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うを徳アーカイヴ 2018年10月
うを徳アーカイブ 2018年9月
【つまみ】
◉根室産秋刀魚有馬煮
◉長崎産九絵、礼文島産紫海胆
◉真蛸
◉宮城産鮑のバター焼き 肝ソース、茄子
超白眉!!!
宮城産の鮑(雌貝)はかなり巨大で1kgを超えていそう。
鮑は鹿の子に庖丁を入れられてからバター焼き、紐や肝などのモツは細かく叩いてから炒めてソースに。
旨味の隠し味は青森田子産ニンニク。
これが嫌味なくバチっと合うんだから不思議だ。
鮑はムチムチっとした弾力にバターで焼き付けた芳醇な香りと素材の持つ潮の馥郁たる香りという大地と海の合作は口内で最高の美味が実現する。
火入れも絶妙で中心部はほんのりレアーではあるが柔らかく仕上がっており、食感の違いなども愉しめた。
ソースはちょい甘で、バターの他に醤油、砂糖、味醂、酒等で味を整えていると。
鮑のエキスを十分吸収し、バターと甘味の相性は抜群である。
揚げ浸しの茄子が良い脇役となって鮑の旨味を引き立てる。
今まで食べて来た鮑ステーキの中でもかなりのトップクラスの皿となった。
◉対馬産鰹 炭火焼
皮パリになった戻り鰹の美味さは藁焼きでは持っていない皮目の美味しさを存分に引き出された逸品。
当方はこよなく藁焼きの土佐造りを愛してはいるが、ここうを徳の炭火で巧みに火入れさた鰹の叩きは他所では味わえない美味さである。
身を分厚く切るところは土佐造りに通ずるところ有り嬉しい仕様。
春の時より更に厚めに切り付けている(笑)
豪胆豪気な出で立ちの鰹の叩きである。
この日は茗荷と店先で育てている紫蘇の葉を刻み薬味に、おろし生姜を添えて。
◉淡路島産鱧と千歳産松茸の椀
椀の蓋を開けた瞬間から圧倒的な高貴な香り。
吸い地を口に含んだ瞬間魂を奪われるが如く精緻で艶冶な出汁の重層的な味わい。
鱧からの出汁と、鮪節、利尻昆布、酒、味醂、塩で味を整える。
骨切りされた鱧の身は皮目だけに塩を軽く振り掛け、湯掻かず炭火で皮目のみにサッと火を通す。
ちょっとした焼き霜の様相の鱧からも吸い地に旨味を存分に与え、刻みたてのフレッシュな松茸をこれでもかと投入されている。
この総合バランスから繰り出される風味は先に戴いて感動した鮑のバター焼きを凌いでしまう程の愉悦を味わえた。
吸い口の青柚子が下に忍ばせてあったのも面白い!
ちなみに本日の千歳産松茸 一箱7.5万円とのこと('◇';ゞ
◉千歳産松茸と琵琶湖産稚鮎の炊き込みご飯
薄くスライスした松茸に軽くうを徳特製醤油を塗していたので何をするのかと思っていたら、松茸ごはんを作っていた(笑)
昨年10月の最高騰した際の松茸ご飯の松茸の量より断然多いスライス松茸ちゃん♡
更にそこへ琵琶湖産の子持ち稚鮎をドサっと入れて。
松茸の生命力溢れる高貴な強い香り負けない香魚たる稚鮎の身や肝、プチプチとした子の香りが想像以上にマッチしているのだ。
この組み合せはどんな発想から産まれたアイデアなのかを聞きそびれてしまったが、非凡の才を十分発揮された満足度の高い炊き込みご飯(というより混ぜご飯)であった。
【握り】この日は長谷川奈津さんの器で
◉大間産120kg鮪蛇腹
◉行徳産小鰭
今日の〆加減が当方の最も好みとする位置に近い仕事でシャリとの馴染みも最高。
こちらで戴く小鰭はどちらかと言えば穏やかな〆加減なことが多いのだが、聞くと今日のは江戸前の小鰭とのこと。
身に厚みがあり、この〆に耐え得る素材でないとアグレッシブな仕事は成し得ないと。
◉式根島産赤烏賊
赤烏賊は剣先の脚の長いやつ
白烏賊は剣先の脚の短いやつ
◉青森産鮃昆布〆
◉石蔭貝(石垣貝)
◉大間産鮪中トロ
今までうを徳で戴いてきた鮪の握りの中で一番美味かった(笑)
赤身の酸味、脂のコク、身の赤子の様な柔肌の如く肌理の細かい身質。
兎に角シャリとのマリアージュが半端無く、様々な鮨屋で戴いてきた最高のピン鮪と比較してもその煌きは遜色無しだ。
◉大間産鮪赤身
◉淡路島産真鯵
◉羽田沖江戸前穴子
この何処か仄かに泥臭い野趣溢れる風味に独特の力強さ、且つクドさの無い質の良い脂の乗りは間違い無く対馬産とは別物の江戸前の穴子の美味さだ。
◉大阪湾産天然鰻 小丼
身の質、脂の乗り、皮目の香ばしさとコクは申し分無く美味!
それを支える酢飯が鰻を最高に美味しくしてくれる装置だ。
これぞうを徳の味!
◉新烏賊
訳あって手渡しで(笑)
ふんわり柔らかで滑らかな舌触り。
サクッとした食感は無いがネットリとした甘味を醸し出していた。
ちなみに本日の出水新烏賊 キロ1.5万円 ('◇';
◉デザート・ルビーロマン
一粒1,000円 一房20,000円という高価な仕入れ値の果物。
もちろん食べまた事は無い超絶美味。
・新甘泉(しんかんせん)
鳥取で開発された梨でかなり美味い。
【酒】
◎梅酒ソーダ割
◎月の井 大洗町 冷やおろし限定酒
◎鶴齢 新潟南魚沼 純米吟醸
うを徳アーカイブ 2018年6月
この日は天然の丸(すっぽん)で唐揚げと潮汁を堪能した。
この日の丸は熊本県球磨川産2.4kg。
新たに調達された大皿は、加藤唐九郎(人間国宝)の弟子(息子)の加藤重高の作『織部叩き鉢』。
深い濃い緑の皿に深紅の如し鮪の赤身が良く映えて美しかった。
◉先付
・2時間30分蒸し上げた千倉産蒸し鮑
・京都満願寺唐辛子
・熊本産茄子
・愛媛県産ジャコ山椒
◉琵琶湖産稚鮎山椒煮と余市産鮟肝
◉山梨県桂川の鮎の塩焼
◉徳島県産天然岩牡蠣のフライ
凄くプックラとしたオムレツみたいな岩牡蠣。
濃厚でミルキィな旨味が次から次へと口一杯に溢れ出てくる。
カリッと香ばしく揚がったフライの衣の歯触りと巧く脱水させて味わいを濃縮させた技は見事!
世界一美味いカキフライだ、こりゃ♪
◉向付
・大分県産1.0kg城下鰈朝〆
・岩手産馬糞海胆 明礬無し
◉霞ヶ浦産560g天然鰻丼
【熊本県球磨川産2.4kgすっぽん】
◉丸唐揚げ
良く出来た養殖の様な脂の乗りとは別の、筋肉質な繊維にムキっとしているが硬く無い適度な弾力が噛み心地が良い。
噛むごとに旨味が口内に広がっていく。
下味は日本酒に塩少々と薄っすらと付けた程度だが、すっぽんの旨味を引き出すのに十分な量。
たまに添えてある塩を少しだけ振り掛けても美味い。
◉丸潮汁
すっぽんの汁を1時間30分程コトコトと煮詰めて味を詰め、薄口と日本酒少々で仕上がる。
塩と昆布は入っていない。
あまり煮詰めると汁が無くなるため、この程度の時間で仕上げるのだと。
こちらもギリギリの薄味であるが、芯の通った質の良い旨味がジンワリと広がっていく。
【握り】
◉佐渡産定置網90kg血合岸し
◉函館産2.8kg鮃
脂が乗りきって皮目がピンク色
◉平貝
◉氷見産5.4kgアラ
→九州のアラと言われている九絵とは別物で頭や顔付きも全く別。
◉障泥烏賊
◉九十九里産蛤
◉佐渡産定置網90kg大トロ
◉根室産鰯
◉網走産キンキの炙り
◉佐渡産定置網90kg漬け
◉玉子
【デザート】
◉メロン
【日本酒】
◎くどき上手
◎八海山 越後で候
豪胆豪気な初鰹 うを徳アーカイヴ2018年4月
◉塚原産白子(筍) の椀
クリアーで濃厚な大地の風味を堪能。
物集女産は苦味があるので椀種としては見送ったとのこと。
◉先付
・四万十川産ゴリ
・琵琶湖産モロコ
・大分産ドンコの煮付 10日煮込
◉浜名湖産稚鮎 天ぷら 初物
こりゃ美味い!
