芸術的な熟成仕事!! : すし 喜邑

公式

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すし 喜邑

(㐂邑)
寿司TOKYO百名店2022選出店

食べログ 寿司 TOKYO 百名店 2022 選出店

このお店は休業期間が未確定、移転・閉店の事実確認が出来ないなど、店舗の運営状況の確認が出来ておらず、掲載保留しております。店舗の掲載情報に関して

この口コミは、辣油は飲み物さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

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4.4

¥20,000~¥29,9991人
  • 料理・味4.4
  • サービス3.7
  • 雰囲気3.7
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク3.7
2018/07訪問2回目

4.4

  • 料理・味4.4
  • サービス3.7
  • 雰囲気3.7
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク3.7
¥20,000~¥29,9991人

芸術的な熟成仕事!!

初めて訪問した2016年8月から約2年ぶりの訪問となりました。
その間にも再訪したいと思っていたのですが、
なかなか予約が取れず、今回念願の再訪となった次第です。

時を経て改めて頂いた感想としては、
木村さんの熟成仕事は更に先を行っており、端的に驚きました。
世に定着する熟成とは一味も二味も異なる熟成。
今まで頂いた熟成の中で最も旨味を最大化しつつ、
魚の香りと食感と言う個性も活かしておられるのが圧巻!です。
特に今回は脂が乗ったタネを3連発で頂く流れがありましたが、それでもメリハリがあり、
木村さんの仕事とストーリーテリングに感銘を覚えました。
一般的な旬のイメージを覆しつつ、季節感も盛り込んだ独特の世界観です。

そして、生命線のシャリはやっぱり美味しい。
酢の風味がスーッと抜けた後に酸味がこみ上げてきて、
旨味でまとめるシャリで、己が熟成仕事にピタリと合わせておられます。
硬さについて、前回は「やや硬め」だと感じましたが、
今回は「結構硬め」に感じました。
芯が残る手前まで攻めておられる印象です。

今回頂いた日本酒
澤屋まつもと守破離、元坂酒造・酒屋八兵衛、
仁井田本家・にいだしぜんしゅ
(精米歩合による区分は不明)

頂いた酒肴は下記の通りです。
なお、前回にも増して創作的かつ洋風なメニュー構成でしたが、
こちらで頂くと違和感が無いように感じます。
熟成仕事が個性を貫いており、完成されておりますので、
酒肴で遊んでも硬派に感じられるのではないでしょうか。

蛤酒
提供前に熱燗酒を少々垂らした濃厚蛤スープ。

焼き鮎のペースト
肝の香りと甘みを楽しめ、粉砕された骨が香ばしい。
バターも使用されているらしいが、気にならない。

海胆のカペリーニ
カペリーニ!?と驚いたが頂いて納得。
海胆の使用量が半端無く、クオリティ的にも鮨店ならではの一品。
イタリア料理店で塩水海胆を使用されているならば良いものの、
明礬が強い海胆を使用されると厳しいので。
アオサを混ぜて和風テイストを高めている。

穴子の焼きもの
皮はパリッとではなく、バリッと弾ける。
そして、肉厚な身はホロホロ、しっとり。
旨味が強く、何よりも香りが良い。
軽く風干ししてから焼いているようで、魅力が凝縮されている。
産地を伺ったところ岩手だった。

鮑の冷製リゾット
鮑は柔らかく蒸されており、強い風味を楽しめる。
個人的に鮑は温かい方が好みだが、これはこれで美味しい。
と言うのも、肝のソースが旨味は濃厚でありながらくどくなくサラッとしており、
鮑の量が大量なので、食べごたえが有る。

魚介のスープ
香りは甲殻類ずどん、しかし旨味は複雑なビスク的スープ。
それでいて上品な食後感。
ワタリガニに加えて鰯などなど様々な魚を用い、塩気は酢飯の塩分のみ。
塩気が低くても旨みで牽引する。

