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Ronsonさんの他のお店の口コミ
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店名 |
閉店
アンティーカ・トラットリーア・ノスタルジーカ(Antica Trattoria Nostalgica)
|
---|---|
ジャンル | イタリアン |
住所 | |
交通手段 |
中目黒駅徒歩15分、 目黒駅徒歩20分 目黒駅から954m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) |
席数 |
18席 |
---|---|
個室 |
無 |
貸切 |
可 (20人以下可) |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
無 |
空間・設備 | オシャレな空間、落ち着いた空間 |
ドリンク | ワインあり、ワインにこだわる |
---|
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 隠れ家レストラン |
オープン日 |
2009年6月15日 |
備考 |
夜はコースだけでなく、アラカルトOK。 シェフに確認済みです。 |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
|
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場違いですが、ちょっとフランス料理の話を。
ずいぶん前から、自分はフランス料理が好きなのだという自覚を持って、
フレンチを食べてきたのですが、最近どうも
日本のフレンチレストランの料理が楽しめなくなってきました。
なんていうか、盛りつけがモダンぽくてキレイなだけの、
あるいは意外な食材(主に和の食材)を組み合わせてみましたっていうだけの、
ガッツのない、サラダみたいな料理ばかりになってしまっていて。
色気のある、底味のしっかりした料理と出逢えなくなってきたのです。
メナール時代のロオジエ→カンテサンス→レフェルヴェソンスのように、
味の深さよりも食べやすさと見た目のお洒落さに力点を置いたレストランが、
やたらと高く評価されているここ十年間の潮流を、
私は受け入れたくないのかもしれません。
しかも、最近話題になる新しいフレンチレストランは、
どこもレフェルヴェソンスのフォロワーみたいな感じだったり。
また、ガッツのある肉料理を食べさせる店は、体育会系のビストロって感じで、
繊細な技術や凝った調理法を期待できない印象だったり。
食べログのランキングを見ても、全然ワクワクしません。
そんな中、「イタリア料理はどうだろう?」と思い立ったわけです。
イタリアンの場合、総花的な日本的イタリアンだけでなく、
地方色を打ち出した本場志向の店もあるはずで、
そういった店だったら、私の求めるヨーロッパ的な味があるのではないかと。
そこで訪れてみようと思ったのが、このお店です。
しかし、予約時の電話の印象が最悪で。
私が「妻の誕生日の食事なんですが」というと、
「うちは誕生日に来るような店じゃないんだよね。席も狭いし」
などと言われてしまう始末。利用前からネガティブなイメージが…。
そんなわけで、「特別に美味しくなかったら許さないんだから!」
と思いつつの訪問となりました。
———————————
で、最初に結論を言います。
このお店は特別に美味しいです。期待をはるかに上回りました。
お忙しいときにグダグダな電話をして申し訳ありませんでした m(_ _)m
———————————
以下、詳細です。
店内に足を踏み入れると、懸念していたほど悪い雰囲気ではありません。
華やかでお洒落とは言えませんが、安っぽいとか荒っぽいとかいうわけでもなく、
ちゃんとした飲食店としての体をなしています。とりあえず一安心。
メニューは黒板に手書き。
あら、ほお、ふむふむ。全部そそられるんですけど! これは悩むなあ。
フロアは男性スタッフが一人で見ていて、とても忙しそうではあるけれど、
目配りが行き届いているし、料理の説明も丁寧です。
結局、前菜は「お味見前菜6種」をオーダーしました。
だって、やっぱりいろいろ食べたいもん。
お味見前菜6種
ホロホロ鳥のガランティーナ
濃厚な肉の味とゼラチン質! いきなりグッとくる美味しさ!
季節野菜のマリナータ
焼いてオリーブオイルでマリネしたとのことですが、
「なぜこんなに美味しいの!?」と感じるくらい美味しい。
イノシシのマンテカート
猪肉の塩漬けを脂をリエット状にしたもの。思わずニヤけてしまう美味しさ!
イイダコとファッロのインサラータ
ファッロというプリプリした麦粒をイイダコに合わせたもの。
食感も面白いが、美味しさも深い!
モンサンミシェルのムール貝
白ワイン蒸し。繊細だけどしっかり旨みがあって美味しい。
残った蒸し汁はパンに吸わせて味わいました。
そうそう、パンも過不足ない美味しさでよかったです。
仔羊のコラテッラ
いろんな部位の内臓をオリーブオイルとタマネギとともに炒め煮込みにして、
ペコリーノを合わせてバーナーで炙ったものだそうで。
これは大好きな味。感動的に美味しい。
やばいなー! どれもすごく美味しいじゃん!