軽やかだがしっかりと鮎の肝の苦味と甘味、しっとりとした身の質が素晴らしい。
◉村上産天然山三つ葉
香りも味わいも段違い平行棒♪
◉向付1
・城下鰈 1.6kg 1日
・東京湾真子鰈 800g 同日
・噴火湾産蝦夷馬糞海胆
◉向付2
・勝浦産鰹の叩き
超白眉!!!
何だこりゃ~の美味さ。
初鰹でこれだけの美味さを堪能させてくれるとは想像以上の叩きだ。
皮は天然鰻の様にパリっと焼き上げ、切る時にサクっと軽い音がした。
身は分厚く切りつけ、何たる豪胆豪気な出で立ちであろうか。
炭火の香りが芳醇な鰹の旨味を引き上げるだけでなく、皮と身の間の皮目の脂の活性化した美味さは藁焼きを超えてるね。
うを徳は小宮親方ならではの鰹の叩きだ。
こんな鰹の叩きは初めて食べた!
これは当方の大好物の藁焼き土佐造りに匹敵する位置にある。
【向付の皿:西岡小十 絵班唐津 飾鉢】
◉花山椒鍋
[出汁]
・能登のアラ
・金目鯛
・鰹節
・利尻昆布
・物集女の筍
・京都丹波産花山椒
・フランス産塩
・焼津産黒鯥 3.0kg
・黒鯥白子と物集女産筍
・銚子産金目鯛
・対馬産赤鯥(喉黒) 750g
・北海道産黒毛和牛と物集女産筍
【握り】
今宵の友は岡晋吾 呉須色絵白金彩葡萄文六寸四方皿で
◉壹岐産90kg鮪中トロ
◉愛知産本水松貝(生)
活の捌きたてで野趣溢れる風味。
癖も味のウチ♪
◉船橋産小鰭
小鰭~なかずみ 身の厚みの分ややしっかり目に〆て
◉壹岐産90kg鮪大トロ(蛇腹)
◉淡路島産真鯵
◉城下鰈
身の具合からしてポン酢で戴くこととなった。
汽水湖に居るので1日で身が柔らかくなってしまうのだとか。
海水域で生息の江戸前は数日寝かせても身が弛れないそう。
◉能登産アラ
6日熟成
濃厚ながらも後口爽やかな味わい。
◉白烏賊
◉明石産白魚 木の芽噛せ
ほろ苦い旬の白魚に木の芽の風味がマッチ
◉有明産小鰭 新子~小鰭
なかずみ程ではないが、いつもよりアグレッシブな〆。〆仕事に負けない素材なのであろう。
◉竹岡産閂(細魚) 花山椒乗せ
◉壹岐産90kg鮪赤身
◉富山産蛍烏賊
◉鰹叩き小丼
あまりにも鰹の叩きが美味かったので、尻尾の余った方を酢飯と合わせて試したいとお願いし、提供頂いた。
やはりシャリと合わせると魚の美味しさが2倍にも3倍にも膨らんでいくなぁ。
◉フルーツ
宮崎産マンゴー、愛媛産黄金柑、沖縄産あてもや
◎賀茂鶴(広島)
◎月の井(茨城)
※其々1合
和の食材で地中海の風を吹かせる うを徳アーカイヴ2018年1月
年が明けて小宮親方のおせちの疲れが徐々に取れつつある頃。
新年はアレでという話になった。
そう、きっかけはパエリア鍋はあれから活用されているかという話題になり、まだ1回しか使っていないという話を聞いてから。
だったらもっと活用してあげないとパエリア鍋がかわいそうだ!ということになり、今回のメインに据えてもらった次第(笑)
他にもこのパエリアに付随して親方独自のものや定番のもので存分に愉しませてもらった。
◉赤パプリカのムース
青森産鮃のガラと三田牛の出汁で撮った出汁を合わせたもの。
玉葱、人参、セロリ等香味野菜の出汁をムースと融合させている。
滑らかでコクがあって最高のスタートだ。
最近食前酒代りにハマっている梅酒ソーダ割りともバッチリ合っている。
◉愛媛八幡浜産白川(白甘鯛)の御頭 酒蒸し
「私は甘鯛なら断然頭の酒蒸しが好きですねぇ」
と小宮親方一押しの甘鯛食べ方だ。
当方と友人とで一尾の白川(白甘鯛)の頭を戴いたのでこれで白ぐじ頭は売り切れ。
それも八幡浜の最高級の白川を丁寧に下拵えし、器に入れて昆布と煮切り酒をたっぷり振り掛け、蒸し鍋にいれて火が通るまで強火で一気に蒸し上げるとのこと。
その美味さ、特に頭の部分の濃厚で濃密な美味さは、魚の頭の中では真鯛はゆうに超え、クエに匹敵する程と仰る通り当方も同意見だ。
しかもしつこさ、クドさが無くスッキリとした口当たりなのに深淵なる味わい。
特に頭全体のゼラチン質でプルプル、目の周辺にはDHAやEPAというグルマンには健康面からも必須であろう栄養素が大変豊富だ。
後半になると自ら射出した旨味汁で煮汁がトロントロンになる。
添えられた自家製ポン酢を少し投入して最後の汁まで啜ると得も言われぬ美味しさ。
この後の身や中骨の出汁はどうなるのか伺ったところ、身は後ほど焼きで提供し、中骨やガラはパエリアを炊く時のスープになるのだと!
これはこれは何て贅沢なパエリアなのだろうか?!
しかもこの白川、パエリアをやるために買ってきたもので、出汁以外は副産物というのだから贅沢極まり無い(笑)
こんな贅沢なスープで炊き上げるパエリアなど見た事も聞いた事も無い。
どんな風になるのか非常に楽しみになってきた。
◉新潟産ズワイ蟹焼き
◉佐渡産寒鰤の藁炙り ニンニク醤油和え
寒鰤は米藁で燻し炙って少し落ち着かせてからタレと合わせる。
タレの醤油は7種類をブレンドし、味醂や酒等と合わせた調味を施している(ご本人は調合具合は適当と仰る)。
そこに青森産のニンニクのスライスした物を投入し、少し馴染ませてから鰤の身を投入して絡ませていく。
寒鰤の力強い旨味や脂は米藁で燻し炙って少々落ち着かせ、薫香を纏った鰤ちゃんの最後のお召し替えにニンニク醤油で和えて完成。
北陸の冬の味覚の王者である寒鰤の野趣溢れる美味さを最大限に引き出したうを徳オリジナルだ。
これはメジマグロの方が先駆者だが、当方は旨味の強い寒鰤と合わせた方が好みだなぁ。
どちらもお酒の進み具合が加速すること請け合いだ!
◉青森産1.4kg鮃と釧路浜中産蝦夷馬糞海胆
じんわりと品良く力強い旨味がやってくる青森産の寒鮃の特徴がよく出た個体だ。
浜中の馬糞は絶好調!
この寒鮃で贅沢にも海胆を巻いちゃおうというのだから、万物の神のバチが当たらないか非常に不安になりながらも
巻き巻きして戴いてみた。
parfait!
鮃だけでは持ち合わせていないコクを海胆が補填したところ、奥底に眠る旨味要素を刺激して舌に新たな美味を運んでくる。
鮃も海胆もお互いに美味しくなり、高め合う素晴らしい組合せと楽しみ方の一つである。
◉八幡浜産白川 焼き
頭は酒蒸しで食べてしまっているので今度は身の方。
備長炭で遠火の炭火で丁寧に焼き上げられた白川は、最上な炭の薫香を纏いつつ、嫌味な香りは無くあっさり戴ける。
皮はパリッと中は保湿成分を蓄えてしっとりふんわりとした食感が流石である。
今回は鱗は除去されていたので次回、焼きや唐揚げがあれば皮もお願いしたいところだ。
◉うを徳特製パエリア
超白眉!!!
見た目も鮮やか、食べて衝撃!
こんなパエリア食べたことが無い。
やっぱりこれは唯一無二の鮨屋のパエリアだ。
オマール海老の味噌が緑掛かった鮮度抜群な色が特色だ。
ヒュメ・ド・ポアソンが最高級の白川から取った出汁なのだから芳醇な旨味が抽出されており、パエリア専門店やスペイン料理屋もシャッポを脱ぐ美味さだ。
お焦げがまた絶品!!これを喰わねば帰れまい!
