塊肉とブッラータチーズを堪能 ＃５００ : Xató burrata & steak

今日は名古屋出張。早めに仕事を終えて、ホテルにチェックインした後は、名古屋在住の知人と待ち合わせです。せっかくのチャンスなので、以前から気になっていた「Xato burrata & stake」さんにお邪魔しました。場所は、地下鉄「伏見」駅から伏見通りを南下し、三蔵の交差点を右折して真っ直ぐ歩くと、左手に見えてきます。外観はウッディでガラス張りですが、中の照明は暗めで、なかなかお洒落な雰囲気です。

入店すると、意外にも大きなお店で、テーブル席が10卓程度並んでいます。奥にはカウンター席と個室もあり、かなりの大箱です。内装は古民家風で天井が高く、テーブルにはキャンドルが光り、いかにもデート向きといったところです。

さて注文です。メニューを見て、メインは肉だと店員さんに告げると、大きな木製のお盆に載せられた塊肉が登場します。今夜の肉は「愛知県 段戸山高原牛」「北海道 十勝ハーブ牛」「静岡産 遠州乙女牛」「北海道 蝦夷鹿 ロース」「北海道 黒毛和牛 40日ドライエイジング」の５種類。どれも280g〜460gもある塊肉で、上に重さの札があります。この塊肉が並んでいる様子は正に圧巻で、俄然肉食モードにスイッチが入ります。中から「北海道 黒毛和牛 40日ドライエイジング」と「北海道 蝦夷鹿 ロース」をいずれも360gでお願いしました。

指定された塊肉を今から焼くので、少し時間がかかります。そこで、生ビールと看板メニューの「イタリア産ブッラータチーズといいトマト」と「溺れタコ」を注文しました。

まず「イタリア産ブッラータチーズといいトマト」が提供されました。私は、どちらかと言えば、モッツァレラのようなフレッシュ系よりも、パルミジャーノ・レッジャーノやウォッシュ系のチーズが好みですので、それ程期待していなかったのですが、これは想像を遥かに超えた絶品！「ブッラータチーズ」とは、刻んだモッツァレラと生クリームを混ぜた濃厚半生チーズを、更に袋状にしたモッツァレラで包んだもの。ビニール袋に水を入れたぐらいの柔らかさです。皿にフルーツトマトのような甘味の強いトマトを敷き詰め、真ん中にブッラータチーズを置き、オリーブオイルをたっぷりとかけてあります。素材の味だけの単純な料理ですが、下手な味付けが出来ない程の凄い味わいです。

ブッラータチーズは柔らかく、ナイフを入れると中身がとろりと流れ出てきます。それをトマトと口に運ぶと、クリームの仄かな甘み・チーズの爽やかな酸味・ミルクの濃厚さが混ざり合い、クリーミーながらも軽い味わいは、初めて食べましたが、今までのチーズに対する概念を覆す程でした。

「溺れタコ」は、大きなタコの足と芽キャベツ・トマト・クレソン等と軽く煮込んだもの。イタリアの漁師風の一皿で、タコが大好物の私も美味しくいただきました。

このあたりでワインに移ります。オーガニックワインを中心になかなかの品揃えで、中から「パラディグマ 2008」を選びました。スペインのオーガニックワインで、標高約650mの砂地で育てたモナストレルという品種のみを使っており、繊細ながらも豊かな味わいのフルボディです。

そうしているうちに、肉が提供されました。表面はカリッと、中は赤いながらも適度に火が通っています。かなり大きめにカットされ、岩塩が添えられています。上にトリュフを削っていただきました。

まずは「北海道産 黒毛和牛 40日ドライエイジング」を食べてみました。熟成肉は好きですが、少し香りが気になったり、味が平板に感じることがあります。しかし、このお店のものは、黒毛和牛といっても赤身部分で、全く癖が無い上に、肉本来の旨味が凝縮されており、岩塩を付けて食べると、仄かな甘みすら感じられます。

次に「北海道産 蝦夷鹿 ロース」です。これもロースとは言え、ほとんど脂は無く赤身で、やはり熟成されています。思ったよりも柔らかいですが、それでも適度な歯応えがあります。草や笹類・樹皮等を食べているので香りも良く、さっぱりとした味わいです。どちらの肉も肉好きにはたまらない一品で、非常に満足しました。

肉は焼き加減が絶妙で、特に肉の内部は温度を上げることにより旨味が活性化されています。厨房には大きな窯があったので、それで調理しているのかと思いましたが、この窯は煙が近所迷惑な為、使っていないのだそうです。少し残念ですね。

全体的に、素材の良さを前面に出した料理で、かなりの水準のお店だと思います。次は、違うステーキにも挑戦してみたいですね。

お勘定は２人で33,000円程度と少し高いですが、料理の質を考えれば満足です。

ご馳走様でした！