カンジャンケジャン
山椒の風味に加えてブランデーの風味が魅力。
上品に纏めている。
食べ方は下品な方が美味しいけれど。

この後、握りに移行します。

ガリ
酢と塩を両方強く用いており、甘みはゼロ。
旨味が強いため赤酢を用いているのかと推察。
硬さは過去には柔らかく感じたが、今回はそう思わず。

酢飯の試食
まず、海苔の良い香りが伝わる。
酢飯は一粒一粒に存在感があり、美味しい事を痛感する。

白烏賊
極薄切りにして細切り。
よって、舌に瞬時に絡み、とにかく甘い。
シャリと合わせる事を前提にしている包丁仕事だと感じた。
(塩よりも煮キリの方がこちらのシャリに合っている印象)

黒ムツ
あたかもトロのようにねっちりと脂が絡むが、
シャリの酸味と合わさり乳化する。
魚自体の酸味と香りも感じられる。

カンパチ
これまた凄い脂で、濃厚!
わずか2貫で夏のイメージを覆す。
あたかも冬の白身魚のようなパンチ力。

イサキ
3週間熟成。
イサキらしいバツッとした食感と雄々しい香りを残しつつ、半端ない脂!
冬の一般的な寒鰤を超える程に脂が回っている。
香りは夏のイサキなのに、味は夏離れしていると言うギャップと意外性が魅力だ。
魚体を聞いたところ、約3.2キロ!


ゴマサバなので脂はサッパリだが、香りが引き立ち美味しい。
寝かせて脂を回している。
シャリの酸味も引き立ち、パンチ有る3貫の後に少しリセットしてくれる。

金目鯛
銚子産、3週間熟成。
ぷりぷりな食感の後に脂がどんどん広がり、凄い余韻。
脂質過多と言う訳ではないのに、金目鯛の仕事として独特で素晴らしいと再認識。


波打つ包丁は絶妙。
旨味の合間に香ばしさが感じられ、蒸した後に炙っているのだろうか?
シャリの酸味がサポートし、引き締める。


漬けではなく、煮キリで洗って暫く置く仕事。
ネギと生姜を合わせた調味料を噛ませる。
脱水感が強めでハムのような食感!
そして非常に強いスモーキーフレーバー。
しかし、脂も強いのでバランスが良い。


青魚でありながら10日熟成!
皮、脂、身の三重の食感の後に強い脂!
そして、それを超える香り…
熟成で鰯の香りを引き出してるのが極めてマニアック!

マカジキ
濃密なとろけ具合!
もはやソース的なとろけ具合のマカジキ。
漬けにしており、熟成は5〜6日ほど。
江戸前の古典的なタネであるマカジキをこのように仕上げるとは、凄い。

玉子
今まで頂いた中で最もトロトロかもしれない玉子。
極めてスイーツ的に仕上げつつ、表面は食感があるので、「鮨屋の玉子」になっている。

以上、お会計は28,000円。
庶民の自分には頻繁にお伺いできる価格帯ではありませんが、伺って良かった!と思わされる内容でした。
問答無用に美味しく、唯一無二の世界観を持ったお店です。

本記事は下記のブログをベースに投稿しております。
すしログ:https://sushi-blog.com/

  • すし 喜邑 - 白烏賊

    白烏賊

  • すし 喜邑 - クロムツ

    クロムツ

  • すし 喜邑 - カンパチ

    カンパチ

  • すし 喜邑 - イサキ

    イサキ

  • すし 喜邑 - 鯖

  • すし 喜邑 - 金目鯛

    金目鯛

  • すし 喜邑 - 鮑

  • すし 喜邑 - 鰹

  • すし 喜邑 - 鰯

  • すし 喜邑 - マカジキ

    マカジキ

  • すし 喜邑 - 玉子

    玉子

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2016/07訪問1回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス3.7
  • 雰囲気3.7
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク3.7
¥15,000~¥19,9991人

確立された、新たなる江戸前仕事

こちらはミシュランの星を獲得される前から長らく訪問したかったお店。
ご主人・木村康司氏は独自に研究を重ね、熟成と言う新たな仕事を生み出されました。
全国の若手職人からの信望も厚く、地方で名前を聞く事、多数。
鮨好きとしては行かねばならないお店でした。
しかし、訪問を先延ばししているうちに、「熟成鮨」がブームとなってしまい、
お店の予約難度が一気に上昇…。
最早一見の予約は取りにくい状況となり困っていたところ、
常連さんからお誘い頂き、訪問を果たす事が出来ました。

