トンカツ屋で牛カツ : とんかつ いちばん

昨日は丸善に本を買いに行く用事があり、昼御飯は三越の食堂街のトンカツ屋で食べた。この店は不思議な店で、トンカツ屋なのに牛カツがオススメメニューとして店頭で紹介されている。トンカツは、低価格のチェーン店が猛威を振るっており、千円以上のトンカツの需要は下がっているようなのだ。この店のコンセプトは古く、店内は暗い。テーブルの上にスポットライトで照明が落ちるようになっているが、まるで昔のカフェバー？のような照明なのだ。反面、トンカツや牛カツはフツーに美味しく問題無い。天麩羅も揚げ物だが、天麩羅は衣が軽く、素材は蒸し物のような味わいだが、豚肉に中央部まで熱を通すためには低温で長時間揚げるというのがスタンダードで、衣はどうしても油っぽくなってしまう。これを避けるためには厚さの薄い肉を使う必要があるので、なかなか難しいのだ。なお、テーブルの上のポットはお茶が入っている。某ステーキ屋では、このポットの中にステーキソースが入っていて、それをアイスコーヒーだと思い込んで一気飲みした私はトラウマになっていて、テーブル上のポットを見るたびに、警戒するようになってしまった。

私の医院は歯科医院だがインプラント治療がメインの仕事で今日も午前中は息子がインプラント手術をしている。一方、親父の私は息子がインプラント手術を終了してから、一緒にインプラント治療を希望する患者さんの初診を行う予定だったが、その初診患者さんからキャンセルの電話が入り、いきなり時間が出来た。すると、家内が、もう直ぐ長男の子供がやってくるので、ベビーベット用の布団を買いに行くというのでお供に出かけた。

さて、この時期はバレンタインデイ前で名古屋駅前には近寄れない。駐車場は早い時間から長蛇の列だ。そこで、三越に出かけた。しかし、朝早い時間の三越は高齢者ばかりだ。バレンタインデーの特設売り場には若い人の姿はなく、白髪の老婆が75%を締めるというのは、一種異様な光景だ。家内が孫の布団選びをしている間、バレンタイン売り場を見ていたら、時間とともに若い女性も現れて、フツーの光景となった。

さて、無事布団の購入が出来た。時計を見ると11時を回った程度だが、店が混む前に昼食を摂ることにした。実は、今朝、ショッキングな事実が発覚した。先日行った健康診断の結果が送られてきたのだ。空腹時血糖値の値が高い上に、HbA1cの値が6を超えている。これは、いよいよ、食事制限をせねばならない！

さて、この食事制限の問題だが、簡単なようで簡単では無い。以前にも何度かダイエットを行なっているが、最終的には挫折して現在に至っている。禁煙は成功したが、ダイエットは一時的には成功しても必ずリバウンドしてしまう。糖質制限も厳格に行なった時期があり、その時は一時的には効果が出るのだが、やはり、御飯などの炭水化物は美味しくて、これを断つことは不可能なことなのだ。

特に、外食においては炭水化物を制限することは難しい。現実的な方法としては定食を頼んで、御飯には手をつけないという手段だ。そんな訳でトンカツを食べて御飯は食べないということにした。この店はトンカツ屋なのだが、照明がスポットライトのダウンライトがメインでテーブルの上は明るいのだが、店内は暗く感じる。また、テーブルは大きなテーブルが店の席のメインで、二人席はほとんど存在しない。この暗い空間と、他人が同じテーブルを使うというシステムはなんか、トンカツ屋にはそぐわない気がする。

さて、トンカツだが、一見、揚げ過ぎで油が重たいような外観だが、食べてみるとそうでも無い。私が選んだロースカツは脂肪が甘くて美味しい。家内のヒレカツも揚げ過ぎのように見えるが食べてみるとそうでも無い。脂肪が美味しい場合は辛子とソースをトンカツの衣にたっぷりつけると特に美味しい。うん、良いのではないだろうか？

今日は木曜日だ。と言う訳で、私の医院は休診日だ。私は例によって明日のインプラント手術の準備に医院に出かけ、再度明日の手術の予習をした。これで、明日は何も見なくても全てを暗記したので、コンピュータがフリーズしても手術は完璧にこなすことができる。そして昨日の口腔内写真やレントゲン、CTデータに目を通し、とりあえずの義務は終了した。

