扉の向こう側。 : マディナ ハラル レストラン

＜２０１６年9月＞

金曜日のマディナさんは初めて。
到着が遅くなって、モスク周辺には誰もいない。
マディナさんもすっかりお店は終わった雰囲気で、いつもより寂しかった。
テイクアウトでビリヤニお願いしたら、
ホールの男の子に伝わってなくて、お皿ででてきちゃった。
申し訳ないなって思って、厨房までいったら、
前回お会いしたコックさんがいて、
「キョウハビリヤニ　モチカエリ？」って笑顔で聞いてくれた。
ほとんど日本語話せないのに、一生懸命さが伝わる。
あたしのこと覚えていてくれたことも、すごくうれしかった。
「今日は焼き鳥ないの？」
と、コックさんに聞いてみると、
メニューを広げて、筒形のフライを指さして、
「ビーフロール　デキルヨ」
そういって、作ってくれました。
マサラで味付けたじゃがいもと牛肉を、パラタでくるりと巻いて、
衣をつけてフライにしたお料理。

あたしの、ビールのおつまみにぴったり☆
おいしかった。

あたし、やっぱり、マディナさん好きです。


＜２０１６年４月＞

料理場の横のカウンターに、保温器があるのを見つけた。
丸いドーナツのような形。
「もしかして、ワダ？」
コックさんがマドラスにいたことを知り、
今日は、ワダを食べよう♪と電車に乗った。
春の心地よい日に、ちょっと遠出。

ワダを注文すると、「サンバルは　辛イケド　大丈夫　ナノカ？」
辛いのOK！だと言っても、ホントニ？カライヨ？
大丈夫よ(^-^)
辛いサンバルは食べたことがないから、ハテナ？でしたが、
出てきたワダをみて納得でした。
フワフワのワダには、ちょっぴりココナツの何かを感じるような？
どこでいただいても同じ味のものはないことが、楽しい。
サンバルは、ペーストのよう。
野菜スープがサンバルだと思っていたので、ちょっとびっくりだけど、
軽食だからアリなのかも。
だって、スナックコーナーのワダは、１個１００円。
ミスドのドーナツの特売価格！
いくつ食べたいか聞かれて、２個いただいて。
２００円。
申し訳ないくらいの値段。
お持ち帰りにロティセットをいただき、９００円でいいって。


夜は、タンドールロティ２枚と、骨付きマトンとお野菜たっぷりのカレーを自宅でいただいて。
自宅でチャパティを焼くと、タンドリーロティが恋しくなるの。
フライパンで焼くのと違うふっくら感がいいもの。
骨付きマトンの美味しさがギュッと詰まった、お野菜がゴロゴロの、たっぷりカレー。
これで、７００円なんて・・・、ありがたい。
いつもごちそうをありがとう！


＜２０１６年３月＞

「今日ハ、ビリヤニダケ、イイ？」
ここのお料理どれをいただいても美味しいので、別になんでも構わなかったから、
「うん、大丈夫。」
そう、答えた後で前回きたときの会話を思いだしました。
火曜日コックサン　ヤスミダカラ　キヲツケテネ。
うっかりしてたわ。
「今日お休みだったね、ごめんね。私、今日お休みのこと忘れてた。ごめん。」
イスラムの方は、ちっとも気にすることなく笑顔で、
「ダイジョウブヨ　ビリヤニデキルカラ。」

温めなおしたビリヤニだけど、マトンがゴロゴロ入ってて、
複雑に香るスパイスがいい。
マトンが美味しい！と感じるスパイス使いなの。
冷たいライタも一緒に、混ぜていただく。

ごはんにヨーグルトをかけるなんて、絶対に無理だった。
塩味のヨーグルトなんて、あり得なかった。
最初はびっくり！だったけど、
今では、ライタがないと寂しく感じる。

ごめんね。
今度は忘れないで、火曜日じゃない日にくるね。

＊＊＊＊２０１６年１月＊＊＊＊

カレー初めやり直し♪ということで、パキスタンの扉を開きに参りました。
新安城にはモスクというイスラムの礼拝所があることから、
この周りには彼らのご馳走を作っているレストランが数軒あります。
そのうちの一つのレストランが、マディナさんです。
ここで、日本人と会ったことはないけど、
何回か通うと、不思議と居心地の良さが生まれ、
どきどきして開いた扉は、今では安堵感で開く扉へと変わりました。

