肝入りはまぶしじゃ無くて鰻丼で食べるべき？ : 鰻う おか冨士

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思いも寄らず御園座の歌舞伎S席18000円チケット2枚GET！特に興味も無いし､高い金払って観劇しようなんて思わないから､生涯最初で最後の機会だろう。滅多にないことだし､上演日は平日だけど､調整して有給取得して女房とチャリで御園座へ。開演は16時だけど､目当ての店の昼営業が14時迄だから13時に到着。自転車を御園ビル北側のチャリ置場に停めたら､御園小町右隣､超有名行列店､おか冨士初の暖簾分けって触れ込みの｢鰻う おか冨士｣。てっきり待機時間があるだろうと思ったら､平日だからか並ばずすんなり入店案内。壁に飾られた片岡愛之助の押隈(連獅子)脇の暖簾をくぐる通路奥には､小上がり席や掘りごたつVIP個室スペースがあって､俺達が誘導されたのは､暖簾直ぐ右手のテーブルスペース。2人用から6人用が2列に並んでて4人席に着座。卓上には取り皿と箸置き乗せの高級割箸。まずおしぼりと､温かい緑茶が出て来るので､卓上のメニューを確認。上ひつまぶし4320円/肝入り上ひつまぶし5450円/特上ひつまぶし5960円/肝入り特上ひつまぶし6980円。

うなぎ丼3400円/小うなぎ丼2600円/肝入りうなぎ丼4530円/上うなぎ丼4320円/肝入り上うなぎ丼5450円。当然､こう言う鰻屋にランチメニューなんかある訳無いわね。注文は､うなぎ丼とここの名物らしい肝入りひつまぶしを特上でって頼むと､特上は量が多くなりますが？と確認してくれるので､じゃぁ上でいいですと反射的に訂正。でも後で考えたら500円差､5千円も6千円も変わりはしないし､滅多に無い機会だし特上でも良かったかと､言った後でちょっと後悔しつつしばし待機。直ぐにサービスで昆布〆胡瓜のお皿が出て来る。なるほど､流石､御園座観劇奥様達がメインの高級店。並みの鰻屋じゃないね(いゃ､ランチタイムだけのサービスかも？)。でこの胡瓜､ごま油が絡めて合って､見た目と違った中華風の味付け。なかなか気が利いてるじゃない。でも鰻だもんね､待たずに座れて､突き出しも直ぐに運ばれて来たけど､こっから時間がかかるだろうと覚悟してたら､注文から15分ちょっと。思ったより早く●うなぎ丼3400円のお膳が出て来る。添え物は､胡瓜と白焼き鰻の酢の物のうざくに､白菜漬と奈良漬。

それと｢辛いですので｣って忠告付きで､刻みわさびの小皿。てまり麩入りの蛤の吸い物に､メインは意外に底の深そうな蓋付き丼。早々､丼の蓋を開けてっと。ん～､いい感じ。なかなか綺麗に焼きあがってる鰻じゃない。とまずは写真をとパシャパシャやってると､｢これお使いください｣と若いオネエチャンスタッフ。SNS映えグッズの貸出かぁ。｢鰻う｣と｢おか冨士｣って筆字印刷された提灯模型を持って来てくれる。これも流石､御園座クオリティってとこ？写真撮ってると胡散臭そうな目で見られることがまだまだ多くて､萎えちゃうけど､インスタ女子のお陰か､意識してくれるセレブ店も増えて来たってことか。ありがたい…とは言え､周りの客に､女房の視線も冷めるから早くしなって言ってるから､パパパっと撮影。結局､そう満足出来る出来栄えでもなかったけどね。でも鰻は期待通り。皮目は香ばしくて､ふわふわ一辺倒じゃなくて､プリっと感のある蒲焼鰻。正しい名古屋鰻って言っていいんじゃない？しかもご飯にサンドされて一切れ鰻が埋まってるのも好印象。

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ただ女房に言わせれば､名古屋的にはもっとタレにパンチが欲しいなだと。まぁ確かに標準的名古屋鰻としたら､これは優しい味付けかもね。ちなみに､酸味抑えめで優しい白焼きうざくも､大したもんだ。酢の物は苦手だけど美味しい。刻みわさびも､新鮮な山葵の風味が鼻に抜けて中々面白い。残念なのは､山椒が欲しいとこだけど､卓上には爪楊枝だけ。何んで山椒は置いて無いんだ？って食べ終わるまで気付かなかったけど､隣席を見るとギャバンの調味料容器。くぅ～！単に俺達のテーブルへの配膳ミスだったみたい。鰻には奈良漬と山椒が一番だと思ってるから､もっと早くに気付くべきだったと一しきり反省。んで鰻丼から5分ほど遅れて■肝入り上ひつまぶし5450円のお膳も登場。注文から20分で､櫃まびしを提供出来るってのもかなり早い方だね(ランチ用の工程だったりして？)。櫃まぶし容器には刻み鰻が敷き詰められてて､大葉と楕円形の焦げ茶の肝が6つ。

これには､刻みわさびは無くて､薬味で､ネギ･すりワサビ･刻み針海苔。もちろんダシ入りの朱色湯筒も一緒。まずは空の茶碗によそってそのまま櫃まぶし。あぁ､この櫃まぶし､鰻丼以上に味の優しさが際立ってる。って言うか鰻丼の後で食べたから､較べたらだけど､刻まれた鰻に香ばしさが欠けてるしプリっと感も無し。その上､高齢マダム仕様ってことも無いんだろうけど､鰻丼同様､割とパンチ控えめのタレで､鰻はガッツリガツガツ食いたい俺としたら､ちょっと物足りない。追いタレが欲しいくらい。まぁタレ自体は薬味と一緒に食べればそう文句言う程でもないけど､いけないのは､薬味をのせて注ぐダシ。これはどうなんだろ？より一層､鰻のタレのパンチが無くなる。試しにダシだけ飲んでみると…このダシ､蛤のすまし汁と一緒じゃない？元々優しいのに更に控えめ。肝は甘辛で濃いめの味付けで､期待以上に美味しいかっただけに残念。

ちなみにこの肝､豚や牛みたいにレバーレバーしたのじゃなくて､鶏肝に近い､歯応えもしっかりある肝。確かにこれは食べる価値ありだわ。肝は食べられないって言ってた女房も､ちょっと食べてみろって薦めたら､もう1つもう1つだと。一人で肝は食い尽くせてラッキーって思ったんだけど､余計なことしちゃったか。以上､鰻丼は美味しいし、肝も食べる価値ありだけど､櫃まぶしがねぇ…。お上品過ぎない男性的な仕上がりの鰻をガツガツ食いたい俺は､ここだと櫃まぶしじゃなくて､丼かお重で食べるべきだった。千円易いし､肝入りうなぎ丼4530円が本命の大正解だったってことね。でも｢おか冨士｣本店もタレ･ダシはここと同じ傾向？もしそうなら本店に行ったら櫃まぶしは止めとこ。とか言って､御園座ビル内って場所柄､プチセレブな接客､雰囲気はそれなりに楽しめて良かった。76点