院長としての義務を遂行し終わると、今度は家内の下僕としての仕事を遂行するという試練が私には用意されている。私は来年の年初にお爺さんになるらしく、家内はデパートに、着物？ベビーカー？チャイルドシート？などの下見に行くと言う。私としては、全ては息子が決めて親は余計な口出しをしない方が良いと考えていて、その為には何も知らないのがベストな訳で、要らない行為だと思うが、家内曰く、次男の子供にしなかったことを、後から生まれてくるであろう長男の子供にすることは出来ないので、息子が望まなくても、最初の孫となる次男の子供には最大限のことをしたいという。

うん、確かに家内が言っていることは一理ある、と家内のお供をすることにした。という訳で、久屋駐車場に車を入れ、三越で着物売り場やベビーカーを見たりしたが、やはり息子達が選ぶのが間違い無い。親は金だけ出せば良い。今日は折角の休みなので、個人的には趣味の料理と園芸をしたいので、早くデパートからは撤退したい。という訳で、家内に「早くお昼を食べないと食堂が一杯になって御飯が食べられなくなるよ！」と三越9階のレストラン街にやってきた。

さて。ここでの選択肢はたいして無い。東洋軒か中華か和食かトンカツだ。私は鬱病を患っていおり、現在はパキシルを中止して5ヶ月目だが、なんかいったりきたりで大変だ。鬱病はセロトニンが少ないとなるというので、セロトニンの材料であるタンパク質を大量に摂取する必要がある、ということでトンカツ屋に入った。

さて、私にとっての昼食だが、酒を飲むことが出来るか？出来ないか？で、その存在価値が大きく変わる。まあ、お酒を飲まない人には全くわからないであろうが、お酒が好きで、なおかつ精神的に弱い人にとって、食事の存在意義は酒の有無でまるっきり別次元の話になる。

こんなことを書くと、私はまるでアル中患者のようだが、私はアル中では無い！私は一日に一度しか酒を呑まないからだ。これが、朝、昼、晩と酒を呑む様になると確実にアル中になってしまう。私は親爺がアル中だったので、それだけは避けたいのだ。アルコールや向精神薬は依存性が強く、アルコールや薬で精神が支配されてしまうので注意しなければならない。

トンカツ屋では安いランチメニューから「ロースカツランチ」と「ヒレカツランチ」共に￥980円を頼む。もう少し豪華そうなメニューもあったが、今晩は自分で渡り蟹を茹でて、ビーブシチューを作る予定なので、昼はタンパク質が摂れて、軽い方が良いのだ。という訳で一番安価なランチを選んだ。

まあ、世の中の常識として、値段と品質は比例している。という訳で￥1000円以下のトンカツランチが美味しい筈は無い。とたかを括っていたが、意外なことに、このトンカツが美味しい。衣が比較的薄く揚げ加減が丁度良いのだ。最高のトンカツという訳では無いが￥1000円以下で、この満足度というのは現在の私の感覚からすると非常にバランスが良い。

私も食べログを始めてから、色々な高級店にも行って、美味しい料理というのも沢山食べて来た。しかし、ここ最近になって満足する食事の時間という意味では、必ずしも料理が絶品である必要が無いということに気がつき始めた。私の満足する食事の時間で最大の要件は1)食事を共にする素敵な人　2)そこそこ美味しいお酒　3)あれこれ多品種の料理　というところだ。食事を共にする素敵な人という意味では、友人や家族と大勢で食卓を囲むのは楽しいが、それはまた疲れることでもあるので毎日そんな状況は要らない。家内が居れば充分だ。そこそこ美味しいお酒という点では、私は自宅では毎晩、￥5,000円程度のワインか泡をいただいているが、このレベルで十分満足だ。あれこれ多品種の料理、これは普段は家内が頑張ってくれているが、今晩は私が野菜のスープ炒めと活きた渡り蟹を茹で、ビーフシチューを作ったので、なかなか満足だった。

なんか、変なコメントになってしまったが、酒を飲めない状況では、この店のランチはお手軽でなかなか美味しいランチということで合格です！