具材は先程まで元気に生きていた活オマール海老(アメリカ産)、北海道の真牡蠣、玉葱、人参。
高いサフランを仕入れさせてしまって申し訳無いと思いつつ、大変美味しく頂戴した。
白川からの重厚なコク、オマールからの濃厚甘露な甘味、牡蠣から豊潤な風味、牛肉と野菜からは大地からの旨味が一つのパエリア鍋で集い、口の中で融合し、一つの味として完成される。
これはどなたが食べても感激する味ではなかろうか。
【握り】
◉ズワイ蟹の身とカニ味噌和え巻き
◉佐渡産寒鰤
◉大間産100kg本鮪 3日寝かせ 中トロ
◉大分産皮剥
◉能登七尾産〆鯖
◉出水産墨烏賊
◉大間産100kg本鮪 3日寝かせ 大トロ
◉青森産鮃
◉天草産小鰭
◉大間産100kg本鮪 3日寝かせ 赤身
◉佐島産蒸し鮑
◉穴子
◉玉子鞍掛
◉徳島産さくらももいちご
もちろん鮨もデザートも美味しく頂戴した。
◎梅酒ソーダ割り
◎新潟 鶴齢
◎くどき上手
竹内せいほうの犬の絵
海老祭り うを徳アーカイヴ 2017年12月
この日は連れのリクエストによる色々な海老を堪能したいという事で海老祭り(尽くし)。
ビスクから始まる所や中華的な海老マヨなど純粋な和食の概念に拘らない自由闊達な発想から繰り出される料理。
それでも最終的な着地点はキチンと和食になっている点は流石と言えよう。
元々西欧料理からはじめられた小宮親方の料理人の道を我々も垣間見せて頂いている様で食べていて只々愉しいひと時であった。
冬の季節の様々な海老の他、甲殻類の蟹、うを徳スペシャリテと言っても過言では無い天然鰻等々こちらの欲求以上の答えをご披露頂き、連れも当方も大満足。
最後に我々にしか思いつかない食べ方で海老祭りを〆させて貰い満足満足♪
【つまみ】
◉オマール海老のビスク 車海老(養殖) 京大根
◉オマール海老の海老マヨ
◉秋田船川港産ズワイガニ
◉小柴産1.6kg寒鮃 函館産蝦夷馬糞海胆(小川)
◉タチポン(羅臼産雲子 ポン酢)
◉桜海老 生
◉桜海老 天ぷら
◉ズワイガニ甲羅酒
◉房州産伊勢海老具足煮 海老芋
【握り】
◉富山県産白海老小丼
◉氷見産寒鰤 腹の身
◉氷見産鰹叩き
◉大間産160kgトロ
◉小柴産鮃
◉大間産160kg中トロ
◉浜名湖産1.3kg 天然鰻小丼
◉大分姫沼産天然車海老
◉鹿児島出水産墨烏賊
◉氷見産寒鰤 背の身
◉大間産160kg赤身漬け
◉穴子
◉香住産こっぺかに
◉天かす丼
これは我々からお願いした食べ方で、流石の親方でも天かすだけの丼は提供されないので読書の皆々様は勘違いされない様。
元々これは、真鶴は岩忠という漁師料理の店で提供されている裏メニュー的なもので、金目鯛の煮付けとライスを注文したお客様だけの裏技。
漁師料理で出た天かすをライスの上に乗せ、旨味の煮詰まった金目鯛の煮汁を天かすの上から掛けて食べるとメチャクチャに美味いんだ!
これを応用してもらったという次第だ。
桜海老天の天かすは捨てずに酢飯の上に乗せてもらい、その上からツメを垂らしてもらって戴いたところ、メチャ旨!
カスのサクサク感がまだしっかりと残っており、桜海老の風味がカスにもしっかりと移っていて、酢飯のサッパリとした旨さと穴子だけでなく、金目鯛や喉黒等の美味いエキスが煮詰まった我流(うを徳オリジナル)のツメと合わせると素晴らしい香りを纏わせて風味も引き立つ。
◉愛知県産紅ほっぺ
◎想天坊(新潟長岡)
◎磯自慢(静岡)
今日はいつも以上に素晴らしい充実した内容であった。
ひとつづつ解説していると長くなるので割愛したが、天かす丼だけは誤解が無い様に説明を付記させて頂いた。
こんな食べ方しているの我々だけなので、親方がこちらを御覧になったら即バレだろうな(もう今までので十分バレているか(笑))。
次回はアレも登場する事になる。
お楽しみに!
鰻3種食べ比べ うを徳アーカイブ 2017年10月
【つまみ】
つまみの領域を超えたつまみ。
◉お浸し
山形もってぎ菊の花、京都壬生菜、岩手産松茸
松茸はサッと出汁で煮てある。
◉釧路産真牡蠣のフライ
◉愛媛県産中山栗渋皮煮
◉根室産秋刀魚煮
◉福岡産菱の実、落花生
◉岡山県児島湾産天然青鰻 煮こごり 蕪
◉松茸ご飯
◉愛媛県八幡浜産3.0超え白川、白川皮素揚げ、浜中産蝦夷馬糞海胆、
◉涸沼(ひぬま)産(茨城)産天然鰻
◉岩手産2.7kg真蛸
【握り】
◉江戸前勝山産真子鰈
◉小川原湖2.0kg天然鰻
GREAT!!
今期最高との誉れ高き天然鰻
◉大間産本鮪 大トロ
◉小川原湖2.0kg 骨煎餅
◉金目鯛
◉淡路島産〆胡麻鯖
◉噴火湾産100kg本鮪 大トロ
◉明石産真鯛
◉噴火湾産100kg本鮪 中トロ
◉釧路産〆鰯
◉式根島の赤イカ
◉有明産小鰭
◉鹿児島出水産新烏賊
◉岩手陸前高田産石景貝
◉噴火湾産100kg本鮪 赤身
◉岩手県産馬糞海胆
◉玉子 芝海老
◉デザート
・伊豆冬柿
・長野県ピオーネ
・旭川上川トマト
・エクアドルバナナ
この日は幾分体調が優れず、梅酒ソーダ割りで通す。
長野県産の梅で漬けた梅酒で本日のは一昨年漬けたモノだそうだ。
かなり奥深く、トロリと艶冶な味わい。
また一人、うを徳の虜に•••(笑)
今回は友人の鰻を食べ比べてみたいというリクエストから2本を調達されていた。
また親方垂涎の器に盛り付けられた食材達は更に活き活きと輝きを放ち、目でも愉しめる。
天然鰻(霞ヶ浦) 1kg
天然海鰻(宮城) 400g
ちなみにこの日の宍道湖産はキロ2.5万也
【7月のおまかせ】
◉京都伏見産黒豆
◉厚岸産生牡蠣
◉煮物①
横須賀煮蛸 与論島産小芋 三浦産タコ大根 京都蕪 新潟夕顔 万願寺唐辛子
◉煮物②
大原産蒸黒鮑と山口萩産たまげなす(萩産の長茄子)の揚げ煮添え
◉広島太田川天然鮎の甘露煮
東京の独活の金平
◉桑名産青柳 秋田蓴菜 九条葱のヌタ
フランスの粒マスタードを合わせて
◉天然海鰻(宮城) 400g 白焼
脂の乗りは穏やかだが身のフックラとした美味さと皮のパリパリした心地良き食感に旨味の凝縮した味わいは正にうを徳オリジナル。
◉刺身 ※西岡小十の皿で頂戴した
明石産2.1kg真鯛、奥尻島産紫海胆
真鯛は昨日〆た物で産卵終り、養分蓄え始めて美味しくなったと。
奥尻島産はミョウバン添加だが、嫌な臭いや味覚は無く上出来な物。
海胆を鯛で巻いて食べると絶品。
◉天然鰻(霞ヶ浦) 1kg 白焼を鰻丼で
この肉厚な身を観よ!!
これは先の海鰻とは品質品格が別格で、焼く事により更に肉厚度が増したモンスター。
ザクっと庖丁を入れる音が心地良い。
身と皮の良質な皮下脂肪のむっちりとしたゼラチン質が堪らなく美味い!
7月なのに脂の乗りも抜群で、身質も強張っておらず繊維質がハラリと解れ、更にフックラとした仕上り。
噛む毎に身から旨味が溢れてくる。
これにうを徳の鮨飯を合わせて丼で戴くなど何と言う贅沢であろうか。
鰻の脂の旨味が溶け合って、酸味のある鮨飯が甘く感じる程。
それは鰻のタレを掛けられた銀シャリの如し。
それに匹敵する味わいを醸成されており、強い野趣溢れる味わいの天然鰻には酢の利いたシャリが殊更合う事が確信出来る。
友人も大層お気に召した様だ。
◉明石産真鯛の潮椀
ここまで様々な物を食べ続けて来たところで、食事(鮨)の前にホッと落ち着ける味。
出汁は使わず真水に利尻昆布に薄口をごく僅か加えているだけのモノだが、これが途轍も無く美味い!
