山虎ならぬフランク"スナ"トラ : 山虎

2016/12/2 飲みすぎ

「岡田有希子って知っている？」

隣のテーブルに座って盛り上がっているサラリーマン三人組。一人は40代、残り二人は50代と思われる。その若い方が芸能ネタを繰り出したのだ。

「聞いたことあるけど、あまり詳しくは知らないよ」

私と年齢が近い方のオッサンがそう受けごたえした。私も詳しくないが、それなりには知っている。

「実は彼女はアイドルだったんだけど、自殺したんだ。今年はその30周年なんだ」

「おいおい、言うとすれば30回忌だろうが。実際にそう言うのがあるか知らないけど」

「アハハ。とにかく彼女は18歳の若さで30年前に亡くなったんだけど、その時の事情を今夜TVで当時の専務だった人物が告白するらしいんだ」

「へぇ」

◇◇◇

　１９８６年に他界した岡田有希子さんの新たな事実が明らかに――。２日に放送されるＴＢＳ「爆報！ＴＨＥフライデー」（金曜後７・００）の２時間スペシャルで、死の直前まで岡田さんと一緒にいた事務所の元専務がその一部始終を告白する。

　岡田さんは８４年、１６歳で芸能界デビュー。同期デビューには菊池桃子、荻野目洋子、吉川晃司などそうそうたる顔ぶれが並んでいたが、数々の新人賞レースを総ナメし、デビューからわずか８カ月で日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。事務所の先輩で、憧れの存在でもあった松田聖子が作詞した「くちびるＮｅｔｗｏｒｋ」(８６年１月リリース)で初のオリコン１位を獲得したが、その３カ月後に自らその命を絶った。

　ファンが後追い自殺をするなど社会現象にもなったが、その後所属事務所は岡田さんの死についてほとんど語ることはなかった。それはいったいなぜなのか、元専務が告白する。

　番組が岡田さんの周辺を調査すると、事務所に保管されていたはずの岡田さんのグッズや資料が“謎の外国人”に持ち去られていたことも判明。その行方を追跡し、紛失事件の真相も明らかになる。

(「スポーツニッポン」2016/12/1の記事より抜粋引用)

◇◇◇

今夜7時からの放送のようで、彼らが話している時にはすでに放送中だったわけだ。

「なぜ岡田有希子にこだわるかといえば、一つはボクの誕生日に自殺したからなんだ」

「なるほどね」

50代のオッサンはあまり興味なさげに頷いていた。

「あと、彼女はボクと同じ愛知県出身で、向陽高校というイイ学校を卒業したからなんだ」

おそらく、自分が目指していた高校だったのだろう。

彼のトイメンに座っているオッサン二人が食いついて来ないのを感じた40代のサラリーマンは、岡田有希子から別のアイドルの話題に切り替えたようだ。

「ボクの青春時代のアイドルは、岡田有希子以外には、例えばピンクレディがいるんだけどね」

「オレはキャンディーズかな？」

「そうそう」

二人のオッサンは同じ意見だったようだ。私も心の中で同意した。

「あ、じゃあ三人の中で誰が好き？」

「ミキちゃんかな」

「そうなんだ。痩せ型が好きってことだね。ピンクレディで言うと、ケイちゃんだな」

若い(？)彼は、どうしても自分の世界に二人を引きずり込みたいようだ。

「ケイちゃんとミーちゃんって、そんなに体格が違うのかな？」

「う〜ん、どっちかと言えば、だよ」

かなりコジツケっぽい感じで話を続けた。私はやっぱりセンターのランちゃんが好きだ。まあ、どうでもいいけど。

……などという会話を、延々と横で聞いていて、メチャメチャ参戦したくなった私だったが、ギリギリのところで我慢した。

そう言う会話をアテにして日本酒をおかわりしたものだから、かなり酔ってしまった。(人のせいにするなよ)

(山虎ならぬ"スナ虎"だな。フランク・スナトラ)

私はおでんや土手煮をつつきながら、くだらないオヤジギャグを脳内で連発していたのだった。

◇◇◇

"愛知づくし 〜ユッコの冥福を祈るために〜"

(…というセットメニューがあるわけではなく、勝手に構成して呑み食いした)

◎愛知の地酒「長珍」
しんぶんしシリーズ(無濾過・生)
阿波山田65 純米酒 150cc 900円

◎味噌おでん
大根、玉子 各200円

◎牛すじ土手煮(A5-A3)
小 500円

◎愛知の地酒「長珍」
生詰シリーズ
阿波山田65 純米酒 150cc 900円

◎串カツ(これは愛知と無関係かも？)
180円

◎江南(※)の里芋コロッケ(秋のキノコ入り)
500円

(※: 愛知県江南市と岡田有希子の出身地愛知県一宮市は隣接している)

◇◇◇

この店に入る前に、近鉄特急アーバンライナーの車内で、ハイボール(濃い目9%)を空けていたので、精算時にはかなりベロベロ状態だった。なんとか自宅に帰れたが、帰宅するやいなや布団にバタンキューとなった(死語だがね)。

そしてやっぱりいつものように早朝に目が覚めて、痛い頭を押さえながら、布団の中でこんなレビューを書いている次第。何やってるんだろうねぇ。