お店は二子玉川の住宅街の入り口にあり、内装は非常に落ち着いた雰囲気です。
接客はご主人のお母さまが担当されており、そのお蔭でアットホームな空気感もあります。

握りを頂いた感想としては、想像以上に個性的で、それでいて行き過ぎていないのが印象的でした。
「ブームとしての熟成」は、旨味を強める代わりに魚の食感と香りを弱めてしまうので、眉唾な側面があります。
また、旨味も同質化し、タネの構成力=ストーリー性が低下すると言う弱みも持っております。
しかし、木村さんの仕事はメリハリが利いており、魚を異なる形で再定義するのに成功していると感じました。
前から通われている同行者の方いわく、一時期は白身魚や貝に関して少し過剰な熟成があったそうですが、
現状に対する感想としては、紛れも無く新たな仕事として成功していると感じました。
ストイックな試行錯誤あっての創造である事は容易に想像が付きます。

また、正直なところ意外だったのが、シャリの美味しさ。
「熟成」ばかりがフィーチャーされ、シャリに対する言及が少ないお店ですが、
赤酢を用いつつ上品にまとめたシャリは、旨味が強まっている熟成種との相性が良い。
酢がすっきり立ち、塩気は穏やかで、やや硬めのシャリはほどけ加減が良好です。

確かにこちらは繰り返し足を運び、仕事の進化を見届けたいと感じさせる名店だと思います。

頂いた日本酒は王祿酒造・溪、丸尾本店・凱陣 、旭菊酒造・大地。

頂いた酒肴は下記の通りです。

蛤のスープ
蛤の旨味は強過ぎず弱過ぎず、じんわり広がる。
「夏の蛤は犬も食わぬ」と言われる蛤だが、最初の一杯に嬉しい。

浅蜊の軽い燻製
軽くスモークしており、胡麻油を使用しているところも面白い。

黒ミンク鯨のうねす
これは非常に旨い。
トロトロ柔らかな身を噛み締めると、ねっとりした旨味が舌に絡む。
ただ、個人的には、コチュジャン的な味噌のタレが強過ぎる気がした。
風味や辛味がこの後の握りを阻害する事は無かったが。

鮎の卵入りの塩辛
一年熟成させたもので、嬉しい酒肴。

マナガツオの焼きもの


蒸し鮑に酢飯、肝のソースを混ぜたもの。
鮑の火入れは良いが、酢飯が冷たい点が残念。
やや温かみがあった方が、肝の旨味をより感じられると私見。

魚介のスープ
北寄貝、イサキ、ワタリガニを用い、酢飯と合わせたと言うスープ。
甲殻類の旨味がダイレクトに伝わり、複合的な旨味が何とも言えない。
創作性が高く、サプライズのある一品。

和製カンジャンケジャン
要は、ワタリガニの塩辛。
いかつい見た目に反して優しい味わいで、カニの旨味、甘みが芳醇。
塩加減や山椒の塩梅も良く、素晴らしい味わい。
サプライズが二連発で大満足。

この後、握りに移行します。

ガリ
酢がかなり立っているガリで、食感は柔らかい。

シャリの手巻き
シャリの試食から始まるとは、初音鮨のよう!
鮨好き、握り好きとしては非常に嬉しき名刺代わり。
シャリの美味しさは前述の通り。

白烏賊
シャリとの融合が秀逸で、塩気も良い。

縞鯵
1ヶ月熟成。これは凄い甘みで驚く。
それでいて縞鯵特有の香りは残っており、食感も嫌味が無い。
一般的な「熟成」とは異なり、魚味を把握し、再構築する仕事。

イサキ
1.5ヶ月熟成。縞鯵とは裏腹に食感はトロッとしている。
しかし、香りは残されており、横溢する旨味に喜ぶ。
なお、1.5ヶ月と聞くと、「大丈夫か!?」と思われる方が未だいるだろうし、
僕自身も恐る恐る…と言うところがあったが、これら2貫を頂き、杞憂に終わった。

