産地市場昼セリなので当日水揚げ魚は昼食には間に合わない？。それでも鮮度良し。刺身定食1650円と天ぷら定食1650円。昼セリ見学と合わせて「いらごの風景」を堪能。出かける曜日に注意。シラタイ,オオニベ : いちば食堂

　漁港市場「渥美魚市場」に併設した食堂です。

消費地市場の食堂との違いは、より高鮮度感を味わえるということ。
消費地市場食堂のような品種の豊富さは望めないものの、水揚げからの移動距離が短い(約50m)ため魚の傷みが時間経過以外はほぼないといえる。
漁船直仕入ならばセリ当日、セリ品を使用しているならば翌日に食堂で提供される。
渥美魚市場は昼セリなので当日水揚げ魚は漁船直仕入でないと昼食でいただくことはできないと推測。
早朝出発した漁船が午前中に帰着。セリは12時30分から行われる。
昼セリで落札した鮮魚は消費地市場へ産地業者によって輸送され、翌日早朝にセリにかけられる。(もちろん店舗直送や市場外流通・市場相対取引もある)
一番、鮮度の良いのは「当日水揚げ」だが、夜営業の店でないと食すことは難しいと推測。

さて、当店はどうなのかと推測する前に市場の営業日を確認して訪れる必要がある。

渥美魚市場は産地市場なので消費地市場の休みの前日がお休みとなる。
よって、当食堂が魚市場の休日日である火曜日と翌日の水曜日が休日であることは理解できる。
そうなると市場休日の土曜日と翌日の日曜日に食堂は営業しているので調達方法が気になるところ。

訪れたのは金曜日(2022年3月11日)。菜の花観光も併せての渥美行だが、観光よりも昼食を優先。

「本日の魚」
本日の魚は本日提供する魚という意味で、前述の通り、当日水揚げとは限らないので要注意。

きちんとネタ表示してくれている。嬉しい&ありがたい。
ネタを聞いたら怒られたことがあるのでこういう表示は本当に嬉しい。
刺身系メニューは
・ハマチ、スズキ、黒鯛、タカノハダイ,オオニベ,シラタイ。
天丼にはオオニベではなくニベが採用されている。

メニューは定食メインで「地魚丼定食」「刺身定食」「天ぷら定食」「煮魚定食」で各1,650円

私は当然「刺身定食」でナマモノ苦手の家人は「天ぷら定食」。

★刺身定食1,650円(税込)

シラタイ？　シラダイではなく？

何だろうと思って伺うと親切に教えていただいた。何処ぞの「忙しいから聞くな」的飲食店と大違い。
「ヘダイ」らしい。シラダイと呼ぶ地域もあるが渥美半島ではシラタイと濁らない。

いや。これは意外。美味しいのですよ。これがまた。
焼いたのは何回も食しているがさほど美味しいとは思わなかったので、当店のヘダイの刺身の味にびっくり。
ヘダイの寿司も食したことがあるが当店ほどの味ではなかった。
ヘダイはチヌ(クロダイ)釣り人にとっては外道でキビレよりも嫌われる。
内湾の釣り場ではあまり見かけないが三重県の賢島の英虞湾のイカダで釣ったことがある。
結構、引きが強くクロダイほど首は振らないものの、初めて釣り上げた時はてっきりクロダイヒットと思って慎重にやりとりしてようやく上がったと思ったら扁平顔にガッカリ。リリースしてしまいました。

次に美味しいと思ったのはオオニベ。
温暖化の影響なのか黒潮の大蛇行の所為なのかはわからないが、近年、よく見かけられるようになった。
ナンヨウスズキと呼ばれることもあるスズキ亜目ニベ科オオニベ属の魚で安くて美味しいのがウリの魚。
鮮度の良いオオニベの特徴である血合い部分と身の透明感も残っている。さすが産地市場隣接食堂。

クロダイはさんざん釣って食べたので料理店ではあまり見たくない魚だがさすがに良い味。
タカノハダイも直売所の鮮魚店ではお馴染みだが、スーパーではルックスが良くないので人気薄ながら、当店のタカノハダイは美味。
こうなると普通のネタのスズキとハマチがかわいそうな存在となるが、当然、当たり前に美味堪能。
贅沢言わせてもらうとスズキの代わりにヒラメ、クロダイの代わりに天然真鯛だったらさらに嬉しい。

「ここまで来た甲斐があった」
産地まで訪れないと食べることができない鮮度感のある魚種に感激しました。
海が荒れたり入荷が少ない時以外は満足できますね。
ただし、白身の美味しさを引き出すための熟成等、さらに美味しくするための技よりも鮮度感を味わう食堂と心得ておかないと「もっと美味しい寿司屋や料亭がある」とか言ってしまうかも・・・ね。

あと、あさりごはん。あさりがたっぷり入っているのには驚き。さすが産地ですね。

★天ぷら定食1,650円(税込)
ニベ科ニベ属の「ニベ」は、オオニベと比べて刺身にした時のルックスがイマイチなので天ぷらと天丼に採用されていると推測。
生でも美味しいが加熱すると脂の旨味が引き立つように思う。
エビはバナメイエビでしょうか。地場の天然車エビだと「ウッヒョー」となったのですが。
家人に言わせると「美味しい」。
野菜を含めて鮮度感を感じる。


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・いちば食堂
愛知県田原市伊良湖町宮下3000-3
℡0531-35-6731
営業時間　11時～15時（L.O）
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　食事を12時30分までに終わらせて市場側に行って“昼セリ”を見学。
一色・西浦・豊浜などの愛知県内だけでなく、他県の産地市場はこれまで何回か訪れているが昼セリの産地市場は初。
若い頃、青果のバイヤーをしてました。某市場で直接買参していた時期もあったのでセリの経験はあるものの、鮮魚のセリはまったくわからない。
符丁も違えばセリの手順も違う。
面白いのは漁船が入港する毎に買参人が漁船前まで移動して、漁船からの積み下ろし作業、すなわち船から降ろす作業をしながらカゴごとにセリが行われること。
これは良い物を見せてもらった。
市場へ行ったことがない家人も興味津々。
「お父さんも朝早く起きて市場へ行ってたよね」
夜勤程ではないが朝早いのも結構大変だったなぁ。

食事と合わせてセリも堪能。
その後、菜の花と河津桜を眺めに行きました。
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