決して図抜けたわけではなくても、やはりとんきは特別な存在。 : とんかつ とんき 目黒本店

この日は、家内と次女が大学のオープンスクールとピアノの発表会の掛け持ちで、朝早くから出掛けていき、夜も遅くなるため夕食は各自でということになりました。
私は午前中から都知事選投票のあと神保町の古本屋巡りをしていたのですが、ランチ、コーヒー、翌日の朝食用パンといつもの食べログのノルマを達成したあとは、競馬観戦で家に戻ってきました。
競馬は惨敗だったのですが、この日は長女も家にいたので、都知事選で放映時間が繰り上がった真田丸を見るため、ちょっと早めの夕食をということで、長女と一緒に当店へとんかつを食べに来ました。

とんきは、私にとっては子供の頃からの馴染みのお店です。何度か親に連れてきてもらったこともありますし、成人してからも友人などとたまに利用してきました。それでも、食べログをやるようになってからは初めての訪問です。
先行レビューの数々を拝見すると、結構賛否が分かれているのが面白いところ。
私的には、当店のとんかつ、絶品という感じではないのですが、低温でじっくり揚げるとんかつは、独特の食感でたまに食べると、なんとも言えないノスタルジーを感じる食べ物でもあるんです。

子供の頃からの馴染みだった名物おばちゃんは今はもういませんが、接客はそのおばちゃんの作った伝統をしっかり受け継いでいるのも当店の特徴。この日娘を連れていくことになったのも何かの縁ですかね。

ランチはやっておらず夕方４時から営業のお店。待つのは嫌いなのでちょっと早目の17時頃伺ってみました。

一階のコの字型のカウンター席は、さすがにチラホラ空席もあり、待たずに入れました。
カウンター席の一番奥に座らせてもらいました。

メニューは、中央上部に掲げられているのみなので、座った位置からは見えません。皆さんがメニュー写真はアップされているので、今回は写真は断念しました。
店員さんが、口頭でロース、ヒレ、串カツどれにします？と聞いてきます。
長女に確認したらロースとのことだったので、２人ともロースかつ定食@1,900円を注文しました。

低温揚げで時間がかかるのは承知しているので、その間を利用して店内の様子を観察します。一階のカウンター内の厨房は、とんかつ工場と言った人がいましたが、さながらそんな様子。分業がキチンとできており、皆大きな声で確認しあいながら作業をしています。ほんと動きに無駄が無いですね。よく見ていると全体を統括するディレクター的な存在の男性がいらっしゃいます。以前は、その役柄が名物おばちゃんだったのですが、男性に変わってもＤＮＡはしっかり受け継がれているようですね。

ロースかつ定食の提供まで15分以上かかりました。
ロースかつはきゃべつと一緒に盛られ、油切りなんかは敷かれていません。ただ、当店の低温揚げのカリカリの衣は水分には比較的強いんですね。簡単にベチャッとはなりません。
あとは、お椀と称されている豚汁、ぬか漬け、お茶碗ごはんが添えられています。
豚汁の旨さは折り紙付きですので、今回もお代わり想定です。

とんかつは、昔ながらの味と言っていいでしょうか。脂身なんかから見ても、決して際立った上質の豚肉とは申しませんが、軟らかくて安定した美味しさはあります。かなり辛い和辛子は用心しながら付けないといけないのですが、それは過去から学んでいましたので大丈夫でした。
そして、豚汁。やはり美味いです。やはり脂身の多いベーコンのような厚めのバラ肉がいいですね。ご飯をこれに投入していただくのは反則なのかもしれませんが、ついやっちゃいたくなります。
私はごはんお替り１膳とお椀のお替り１杯、そしてキャベツもお替りしました。しっかり食べたので、1,900円はそれなりのコスパだと思いました。

うちの長女は食べるのがとにかく呆れるくらい遅く、私が食べ終わったあとも15分くらい食べてましたが、お店の人は嫌な顔一つせずに見ていてくれました。最後におしぼりをいただき、会計を済ませるとさらにお土産のお菓子までいただいちゃいました。
余談ですが、お土産の一つのミニルマンド、先日小川町の兎屋といううどん屋さんでもお土産にいただいちゃいました。ブルボンって飲食店向けに何か特別な営業でもしているんでしょうかねえ？

それはともかくとして、世の中には、レベルの高いとんかつ屋さんが増えて当店の差別化のレベルは地盤沈下しているようにも思いますが、この日も退店する17時40分頃には１階席は20人以上待っていました。当店の相変わらずの人気が確認できたのは、ちょっとばかし嬉しかったですね。