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店構え
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創業慶応二年
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さあ夜の営業開始だ!
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セッティング
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カウンター
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右から、鮃の昆布〆、真鯛、墨烏賊
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角度を変えてもう1枚♡
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赤貝、真加治木のハラス、鰤
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北寄貝、小鰭、真蛸
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平貝、才巻海老、真鯵
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穴子、煮烏賊
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本鮪中トロ、本鮪赤身の漬け、玉子
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巻物は鉄火半巻と干瓢半巻
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【追加】鱚、蛤
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【追加】真加治木のハラス
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カウンター上の暖簾はグルメで有名な某氏提供の物
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鮨の好きな方ならば1度は聞いたことがあろう握り鮨の三大始祖として発祥の一店の流れを汲む弁天山美家古寿司。当方も食に興味を持ち始めた頃から知っている店であり、四代目の内田栄一氏がご存命の頃にテレビや雑誌で紹介されて拝見した。大分レビューが上がって紹介されているが当方も振り返りの意味で触れておきたい。
当方の馴染みにしている"新ばし しみづ"の源流を辿るとこちらに辿り着く。清水邦浩親方は神田鶴八鮨ばなしに感銘を受け"鶴八(神保町)"師岡幸夫(前)親方に弟子入りを懇願するが、故あって"新橋鶴八"の石丸久尊親方の元で修行をされた。石丸親方の師匠が師岡親方である。その上の親方が"柳橋美家古鮨"の創業者の加藤博章氏である。その加藤氏が戦前に弁天山で修行をされ、仕事を修めて暖簾分けを許されて柳橋で独立(博章氏の跡ではうちが美家古鮨の本家だと納得されていない様子で犬猿の仲。HPを拝見すると創業は文化年間となっており、與兵衛ずしやいさごずしより古いという不可解な内容)。更に遡ると華屋與兵衛が握り鮨を考案し、両国で"與兵衛ずし"を文政7年(1824年)に創業し小鰭の鮨を売り始めた。それまですしと言えば『熟鮓(なれずし)』で発酵までに時間と手間が掛かる高級品であった(熟鮓とは魚介類をご飯と塩で乳酸発酵させたもの)。それを與兵衛は気軽に安く庶民でも食べられるようにしたいと一念発起して取り組む。ミツカンの創業者(中野又左衛門の提案とも)と出会うことによって粕酢を手に入れ、そして行き着いたのが熟鮓の発酵させて酸味を出す長い時間と手間を、米に酢を掛けて即席の熟鮓を創り上げた(宝暦年間に和州大和の釣瓶寿司が酢飯と魚を合わせた元祖とも言われているが箱に並べ重石を置いて数日熟れさせる過程が必要だった)。また殺菌効果で山葵を噛ますことも同時期に行っている。