素朴で懐かしさを感じる小皿料理、なるほどそのとおりのポルトガル料理 : クリスチアノ

代々木八幡駅改札を出て左へ、ローソンの向かいを入って突き当り左側「クリスチアノ」ポルトガル料理とワインで乾杯。

実はポルトガル料理って、よくわかりません。バカリャウやメルルーサなどの魚類や、かつて海洋国だったこともあって豆、ハーブ類を多用する、、ってことくらいしか予備知識なし。飲兵衛的にはヴィーニョ・ヴェルデにポートワイン（まあこれもポルトガルよりもイギリスで重宝されているフシもありますが）。さてどんな料理がいただけるか、呑兵衛７名（既にこの数字がボトルをシェアする前提^^）でワクワクして訪れました。１９時からの予約でしたが、おそらく他の席も１９時からの予約なんでしょう、あっという間にお客さんで一杯になってしまいました。

ますは、ヴィーニョ・ヴェルデ（緑ワイン）で乾杯。わずかに発泡している白のヴィーニョ・ヴェルデ、スターターとしてはぴったり。まずは前菜類をあれやこれやと。オーダはこんなところだったかな。

　・自家製フレッシュチーズ
　・カルドヴェルデ（キャベツとジャガイモのスープ）
　・にんじんとオレンジのポルトガルサラダ
　・ヤリイカとえんどう豆のミントマリネ
　・自家製バカリャウのコロッケ
　・自家製ソーセージ
　・蛸のポルトガル風天麩羅
　・築地宮川鶏のポルト酒ソテー

飲兵衛メンバーなので、お酒が進むものが多くなったのはまあ予想の範疇。で、ある程度事前に予想はしていたけれど、一番の感想は、スペインやイタリアンと比べると素朴でハーブを効果的にきかせていて、日本人の口にかなりあうんじゃないかということ。失礼を承知で言えやや野暮ったささえ残る箇所もありますが、それこそがポルトガル料理の本質なんじゃないでしょうか。素朴でなつかしさを感じる小皿料理」とお店がポルトガル料理を紹介していますが、まさにその通りと感じました。もちろんそこは料理人としてのセンスや日本産の素材を上手く使ったりはしてるのですが、目指す方向は豪華レストランのソレではないわけです。ゴーカで洗練されたポルトガル料理、というのももちろん存在するんでしょうけれど、そういう日本的に言えば割烹的方向を目指す店ではないわけで。

自家製フレッシュチーズは字のごとく熟成されたそれではなく限りなくミルクに近い状態で、若々しいヴィーニョ・ヴェルデにピッタリ。お店の方が「ポルトガルの味噌汁」というカルドヴェルデは、食事のスタートに胃を温める効果もあって、食べているうちに身体が喜ぶのが分かるような。バカリャウ（干鱈）のコロッケ、これも日本人好みの味ですね。これは温かいうちにいただくのが吉。日本の天麩羅の由来はポルトガルだそうですが、この蛸の天麩羅もきちんと下処理されており、素朴で美味しい。こういう料理をいただくと、天麩羅って日本酒もいいけどワインもいいよなぁ、と思ったりしちゃいます。

前菜類の中では、ヤリイカとえんどう豆のミントマリネが出色。こういう料理をいただくと、海鮮の調理は日本が一番なんて言うけど、どうしてどうして、なんて思っちゃいます。ワインがススムススム。豆系の料理はどれも美味しいです。

さて、後半戦は店員さんを捕まえておすすめなど相談しながら、、という作戦なのですが、店員さんフレンドリーなのはいいのですが忙しすぎて捕まらない。ほぼ同時にスタートした店内中のお客さんをほぼ２人でさばいてるので、人手が足りないのは明白。とはいえ、ここを２人で切り盛りすることでリーズナブルなお値段を確保してるわけですし、なかなか悩ましいところではあります。料理はともかく、なかなかワインが出てこなかったり、、ということもあったりしますが。でも周りのお客さんはそのあたりも計算済みなのでしょう（なので最初に前菜類を大量にオーダーしておいて正解）、のんびり料理とお酒と会話を楽しんでる様子。ちなみに店員さんがフレンドリーすぎるということはないものの、若干好みがわかれる接客とは思います、それでもきちんとおすすめ料理や人数・シチュエーション・好き嫌いにあった料理やワインのプロポーザルができていた点は強調していいでしょう。

ということで、メインとそのサイドディッシュにいただいたのは
　・青菜とキヌアのにんにく炒め
　・マトウダイのソテー
　・（料理名失念）豚肩肉の煮込み（だったかな？）

見た目はちょっとユニークなマトウダイ、ヨーロッパ諸国ではサン（聖）ペドロと呼ばれてるそうで、訪れた時がちょうど産卵前の一番美味しい時期なのだとか。人数にちょうどいいサイズが入ったから、と出していただいたのですが、これは美味しかった。ポルトガル料理として美味しい、というよりは私たち日本人の口にあったというべきかもしれません。豚肩肉の煮込みもよかったけれど、やっぱり魚の方が口にあってるというか（これは自分の好みの問題ですが）。

飲兵衛メンバーはデザートはいただかず、赤のポートワインを。友人曰く、すでになかなか予約が取れないお店になっているとのことですが、なるほどこの料理とお会計なら納得です。２、３人で訪れるのも良さそうだし、６、７人でワインをいただきながら楽しく過ごすのも良さそうです。ただし、時間は余裕を持ってたっぷり、は必須でしょうね。３時間でお会計の我々、お客さんの中で一番早く退店したのかも。可能であれば１回転した後、夜遅目の時間が狙い目かもしれません。ごちそうさまでした。