実直で季節感を感じる日本料理〜CPの良いお任せコースで : 衛藤

（2016.⒓再訪）

武蔵小山の商店街から少し入った路地に佇む衛藤さん。
吉兆にいらした衛藤さんの実直で手の込んだ季節を感じる日本料理を
お任せコース5000円（+サービス料10%+税）で楽しめます。
カウンター席は、4席のみでゆったり寛げます。（奥にテーブル席）

〇⒓月のお任せコース（全9品） 5000円（サービス料10％、税別）
　・鳳凰美田 完熟もも　をロックで。
　
　・先付：ふろふき大根にきのこを使ったあんかけ、ちぢみほうれん草

　・お凌ぎ：自家製からすみの飯寿し

　・お椀：イトヨリと壬生菜
　　　　　衛藤さんの出汁は、味が強くなくて塩梅が好みです。

　・向付：天然の真鯛とカンパチ、本鮪
　　このコースのお値段で、真鯛やカンパチは立派です。　

　・海老芋の焚上げ　
　　冬の京野菜というと、やはり海老芋。はふはふしながらいただきます。
　　銀杏とともに。

　・焼き物　さわらの塩焼き　
　　ふっくら香ばしく焼き上がっています。京菊菜を添えて。

・炊き合わせ　駿河の生桜えび、聖護院カブと金時人参、　
　　生桜えびの秋漁は10月下旬～12月下旬の短い期間。
　　綺麗なピンク色が印象的で、旬の時期にいただけて嬉しい。

　・ご飯　まる雑炊。（＋700円）
　　この季節は、すっぽん雑炊も用意されています。
　　ご飯の量を、多め、普通、少なめから選択。
　　いつも日本料理では、最後のご飯は少なめにしますが
　　すっぽんの出汁が美味しいのはわかっているので、珍しく普通で。
　　アツアツで、しみじみ美味しい。
　　冬はこういう温かいお料理がいいですね。

　・デザート
　　3種類から選べます。

　　連れは、濃厚なラムレーズンのアイスクリーム
　　もう一品は、何気なく選んだ上生菓子。
　　これがなんと、精巧にできたクリスマスツリー！
　　可愛らしくて、わくわくしちゃいました。
　　衛藤さんは、メニューに季節感を盛り込むのが上手ですが
　　最後のデザートで、思いがけない、素敵なメリ―クリスマス！♪

ごちそうさまでした。


（201６.3再訪)

今回、電話で予約を入れたときに、3月まで河豚も入るコースもあるとのこと。
河豚の食べ納めにもなると思い、そちらでお願いしました。

〇河豚入りおまかせコース　8900円（+サービス料10％+税）

・突き出し
　3月ということで、お雛さまの入れ物がとても可愛い。
　その後ろには行燈があり、ろうそくの灯が燈っています。
　春らしく素敵な一品。

・凌ぎ　飯寿しに、錦糸卵の黄色が鮮やか。
・お椀　良いお出汁に筍がいいですねえ。

・河豚の薄造り　・河豚の唐揚げ　・河豚の白子焼き
　と河豚が続きます。

・炊き合わせ
　菜の花など彩りがきれい

・河豚の雑炊
・デザートは桜餅。

春らしい日本料理のなかに河豚料理が入ってきて、
このコースもこのお値段ではお値打ちかなと思いますが、
自分は、季節感のある通常のおまかせコースの方が好みかも。

帰りは、見えなくなるまでお見送りいただき、最初から最後まで気持ちよく過ごせました。

ごちそうさまでした。


（2015.4)
武蔵小山の賑やかなアーケード商店街から
ちょっと入ったところにある小じんまりとした日本料理のお店。

昨年5月、まだ食べログをしていない頃に初訪。
1年近く空いてしまい、久しぶり予約の電話を入れました。

「ｘｘと申しますけど・・」
「あ・・ｘｘさま、先般はありがとうございます」と感じの良い女性の方。
むむ？1年近く前に来て、憶えていただいてるはずないし・・・？
希望日の予約はOK。

「それでは、こちらの電話番号は・・」
「前回頂戴したもので、よろしいですね？」
「はい・・・。（ナンバーディスプレイで出てもいるし・・）
「ひとり、食べられないものがありまして・・」
「はい。前回と同じでしたら、大丈夫ですよ」
「は・・よろしくお願いいたします。」
「衛藤が承りました。ありがとうございました。」

あ・・、女将さんだったのですね。
いや〜、どういうことなんだろう。そんな前に1回来店した客のことが
すぐわかるなんて、大したものです。

名前を言ったとたんに、検索結果画面がビューンと出るとか・・？
など、想像の翼が広がりましたが（笑）、
いずれにせよ、このやりとりでハートをぎゅっと掴まれたのでした。

前置きが長くなりました。

平日夜に訪問。
カウンター席は広めで、4席のみ。
奥に、掘りごたつ式の座敷があり、計14席。
（カウンター席から見えませんが、賑わっていました。）
吉兆出身で2005年にお店を出されたご主人と、
若手の女性と男性がおひとりずつで切り盛りされています。

お献立は、5,000円のおまかせコース1本に
季節ごとの一品料理が別途あります。

◆八寸　
のれそれの酢の物、蛍烏賊の燻製にゆばのソース、
帆立のあられ揚げ、玉子焼きに花山椒、空豆、京人参の花びらと。
彩りも鮮やかで、それぞれが美味しい。

こちらではフルーツ系のお酒をいろいろ揃えてあり
前回同様、「鳳凰美田 完熟もも」をロックで。

◆ぜんまいがのった飯寿し
　見た目が面白い。

◆椀　油目と生麩。
　このくらいの薄味の出汁が好きですね。
　お魚の塩味と相まって、ちょうど良い。　

◆お造り　ヒラマサ、タコ、とり貝。
　けんとヒラマサに、塩漬けのピンクの桜がひらっとかかっています。

◆焼き物　筍の木の芽焼きとうるいの土佐和え
　筍好きには、うれしい。

ここで、「紅香（べにかおり）という柑橘類を知っていますか？
こちらを使った炭酸系で、お料理に合うお飲み物がありますよ。」
「初耳で、ぜひいただきたいです・・。」

清美と温州みかんとページオレンジを掛合わせ、ステビアを使った新品種だそう。
「紅香」そのものも見せていただきました。

出てきたものは、濃厚な果汁は自然の甘みのみで、
お料理の邪魔をしなくてgoodです。

◆炊き合わせ　春若芋（長芋の別称だそう）、ふき、タラコ
　ここでも、優しいお出汁が活きてます。

◆ご飯　あさりのご飯　香の物　味噌汁
　ほっこり美味しいごはんに、あさりがきれいに並んでいます。

◆デザート　よもぎのシフォンケーキ
ふかふかで、もっちり。カフェも顔負けの美味しいシフォンケーキ。

夜のコースで5000円。この品数・内容で、何より本格的な味わいが秀逸。
△△産のｘｘみたいな、高額の素材を望むのは間違いでしょうね。

おまかせ1本に集約することで、一品一品に吟味した素材を使い、
美味しい出汁と、きちんとしたしごとで、繰り出されるお料理。
そして、ご主人の人柄。
肩肘はらず、リラックスできる雰囲気で居心地のよいお店です。

ごちそうさまでした。