味噌カツカレー\980はCP最悪だが、ルウが八丁味噌に合い結構ナイス : wave

名古屋駅のホーム（改札外）の一角から地下の細い道に入ると、うまいもん通りという食堂街があり、
大衆的な雰囲気が素敵なこの細道、大衆的な価格で、名古屋グルメが味わえるお店が軒を連ねています。
こちらのカレー屋さんも、その一軒です。

券売機で食券を買う形式で、カウンター席のみの、大きな駅に典型的な、「さっと食べてさっと出る」系のカレー屋さんです。
この手のお店の中には、朝から営業しているところも少なくないのですが、
こちらは午前１０時半ごろから営業のようでした。こういうお店は朝カレーもやるといいと思いますが、いかに。

僕がこちらに惹かれたのは、お店の前で、名古屋めし「味噌カツカレー\980」をプッシュしていたことでした。
券売機に一番人気と表記されていたのはカツカレー\950ですが、
矢場とんで、味噌カツのうまさを知った僕、早速入店することにいたしました。

時刻は、午前１０時半過ぎ。朝ごはんを探していた時間帯です。ちょうど、こちらは開店直後でしたが、
既に先客がおり、カツカレーを頼んでいました。ああ、やはり僕の同士、カレー中毒者を受け入れてくれているな、と思いました。

早速、味噌カツカレーの食券を渡して待ちます。
どうやら平日はご飯大盛りが無料らしいですが、この日は年の瀬、特にそれはありませんでした。

出て来たカレーは、なかなかのインパクトがありました。
カツカレーのカツの上に、八丁味噌がかかっており、結構な存在感を示している。
大阪のサンマルコに代表される、上品な欧風カレーの赴きを残しつつ、名古屋らしさが出ている。
ああ、名古屋に来たんだ、って感慨をまずは覚えました。

早速いただきます。

ルウは、お肉の味わいが出ていて、なかなかうまいです。
果物の酸味は抑えられ、ほんのり甘味が出ているのですが、お肉の旨みの方で味を調えているルウですね。

よくあるルウの味のひとつなんですが、特筆すべきは、味噌カツの八丁味噌によく合うルウだということです。

一般的に味噌は、家カレーの隠し味の定番のひとつです。独特のコクが出ますよね。
しかし、八丁味噌には、独特の甘酸っぱさがあり、それが果物や野菜の味と邪魔しあいかねず、なかなか隠し味として使うのが難しいです。

こちらのカレーは、お肉の旨さメインで行くことで、八丁味噌の甘酸っぱさにきちんとなじませています。
結果、カレーのお肉の旨みと、八丁味噌のコク、独特の甘酸っぱさが活きており、なかなかいい感じになっています。

まずはカレールウだけを味わい、その後、味噌カツについてきた八丁味噌を少しずつ混ぜながら、カツとともに白ご飯を味わってみてください。
ああ、名古屋の八丁味噌が、カレーに活きている、って実感しますよ。

ただ、こちらのお店の一番人気がカツカレーということは、地元の名古屋もんは、また違った感慨を持っているのかもしれませんね。
僕としては、カツも普通にさくさくしており、ご飯も普通なので、八丁味噌がなければ、凡庸なカツカレーなんですが。

名古屋人は、味噌を日常的に食べ、中にはチューブ入り味噌を常に鞄に入れて携帯している人さえいると伺っています。
そこからすると、こちらの味噌の味は、もはや日常的な、凡庸なものなのかもしれません。
しかし、福岡からたまにしか名古屋に来ない僕にとっては、なかなかの美味でした。

だから、結構サプライズでしたが、皆にお勧め、となかなか言えないのが、値段です。
この量、この内容で980円は、さすがにきつかったです。空港や新幹線構内でも、カツカレーが780円とかで、
これでも当然高いと思うのですが、それよりもさらに200円高いのです。
いくら八丁味噌とのバランスが良くても、この値段は、若干厳しいです。

ただ、「ならば自分ちでカレー作って八丁味噌入れて食べればいい」と思っている人には待ったをかけておきます。
八丁味噌の独特の甘酸っぱさは、カレーのルウの味を選びます。合わないカレーが多いです。
こちらのカレールウは、八丁味噌に合うチョイスでした。そういう意味で、カレー好きの皆さんは、勉強代と思って、
名古屋に寄ったら、入る価値はあると思います。
ネタ作り、旅の思い出作りのためにも、味噌カツカレーは、おすすめです。ただ、普通のカツカレーは……存在意義不明です。

カレーの味だけなら、３．８と好評価なんですが、いかんせんコストパフォーマンスが酷いので、総合点は３．５とさせていただきます。
いやはや。評価に困るお店でしたが、続いているのは、やはり、ルウがそこそこいいからでしょうね。そこは僕も認めます。
本当に、カレーを食べ歩く人にはおすすめしますが、そうでない人は勉強する気持ちがないと、入らない方が無難ですよ。