それは誤魔化し様の無い素材本来の持つ旨味の素晴らしさと、食材の本質を余す事無く引き出す料理人の卓越した技量と味覚のセンスが光る。
【鮨】※北大路魯山人 草文四方皿で頂戴した
◉淡路島産〆胡麻鯖
◉噴火湾産100kg本鮪 大トロ
◉明石産真鯛
◉噴火湾産100kg本鮪 中トロ
◉釧路産〆鰯
◉式根島産赤烏賊
◉有明産小鰭
◉鹿児島出水産新烏賊
◉岩手陸前高田産石景貝
◉噴火湾産100kg本鮪 赤身
◉岩手県産馬糞海胆
◉玉子 芝海老
◉フルーツ
余市 さくらんぼ
沖縄 タダオゴールド
山梨産桃
【日本酒】
◎月の井(茨城県大洗)
◎八海山 純米吟醸(新潟)
◎くどき上手(山形)
うを徳アーカイブ 2017年4月
今宵は年に一度の花山椒鍋回を催す。
今年は花山椒の値段が2倍程に跳ね上がった模様で昨年より花山椒の盛りは少な目(今年は福島産)。
この日は新たに仕入れたという器を拝見させて貰った。
須田菁華(九谷)の呉須赤絵(ごすあかえ)徳利にうっとりしてしまった。
線や釉薬は力強い面もあるのだが、白地の徳利が不思議に絵柄を柔らか味のある風態と為し、おだやかな表情を浮かべ、その雰囲気で心が和む。
鮨皿は、岡晋吾の呉須色絵白金彩葡萄文六寸四方皿で鮨映えのする皿だ。
岡氏は現代陶工家の雄だそうで存じ上げない作者だったが、葉や蔓の更に柔らかい温か味のある色彩に実葡萄に個性的な強味を感じる対比が素晴らしい。
図の配置も良い。
鮨の映りが良く美味しそうに感じる。
実際食べても美味しいとフォローをしておこうw
また、乾山写しの竜田川らしき皿も登場して、小宮親方の器道楽の虫が騒いでいるのかなと思いつつも、器に興味のある御仁であれば今回は堪らない日である。
色々と目で愛でて観て勉強させて貰いました♪
【つまみ】
◉滑川産の蛍烏賊と明石産蛸柔らか煮 片栗の花
◉琵琶湖産稚鮎山椒煮
◉茨城鹿島産蛤醤油焼き
◉北海道のとら豆
◉琵琶湖産稚鮎の天ぷら
◉信州のコシアブラ
◉浜名湖産銀宝
白眉!
水っぽい身質の銀宝も天ぷらにすることにより、衣の中で巧く蒸されて余計な水分も脱水して風味も増す。
もちろん味わいたるや白身の中でも典雅で優雅。
◉宮城産渡り蟹の花山椒酔っ払い蟹 3日寝かせ
◉愛知産白芋茎の酢の物
◉大分2.1kg城下鰈 カボス
◉釧路産蝦夷海胆
◉愛知産鳥貝の肝と城下鰈の肝 酒のみ
◉うを徳特製花山椒鍋
今年は天津小湊(勝浦の1つ手前)産金目鯛と浅草松喜北海道牛で愉しむ趣向。
金目鯛と甘鯛のアラを鰹節、鮪節と昆布で取った出汁と合わせ、京都大原の筍、ウルイを加えて一煮立ちしたところで1杯目に金目鯛、2杯目は牛肉をしゃぶしゃぶし、花山椒を乗せて戴いた。
色んなお味が折り重なった出汁で味わう雑炊はこの上なく美味い。
【握り】
◉鹿児島産鰹藁焼き生姜醤油
◉出水産真鯵
◉伊豆下田30kg産鮪中トロ
◉城下鰈
◉有明産小鰭
◉伊豆下田30kg産鮪大トロ
◉鹿児島鰹藁焼きニンニク醤油
◉伊豆下田30kg産鮪赤身
◉愛知産鳥貝
◉釧路産蝦夷馬糞海胆(写真紛失)
◉1.2kg琵琶湖産天然鰻丼
◉城下鰈の潮汁
◉徳島さんごじゅうトマト
◉静岡メロン 千疋屋
うを徳アーカイブ 2017年2月
大分時が経過してしまったが、うを徳アーカイブを立ち上げる。
メモ的要素が大半を占めるが、感慨深い物については解説を加える。
ちなみにこの日は前年京都で戴いた鼈(すっぽん)の唐揚げが大変美味で気に入ったので、親方にお願いしてこの日を迎えた次第。
奇しくも養殖と天然の鼈ちゃんの食べ比べとなった。
同席の翁とも他店で鼈の唐揚げを味わってきた後なので、只只感慨深い物となった。
【つまみ】
◉琵琶湖産琵琶鰉(ひがい)
◉真鯛鱗揚げ
◉和歌山うすい豆と筑波の蕨
◉鹿児島県天降川(あもりがわ)産1.4kg天然鼈唐揚げ
唐揚げの場合なら天然の方が良いかと用意してくれた個体。
後程供される服部くんのお椀は、浜名湖の服部養鼈場の鼈で取った出汁の椀。
天然なので味の一発勝負的な要素があったが、これはしつこすぎずに綺麗な脂の旨味としっかりとした繊維質だが歯切れも良い肉の風味も抜群な美味しい鼈だった。
唐揚げにして旨味の一切を閉じ込められた鼈そのものを味わい尽くすには最善の料理法だと確信。
◉明石産真蛸 柔らか煮、早筍
桜煮は小豆の汁で炊くが、これは塩茹で
◉鳴門産真鯛2.0kg 湯引き、函館産蝦夷馬糞海胆
この日の真鯛は親方がかなりのモノと絶賛の個体。
三枚におろした際に観せて貰ったが、腹下の背あたりに付いている瘤(こぶ)があるのは美味い真鯛の証拠。
旨味成分の集合体とのことだ。
話には聴いたことがあったが、直に観たのは初めてのことで、大変貴重な物を観せて戴いた。
この真鯛は京は桂の親父さんの引いてきた真鯛と肩を並べる位凄い身質で野趣溢れる風味に旨味であった。
◉銚子産突っきん棒 真加治木 4日 (千住市場)
とっても香りの良い力強い風味。
◉岩手産鰆 藁焼 青森大蒜醤油
親方のスペシャリテのひとつ。
上手い具合に余計な水分を抜いて旨味が凝縮されている。
◉山城の菜の花 白味噌の酢味噌
◉天降川産天然鼈の肝
◉玉子焼
この日は車海老で
◉服部くんのお椀
ほんの少しの薄口醤油と酒のみで仕上げた至極の椀。
これも鼈の持てる力を最小の加減で加えた手当で調味した究極の技法ではなかろうか。
限りなく添加物極小の薄味だが物足りなさは皆無でクリアーな旨味を愉しめた。
【握り】
◉いくら
◉大分産赤貝
◉銚子産真加治木
◉天草産小鰭
◉大分産赤貝紐
◉千葉鴨川の鯖
白子が入って来ているのでそろそろ終盤と
◉氷見のメジマグロ
美味!
◉鳴門産真鯛
◉玉子焼
◉鹿児島県産養殖鰻の鰻丼
鮨まで戴いてこんなに食べて来たのに、鰻の焼き上がった香りと庖丁を入れた時のパリッパリッとした音が堪らないのだ。
焼きは蒸さずの皮パリ中フワで鰻の風味を存分に引き上げられた火入れの技術。
タレは甘味は控え目で鰻の持ち味を損なわずに味わいアップを図るモノ。
丼の御飯は鮨飯で、普通の白米で食べるよりも鰻との相乗効果の幅が広がり、何倍も美味い!