春子
昆布でしっとり〆ており、柔らかい身に魅力がある。
グルタミン酸の浸透は上品で、良い〆の仕事だと感じる。

北寄貝
塩を振って1日脱水した表、水で割った酒で洗う仕事。
丁寧な仕事が奏功し、嫌味が皆無で北寄貝の甘みをダイレクトに感じる。


4日寝かせた鰺。
食感はぷりっぷりっで、甘みが非常に強い。
香りは嫌み無く、余韻として楽しめる。

金目鯛
甘み、旨味を非常に強く印象深い。
また、全体的にそうなのだが、切り付けの厚みがかなりあり、
それがシャリと調和しているところがこちらの魅力と感じる。
甘みが強められた肉厚なタネに美味しいシャリを合わせる、
かなり個性的なシャリとタネのバランスである。


6日寝かせた鰯。
強めに〆て、脂を閉じ込めている。
極厚な切り付けだが、脂の旨味とともにとろける。


包丁の仕事に妙があり秀逸。
大きく、薄く切り付けており、サイズがシャリにフィットしている。
そして、波を打たせており、シャリとの一体感、歯切れも良好。
旨味は強過ぎず、ゼラチン質が上品に舌を喜ばす。
握りの鮑としては、他に無い魅力を持っている。

マカジキ
これは極めて印象深い仕事。
48日間熟成と言うが、更に強めに漬ける事で
インパクトのある味わいとなっている。
もの凄い旨味に驚くが、旨味と煮キリの塩分濃度のバランスも良く、
完成度の高い唯一無二の仕事。

穴子
中心はふんわり、表面は強めに焼いて香ばしく。
ひたすらふんわりな穴子より、個人的にこういった塩梅の方がタイプ。
そして、濃厚な煮ツメも魅力。

玉子
みっちり詰まった端正な味わい、見た目の玉子

またお伺いするのを心より楽しみにしております。

本記事は下記のブログをベースに投稿しております。
すしログ:https://sushi-blog.com/

  • すし 喜邑 - シャリの手巻き

    シャリの手巻き

  • すし 喜邑 - 白烏賊

    白烏賊

  • すし 喜邑 - 縞鯵

    縞鯵

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店舗情報(詳細)

店舗基本情報

店名
掲載保留 すし 喜邑(㐂邑)

このお店は休業期間が未確定、移転・閉店の事実確認が出来ないなど、店舗の運営状況の確認が出来ておらず、掲載保留しております。店舗の掲載情報に関して

受賞・選出歴
2023年Silver受賞店

The Tabelog Award 2023 Silver 受賞店

2022年Silver受賞店

The Tabelog Award 2022 Silver 受賞店

2021年Silver受賞店

The Tabelog Award 2021 Silver 受賞店

2020年Silver受賞店

The Tabelog Award 2020 Silver 受賞店

2019年Gold受賞店

The Tabelog Award 2019 Gold 受賞店

2018年Silver受賞店

The Tabelog Award 2018 Silver 受賞店

2017年Gold受賞店

The Tabelog Award 2017 Gold 受賞店

寿司 百名店 2022 選出店

食べログ 寿司 TOKYO 百名店 2022 選出店

寿司 百名店 2021 選出店

食べログ 寿司 TOKYO 百名店 2021 選出店

ジャンル 寿司
住所

東京都世田谷区玉川3-21-8

交通手段

二子玉川駅徒歩7分

二子玉川駅から530m

営業時間
  • ■営業時間
    昼:12:00~
    夜:18:30~

    ■定休日
    不定休
予算

¥30,000~¥39,999

¥30,000~¥39,999

予算(口コミ集計)
¥30,000~¥39,999 ¥30,000~¥39,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード可

(VISA、Master、JCB、AMEX、Diners)

電子マネー不可

QRコード決済不可

席・設備

席数

9席

(カウンター9席)

個室

貸切

不可

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

1台のみ(予約時要確認)

空間・設備

カウンター席あり

メニュー

ドリンク

日本酒あり、日本酒にこだわる

料理

魚料理にこだわる

特徴・関連情報

利用シーン

一人で入りやすい 知人・友人と

こんな時によく使われます。

オープン日

2005年7月7日

備考

昼・夜ともに1コース 30,000円(税別)

OMAKASEはこちら
https://www.omakase-japan.jp/stores/18576
2020年10月1日よりお支払いは”カードのみ”となります。

アメックスが使えます(情報提供元:アメックス)

初投稿者

みなほみなほ(832)

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