隠れ家的ブーランジェリー。 : ダンデリオン

最近、この界隈に出没することの多い私の課題店の一つをようやくクリア（喜）！！車のナビに場所は表示されるのに、どうしても辿り着くことができなかったブーランジェリー、もといパン工房だ。

この日も行きつ戻りつを繰り返し、ジワジワとナビに表示されたお店をめざす。が、住宅街の中の細い道は細くなる一方。。。しかし、すれ違う人たちは皆、申し合わせたように此方のパン袋をぶら下げて歩いてくる（笑）。
たぶんこの辺なんだけどなーと、探し回ることしばし。。。と、電信柱に貼られた目印を発見！！小さなパン工房はプレハブの建物の中でひっそりと営業されていた。。。

周囲にはパンの芳ばしい香りが立ちこめている。中に入ろうとすると、店内は先客たちで大混雑だ（驚）。しかも棚や台の上を所狭しと様々なパンが埋め尽くしている。

「湯ごね食パン」（230円）が一番人気ということでまずはゲット。次に「一度食べたらやみつきです！」というコピーに惹かれるまま「焼栗ミニブレッド」（220円）を選ぶ。さらに「人気No.1商品！」ということで「湯ごね粒あんぱん」（150円）、ピンク色の生地がかわいらしい「生地までいちごジャムパン」（120円）、「お試し〜！」と書かれていた「枝豆バジル」（200円）、大好物の「極上メロンパン」（160円）を購入。ちょうど客が途切れたようで店内には私一人だ。

「日によって色々と作るパンが違うんです。だから遠くから来店される場合はできるだけ予約をオススメしているんですよ！」と奥様。そして「インターネットされます？食べログというサイトで色々と写真を載せているのですが、アップが間に合わなくて・・・」とのこと。。。

ここでこのお店と巡り合ったのも何かの縁（！）という訳で、車にデジカメを取りに戻り、僭越ながら「にわかカメラマン」の大役を果たすことに。。。（爆）。。。その割にはあまりうまく撮れていないのだけれど（滝汗）、何となくお店の雰囲気を感じていただけたらうれしい。

お店のコンセプトが「常識を覆す製法のパンで独自性を追求」というご夫婦二人のみで営むパン工房とのこと。
定番商品の他、「本日のおすすめ」を含めると一日に焼き上げるパンの種類はゆうに50を超えるのだそうだ。この日も僅かな滞在時間のうちに次々とおいしそうなパンが焼き上がる。いずれの焼きたてパンも実においしそうで名残惜しい（笑）。奥様と話しているうちに、「本日のオススメ」の中から奥様の一押しという「ブルーベリーヨーグルト」（200円／正式名称失念）、「ちょっと変わったアレンジでオススメ」という「白いちじく&ナッツ」（150円）を追加してしまった（笑）。

というのも、お店の営業時間は月〜金の10：00〜14：00（祝祭日は営業）。出張販売にも出ているとのことで、営業時間内に訪問することができたとしても、予約しない限りは食べたいパンがあるとは限らないのだそうだ。
少々、強気なシステムのような気もしないでもないが、最寄りのJR武蔵増戸駅からも遠く、人通りもほとんどない住宅街の細い路地に面した小さなお店を存続させていくためには仕方のないことなのだろう。
オープンは2008年の10月。此方のパンのおいしさは、↑に記した繁盛ぶりでご理解いただけると思う。実際、私が帰る頃にも数組のグループが続々と来店していた。ご近所の方もいれば、遠くからはるばるとお越しになる方もいるらしい。

最近は都心のお洒落なパンブティックで目の玉が飛び出るようなお高いパンを見かけることも少なくないけれど、このような東京のはしっこの住宅街にある小さなお店で懸命においしいパンを作り、廉価で提供しようという気骨のあるパン職人も健在なのだ。真心がこもったおいしいパンたちに出合って、ちょっと心が浄化された（ような気がした・笑）。


以下、購入したパンの感想。

●湯ごね食パン（230円）・・・・★4.5
たしかに一番人気だけあって今までにない感じのモチモチッとした新食感が不思議な味わいと豊かな風味を醸し出すパンだ。ほんのりとした甘みは口どけの良いミルク仕込みとのこと。小麦粉を熱湯処理することで、消化もよく独特のモチモチ感を持つこのユニークなパンを生み出したのだという。トーストしてもおいしいが、何もつけないでそのまま食べても◎。クセになりそうなおいしさがある。