握りでは無いが、これも立派な鮨だね。
浜名湖産服部養鼈場の鼈
◉徳島県佐那河内村産さくらももいちご
◉徳島県産珊瑚樹トマト 樫山農園
◎想天坊(長岡)
◎鶴齢
うをっ!と驚く素材たちの共演
【28.10.28追記】
実りの秋の味覚を頂戴しにうを徳へ。本日は天然鰻の他、松茸なども楽しみにして来た。今回の献立は以下の通り。
◉仙鳳趾真牡蠣と佐賀菱の実
牡蠣の旨味はまだまだだが、菱の実の甘い香りの素晴らしいこと。ほっこりと旨味有る実は最高の秋の味覚。
◉小柴産の太刀魚
◉白浜産黒鮑と肝、芋茎
限り無く終盤の時期であろう黒鮑であるが、馥郁たる香りも中々のもので旨味も十分である。肝も申し分無い。
◉明石産真蛸と大根
◉秋田県産渡り蟹と長野県辰野産松茸の椀 菊花
出汁は鮪と鰹の節のハーフ&ハーフで昆布は利尻から羅臼の最高級品に変えてみたとのこと。薄口、塩、酒で味を整えられた吸い地だけでも相当な美味さだが、松茸の持つグアニル酸が出汁の旨味をさらに底上げして抜群の美味さ。椀種の渡り蟹からも旨味が重なり後半は出汁の旨味が最高潮に逹する。
◉唐津赤海胆と大分産1.2kg城下鰈と生肝
築地に3枚しか無かった赤海胆の板。
赤海胆の凝縮した旨味で酒が進むねぇ。
城下鰈も白身の淡くも良質なアミノ酸が口の中でジンワリと滲み出てくる大好きな味。
◉松茸御飯(千葉印西産のコシヒカリと辰野産松茸)
鶴八分店の五十嵐親方の同級生の方が千葉は印西で米農家をやられており、持ち込みのお米で炊かれたもの。土鍋の高火力で炊かれた米はつややかで張りが有り、松茸と合わす事により米の旨味が更に引き立てられていた。良いお米でしたよ〜♫
辰野産松茸は張りが有り締りが良く大きな20cmは有る大物で傘も開かず蕾がしっかりとして旨味を蓄えている。今年の松茸は天候不順で不作のため出遅れもあり値段も倍近いらしい。味付けは薄口と塩少々。同週に戴いた辻留の松茸御飯も最高の美味だったが、こちらもほぼ同格並みのズバ抜けた美味さ!今週だけで生涯一の松茸御飯は二ヶ所で味わうという何とも贅沢な週である。
◉淡路島産1.2kg鱧と辰野産松茸の鱧松鍋。
松茸は切り付けるとキュッキュッと身の締まった音がしっかりと聞こえる。切り付けたそばから松茸の鮮烈な薫りが漂い心洗われる。身はパンパンで張りがあり瑞瑞しい。鱧はリズミカルにしっかりと骨切りをしてスタンバイ。出汁は椀と同様な配分の物にはもの骨を炙った物を投入して旨味とコクをプラス。鱧の豊潤な味わいが出汁に溶け込み、松茸の強い風味が出汁の味を引き締める。鱧は親方がシャブシャブして最高のタイミングで引き上げて戴いた。骨切りに些か粗さもあったが、これも生涯一の鱧松鍋じゃないか。
京味の鱧松鍋を食べた事は無いが、東京でこれだけの素材を集めて最高の技術と卓越した調味で絶妙なハーモニーを奏でられる料理人は中々いらっしゃらないのではないかな。
鱧の身のフワフワとした食感と身と脂の旨味に松茸の煮ても全くへたらないでピンとした張りと弾力は旨味がしっかりと内包されており噛み締めると赤松からの命の息吹が流れ来るかの如し清廉で芳醇な風味。傘が開いたヤツは身が硬くなり旨味も乏しくなるが本日のは別格の素晴らしい最高級品で煮ても風味が保たれて適度な歯応えを残していた。今日のは良いですよと親方も太鼓判を押されていた。この山海の幸の出会いは秋一番、いや日本の四季で一番の相性ではなかろうか。
その後残った出汁は雑炊に。もう堪らぬ美味さで卒倒しそうだ。
◉天草産1.1kg天然鰻
かなり身がふっくらとして肉厚な様相。備長炭で焼き上げた鰻は程良き炭香で食欲を唆り、皮はカリッと中はフワトロ・ヴァジーナ☆でしっかりとした身肉の繊維質から閉じ込められていた旨味が溢れ出す逸品。塩より当方は生醤油と山葵で戴いた物が口内での旨味の弾け方が半端無く、余韻も有るなぁ。
【鮨】永楽即全 黄交趾 青海皿
小宮さんが惚れ込んで購入された皿。
鮮やかだがシックな風体に松葉が踊っているかの如く配置されて、善五郎(16代 即全)の遊び心が垣間見れたようで楽しい気分になるではないか。
◉東京湾真子鰈
◉青森産中トロ
◉式根島たかべ
◉小鰭
◉石垣貝(石景)
◉大分産赤貝
◉赤身漬
◉いくら
◉鳥取境港産白烏賊
【デザート】
[無花果]
◉枡井ドーフィン
悪く無いが、ビオレ・ソリエスを食べた後にこちらを戴くと、水っぽくてねっとりさや甘味が弱く、ボヤけた味となるので食べ比べる際には十分に注意が必要である。
◉ビオレ・ソリエス(黒無花果)
格が違う無花果の王者。ねっとりとした果肉に無花果特有の風味が強く、品の良い甘味が素晴らしい。糖度は20から完熟品質の良い物ならば25を超えるそう。
[葡萄]
◉天山
◉シャインマスカット
◉長野パープル
◉紫園
【日本酒】
天狗舞山廃
鶴齢
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【28.5.3追記】
春満開の気候となりうを徳へ。本日は花山椒鍋をやるとのことで楽しみにして来た。今回の献立は以下の通り。
[つまみ]
◉佐島産鯛の子と白子 花山椒添
◉青森産鮟肝のスモーク(橅チップ) 与論島産石川小芋 新潟産車麩
◉京都物集女産筍 塩で
◉大分産2.1kg城下鰈(肝刺、身と縁側)
◉北海道吉岡産紫海胆
◉玉子焼
①(車海老、上白糖)
②(鱧、車海老と海老味噌、和三盆糖)
◉琵琶湖産1.8kg鰻(天然)
①白子の汁仕立 花山椒
②骨煎餅、鰭煎餅
③肝焼
④白焼 山葵に花山椒散し
◉琵琶湖産稚鮎の天麩羅
◉信州篠ノ井産コシアブラの天麩羅
◉長崎普賢岳産鼈(養殖)と花山椒の丸椀
◉花山椒鍋(出汁は鰹と昆布の半々、琵琶湖の半助、牛脂)
①山形牛(雷門松喜)と物集女産筍
②徳島産鰻(養殖)しゃぶしゃぶ、新潟新発田産の麩、京水菜
③ALL
④〆の雑炊(コノコ、独活)
[握り]
◉明石産甘手鰈(真子)
◉壱岐産80kg台本鮪大トロ
◉江戸前船橋産小肌(ナカズミ)
◉壱岐産本鮪中トロ
◉鹿児島出水産〆鯵
◉苫小牧産大星(小柱)
◉壱岐産本鮪赤身ヅケ
◉太巻(勝浦産鰹、穴子、イクラ、玉子焼②、椎茸、干瓢、山牛蒡、葉山葵)
◉さくらんぼ
①山形佐藤錦(LL特秀)
②山梨高砂(LL秀)
[酒]
◉生ビール(グラス)
◉而今(三重)特別純米
◉鶴齢(新潟)純米
他の食材の話をしていると大変長くなるため割愛し、メインの花山椒に絡む逸品の数々を紹介したい。花山椒は福島県逢瀬産の物。実のトゲトゲしい程の辛味や苦味では無く、優しく包み込むようなピリ辛さが合わせる素材の個性を陰らせずに主役の素材を立てる。正直あまり花山椒との出会いが無かった当方としては新鮮な味わい。山椒も大好きだか、この花山椒はもっと好きかも。本日合わせた素材達は鯛の子と白子、琵琶湖天然鰻、普賢岳産養殖鼈、山形産牛肉と物集女筍と小宮親方が色々な形で花山椒とのセッションをみせてくれた。
先付の鯛の子と白子の初手から花山椒とのセッション。子のホクッとした食感と白子の皮のプリっと弾ける食感からコクのある旨味が溢れ、柔らかな花山椒の辛味が淡くも芯のある旨味を包み込む。春への喜びを感じさせる逸品。
天然鰻は出始めでまだギアが上がっておらず、また白子に栄養が取られてしまったことも影響して脂はあっさり目でシットリさはまだまだで単体としては弱い。それでも厚みがあり、焼きも日向備長炭で丁寧に焼き上げられて香り良く仕上がっていたため、ピークの花山椒と合わせても香り負けはしなかった。柔らかい辛味の花山椒が春の息吹とともに目覚めつつある鰻の旨味と相俟って中々によろしい。
椀物の鼈のコクのある脂にも花山椒がエッジを効かせてサラッと戴ける。ちなみに丸椀は塩は使用せず、酒と薄口醤油少々で昆布も他の乾物も入れずに鼈だけの旨味で勝負する潔き椀。些か塩分が足りない様にも感じるが、中盤から終盤にかけてピタッとハマっていく。
メインの山形産牛肉の花山椒鍋では親方独特の出汁で戴いた。鰻の頭の半助さんはそのまま食べるより出汁にすることとし、鰹と鮪の削り節を半々、利尻昆布、山形牛の脂身に島根の味醂『李白』と薄口醤油を少々回し入れ旨味を抽出。筍→牛肉をサッと湯掻く程度で花山椒→水菜を投入して完成。先ずは牛肉と筍に花山椒で戴く。色々な素材からの旨味が牛肉を美味く焚き上げ、花山椒が身と脂のコクをシャープに演出する。また物集女筍のスイートコーンのような柔らかく甘い味わいが牛肉の甘味と融合するとまた別の美味さの世界を形成するね。惜しむらくは花山椒が無くなってしまい、2杯目以降のお代わりでほぼ花山椒無しとなってしまったこと。あ~。もっと、もっと、あたしゃあ花山椒を沢山食べたあ〜〜い!