その流れを汲む"千住みやこ"で修行された伊藤久助氏が独立して浅草で慶応2年(1866年)に弁天山みやこ寿司を創業。4貫の鮨を一人前としお茶受けとして売り出したのが始まりなのだそう。なので特に行儀作法や食べる順番なんかは無いのだから難しいことは考えず、気を楽にして食べてもらいたいと内田親方は言う。二代目金七氏(店のHPでは金七氏が初代創業者となっている)から三代目竹三郎氏の時に50周年を迎えた際に詠んだ句にちなんで屋号を"弁天山美家古寿司"に改めたのが1915年で現在に至る。何故弁天山なのかを内田親方にたずねたところ、浅草寺左岸に小高い丘があり、そこに弁天堂(昭和58年再建)があったことから弁天山と呼ばれていた。そのお膝元で創業したのでとのこと。
本日は別件で近くに来ていたため、17時丁度で予約をして初訪問。現在店主の五代目である内田正親方が漬け場に立ち、親方の前の席を用意いただいていた。五代目に握って戴けるならこちらも敬意を表してつまみも酒も不要で握りを心ゆくまで味わいたい旨を伝え、握りをたっぷりと味わえる『美家古』を注文(握り17貫に巻物1本)。こちらではお茶受けで始まった歴史があるため、寿司にはお茶が合うという信念のもと味噌汁や吸い物の提供が無いのも古からの流儀である。
食べてみての感想だが、古惚けていて今を煌めく鮨屋と比べると感動は無いかなとか思っていた浅はかな考えはすぐに消え去った。当方も色々と全国の鮨屋を食べ歩いてきた経験からしてもここの鮨は只者では無いなと思わせてくれた。一仕事一仕事根拠のある適切な処置と手間暇惜しまぬ姿勢。親方のけっして饒舌ではないが丁寧な物言いと所作は流石と言えよう。銀座等の一等地で築地で一番、日本で唯一といった種質ではけっして無いが、許される範囲の上質の魚に適切な仕事を施して魚を旨くし、シャリとマッチングするようアジャストさせる技術(煮切り・ツメ・ヅケ・酢〆・昆布〆など古典的技法を今も頑に守り続けている)を150年近く続けてきた悠久の時を経て残された現在にも紡いでいくべき仕事である。肝心の酢飯は開店と同時だったので温度が低いという違和感は皆無で程良き人肌の温度。塩と酢のみの味付けだがどれかが突出したもので無く全てがひとつとなったどの鮨種にも寄り添うオールマイティのシャリ。一粒一粒がしっかり立っており弾力もあり硬過ぎず柔らか過ぎずのバランスが良く口内でハラリと解けてネタと絡み合って喉へと流れて行く。鶴八はもう少し塩と酢が立っているし、しみづはもっと極端だ。親方の握り具合も絶妙で捨てシャリはせず、4〜5手で仕立てる。『酢飯、仕事を施したた寿司ダネ、新鮮な山葵、にきり醤油。この4つのバランスによって寿司の美味しさを最大限に引き出す。』と親方の仰る通り、いくら凄い素材を用意しても、この4つに握り具合を合わせたトータルバランスが崩れていると完成度は惨憺たるもので言うに及ばずである。以下に本日戴いた物を記しておこう。
【本日の美家古(17貫に巻物1本)】
握る前に親方は山葵を擦り始め、新鮮で鮮烈な香りがカウンターにも漂う。写真撮影の許可を頂き、握りスタート。
◉鮃の昆布〆
これを食べて瞠目した。飴色の身肉は昆布が染み込み過ぎて鮃の旨味が無くなって脱水し過ぎて昆布の味しかしないのではと勘繰っていたが杞憂に終わった。昆布の入り具合と結構な厚みの身の食感、酢飯との融合が完璧。煮切りはスッキリとした味わい。鮃の寝かせ具合をお聞きすると、今日のは朝〆た物を夜に提供していると(身の質、重みによる)。あまり昆布で〆過ぎると昆布ばかりの味になると全く同感。使い切るまで凡そ3日間のうちに程良くなるのだとか。鮃昆布〆でこれだけ美味い握りは中々無いな。
◉真鯛
しっかりと脂が乗っており、身の熟れも酢飯と良く合っていた。
◉墨烏賊
結構な肉厚で甘味のある身肉。サックリと噛み切れる歯触りが信条。まだ寒いがこれから春を迎えるにあたって子を抱くために栄養をたっぷりと蓄えている最中なので美味なのだ。
◉赤貝
香り良く身も厚みがあって美味
◉真加治木のハラス
只今絶好調の魚。本鮪の身の食感や脂とは別物で、淡白でサッパリとした身の旨味が信条。ハラスの部分の品の良い爽やかな脂と加治木独特の風味が酢飯と良く合う。今の時期の本鮪より肌理細かい真加治木の身の解れ具合は早く淡雪の如く消え去ってしまう。以前は突っきん棒の漁だったが現在は漁師が減って漁に占める割合は極僅かなのだとか。また、赤身は昆布〆にして提供されるのだとか。それも食べたい!