久しぶり♪
本当に覚えてるの？って聞いてみると、
「NEW　OPENの前にキタデショ。」
日本人のレベルに近いくらい上手な日本語を話す、イスラムの彼は笑顔で迎えてくれた。
あっ、本当だ。
テーブルクロスが鮮やかなブルーになってるね。
パキスタンのカレーでもある深緑の布を使って、カラフルに店内が変わっている。
いちばん驚いたのは、メニューがとてもわかりやすくなったこと。
どんな料理があるかもはっきりわかるから交渉の必要ナシでOKなのと、
ランチセットが増えてます♪
イスラムの彼が、ランチセットだといろんなのついてるよ、
ナンもごはんもついてる、とお勧めくださったので、
Bセットをいただくことにしました。

＊Bセット　１０８０円
　スープ・サラダ・本日のカレー・チキンティッカ・シシカバブ・ライスとナン

ナンはロティに変更可能できたので、ロティに♪
ライスは、本当は日本米。
でも、おねだりバスマティ。

プレートに盛られたお料理の、美味しそうなこと。
見てるだけでも心が躍るのに、バスマティの芳醇な香りにめまいがしそうです。
カトリをプレートの外にだして、ライスをカポッ。
あけたらすごい量でびっくり。
今日のカレーは、骨付きマトン。
臭みなく柔らかく煮込まれたマトンに、骨髄のうまみのとけあうカレー。
ふかふかバスマティにかけていただくと、自然に笑顔が生まれる。
うまいです。
焼きたてロティは、噛むと自然な甘みを感じるの。

彼らのごちそうは、私にも同じ、ごちそうなんだ。
タンドリーもロティも食べきれなかったので包んでもらました。
お会計の時に、ふと厨房を見ると、
保温器にワダのような、ドーナツ型をしたものがあります。
「あれは、ワダ？ドーナツ？」

「ワダですよ。コックさんね、マドラスのレストランにいたの。だから南インド料理作レルヨ。」
えー！！！知らなかった。
確か、スリランカ人のコックさんだとミアさんから聞いてたんだけど、
マドラスにもいらしたとは。
他の国での経験もあるから、メニューが豊富なんだそうです。

ワダがあるということは、サンバールもあるんだろうか？
「サンバルとかラッサムもあるの？」
もう、質問攻めです(笑)

火曜日以外は、いつもあるそうですよ。
次回は、南インド料理をいただきに行きます♪

扉がどんどん開きます、マディナさんで。
向こう側には、また新しい世界が見えてくるんだ。


＜２０１５年　6月　＞

私の友人は、声が大きい。
私は、笑い声が大きいらしい。
パキスタンや、バングラディシュ人たちは、
教壇に立つ先生が、教室中に聞こえるような声で、
すぐ隣にいる人と会話する。


私と同じ名前の「wolfskin２号ちゃん」という、声の大きい友人。
彼女から、「あんたの行ってる、おもろくて美味しい店に、連れてって。」と連絡が入りました。
おもろくて美味しいお店ね、OKよ♪
「モスクの近くの店に行く？」とメッセージを送ると、
「行きたい！」と返事が来たので、電車に揺られながら遠足気分で出かけました。

２号ちゃん、初めての新安城。
「いやぁ、あんた・・・よくこの店に一人で入ったね。」
あははっ。
新大久保よりもずいぶんマシだと思うけど、確かにディープね♪

お席に腰を掛けて、お店の壁にペタペタと貼ってあるメニューを見ます。
メニューには、パラタとロティに１カレーというセットメニューが書いてありますが、
カレーの種類は書いてないの。
そうです、この手のお店は交渉をするんです。
何ができるのか？自分はどんなものを食べたいかを伝えて決めます。
「今日ノ日替ワリ、アサリチキン。」
「ダル、ある？」
「デキマス。」
「ダルとチャパティ、それ２つで。」
交渉といっても、この程度なのでぜんぜん大丈夫です。

２号ちゃんは不安いっぱい。
「今ので通ったの？なに頼んだの？何語話したの？」

　
＊ダル&チャパティ（2枚）　690円（税込）


２号ちゃん、初めてのダル。
「えっ！これカレーなの？ポタージュみたい♪おいしいー。初めてー。
　んっ？しょうががきいてる！おいしい。」

このお店のダルは、マスールダルをターメリックで柔らかく煮込んだものに、
ニンニクとショウガ、塩、スパイスはクミン、グリーンチリを使った、
とてもシンプルなスパイス使いのものなの。
だから、豆ポタージュみたいな装い。
これを、チャパティにつけていただく。