ここまでで結構お腹が膨れて来たが、小宮親方お気に入りの皿を出して戴き、新たな気持ちで鮨と対峙出来た。川喜田半泥子(廣永窯)の弟子の坪島圡平の四方皿である。この皿に鮨が置かれると、鮨が活き活きと映り、広い皿の上を縦横無尽に版図を駆け巡っているかの如し。そんな気にさせてくれる名品。最後の特製太巻も美味しく頂戴して大満足の一時であった。
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【27.12.25追記】
11月某日の献立
[ツマミ]
球磨川産の子持ち鮎 衣かつぎ、丸十
岩手産天然椎茸と京壬生菜と京人参
松江の松葉蟹、香住のセイコ蟹 塩ポン酢
函館産鰤の藁焼きニンニク醤油
伏見産海老芋と北海道スケソウダラの真子(鱈子)の椀 鮪節と鰹節の半々
明石真鯛
八郎潟の天然鰻1.9kg 前日
余市産鮟肝と聖護院蕪
厚岸産蝦夷馬糞海胆
愛媛県八幡浜産虎河豚白子
宍道湖天然鰻0.8kg 5日間
明石真鯛1.7kg潮汁 利尻昆布、酒、塩、薄口
唐墨
[握り]
大間産鮪100kg大トロ(10日目)、淡路島産細魚、墨烏賊、青森産鮃、大分産鯖、出水産真鯵酢〆×2、鮪赤身漬け、中トロ、三重県産蒸鮑、苫小牧産青柳、
[デザート]長野産アリサの葡萄、弘前の林檎小蜜、讃岐ゴールド(キウイ)、
八海山
志太泉開龍(静岡)
自家製塩ポン酢は橙がメインの爽やかな酸味と塩気。6日解禁の山陰は松江の松葉蟹に付けて戴く。セイコ蟹は香住産で、身と味噌、内子と外子も合わせて愉しむ。藁焼きはメジを召し上がって貰いたかったが良い品が無いため函館の鰤で燻したとのこと。刻みたてのニンニクに煮切りを合わせて供される。この日一番の酒の大親友かもしれない。
今年最後となろう天然鰻の食べ比べ。八郎潟1.9kgと宍道湖天然鰻0.8kg。八郎潟は前日、宍道湖は5日間熟成。八郎潟も悪く無いが、宍道湖はファーストコンタクトの鰻の薫りが素晴らしく、身の質も味の奥行きも凄い!これと比べられる鰻は可哀想だ(笑)。
ブログを拝見して唐津焼の名工である西岡小十の皿について小宮さんとお話ししていたら、鮨の提供の際にこのとっておきの皿を出してくれた。シンプルなのだが、ほのぼのとしており何か遊び心があり、ホッとする皿。こういった素晴らしい皿で鮨を戴けると味が一段階も二段階も上がるねぇ。そして大事な鮨の話だが、先日から赤酢でシャリを仕込むようになっていた。とはいえしみづやとかみのような強烈なエッジが立っているわけでは無いが、ほんのりキリッとしたもの。初手から大間の大トロ霜降りであったが、以前のシャリだとネタに負けてしまう握りもあったのだが、今回のは負けていない気がした。個人的にはもっと尖らせても良い気がするが、まだ手探り状態なのだろう。うを徳のネタは銀座の一流店と比べても遜色無い種質なのだからもっと個性を出しても良いと思っていたところなので赤酢のシャリ導入は大歓迎である。もっともっと精進してこちらのネタと仕事に合うシャリを見つけ出して欲しい!
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【27.11.1追記】
10月某日訪問。この日の品は以下のとおり。
[ツマミ]
◉長野産松茸と東京三つ葉、湯葉のお浸し
◉菱の実ときぬかつぎ
◉唐墨入り焼き餅
◉大分産城下鰈1.9kg、肝添え
◉大原産鮑(雌貝)0.8kg
◉5日干しの塩辛
◉鰤シャブ(利尻産)12kg
◉八郎潟産1.3kg鰻
◉岩手産鰆のアラ煮(酒と塩だけの味付)
◉岩手産鰆の藁焼き大蒜醤油和え
◉八郎潟鰻の骨唐揚
◉宍道湖産鰻1.0kg
◉対馬産2.0kg九絵鍋(アゴ出汁)、白菜、エリンギ
[握り]
酢締め真鰯、土佐清水産縞鰺、出水産真鯵、江戸前産穴子、小鰭、墨烏賊、玉子焼き。
[デザート]
甲斐道とビオレソレース(無花果)フランス原産
愛媛中山産栗
【日本酒】大七(福島)、栄万寿(群馬)
お浸しだが、長野産松茸を単体で食べると香り高いが江戸前の三つ葉が強い香りと個性を放っていたため、一緒に食べるとキャラクターが掻き消されてしまって勿体無い。湯葉は大豆の味がして旨かったが松茸君の邪魔はしない素材。ピンの素材としては其々よろしいのだが、味の融合としては当方には均衡が崩れた一品に思える。菱の実は巨大で茹で上げた実は、始め良質な枝豆の香りがする。一口食すと筍の様な瑞々しい香り、食感や味わいは栗に似ている面白き実。人によって感じ方は変わるかもしれないので色々聞いてみたいものだ。城下鰈は肝を添えて。まだまだ旨味十分である。
鰆はアラは酒煮と身は藁焼きで頂いた。アラから出るゼラチン質が固まり、コラーゲンのゼリーがアラ身に纏わり濃厚な味わい。ただこれは好みが別れると思う。臭みは無いが意外に癖あり。藁焼きの身は大蒜醤油と和えて。藁で燻したことで柔らかな鰆の身の脂の旨味を引き立て、ニンニクがキレがあり脂の多少の癖やクドさを掻き消す。実は鰆よりメジマグロの方が藁焼きで食すのは美味いとのこと。鰤は出始めかと思ったが北海道では10kg超えの大物が漁れているのだとか。利尻で揚がったものを軽くシャブシャブで。昆布から取った出汁にほんの少し橙のポン酢を掛けて。影に寄り添うような出汁加減に橙の香りが鰤の旨味を倍加させていた。房州産鮑はかなり腰高な立派な物。身は馥郁たる芳香からはやや遠ざかるが塩の香りは満点。肝は残念ながら旨味が欠けておりモッタリかつザラつきがあって風味も悪く締まりが無い。時期的に厳しいため仕方が無いところ。
本日の天然鰻は八郎潟産1.4kg鰻と宍道湖産鰻1.0kg。しかもいつもより提供された量は多目でしっかりと味わえた。八郎潟は脂がやや多目で皮を完全にパリッと焼くことが出来なかった程。双方とも身の旨味、皮目の旨さは甲乙つけ難し。微妙な差だがはじめに一口食した際の香り高さはやや宍道湖が良かった。先月の宍道湖は腹の黄金色が濃く脂も強く乗っていたが、本日のはサラッとした脂にふっくらした身からは天然独特の野性味溢れるがクド過ぎない味と風味。食べ比べないと知り得ない天然鰻の本質を垣間見させて頂いた貴重な場であった。アラは2kg弱で鍋仕立。これから旨くなっていきそうな一品。
握りを少々頂いてフルーツを。本日の目玉は無花果と栗。フランスが原産だという日本育ちの無花果。甘味は控え目だが身の爽やかな風味と旨味が印象的。栗も濃厚だが品の良い味わい。某有名和菓子店がこの栗を使用しているのが分かる。今年は栗が不作で出来の良い栗が非常に少ないと小宮さんも嘆いていらした。
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7月以来の再訪。天然鰻と椀のクリアな旨さに惹かれてやってきた。
今回は天然鰻の食べ比べを予めリクエスト。今回のお任せの中身は以下の通り。
[ツマミ]
◉松茸、平茸、しろ菜のお浸し
◉根室の秋刀魚有馬煮と伏見の茄子
◉真子鰈2.5kg身と肝
◉襟裳産床伏
◉明石産真蛸
◉徳島産海老芋と銀杏
◉大阪湾産天然鰻800g
◉宍道湖産天然鰻800g
◉真鯛のアラと松茸の潮椀
[握り]
墨烏賊、胡麻鯖(淡路)、真子鰈、出水産真鯵、中トロ、北海道の真鰯、赤身漬け、小鰭、玉子(車海老)
[デザート]
長野パープル、信濃スマイル、瀬戸ジャイアンツ、シャインマスカット
[おまけ]
神津島産縞鯵
[飲み物]
日本酒1.5(くどき上手)
美味い素材には極上の御殿場産山葵をと御用意されていた。前回も感じたが、ピンの素材の山葵は金おろしでまぁるく円を書いて刷れば凄い粘度と空気に触れる事により甘味も風味も増す。この山葵だけでも酒が呑める。
この日の好みのネタを紹介する。
お浸しで入っていた松茸は岩手県久慈産。其れ程鮮烈な薫りを放つ物では無かったが、旨味、食感は申し分無し。初秋の真子鰈。2.5kgの身が厚く腰高な物。捌いた身は既に軽く黄金色した飴色。どんだけ旨味を携えているんだと見るからに思う。朝の活け〆とのこと。熟成させずとも身の旨味といい、フレッシュな身の香りと歯触りが素晴らしい。肝の旨さも言うまでもない。襟裳の床伏の薫りも旨味も宜し。明石の真蛸は塩茹でで。皮目のツルんとしたゼラチン質と身肉の程良い歯応えと甲殻類の薫り漂う味わいが秀逸。
本日最大の楽しみである天然鰻の食べ比べ。今回は大阪湾産と宍道湖産。始めに大阪湾、次に宍道湖産を食す。双方とも皮目をパリッと焼き固め、中はふっくらフワフワに仕上げられた素晴らしい焼き上がり。焼きの技術は申し分ない。口に含んだファーストコンタクトの薫り、旨味の濃密度、後味の良さは宍道湖に軍配が上がった。あくまでも本日の鰻ちゃんの状態と自分自身の体調や味覚からくる味わいからの結果なので、人によっては違う感想になることも有り得るし、千差万別で良いと思っている。
本日の椀は真鯛のアラの潮汁。そこに少しですがと松茸をプラス。軽く取られた昆布出汁に真鯛と松茸其々の旨味の相乗効果が発揮されていた。その調合具合や良し!当初の真鯛だけの椀より松茸のグアニル酸が更にこの椀の味を高め昇華させていた。塩分はほんのり感じる程度であるが真鯛のアラからの旨味は十分抽出されていた逸品であった。
また、デザートの葡萄達は小宮さん渾身の仕入れ。これがまた滅茶苦茶糖度の高い極上品。しかも皮まで食べれてしっかり皮の栄養分も摂取できた。本日同席戴いた方々とご主人を交えて食、素材の話や飲食店の話等濃い話題を交わし合い愉しき夜であった。
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7月も暑さが本格的になってきた某日、ある方とうを徳で席を共にした。天然鰻とフルーツが絶品なのだとか。謙遜だとして他の素材についても興味があり初訪問。そこには鮨店店主らしからぬ出で立ちの人がぬぼ~っとたっていた。事前情報がなければ物凄い不安になるところであるが、空気が明らかに別。また室内環境は決して褒められる内容では無く改善すべき点は多々あるが、入店してすぐ魚臭いとか埃っぽいとかいうことは無かったのは良かった。しかしつけ場に並んでいたこの日のラインナップは厳選された凄い顔触れであった。ご主人の小宮さんは父親が青木の父と兄弟弟子で奈可田で技を競い、御本人は京都で腕を磨いている。本日のおすすめを見繕って出してもらうことに。
