究極のおうちカレーを求めて。「かれー屋うえの」 -＜カレー細胞＞- : カレーや うえの

インドのカレーは本当に美味しい。

タイのカレー（正しくはゲーン）もたまらなく魅力的。

スープカレーも、欧風カレーも、本当に素晴らしい料理文化だ。

カレーの世界はかくも華やかで、かくも刺激的。

でもね、大事なことを忘れてはいけません。

ほとんどすべての日本人の原体験にあるのは、おうちのカレーライス。

インドのカレーもタイのカレーもスープカレーも欧風カレーも、
慣れ親しんだおうちカレーとはちょっと違う刺激がある、
それが興味をそそる重要なポイントであるのは間違いない。

でもそれって裏を返せば、おうちカレーという基準点が常にあるからこその楽しみなんですよね。

ところがこの「おうちカレー」という言葉、こと外食に限って言えばネガティブな意味にとられがち。
お店で食べたカレーを評して「おうちカレー」というコトバの裏には、
「わざわざお金を払って食べなくても家で作れちゃう」というニュアンスが含まれている。

ありきたりに思えるものほど、実はなくては困るもの。
日本人にはありきたりでも、ほら、外国でカレーライスをふるまって御覧なさい。
相当な確率でカレーライスを初めて食べた外国の方はそのあまりの美味しさに目を丸くするんです。
「ニホンニハ　ナンテオイシイタベモノガ　アルンダ！」ってなもんで。

カレーライスはもはや、世界に誇れる日本食。
でもその貴重さを、とうの日本人たちが見失いそうになってはいないか。
ありきたりな魚の代表だった日本のメダカが、気が付けば絶滅危惧種になっていたように、
今我々がおうちカレーライスを大事にしなければ、誰がこの文化を守るというのか・・・と。

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で、なんでこんな話を熱く語ってしまったかというと・・・
見つけちゃったからなんです。
「おうちのカレーライス」に真っ向真剣にとり組む素敵な店を。

西武新宿線鷺ノ宮駅。
改札を出て踏切をわたってすぐ、石神井川ぞいに見えるカレー屋の看板。

「かれー屋うえの」

小さくて気軽な、小料理屋さんのような店構えです。

店頭のメニューにもあるように、カレーのバリエーションは非常に豊富。
特に揚げ物系がたまらなく美味そう・・・

お店に入り、カウンター席に陣取ります。
壁一面に貼られた品書きを眺めながらしばし悩んだ末、
とある変わったメニューを注文です。

カレーを待っている間に出てきたサラダ。
これがさりげなく美味い。
飲食店のスタンスってこんなところにも滲み出るものなんですよね。

カウンター越しに見えるマスターの丁寧な仕事っぷり。
この時間も、結構幸せだったり。

で、登場しました。
おぉっと声を出してしまう素敵ビジュアル！！

カリカリ餃子カレー ¥600

ええ、サラリ端正なおうちカレーの上に、カリッカリに揚がった餃子がズラリ。
めっちゃくちゃ美味そう！！！

まずはカレーから。
お～お～お～お～。
適度なとろみにフルーティーな香り。
程よい程よい、本当に程よいおうちカレー。
しかしこの程よさはおうちではなかなか出せないだろうという素晴らしさ。
もうこのカレールゥだけで、キング・オブ・おうちカレーに認定したくなる美味しさです。

さてお次は餃子に行ってみましょう。
カリッとパリッとした皮は食感だけでなくとっても香ばしい。
ベトッとしていないからカレーとの相性も抜群です。
考えてみればネパール餃子モモなどは揚げてカレーと一緒に食べたりするわけで、
そう考えればこの組み合わせは大いにアリ、なのです。

これは大きなアタリを引いてしまったようですね。

食後、マスターといろいろお話をさせていただきました。
カレー屋を始めるに至った経緯、
仕込みの仕方について、などなど。

あたりまえのような家庭の味をコンスタントに提供するために、
ほんとうにこだわり抜いて、実は大変な手間をかけて作られているその姿勢に感激。
しかもその手間が決して無駄になっておらず、
結果、なんとも素晴らしきあたりまえの美味しさにまで昇華しているのですから。

地元のおじちゃんおばちゃんから、おうちカレーが恋しい一人暮らしの人たち、
足しげく通うグルメな方から、あらゆるカレーを知り尽くした通の方まで、
このお店のカレーに魅せられた人は多数。

遅ればせながら私も、その末席に加えさせていただければと思います。

みなさんもどうか軽い気持ちでぷらっと、極上で普通のカレーライスを食べてみてください。

おうちカレーが恋しくなったら鷺ノ宮。

おうちカレーが恋しくなったら鷺ノ宮。

大事なことだから、二回言ってみましたよ（笑）

もちろん、再訪決定！