2号ちゃん、初めてのチャパティ。
「んー、ナンよりも好きかもー。うまい！」と。

チャパティは、全粒粉の薄焼きパン。
小麦の香りが味わえるし、噛みごたえのある触感がいい。

私たち２人が、うまい！うまい！と、
たぶん大きな声で話していたんでしょうね。
気が付いたら、
後ろのパキスタン、バングラディシュ、インド人のお客さんも、
楽しそうな会話が始まった。
たった、8人くらいしかいない店内は、みんなの声いっぱいに包まれていたの。
これでなくちゃ。
ここは、ちょっぴりパキスタンな場所なんだものね！

2号ちゃん、初めてのパキスタン人との会話。
温厚で、やさしい彼らのこと理解してくれたみたい。

私は、今回で２回目の訪問だったの。
前に来たのは、昨年の10月で。
なのに、前に来たこと覚えていてくれたんだ。

2号ちゃん「えっ！まだ２回目なの？すごい友達みたい。」
彼ら、とてもフレンドリーなんだよ。
ありがとう、ごちそうさま。


＜２０１４年１０月　　　扉の向こう側。＞

一つの扉を開けた時から始まった。
この扉を開けるまで知らなかったの、
扉の先に、まだ、いつくもの扉があるなんて。
まるで、不思議な国のアリス。
一つの扉を開けたら、
また、もう一つの扉が見つかる。
そして、また扉をあけてどんどん進んでいくの。
そう、まるで迷宮に迷い込んだように。

私は、扉の前で魔法の言葉をそっとささやく、
「アッサラーム アレイクン。」
サーッと、広がった世界。
そこには、まだ、私が知らない世界がいっぱい詰まっていた。

お店の入り口の先に、レストランのスペースが作られていて、
テーブルと椅子が並んでしました。
壁にはメニューが貼られていて、カレーとパラタの写真や、
インドのハンバーガーと、手書きのイラストで書かれたものもあった。
ハンバーガーには、何が挟んであるんだろう？
とりあえず、お店の人を見つけなくちゃ。
テーブルと椅子が並べられたその奥の、右側にハラル食材が並んでいて、
左側に厨房を見つけた。

「こんにちわ～♪」

日本語で通じるのかな？と不安に思いながらも、声を掛けてみると、
厨房からシェフが出てきました。
「コンニチワ♪」
良かった、日本語OKなのね。
お料理の写真が壁に貼られていたんだけど、どれがあるのかしら？
シェフは私に、
「ナニ食べたい？ビリヤニ？」と、笑顔で尋ねました。
ビリヤニ！捨てがたいけど、今日はカレーの気分。
壁の写真を指差して、
「カレーとパラタが欲しい。」
シェフはにっこりと微笑んで、
「マトンカレーでOK？」
もちろんOKです♪

*マトンカレー&パラタのセット(700円 税別)

パラタが２枚と、大きなお皿にたっぷりと盛られたマトンカレーが登場です。
サクサクで香ばしいパラタ、美味しいね。
マトンカレーは、カルダモンがパツンと香りワイルドな仕上がりで、
骨付き肉がゴロゴロと入っています。
マトンの髄液も染み出ているようで、お肌に良さそうな感じ。
次の日のお肌は、ちょっぴりプルプルになったような♪ホントかな？(笑)

店主が私のもとにやってきて、辛さは大丈夫か？とか。お料理の味は大丈夫なのか？
いろいろと気遣ってくれました。
アッサラームアレイクンの意味を知っているかも聞かれて、
先日ロタのマスターから聞いたように、
神様の平和があなたのもとへ、とお話したら、笑ってくれました。
「朝も、昼も、夜もその挨拶なんだよ」と、また一つ新しいことを教えてくれました。

お席の横に貼ってあるメニューには、TAKE OUT OK！と書いてあります。
野菜系のカレーが食べてみたかったので、
ベジタブルカレーとロティのお持ち帰りしてきました。
この日は、お連れさまは単独で岩手まで行っていたので、わたしの夜ごはん用に購入しました。

*ベジカレー&ロティ (690円 )
インゲンやグリーンピースなどのお野菜がゴロゴロ入ったスパイシーなカレー。
チャパティとの相性がばっちり！
ワイルドな仕上げですね。美味しいです♪
どんぶりのようなプラの保温容器にたっぷり注がれていて、とってもお値打ちに思いました。

扉を開けるたびに、違う世界が見えてくる。
不安な気持ちや、好奇心、
出会った方々からいただく愛情で温まる心。
今日の扉は、パキスタンの扉だった。
明日は、どこの扉を開けようか？