[ツマミ]
◉琵琶湖産稚鮎煮浸しといさざ
◉浜名湖服部中村養鼈所産の鼈の内臓と鱧の白子のオリーブオイル焼、夕顔とモロッコインゲンの煮物
◉刺身(城下鰈の身と肝、釧路仙鳳趾産牡蠣と胡麻豆腐、葉山産障泥烏賊、岩手の馬糞海胆と奥尻島の紫海胆
◉木曽川産の天然鰻(700g)の白焼
◉うるか茄子
◉丸椀
◉北の極み(トマト)
◉城下鰈の潮椀
[握り]
江戸前鴨居産真鯵、城下鰈、城下鰈縁側、富津産鯒、舞鶴産鳥貝、小鰭、中トロ、玉子焼き。
[デザート]瀬戸ジャイアンツと桃
[飲み物]
日本酒1.5(東洋美人他)
ツマミの目玉はやはり今朝仕入れた生きた天然鰻。本日は木曽川産。重さは700gで大き過ぎず小さ過ぎず非常にバランスの取れた一品。私が入店した際には既に捌かれていたが、頭がまだ動いていた程の生命力豊かな鰻。腹も黄金色で背は緑掛った見ただけで脂がのっている良き品。奥の調理場でご主人が丁寧に焼き上げる。残念ながらガス焼という情報も入手済みであるため、どのように仕上げられるのか半信半疑ではあった。ガスでも小笹系のように上手くパリッと焼けていれば及第点なのだが。蒸さずに焼き上げた鰻は見るからにふっくらとしていて皮もパリッと焼けていた。サクッと庖丁を入れる度に香りがほんのりと漂ってきた。先ずは何も付けずに食べる。ふっくらしていてしっとりとした感触。野性味溢れるがしつこ過ぎない脂の乗り、筋肉質だが身切れの良い肉質。これらのバランスが絶妙で素材の良さを十二分に引き出されていた。素材は大事だが、ガスでこれ程の旨味を引き出すぬぼ~っとしたご主人の腕は並ではないことが良くわかった。また、この日の山葵が秀逸で、いつもの物より良質な物を仕入れてきたという。ここは鮫肌でなく金おろしだが、こいつは金でおろしても凄い粘りと甘味と鮮烈な香りを放っていた。物が違うとは正にこのこと。山葵の質によっては金でも十分に美味しくおろせることが分かった。塩、醤油と極旨の山葵をつけて頂いた。塩も美味いが私の好みは醤油が一番なのだよ。醤油の風味が鰻の味を更に引き上げる。初めて本物の天然鰻を食べた気がした。率直にご主人に伝えたところ、先日の宍道湖産より物が良く、今年の中でもかなりトップクラスですと。ご一緒した方も今季ナンバーワンだと仰る程の逸材であった。
服部中村養鼈所の鼈(すっぽん)が素晴らしい味。私は京都の大市で初めて美味い本物の鼈を頂いたが、そこと同じところの物。それでいて数倍安い。内臓は鱧白子とオリーブオイルでソテーし黒胡椒が効いた味。これも美味かったが、やや黒胡椒が口中を支配してしまい、内臓達の本来の味わいがややボヤけてしまったのは残念。例えば、小笹の様な煮切り醤油でつけ焼にしたら美味いと思う。ここのご主人の焼の腕ならつけ焼で更に旨さが引き立たせられることだろう。北の極みというフルーツトマトの味が驚愕する甘さ。糖度12は超えているのではなかろうか?作地を確認したところ、上川だという。上川よりさらに上の、私がよく行く名寄の隣町の下川でも大変甘いトマトがあり、これをジュースにして販売しているが(ふるさとの元気)、これのプレミアムバージョン(糖度12以上)の物とタメを張る糖度。他にはまき村で頂いた高知は徳谷産のトマトと肩を並べるかそれ以上の美味さ。甘いだけで無く程良き酸味も兼ね備えている。皮はやや硬い。
椀物を2種頂いた。丸椀は本来の鼈の旨味を最大限に引き出すため、鰹はおろか昆布も引かず、酒にほんの少しの薄口のみで仕上げた物。塩は未使用だという。一口吸い地を啜り上げると柔らかい鼈の旨味とほんのりと感じる塩分と下部に隠されていた吸い口(青柚子)。始めはやや物足りない味わいかもしれないが、二口、三口と啜るとジワジワと鼈の濃厚な旨味が口中を支配してくる。そして鼈の切身。肩、首、エンペラの身の美味いこと。脂は不飽和脂肪酸で食べても胃にもたれずサッパリとしているのが特徴。鼈は雑食性が高いため、環境によっては品質が偏る。質の良い天然鼈なら兎も角、何を捕食しているのか不明な鼈であれば、統制された養殖の方が泥臭さや雑食から来る特有の匂いもかなり抑えられる。服部中村なら自然に近い環境で、餌も質の良い白身魚を食べさせ自然に冬眠もさせると大市のご主人に以前聞いた。しかしグルタミン酸の昆布も引かずに、生姜も全く使用せずに臭みは皆無でイノシン酸単体の旨味でこれだけの味を出し、ギリギリの塩分で素材の力を底上げしているこの小さな椀の世界。一番凄みを感じさせる一品であった。もう一品の城下鰈のアラで出汁をとった潮汁も秀逸であったが、丸椀の凄さで霞んでしまった。
鮨はシャリを少し改良してみましたと主。鮨はおまけ程度と考えていたが言うほど悪くは無い。ベタつきや粘っこさは感じられず、以前より硬めに炊かれた米は口中で程良く解ける。しかし、上に乗っている種質とのマリアージュは不整合な品もあり。例えば終わり近き舞鶴産の鳥貝。これを握る直前に殻から取り出し、鮮度と強き香りを保ちながら生で握られたが、シャリが大人し過ぎるため、上の個性的な味を更に引き立てたり、癖を消したりする役割が為されていない。シャリは縁の下の力持ち。言うなれば夫婦のようなもの。シャリばかりが出しゃばる恐妻家の鮨も困り物だが、ネタばかりが突出した亭主関白な制御のきかない鮨も考え物。ここのご主人はとても勉強家で、今尚進歩し続けている。これから暴れ馬の如き極上の鮨種と適合させ、より高みを目指して頂きたい。
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超力招来
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店名 |
うを徳(うをとく)
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受賞・選出歴 |
2022年Bronze受賞店
The Tabelog Award 2022 Bronze 受賞店
2021年Bronze受賞店
The Tabelog Award 2021 Bronze 受賞店
2020年Bronze受賞店
The Tabelog Award 2020 Bronze 受賞店
2019年Bronze受賞店
The Tabelog Award 2019 Bronze 受賞店
2018年Bronze受賞店
The Tabelog Award 2018 Bronze 受賞店
2017年Bronze受賞店
The Tabelog Award 2017 Bronze 受賞店
寿司 百名店 2022 選出店
食べログ 寿司 TOKYO 百名店 2022 選出店
寿司 百名店 2021 選出店
食べログ 寿司 TOKYO 百名店 2021 選出店 |
ジャンル | 寿司 |
予約・ お問い合わせ |
03-3613-1793 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
東武伊勢崎線「東向島駅」より徒歩4~5分 東向島駅から179m |
営業時間 |
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予算 |
¥15,000~¥19,999 ¥15,000~¥19,999 |
予算(口コミ集計) |
¥20,000~¥29,999
¥20,000~¥29,999
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支払い方法 |
カード可 (VISA、Master、AMEX、JCB、Diners) 電子マネー不可 |
席数 |
10席 (掘りごたつ式カウンター6席、テーブル4席) |
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個室 |
無 |
貸切 |
可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
無 |
空間・設備 | 落ち着いた空間、カウンター席あり |
ドリンク | 日本酒あり、焼酎あり、ワインあり |
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料理 | 魚料理にこだわる |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
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ロケーション | 一軒家レストラン |
サービス | 2時間半以上の宴会可、ドリンク持込可、テイクアウト |
お子様連れ |
子供可 日曜日のお昼は、子連れOKです。 |
ホームページ | |
オープン日 |
1964年8月1日 |
備考 |
折詰など持ち帰りあり。 |
初投稿者 |
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【つまみ】
◉熊本川辺川産落ち鮎
◉九絵 牛蒡
◉長崎五島列島の目高鮑 余市鮟肝
今年最後であろう鮑だが、それも目高というここ数年あまり市場に登場しない希少種が登場。
膨よかな旨味、馥郁たる潮の香り、しなやかで軽やかな弾力は加熱する事によるポテンシャルの開花でキングオブ鮑にのし上がる。
余市の鮟肝に小宮親方の手が加わると超絶的で安定した美味さを約束してくれる。
◉浜中産馬糞海胆 淡路島産鮃
当たり前のように美味い!
