１０年越しのかえしと熟成玉ねぎが旨み成分の立役者。 : 中華そば 白壁 あおい

＜はじめに＞
夏休みの宿題というか、書き溜めたレビューが実際レビューした数の３倍ほどになる今日この頃でありますが、書き溜めレビューの中で、特に前倒して書きたいのが、こちらのあおいさんです。
名古屋出張の折、出張を終え、白川郷に戻る際に、一軒立ち寄ろうと、地元のレビュアーさんであり、個人的なお友達でもある、Uさんにお電話をして、お勧めのお店をお伺いすることに。
こちらのUさん、かなりのラーメン通でもあり、地元の大規模なラーメンの催事などの運営委員長までやっている方で、かなり顔の広い方です。もちろん、私の好みもよく分かっておられ、私がいる場所をお伝えすると、こちらの「おあい」さんがいいのではないかということで、向かってみることに。もともと高山中華のお店で、そちらを発展させた面白いお店だとか・・・。高山中華か・・・。３日に１度の割合で食べているだけに、わざわざ名古屋に来てまで食べるのは・・と思いつつ、近くのコインパーキングに車をとめ、いざ入店します。

＜中華そば＞
味噌の方も美味しそうだったのだが、この日は、あまり食欲がなく、あっさりと中華そばを頂くことに。さて、程なく中華そばがやって参ります。おおお、なかなか美味しそうなルックスであります。これは期待できるのでは！
まず、スープを１口。。。あれっ、自分の思っていた高山中華の味からは、かなり外れますが、これはかなり美味しいスープです。個人的に、あまり甘いスープは得意ではないのですが、こちらのスープ、独特な甘味があり、それが甘すぎず、くどくもなく、何とも美味しいのです。
気が付けば、スープを飲み干してしまいそうになるくらい、自然にグイグイいけてしまいます。
先代のお父さんの時代のスープを継承しつつも、かなりオリジナリティーあふれるスープであり、何ともバランスがとれている完成度の高いスープであります。
正直、現在の高山市内にある高山中華よりも上を行くのではと思ってしまう程であります。
美味しいうどん屋さんに出てくる和風出汁を思い起こすような和風のスープでありますが、椎茸類は入っておらず、甘味のベースは、熟成させた玉ねぎだと言う。なるほど、オニオンスープのあの旨み成分を、極力甘すぎないように抑え、和風のテイストにバランスよくマッチングしている。
これは、癖になりそうですね～。また、自家製面も、添加物を入れずに、健康に配慮したものなのだが、これまた何ともスープにマッチしています。
いやはや、これは久しぶりの大満足ラーメンであります！

＜濃厚味噌そば＞
中華そばで、店主の実力を確信した私は、あまり食欲が無かったにもかかわらず、気になっていた濃厚味噌そばを追加オーダーします。正直、食べきれるかどうか自信が無かったのですが、是非味噌の実力も拝見してみたく、満腹中枢がマックスにならない内に味噌の到着を心待ちにします。
程なく、味噌登場です。
おおおおおおお！！！これは、かなりのボリューム感！でも、美味しそう。
まずは、スープから・・・。これは、これはかなりレベルの高い味噌ですよ！
味噌ラーメンに至っては、北海道時代に今の高山中華以上に食べまくり、いやという程に食べ比べていますが、ここの味噌、正直北海道で頂く、味噌ラーメン全般よりも美味しいいかもです。
というのも、北海道で頂く味噌ラーメンの多くが、製麺会社の作る味噌タレを使用しており、インスタントとまでは言わないものの、かなり大量生産できるタイプのものが多く、特にススキノ界隈のお店は、そういったお店が多いですね。
ここの味噌は、３種類の味噌をブレンドしているのですが、とにかく、食べやすい！満腹中枢のリミットが外れると言っても過言であるくらいに、味のまとまりがいいです。
イメージ的には、北海道の月見軒 本店さんと、みそラーメンの喜亭の味噌を合わせ、さらにより深みを与えた感じで、旨いですね～。かなり自分好みであります！
すくっても、すくっても無くならないひき肉も美味しいですね～。相当多くの種類の野菜がブレンドされている感じですが、くどくなく、後味もすこぶるいいですね。
あまり食欲がない状態で、中華のみならず、こちらの濃厚な味噌も平らげてしまいました。

＜総括＞
新規開拓のお店の中では、最近頂いたラーメンの中でもトップクラスでありました。いわゆる、流行りのタイプのお店ではないものの、昔ながらの手法と、二代目の創意工夫が見事にマッチしており、ラーメン通な方から、あまりラーメンを食べられない方に至るまで、幅広い層で受け入れられそうなテイストであります。１０年越しのかえしで、旨みにコクと深みを与えておられ、熟成玉ねぎの使い方の絶妙ですね。かなり、料理の研究をしないと、この味には行きつかないのではないかと思われます。お見事です！次は、残る台湾そばを頂きに参ります！