思わず、酒を飲みたくなる辛いが美味しい中華 : スーツァンレストラン 陳 名古屋店

私の場合、食事というか料理は2種類に分かれる。お酒が飲みたくなる料理か、お酒は無くても良い料理だ。まあ、お酒を飲んでも良いのであれば朝御飯からシャンパンの1杯でも飲みたくなるのだが、独りでワインを1本飲むとなると、それなりの料理が必要となる。難しいところは、それなりの料理の場合には、どうしても、それなりの量、すなわち、ワインなら6杯程度は飲みたくなるのだ。

この店の料理はお酒が欲しくなる料理だ。また四川料理ということで味付けが刺激的で辛いので、なおさら酒が欲しくなるのだ。昨日は家内の希望でこの店に来たのだが、車で来たのでなんとか我慢した！料理はどれも美味しいが、辛い！特に最後の火鍋ラーメンのスープの辛さは尋常では無く、美味しいが、辛い！辛いので、スープを一口飲んでは水を飲み、結果、大して飲めない。う〜ん。このスープをもらって家で白い御飯を入れて、雑炊を作りたい！

こちらの店は有名店で何度も利用したことがあるが、今回が一番素晴らしいと思った。今回は家内が病み上がりで体調が十分良く無かったので、家内の希望で一番安いコースを注文した。安いと言っても、￥3,780円なので絶対的に安い訳では無い。しかし、この上には￥5,400円 と￥8,640円のコースがあり、それ以下は麻婆豆腐セット￥2,376円と飲茶セット￥2,376円しかないのだ。

私の選択としては一番安い麻婆豆腐セット￥2,376円か飲茶セット￥2,376円、あるいは一番高い8,640円のコースしかないのだったが、家内の意見を尊重することにした。ところが、この一番安いコースがとんでもなく美味しいのだ！もちろん、値段が値段なので高価な素材を使った料理はないが、調理の仕方や味付けが半端ないレベルなのだ！素晴らしい！プロの仕事だ！駅前の別のビルに入る1万円以上の高級中華の味より遥かに素晴らしい！安い素材でも、素晴らしい仕事をすれば魔法の料理が出来上がるという事実を認識することになった。プロとして非常にプライドを持った仕事なのだ！

家内はようやく熱が下がり3日が経過し、体調もある程度回復してきたので、久しぶりに昼は外食することにした。食材その他も買い出しに出かける必要があったからだ。ウイルスを撒き散らさないようにマスクをして重装備でのお出かけは、現時点でも体調が十分回復していない家内にとっては、非常にシンドそうだ。こういう場合、当たり前だが、家内の機嫌が悪い。天気が悪いのもやむを得ないのだが、家内の機嫌が悪いのも簡単な方法で回復する訳では無い。このような場合は家内の機嫌を損ねないというのが重要だ。

しかし、難しいのは何処で何を食べるかだ。私自身は意外な程全てを成り行きに任せる人で、何時ものように家内に「何が食べたい？」と尋ねるのだが、大抵の場合、家内は「それは嫌！」とは言うが、積極的に「何かを食べたい」という発言をすることは無い。まるで、日本の野党と同じ存在で、文句ばかりで積極的な対案を出してくることは、まずは無い。

そんな訳で、私は過去の学習パターンから「家内の機嫌を損ねない店」シリーズリストから、家内が立っていた後ろの店である、スーツァンレストラン 陳 名古屋に決めた。家内が機嫌が良くなる店はオシャレな空間で、オシャレな料理を食べると機嫌が良くなるという場合特性を持っているのだ。

では、私はどうか？と問われると、反射的に原価計算をしてしまうので話がややこしい。駅前の一等地で、高価な内装、余裕のある席の配置、アルバイトでは無く教育されたベテランスタッフの対応など、料理本体以外に必要なコストが非常にかかるという事実を認識しているからだ。それが悪いと言う訳では無く、それだけのコストをかけるのであれば、高い料理を食べなければ、割に合わないという発想になるのだ。事実、名古屋駅前のビルに入っている料理店は値段の割に材料代が安く、味も良く無いという店が多い。

世の中には「お得な情報」により「お得な店」が存在すると考えている人が結構多いような気がするが、私の業界では、それは無い。理論上無理だからだ。しかし、人の評価はいろいろで、私の医院にも他の医院で治療を受けた患者さんが転院してくるが、安い治療費で丁寧で綺麗な仕事がしてあるのは見たことが無い。反面、素晴らしい仕事がしてあると、逆に患者さんに「素晴らしい仕事がしてあるのですが、どちらの歯科医院で治療されたのですか？」と聞いてしまう。

一番理解出来ない点は、どうしてこんな素晴らしい治療をした先生から私の医院に転医してきたかだ？その点を理解しないと転院してきた患者さんの望みを叶えることは難しいからだ。ちなみに、そんな患者さんの支払った治療費は私の医院の倍近い金額の場合が多い。転院の理由としては転勤による引越しで通えなくなったという場合もあるが、意外と多いのが「先生が私の言うことを聞いてくれない」というクレームだ。歯科治療は飲食店の料理では無いので、医学的な妥当性を考えると、必ずしも患者さんの意見は飲めない場合が多く、このような価値観の患者さんを治療すると、双方が不幸せになるので、当院では、このような患者さんの治療はお断りしている。患者さんの希望を第一優先にすると、良い結果が得られない場合が多いからだ。