●焼栗ミニブレッド（220円）・・・★5
「風味豊かな焼き栗のペーストをしっとりとしたミルク&たまご仕込みの生地に折り込みました」という通り、これが激うまっ！！ちょっとコーヒーのような濃厚な味わいの焼き栗ペーストがパン生地のマッチングが◎。家族にも好評だったらしく、気づいた時には残っていなかった（爆）。

●湯ごね粒あんぱん（150円）・・・★4
「しっとりモッチモチの生地で甘さ控えめの小倉あんを包みました。トッピングの上新粉で米の甘みをプラス」という通り、驚くほどにソフトなパン生地の中に小倉あんがたっぷり！従来のあんぱんの概念を覆すような「ヘルシー感」さえ感じさせる新食感のあんぱんだった。パッとみた感じも「あんぱん」には到底見えないし（笑）。

●生地までいちごジャムパン（120円）・・・★5
「イチゴ果汁入りのもっちり生地で甘酸っぱいイチゴジャムをたっぷり包みました」という通り、棚の上で「ピンク色」に輝いていたお品。試しにカットしてみるとハシの方までいちごジャムがたっぷり！！シッポの先までアンコが詰まった鯛焼きみたいでちょっとうれしい。しかも全身から立ちのぼるイチゴの香りっ！！ここまで上品ないちごジャムパンに出合ったのは、たぶん生まれて初めてのことかもしれない。もちろんお味も◎。お値段もさらに◎！！幸せ気分になれるいちごジャムパンだった。


●枝豆バジル（200円）・・・★5
「お試し」という通り、メニュー表にはその存在を確認できなかったお品。が、コクのあるずっしりとした生地に枝豆とバジルが「これでもかー！」というばかりに練り込まれ、オリーブオイルの香りも感じさせる、まさに「おひさま」のようなパンだ。200円と、此方のパンの中ではいささかお高めだが、この「おひさま」は思わず独り占めしたくなるおいしさっ！！これはもう一つ買ってきてもよかったかも。。。枝豆が入っているから、たぶんビールといただいてもおいしいかと（爆）。

●極上メロンパン（160円）・・・★4
「クッキー生地に風味豊かな高級発酵バターとアーモンドプードルを使用し、コクのある菓子パン生地と合わせました」という通り、サクサクっと歯触りの良いパン生地の合間から濃厚なバター風味が立ちのぼるパンだ。ほんのりと甘いメロンの香りが鼻腔をくすぐる。どちらかというと名前の通り、お上品系の繊細なメロンパンのように感じた。

●ブルーベリーヨーグルト（？）（200円／正式名称失念）・・・★5.5（笑）
「本日のオススメ」の中でも特に一押し（！）ということで追加購入したのが此方。新作なのかパンメニューの中に製法は紹介されていなかったが、ブルーベリーを練り込んだしっとり&ふんわり系のパン生地の中にヨーグルト風味のクリームを包み込み、さらにパイナップルをトッピングしたお品。包みを開けるとブルーベリーの爽やかな香りが周囲に立ちこめる。そしてこのしっとり系のやわらかなブルーベリーパンとヨーグルトクリーム、そしてパイナップルの織りなす絶妙のハーモニーといったら。。。「もう実に素晴らしい！」という一言に尽きるのだ。
好みもあると思うけれど、見事に私のツボにはまったので★5.5で（笑）。

●白いちじく&ナッツ（150円）・・・★4.5
これも新作のオススメらしい。「微量のイーストでコクのあるずっしりとした生地に食べやすい白いちじくとマカデミアナッツ」を練り込みました」とのこと。「白いちじくとナッツ」という組み合わせで捉えると、都内のお高いブーランジェリーで棚に並んでいそうな感じのパンだが、此方ではたったの150円で買えるのがうれしい。これは焼きたてホカホカを助手席に座らせて帰ってきたのだけれど、家に帰ってからもホンノリと温かかった。

しっとりモチモチ系の柔らかいパンも、ずっしりとした感じのハード系パンも、双方共に満足度の高いおいしさが楽しめるパン工房だ。お近くにお住まいの方にはかなりオススメっ！！遠くからはるばると買いに来てもきっと満足できるお店だ。