いろいろ食べられて嬉しいけど、一つひとつの料理をもっと食べたい
という気持ちも湧き上がってきます。
でも、この後の料理があるから、とりあえず追加は断念。
(パスタ/リゾット)
キジとピスタチオのラビオリ
ひと口めを食べて、思わず目を見開いてしまうぐらい美味しい!
雉肉とピスタチオの風味が見事に調和している!
ときどきピスタチオのかけらが口中で弾けて、さらに風味が増します。
これが一番感動した料理かもしれない。
スカンピとボッタルガのリゾット
繊細なスカンピと、珍味的なボッタルガが上手く調和しています。
米はかなりアルデンテ。スープは不思議に深い味。美味しい。
(メイン)
ウズラのアグロドルチェ
アグロドルチェとはビタースウィートの意味だそうで、
まるごとのウズラを焼いたものに、オレンジのほろ苦さと甘さを加えたもの。
これはたぶん、オレンジという要素がなくても、気合の入った焼き方と
香味野菜と出汁の味付けだけで十分に美味しいであろう味。
そこにオレンジの風味が加わるのだから、もう、びっくりするくらい美味しい!
下に敷いたレンズ豆にまで旨みがたっぷり。いやあ、本当に美味しい一皿でした。
ドルチェは、フルーツとマスカルポーネのトルタとアマレーナ風味のババレーゼ。
どちらも見た目が可愛いですが、食べてみると見た目以上に繊細かつ複雑で美味しい!
一般にイタリア料理って、前菜とパスタは美味しくても、
メインとデザートは素っ気なくてつまらない(イタリア本国でも)という
イメージがあったのですが、そんな先入観がまったく通用しない、
全力で美味しいメインとドルチェでした。
バラの香りの自家製レモンチェッロを少しサービスしていただいて、
最後にエスプレッソのダブルでフィニッシュ。
いやあ〜、満喫しました。
———————————
とにかくもう、すべての料理が美味しいです。
風味が濃厚で強い! もちろん味付けが濃いという意味ではありません。
素材の個性を引き出し、高めることを目的に、
手間をかけて、繊細な技術を駆使している感じがビンビンに伝わってきます。
作り手のめざす美味しさと、自分の求める美味しさが合致した時にだけ
感じられる歓び、高揚感を、久しぶりに感じました。
なんだ、私が食べたかった料理は、ここにあったのか!
ここ数年の、日本のフレンチの、見た目がキレイなだけで気合の入っていない料理は、
いったい何だったのかと。
イタリアンの場合、調理にチーズやオリーブオイルが不可欠だったりするので、
本場志向の店の場合は、フレンチのように軟弱な料理にならないのかもしれませんね。
思うに、たとえば肉なんてものは、塩を振って焼いただけでも美味しいのです。
問題は、その個性を本当に好きだと感じるかどうかってことで。
肉の旨みがうめぇ! 脂のコクがうめぇ! と感じる人なら、それをさらに凝縮したり、
他の食材と組み合わせて、さらに風味を高めたりする方向をめざすはずです。
うーん、ちょっとクセが強いなあ、とか、もっとあっさりしてたほうがいいな、
と感じる人なら、クセを弱めたり、あっさりと軽くする方向をめざすでしょう。
でも、これって、食材の個性を尊重してないってことだと思うんですよ。
極端な言い方をすれば、その食材を食べなければいいのにって話になります。
例としてあげるなら、鴨肉の個性を、わさびと醤油で消して食べるのが、日本の感覚。
でも、西洋料理って、そうじゃないんです。鴨をさばいたら、骨や血や内臓まで用いて、
とことん味わい尽くすのが、西洋のやり方です。
最近の日本のフレンチでは、シェフも客も前者の日本的な感覚に寄りすぎていると、
個人的には強く思います。
一方、このお店のシェフは、間違いなく後者の感覚を理解し尽くしているはず。
だから、何を食べてもファーストアタックから後味までしっかり美味しい。
まさに「これだ! これなんだ!」って感じです。
それと、今回自分で撮影した写真を整理していて、実に美味しそうだなと感じました
(写真を自画自賛しているのではなくて、料理そのものが)。
美味しさがギュッと詰まった料理って、凝った盛りつけなんかしなくても、
ただ白い皿に置いただけで、しっかり美味しそうなオーラを放つものなのです。
さらにここの料理は、その見た目以上に美味しいのですから、もう絶賛するしかありません。
しかも、これだけの満足のゆく料理を食べて、グラスのプロセッコ×2、
グラスワイン赤×2を含めて、総額16,956円! 安い! 嬉しすぎます!
このお店の料理が日本最高峰のイタリア料理かどうかまでは保証できませんが、
少なくとも私(と連れ)にとっては完璧に好み。しかも驚異的なコスパでした。
謹んで5点満点を付けさせていただきます。