さて、今日の昼は高島屋に出かけた。実は、もう数ヶ月間、私は非常に忙しい。30年間の自分の行った仕事を見直しているのだ。その、第一弾は今度の日曜日に私の医院で行われるNEOSSインプラントベーシックセミナーで行う原稿を作成中なのだ。取り敢えずは既に原稿は完成しているのだが、ギリギリまでブラッシュアップするのが私の流儀だ。そういう事で、ここ最近は昼御飯は家内にお弁当を買ってきてもらい自宅で食べていたのだが、この生活を一ヶ月程度続けたところ、体重が3kg増えてしまった。つまり、運動量が減っているのだ。携帯電話の万歩計で調べてみると、昼食を食べに出かけると、それだけで一万歩くらい歩くことになるのだが、それを止めると、この有様だ。そんな訳で、昼御飯を食べながら運動ということで、昼食は外食に戻す事にした。

そんな事で、昔みたいに車を高島屋の提携駐車場に停め、昼食は高島屋近辺だ。さて、何を食べよう？気分は担々麺だ。そんな訳で四川中華の店にやってきた。メニューを見るとランチコースもあれこれある。以前の私なら一番高額なランチを食べた上で坦々麺を追加していたであろうが、何分にも、体重を下げる必要があったので、坦々麺が入っている¥2,160円の飲茶セットを選択した。

さて、この店の坦々麺は上品な味わいだ。四川料理につきまとう、ヒリヒリする様な辛さは一切無い。少々酸っぱい感じもあるが、美味しい！昔の私だったら物足りなく感じたかもしれない。しかし、現在の私は食べている最中は少々物足らないか？というくらいがちょうど良いことが多い。事実、食事をし終えた後、嫌な感じは一切無い。これがジャンキーな美味しさの街の中華とは一線を画する所だ。また、点心もデザートの杏仁豆腐も素晴らしく美味しかった。今度は夜に来てフルコースの料理を食べてみたいと思う。

さて、今日は祝日で休みだ。休みは休むためにある筈だが、先輩が「5月1日の午後1時から腹ペコさんの家の屋上のジャグジーでシャンパンを飲みたい」との時間指定の御要望を賜った。尊敬する先輩の為なら、休みでもなんとか誠意を示しておかないと、見捨てられる恐れがある。と、朝早く4時から掃除をし始めた。実際、このような要望がないと私も家内も掃除をしないので、我が家がお化け屋敷化するより、このような要請があった方が良いのだ。

という訳で屋上の芝を刈り、枯葉を集め、コンクリートの内壁を高圧洗浄機で掃除し、デッキ材も高圧洗浄機で一通り掃除した。ジャグジーとプールも掃除してお湯を張りモーターが作動するかどうかテストして、お湯を抜いて、とりあえず用意が完了した。明日は山口会と言って、デューク更家に似た先輩が真昼間から宴会をするというので、どうせなら、滅多にしない掃除をした我が家で二次会をやれば一石二鳥だとも考えた訳だ。

まあ、私も家内も掃除については非常にアバウトで、綺麗になろうがなるまいが、疲れたら終了することにしている。汚い家は恥ずかしいという考えを持つ人もいるが、私も家内も存在自体が恥ずかしい、とか汚点なので、今更、綺麗にしてもなんともならないし、疲れるほどは掃除はしない、というのが私と家内の流儀だ。私たちは気になる場合は客人にお願いして掃除してもらうタイプの人だ。

そういう訳で、掃除に疲れ、最低限の買い出しに高島屋に来たのは午後3時で、普段は何時も行列でなかなか入ることが出来ない、この店に並ばずに入ることが出来そうだったので、迷わず入った。まあ、疲れていたので、駐車場からエレベーターを降りて最初の店がここだったという訳だ。

さて、ここは中華料理店の筈だが、中華料理店ぽさがない。雰囲気はフレンチレストランだ。料理の味も古典的な中華料理では無い。中華テイストのコンテンポラリー料理というのが妥当な位置付けだと思う。一応、四川の流れを組むようで味はピリ辛だ。しかし、どれも従来の中華料理店の料理の味では無いので食べてみるまで味はわから無い。良い意味で新鮮な中華とも言える。料理はどれも美味しいと思う。しかし、気になった点はどの皿も味が同じ方向を向いていることだ。どれも、辛い味付けというか、同じようなテイストを感じる。四川料理という枠があるのかもしれないが、いっその事、その枠も外してしまった方が新たな可能性が開けるのではないか？と思った。


以下は2011年6月のレビューです。その時のタイトルは「洗練された現代版四川料理」でした。

この店は高島屋の12階にある。店内は広く素敵な内装だ。母親が昨日、ヨーロッパ旅行から帰ってきたが、義母は今日の午後、私の実家で母親の話を聞いている筈だ。おまけに、お茶にヨーロッパで購入してきたお菓子をいろいろ食べたらしい。ということで、夕食は一番安い￥3990円のコースにした。この店は四川料理の店だそうだが、料理はどれも洗練されていて非常に美味しい！辛いということも一切無く料理は全て非常に洗練された味だ。一品、この店で人気だという麻婆豆腐を頼んだ。この麻婆豆腐も辛さだけでなくとても美味しい。今回の料理は一番安いコースだったが、量も充分で、味も素晴らしい一流の現代版四川料理店だと再認識した。