぜかうまくいかない人も数多く知っていますけどw

さて、そろそろお暇する時間となりました。
お店に伺ってからかれこれ4時間近くが経過しています。
まったくもって楽しくて美味しくて驚くことばかりの刺激的な4時間でした。
安易に○○劇場などとは言いたくありませんし劇場型の店では決してないのですが、終わってみると宇佐美シェフの頭の中で構成されたシナリオをそのままたっぷりと楽しんだように思えます。
極上の映画を一本観たような満足感というか、感情を大いに揺さぶられる4時間でした。
唯一、エアコンの効きが悪くて暑かったのが食事をする上でややしんどかったくらいです。

ああ、素晴らしい時間を過ごしたよ&名残惜しいけどそろそろ・・・と思ったら、またワイフが予約はこれからどうしたら良いですかと尋ねました。
後日連絡いただいてもいいし、日付が決まっているようでしたらこの場でも大丈夫ですよと言われ、ワイフがそれではと10月下旬の日付を私に相談もなしにいきなりブッキングw
半ば強制的に恣意的にw次回の予約が決まりました。

嬉しいやら驚くやら、こんなことを言い出すとは思ってもいませんでしたが、ワイフも余程楽しかったのだと思います。
日程はこれから調整することになりますが、エッフェ中心でまた計画することになりそうです。
まあそれを楽しみにしている自分がいますから、ワクワク感しかないんですけどw
その頃までにはどうかコロナが収束していますように・・・無理かな。

ご馳走様でした!!!

  • f - 入口にこの掲示が出ているのでもちろん予約のない客は入れませんし予約をその場で取ることもできません

    入口にこの掲示が出ているのでもちろん予約のない客は入れませんし予約をその場で取ることもできません

  • f - 温かみのあるシンプルな引き戸を開けて拗った廊下を進みます

    温かみのあるシンプルな引き戸を開けて拗った廊下を進みます

  • f - カウンター席に着いてご挨拶したのち泡をいただいてスタート

    カウンター席に着いてご挨拶したのち泡をいただいてスタート

  • f - スタートはこぶ鯛の生ハム締めです レモン風味のオリーブオイルと焼いたモロヘイヤでいただきます

    スタートはこぶ鯛の生ハム締めです レモン風味のオリーブオイルと焼いたモロヘイヤでいただきます

  • f - 店内はシックで落ち着いた造り 宇佐美シェフのDIYとはびっくりです

    店内はシックで落ち着いた造り 宇佐美シェフのDIYとはびっくりです

  • f - 泡の次はRocca Svevaのchiaropuroをボトルで

    泡の次はRocca Svevaのchiaropuroをボトルで

  • f - 朝採れ玉蜀黍のポタージュには雲丹を玉蜀黍の髭で包んで揚げたものが乗せてあります

    朝採れ玉蜀黍のポタージュには雲丹を玉蜀黍の髭で包んで揚げたものが乗せてあります

  • f - 米代川の天然鮎をすり潰して生の西瓜の皮とオーヴンで水分を飛ばした西瓜を遇らった皿 唸るほど美味かった

    米代川の天然鮎をすり潰して生の西瓜の皮とオーヴンで水分を飛ばした西瓜を遇らった皿 唸るほど美味かった

  • f - ストラッチャテッラと重兵衛トマトです スプーンにはバジルの香りが纏わせてあります

    ストラッチャテッラと重兵衛トマトです スプーンにはバジルの香りが纏わせてあります

  • f - 重兵衛トマトはこの状態になるまで10日かかるんだとか

    重兵衛トマトはこの状態になるまで10日かかるんだとか

  • f - 桜豚のポルペットの下にいさじゃと紅の夢のソースを敷き上から茗荷を振りかけるなんて!

    桜豚のポルペットの下にいさじゃと紅の夢のソースを敷き上から茗荷を振りかけるなんて!

  • f - プレーンと胡麻の自家製パンも小麦粉の香りが素晴らしくて&美味しくてもっと食べたかったよ

    プレーンと胡麻の自家製パンも小麦粉の香りが素晴らしくて&美味しくてもっと食べたかったよ

  • f - 2本目はピエモンテのMinaia Gavi 2018

    2本目はピエモンテのMinaia Gavi 2018

  • f - コルテーゼ種というあまり馴染みのない品種でしたがこの後のアラにぴったりでした

    コルテーゼ種というあまり馴染みのない品種でしたがこの後のアラにぴったりでした

  • f - アラのソテーにはコラトゥーラで炒めた空芯菜が敷いてありました またびっくり!

