ドロップハンマー｜やきとん大王のやきとん帝国 : ドロップハンマー

つい先日、無性に背油チャッチャ系が食いたくなって「花月嵐」を訪れたが、そのときに本命に考えていた店が「ドロップハンマー」だった。

時間的にやってなくて断念したのだが、なんとなくわだかまりが残っていて、改めて訪れることにした。

結果、背油を本格的に堪能することができた。

基本のラーメンは、690円。
700円にまで至らないように企業努力をしている点が、まずは感心できる。

「小麦、値上げデース」、「円安デース」と理由をつけて安易な値上げをする店が多い。
そういう無情の仕打ちを受けると、美味しくても途端に見切りをつけてしまう、俺。

そんな中、この店などは「値上げはやむなし。でも、ギリギリまで勉強しました！」という雰囲気を出していて、「おっ、偉いな」と思う。
まぁ、そんな雰囲気にまんまと騙されていたりして（笑）。

カウンターに座ると、注文を聞かれながら、3枚集めるとトッピング一つがサービスされるクーポンを渡される。
これも魅力の一つだったりして。

先客は一人。
だが、ほぼ入れ替わりに入店し、貸切状態で寛げた。

背油への欲望を今度こそ確実に満たすため、バリコテにしてもらった。
じつは、もう歳でキツいけど…

太麺と細麺を選べるので、太麺で。
スープのインパクトがあるから、太い方がガッチリ受け止めてくれる。

久しぶりで、1年くらいブランクあるかもと思い出したのは、トッピングをみたとき。

ホウレンソウ、海苔、茹で卵半分、厚めのチャーシュー。
あれ、前はメンマがあったような…

まぁ、これらを総合して、「花月嵐」よりわずかに高いけど、その差額分の価値はある。

ホウレンソウと海苔は家系みたいで、濃いスープにはピッタリ。
海苔は濡れるとどんどん溶けてしまうので、いつも最初に麺をくるんで食べてしまう。

さらに、卓上備えつけ揚げニンニクチップと胡椒を加える。

ニンニク大好き！
このチップはカリカリだけど、スープに入れると、徐々にしんなりしてきてよい味を出す。

前に書いた「出会いの妙」を楽しませてくれる食材の一つだ。

胡椒は肉料理によくあう。
醤油ラーメンや塩ラーメンにはホワイトペッパーの軽い味があうけど、背油と濃いめのスープにはブラックのインパクトがよくあい、背油の甘味を引き出してくれる。

期待どおりの味。

だが、後半、やっぱりキツく感じて、今までで一番スープを残してしまったかもしれない。

わざわざ多めに脂を入れてもらっておいて残すのは申し訳なかったが、仕方ない。
またくるから許して！

食べ終えたあたりで高校生くらいの若い4人組がドヤドヤと訪れてきて、一気に賑やかになる。
俺が出ていくとノーゲストになっちゃうところだったから、いいタイミングでの入れ替わりだ。

人気も決して翳ったわけではないことが確認できて、気分よく店を出た。
胸ヤケはするけれど。

この店にいった翌日、「環七土佐っ子ラーメンが川越街道に復活した」という連絡を受けた。
「土佐っ子」といえば、大学時代に初めて行列して食べた超人気店だ。

環七にあり、タクシーの運転手の口コミで広まったとか、割り箸に赤線が引いてあるとか、脂ベトベトの丼をこぼさないように持って、ヌルヌルの床に立って食うとか、田舎から出てきたばかりの俺にいろいろとカルチャーショックを与えてくれた。

初めていったときは、並ぶ根性も入る勇気もなくて、すぐ近くにあった「球磨っこラーメン」で妥協し、そのマズさに辟易した思い出がある。
その「球磨っこ」は速攻で潰れて、「あたりめーだ！」と思ったものだ。

その後、「土佐っこ」はブランドとなり、その店はいろいろな事情があって消えたけど、似たようなラーメンを出すチェーン店もあったり、一度17号線沿いに復活して消えたりした（直後に博多とんこつ系チェーンに鞍替えして節操ねえな、と思ったら、そこもすぐ消えた）。

他にも「平太秀」という店が近くの環七沿いにできたり（ここもほどなくして消えたが、池袋本町にある「韃靼ラーメン一秀」がその流れとして残っている）、常盤台東武ストア前に「下頭橋ラーメン」というかなり近い感じの店ができたり、いろいろとフォロアーを生んだ。

関連はわからないが、「ドロップハンマー」は比較的近い味だと思う。

そして、この度復活した「土佐っ子」は、なんと「ハンサムラーメンくろ」が突然閉店した、その跡地に!?
超衝撃である。

「ハンサム」のスタミナ定食に餃子（180円とは思えないありえないデカさ。ただし、味はたいしたことない）、もう一度食いたかった～。

Text by 大王