尾張の里が誇る、銘菓「三喜羅」。ほんのり塩加減、麩の絶妙な食感がたまらない！ : 大口屋 布袋本店

［愛知県江南市］
2013/7/28（日）
名鉄犬山線・布袋駅近くの和菓子店。
創業以来195年、葉っぱで包んだ麩饅頭「餡麩 三喜羅（さんきら）」が人気。

結論から言うと、こちらの麩饅頭は私の一押しである。
名古屋駅や中部国際空港の売店でも、購入できる。
赤福（伊勢名物の餡餅）・ゆかり（海老せんべい）も良いけれど、
もう一つの選択肢として、ぜひ覚えていただきたい逸品である。

既に数回食べて気に入っているが、今回は本店を訪れることにした。
名古屋から北へ20km弱、木曽川の南岸に位置する江南（こうなん）市。
曼陀羅寺という藤の名所を擁し、カーテン生地の生産日本一という繊維業の町でもある。

布袋駅前から、いかにも街道筋という風情の細い道を進む。
車1台がちょうど通れる幅、両脇には歴史のありそうな民家や、造り酒屋が建ち並ぶ。

創業 文政元年（1818）。
古い町並みに溶け込んだ風格ある外観。語らずとも、歴史の長さが感じ取れる。
店舗脇に、3台分の駐車場あり。

暖簾をくぐれば、上品かつゆったりとした、和の空間。
七夕飾りがさらさらと迎えてくれた。
そういえば江南は、お隣の一宮と並び、七夕祭りが賑やかな町でもある。

一番人気の麩饅頭のほかにも、上生菓子・蒸菓子などを幅広く揃える。
今の時期は、遠花火と名付けられた上生菓子、濃尾のしずく（竹入り水羊羹）など、
涼を呼ぶ品々が並ぶ。

店員さんは、商品の説明を丁寧にしてくれて好感が持てる。
実家用と自分用、そして訳アリ女子向けに麩饅頭を購入。
さらに、目に付いた菓子をいくつか…

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■餡麩 三喜羅（￥126、6個箱入￥861）
山帰来＝サルトリイバラの葉で包まれた、麩饅頭。
この地方でよく麩が食べられることから（私が日記に書いた「角麩」など）、
和菓子への応用を試み、1975年から販売しているというベストセラー。

サイズは小さめ、まんまる葉っぱがチャーミング。
道明寺の桜餅に似た、ハーバルな香りが漂う。

麩は淡いベージュ、ナチュラルな色合いが上品。
口に入れれば、麩の絶妙な食感に魅了されること間違いなし！
ふわふわとメレンゲのような口当たり、それでいて噛み心地はしっかり。

赤ちゃんの耳たぶのような、といえば伝わるだろうか（食べたことないけど）。
主原料は小麦粉グルテン、これが強力なコシを生み出す源だ。
さらに、米粉も少し含まれている。

中は、淡いえんじ色のこし餡。
塩漬けにされた葉から、ほんのり塩味が染み出すのであるが、
それと甘さとのバランスが丁度良く、何度食べても飽きない美味しさだ。

日持ちは 2日間。
麩の食感が失われないうちに、食べきりたい。

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■琥珀糖（￥315）
かちわり氷のような、透明感ある外観。
見ているだけでも、ちょっと涼しくなれそう。

口に入れると、シャリ…とほどける糖衣の溶け感、
その中から、リキュール風味のゼリーが顔を出す。

白のほか、黄色・ピンク・水色。
それぞれ、梅酒・ブランデー・ホワイトリキュール（キュラソー？）で香り付けされている。
リキュール風味だなんて、なんだかお洒落～。

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■さび笹芭（￥273）
ブランデー風味の和風ゼリー。
和洋折衷、酒好きとしては見逃せない組み合わせだ。

原材料には「笹パウダー」。
あら、名前だけではなく、本当に入っているとは！

スプーンで口に運べば、上品な甘さに優しい酸味。
いったい何の味だろう？　ブランデーとも笹とも、なんとも言えない不思議風味。
不思議なのだけど、美味しい。
何も分からないまま、つるんと入ってしまう♪

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■濃尾鮎（￥189）
夏の定番和菓子、鮎。
やや固めに焼かれたカステラ生地の中に、柔らかい求肥が包まれている。

濃尾平野を流れる木曽川は、鵜飼の場としても名高い。
かつては天然の鮎が、群れ泳いでいたに違いない。

そんな風景を想いつつ、頬張る。
少し冷蔵庫で冷やしておいたのが、大正解。

ひんやり冷たく、もちもちした求肥が最高！
甘さも控え目で、もう1匹欲しくなってしまう。
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老舗としての実力はもちろん、現在の人気にあぐらをかかず、
次々と新しいアイディアを投入しているな、と感心させられる。

調べてみれば、関東（日本橋三越・銀座三越）、関西（近鉄阿倍野店、大阪三越伊勢丹）でも
定期的に、麩饅頭 「三喜羅」を購入できるようだ。
http://www.ooguchiya.co.jp/info/tenpo.htm

まずは一度、食べていただいて…
味噌とひつまぶしばかりが愛知の味ではない、と感じていただければ幸いである （^-^）