    アラのソテーにはコラトゥーラで炒めた空芯菜が敷いてありました またびっくり!

  • f - アラのソテーは皮目だけ火入れしてありふっくらしています

    アラのソテーは皮目だけ火入れしてありふっくらしています

  • f - 比内地鶏のモモ肉とムネ肉のソテーです 長いオクラはエメラルドという秋田の野菜です

    比内地鶏のモモ肉とムネ肉のソテーです 長いオクラはエメラルドという秋田の野菜です

  • f - じっくり火入れしてあってとても弾力がある肉にゴルゴンゾーラのソースが合わせてありました これも美味しすぎて悶絶します

    じっくり火入れしてあってとても弾力がある肉にゴルゴンゾーラのソースが合わせてありました これも美味しすぎて悶絶します

  • f - あきたこまちのリゾットには枝豆が一緒に炊いてあります

    あきたこまちのリゾットには枝豆が一緒に炊いてあります

  • f - リゾットの上にはカリカリ直前くらいのグアンチャーレとあおり烏賊が乗っています またまたびっくり!

    リゾットの上にはカリカリ直前くらいのグアンチャーレとあおり烏賊が乗っています またまたびっくり!

  • f - 羊肉とサザエのグリルはサルサヴェルデが不思議と合います これも唸りながらいただきました

    羊肉とサザエのグリルはサルサヴェルデが不思議と合います これも唸りながらいただきました

  • f - 3本目はバローロ ネッビオーロは独創的な料理にこそふさわしいと思いました

    3本目はバローロ ネッビオーロは独創的な料理にこそふさわしいと思いました

  • f - 鳶舞茸という夏にしかいただけない特産の舞茸と鮑でタリアテッレとは・・・驚きすぎてもう驚けないくらいですw

    鳶舞茸という夏にしかいただけない特産の舞茸と鮑でタリアテッレとは・・・驚きすぎてもう驚けないくらいですw

  • f - 仙北丸茄子と秋田錦牛の内腿のソテーです

    仙北丸茄子と秋田錦牛の内腿のソテーです

  • f - 岩牡蠣と玉葱の皮で作った甘味と旨味が爆発しているソースに完全にやられました 美味しい以外の言葉が出てこないのが悔しいです

    岩牡蠣と玉葱の皮で作った甘味と旨味が爆発しているソースに完全にやられました 美味しい以外の言葉が出てこないのが悔しいです

  • f - ドルチェは若美町のマスクメロンにグラッパを入れた香りの良いアイスクリームに生ハムをチップにしたものが乗っています dolce e un po'salatoです

    ドルチェは若美町のマスクメロンにグラッパを入れた香りの良いアイスクリームに生ハムをチップにしたものが乗っています dolce e un po'salatoです

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店舗基本情報

店名
f(エッフェ)
受賞・選出歴
2024年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2024 Bronze 受賞店

2023年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2023 Bronze 受賞店

2022年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2022 Bronze 受賞店

イタリアン 百名店 2023 選出店

食べログ イタリアン EAST 百名店 2023 選出店

ジャンル イタリアン
予約・
お問い合わせ

080-6332-8209

予約可否

完全予約制

※お問合せ等のお電話される場合は16時まで

住所

秋田県秋田市中通5-5-31 KMビル 3F

このお店は「秋田市南通り亀の町1-7」から移転しています。
※移転前の情報は最新のものとは異なります。

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交通手段

秋田駅より車で5分、1.3km

秋田駅から1,025m

営業時間
  • ■ 営業時間
    18:00~
    一斉スタートにより2組目以降は、1組目の予約時間に合わせる必要あり。

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

予算

¥15,000~¥19,999

予算(口コミ集計)
¥20,000~¥29,999 ¥10,000~¥14,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード可

(VISA、Master、JCB、AMEX、Diners)

電子マネー不可

席・設備

席数

9席

(カウンターのみ(運用は6-7席))

最大予約可能人数

着席時 9人

個室

貸切

(20人以下可)

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

近隣にコインパーキング有り

空間・設備

オシャレな空間、落ち着いた空間、席が広い、カウンター席あり

メニュー

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特徴・関連情報

利用シーン

ロケーション

隠れ家レストラン

初投稿者

ひろしです・・・。ひろしです・・・。(3442)

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