鮃はこれから伸びてきそうだが、鮃としての風味が濃い。
浜中の馬糞も厳冬期に旨味を増していく。
◉羅臼産鰤の大蒜醤油 熊本の焼き茄子と言う名の茄子(丸茄子)
前回は山口のたまげ茄子
こちらのスペシャリテ『メジマグロの大蒜醤油』も突進した美味さであるが、またこの羅臼の鰤でやると何ともまぁ酒の進む佳肴になるのだ。
トロリと濃厚なたまげ茄子もコクがあって美味。
◉信州諏訪産松茸と天草産1.2kg鱧、菊花の椀
鱧は落とさず炭火でサッと炙って松茸と共に椀に盛り付け吸い地を張る。
さっと菊花を散らして蓋をして完成。
吸い地は正に至極の味わい。
塩分濃度が絶妙で薄過ぎず濃過ぎずのバランスの取れた吸い地。
鱧からはほんのり酢橘の香りが漂い、椀に盛り付ける際に数滴落としたか、椀種の下に忍ばせていた酢橘皮か不明であるが、直接的な味わいだったので数滴の方かと思う。
しかし出汁を濁す様な野暮な足し算では無いのは流石。
菊花の香りはおとなし目なので松茸の香りはバッティングせずに松茸の風味を底上げしてくれる。
松茸は切るとキュッキュッと音がする身が詰まってすの入っていない立派な個体。
虫喰いも無いので身は白くて綺麗だ。
今日の産地は信州産の中でも諏訪で取れたという珍しいもの。
鱧は脂の乗りより身の美味しさが椀種としての役割としてピッタリな個体。
1.2kgとやや大型だが身もフワリとして炭火で焼かれて閉じ込められた旨味が溢れる。
其々の椀種から旨味エキスが与えられた吸い地は飛躍的に高まっていく。
◉佐呂間産いくらと羽幌産牡丹海老の小丼
いくらも濃厚だけど、この羽幌の牡丹海老は北海道の産地でも礼文島、噴火湾とならんで超力が好きな産地ベスト3である。
それは即ち超絶美味ということだ。
◉宍道湖産天然鰻の小丼
こ、これは•••
う、ま、い、ずぉおおおーーー!!!
堪らん!堪らん!
宍道湖の旨味が堪らん!
本日一の超白眉!!!
一つだけ言うのならば、素晴らしく均等の取れた『超絶バランス』!
先ず鰻を口に運んで咀嚼した瞬間に溢れる素晴らしい風味がパァァンと弾ける如く口内に広がる。
かと言って強過ぎる訳ではなく滋味溢れる香りと旨味。
身質がしっかりとしており、身の繊維もしっかりと確認出来るのだが硬くはなっておらず、フックラほこほことした噛んでいて心地良い仕上がりとなっている。
香魚といえば鮎の代名詞だが、当方は天然鰻についても当てはまるキーワードだと確信する。
ていうかこの宍道湖を食べたらもう議論の余地など無い!
身の美味さ、皮目の風味、鰻のポテンシャルを高め、更なる高みへ引き上げる調理技術が伴って神の領域の味わいへと仕上がっている。
大自然の中で生き残って来た鰻はブヨブヨ脂では無く必要最低限の脂を携え、身は引き締まっている点で既にバランスの良い身質となっている。
しかし天然物は大自然と同じ目線で観ないといけない。
人間だって人1人それぞれ違うのだから、更に自然界の生き物など1つひとつ全く違う環境の中、食べる餌だって同種の物を漁っているとはいえ全く同じものでは無い。
力無い物はそれなりの物しか有り付けず、力有るものは、狩りも上手いグルメハンターだ。
今期一は言うに及ばず、今まで食べて来たあらゆる天然、養殖の鰻のなかでも別格南禅寺である。
炭火で焼かれてフックラと仕上がったその身の厚さは鰻専門店では見た事も無い分厚さ。
うを徳でも数多くの天然鰻を戴いてきた中かなりの分厚さの個体もいくつか見たが、これはピカ一。
親方も今期7度宍道湖を仕入れたが、こいつがナンバー1だという。
戴いてみると本日の皮目の焼き加減がいつもの様な皮パリとは違うところからも格の違いを見せつける。
身が厚い分いつもの感じで焼いていると皮が焦げてしまうというレベルの個体なのだ。
1.0kgを超えなくても個体の個性と育った環境でこれ程のモンスターが産まれ出るものだという事も教えてくれた。
腹の身は黄金色をしており、身に蓄えられた養分が身体中に満ち溢れており、好きに動き回れる野生の厳しい環境の中で生き残ってきた精悍な顔つきと身体つきは伊達じゃ無い!
いつもは調理が済んだ鰻は何も言わずに静かに持って来るのであるが、今日は違う。
焼き上がった鰻を親方が「これは凄いですよー、レベルが違う」と仰る位だから。
毎日素晴らしい天然鰻を観て触れて捌き、調理している親方談なのだから間違い無い、素晴らしい個体との僥倖であった。
ちなみにこの日の宍道湖産天然鰻は0.95kg、キロ32,000円とのこと。
値段も王様クラス。
【握り】
この日の鮪は戸井産1.1kg本鮪
◉本鮪大トロ 腹上
本鮪は正直な話、うを徳史上最高レベルの身質と旨味。
この日のシャリも当方が今までうを徳で戴いて来た中でも米の張り、水分含有量、赤酢と潮の調味加減と非常にバランスの取れた、こちらの店としてはハードタイプのシャリであった。
今回のシャリが鮪のポテンシャルを引き上げ、鮨としての完成度が高まっていたこともうを徳史上最高の本鮪と思わせてくれた一因であろう。
◉那智勝浦産皮剥の肝噛ませ
◉羅臼産鰤腹身
◉天草産小鰭(なかずみ)
◉小柴産墨烏賊
◉閖上産赤貝 捌きたて
◉高知産〆鰯
◉戸井産本鮪大トロ 砂ズリ
◉炙ったクエと松茸の海苔巻き
素晴らしい山の息吹と海鳴りとのマリアージュ(笑)
本日の山葵は御殿場本山葵キロ36,000円
◉デザート
信州甲斐路
岡山シャインマスカット
唐津ビオレソリエス
【日本酒】
◎天狗舞