夏の柳家錦 : 柳家錦

きっかり2年ぶりにお邪魔しました。

結論から書きますが、この日はちょっと不完全燃焼気味でしたね。

美味しい物もあるにはありましたが、総じてそこまでの素材力や調理の巧みさは感じられませんでした。


美味しかったのは長良川の天然うなぎ。

夏なので脂はあまり乗っていませんでしたが、皮目や表面はパリッと、身はふわっと柔らかく臭味なし。

素材も良かったですがそれ以上に焼きが素晴らしくて、とても美味でした。


鹿ロースの炭火焼きも良かったです。

脂は甘く、赤身の部分も嫌なレバー臭さなどのクセもなし。

ジューシーで実に味わい深く、赤身ラバーにはたまらない美味しさでした。


一方鮎の塩焼きは塩が強く（もちろんヒレを外した上で）、火も入り過ぎ。

普通に美味しくはありましたが、期待した程ではありませんでした。


岩魚や季節野菜の天ぷらもちょっとした居酒屋レベル。

油の質は悪くないと思いますが、もっと油切れ良く軽く揚がっていると良かったです。


胡麻豆腐は塩が強く、じゅんさいがあまりに貧相。


鮎の炊き込みごはんは味付けが濃いですし、山椒も強くて鮎の風味が感じられませんでした。

また、他のグループよりも提供が遅かったのか、ご飯をかき混ぜ過ぎた様子。

写真でもわかるくらいに米粒が崩れて、ボソッとした口当たりが目立っていました。


サービス面は最初の八寸について何の説明もなかったのと、前回も同じですが鮎の塩焼きを提供するのが早過ぎるのが気になりました。

せめてもうちょい八寸を食べ進めてから提供してくださるとありがたいです。


立地が立地なので仕方ないとは思いますが、この日の内容で税込13,200円という勘定にはちょっとがっかり。

ともあれ、どうもご馳走さまでした。

鮎をいただきに、4ヶ月ぶりに柳家錦さんへお邪魔しました。


初っ端から和良鮎の塩焼きが2尾。

おまけに一夜干しと魚田の春巻き？も出てきて、たっぷりと鮎をいただけて満足です。

どれも美味しかったですが、やっぱり塩焼きが一番ですね。

ワタの青臭いような香りと、クリアなほろ苦さがたまりませんでした。


今回は野菜もとても美味しかったですね。

一番好みだったのは、甘くなくて天然のトマトソースのような濃厚な味わいのトマト。

甘いトマトばかりが幅を利かせる昨今ですが、私はこういうトマトの方が大好きです。

その他咀嚼すればするほどものすごい粘りを発揮するオクラにもビックリさせられました。


長良川の天然うなぎも天ぷら、うざく、鰻丼と色々楽しませていただきました。

でも、この日一番美味しいと思ったのは、鹿ロースの炭火焼きでした。

鉄っぽい旨味がたっぷりですが、血の臭味やイヤなレバーっぽさは皆無。

甘さ控えめのサラッとしたタレも好相性で、もう無限に食べられそうな美味しさでした。


次回は特にジビエが楽しめそうな秋か冬頃にお邪魔したいと思います。

どうもご馳走さまでした。

柳家錦さんで12,000円のコースをいただいてきました。


前菜は生姜を効かせた蜂の子の甘露煮と鹿肉の有馬煮、そら豆の塩茹で。

ビールが来るまで前菜に箸をつけずに待っていたところ、アマゴの炭火焼きが運ばれてきました。

順番が前後しますが、やはり焼き立てをいただくべきと思い、手づかみでアマゴをがぶり。

ふっくらと焼けていますし、齧り付いた瞬間鼻に抜ける川魚らしい香りがたまりませんね。

一発目からいきなり美味しくて、これからいただく料理への期待が高まります。


しかし、前菜の蜂の子、鹿肉はいかにも郷土料理といった感じの甘辛い味付けで、それ以上でもそれ以下でもなく。

塩強めのそら豆もいたって普通です。

続いて出てきた金柑のシロップ漬けやほうれん草の胡麻和え？とアスパラも驚くような素材感や調理技術は感じられず、ちょっと肩透かしでした。


目の前の囲炉裏で調理された鴨鍋も美味しいことは美味しいのですが、野趣ではなくほんのり感じるネガティブな臭味が気になりました。

その他の具材のキノコや野菜もそれほど吟味されている風でもなかったです。

それはともかくボリュームが物凄いので、余程の大食漢でない限り完食しようと思わない方が良いです。

この後の料理を食べながら、腹具合と相談しつつ摘まんでいくのが吉かと思います。


ここからジビエの炭火焼きがどんどん出てくるのですが、これが柳家錦さんの一番の醍醐味ですかね。

鴨の皮のねぎまと真鴨、小鴨、鹿ヒレ肉、猪ロース、蝦夷鹿ロースの6品をいただきましたが、どれも個性的で火入れも良好。

面目躍如の美味しさで、赤ワインがグイグイ進みました。


真鴨は鴨鍋の鴨と違って全く臭みがなく、鉄分豊富で深みのある味わい。

小鴨はロースも良いのですが、脂がたっぷりのったもも肉がジューシーでたまりません。

添えられたわさびをたっぷり載せて食べると最＆高。

あっさりとした鹿ヒレ肉もジューシーな火入れで良かったですし、猪ロースの脂の甘味は間違いのないところ。

蝦夷鹿ロースは脂身のみ醤油ダレをつけて焼いてあるんですかね。

タレ味のついた脂身が香ばしく、淡泊な赤身といただくと滅法美味しかったです。

普段脂身は好まないのですが、ジビエの脂は比較的軽いですし、素材の個性が顕著に出るので楽しいですね。


シメの自然薯ご飯も美味しかったです。

ただ、香の物は大根が甘ったるくて残してしまいました。

デザートも生クリームがコンビニスイーツレベルですし、正直どうでも良いシロモノでした。


総評として、臭味のない美味しいジビエや川魚も楽しめる上に、ボリュームも満点。

この立地で12,000円という価格を考えれば、上出来と言って良いコースだと思います。

ただ、鍋で結構お腹一杯のところに、炭火焼きの肉が連続で出てくると単調でちとつらいですね。

もうちょっと流れを考えた方が良いかもしれません。


次回は鮎が美味しい季節にお邪魔したいと思います。

どうもご馳走さまでした。