◉鰤
この日一番の握り。富山湾産。脂の乗りと挿し具合が丁度良く身の肌理細やかさが酢飯と合わさって極上の一貫となった。今年は氷見がダメなので今の時期は佐渡から富山近郊のものが良いとのこと。鰤は北海道から日本海側と太平洋側とに別れていくが、日本海側の鰤が美味いと。確かに太平洋側の鰤で特段美味いと思ったことは無いかな。色んな店で鰤を食べ続けてきたが、本日のは其れ等に勝るとも劣らない握りであった。
◉北寄貝
苫小牧産とのこと。湯引きにした後塩をして軽く甘酢に潜らせている。柔らかい貝の旨味を引き出す技法。酢飯との相性がバッチリ。
◉小鰭
半身づけ。思ったよりアッサリの〆具合。だが尻上がりに塩と酢の味わいがやってきた。塩した後に1時間程酢で〆て4日間程寝かせると聞いていたので殊更。あまり肉厚では無いので強くは〆られなかったのかな?まぁ美味いからいっか。
◉真蛸
塩茹で。硬さは程良く残らない身質。
◉平貝
こちらも軽く甘酢に潜らせ、芝海老の朧(以下朧)を少し噛ませて握る。初めての味わいで平貝本来の潮の香りを残しつつ爽やかな風味を引き出していた。
◉才巻海老
甘酢に1日漬け込んだもの朧を噛ませている。小さいが海老の風味や甘さは甘酢に漬けることによって輪郭がくっきりと現れる。
◉真鯵
軽く塩をした後生酢に潜らせている。薬味は無し。脂や身の旨味はこれからと言ったところか。
◉煮烏賊(鯣)
鯣(するめ)って味のある烏賊で干物にするとかなりの旨味を発揮する大衆的な烏賊。これを煮ることによって干物とは違った風味と旨味。写真を見てもらえるとおわかりかと思うが、皮を剥いだ部分は仄かな桜色で何か照れているのか顔を赤らめた見目麗しき女人の如し色合いなのである。
◉穴子の爽煮
メソっ子タイプを爽煮の技法を用いて仕上げる。これも硬くて味が薄いかと思っていたが杞憂に終わった。想像以上にしっとりふっくらしているのが不思議。炙って脂も活性化して甘味も感じ取れる。殆どの店はたっぷりの煮汁で泳がすように穴子を煮ていくが、こちらは鍋に穴子が浸る程度の醤油、酒、砂糖のシンプルなツユに短時間(大体2〜3分)煮て白く仕上げる。提供前に軽く炙って供する。ツメが美味い!こちらのツメは穴子だけでなく煮烏賊の旨味たっぷりのツメも一緒に共ツメとして煮詰めて完成する複合的なもの。
◉鮪赤身の漬け
本日は長崎県壱岐産本鮪とのこと。柵のまま熱湯に湯引きにしてから氷水で粗熱を取り、柵取り型のまま漬け汁に漬け込む。漬け汁はアッサリ目だが俺にドンピシャの美味さで酒の風味が最後に鼻に抜けていく。赤身の味わいはこの時期淡いが、漬け汁がこの時期の鮪を美味しくしていることは間違い無い。
◉中トロ
壱岐産。サラッとした脂の味わいだが鮪の風味が感じ取れる。身質は肌理細やかで酢飯と良く合う。
◉玉子焼き
芝海老を擦り潰して玉子と合わせて焼いているとのこと。朧を噛まして鞍掛けで握る美味しい握りである。酢飯が玉子単体で食べるより確実に旨味をアップさせており美味!
◉干瓢半巻と鉄火半巻
干瓢にはデフォルトで山葵がガッツリ入っていたのが嬉しい。鉄火は普通。
【追加(3貫)】
◉鱚
塩と酢で軽く〆たものを握る手前で生酢に潜らせ、少々の朧を噛ませて握る。鱚の淡白な旨味が施した仕事で風味、味わいアップ。
◉蛤
かなりシッカリと甘辛に煮てある。やや硬めだが、噛み締めると蛤の旨味がジワ~と出てくる。酢飯の塩分と蛤の甘味がとの融合で味わいアップ。
◉真加治木のハラス
合計20貫と巻物1本を頂戴し心ゆくまで内田親方の握りと仕事を堪能した。追加したのにお値段はかなりお値打ちだと思った。ピンの素材ばかりを追う鮨屋も良いが最後は客の支払いに確実に跳ね返る。素材の質は太刀打ち出来ないがその分施される仕事と握り加減とのトータルバランスでの勝負も捨て難いし普段使いに出来る魅力的な店であることに違い無い。ただし、おしぼりが布ではなく業務用の紙おしぼりなのだけはいただけねぇなぁ。清潔で熱い布おしぼりで手を拭いたいし、また店の気風や気概も感じ取れる大事なアイテムだと当方は思う。それだけに蔑ろにされるのはどうもねぇ。次回は細魚の早蕨握りを楽しみに再訪したい。