【浅草】 浅草に冬の訪れを告げる並木藪の鴨なんばん。 : 並木藪蕎麦

（2015,11月）

今年も気が付けばもう11月、時間が経つのってホントに早い。
11月？
と来れば並木藪の『鴨なんばん』のスタートじゃないか。
この店の鴨なんばんは僕的に世界一の鴨なんばんだと思っている。
せいろ蕎麦に関しては他に美味い店は沢山あるが、温蕎麦なら、特に鴨なんばんに関してはこの店の右に出る店を僕は知らない。
先ずはアテに『焼き海苔』と『板わさ』もらって冷や酒をやる。
そしてグズグズせずに空かさず『鴨なんばん』だ。
美味い。
この店はせいろのツユは返しが強めの辛口だが、温蕎麦だとそれが一転優しくまろやかなツユになる。
そこに大きくて肉厚な鴨肉、脂身、つくね、それと葱と蕎麦。
渾然一体としてたまらない美味さだ。
薬味は七味ではなく山葵。
この店はちゃんとおろしたての本山葵を使ってる。
だから蕎麦の合間にそれを舐めると口の中が爽やかにリセットされて、再び一から蕎麦の旨味を楽しめるという寸法だ。
今回は少し遊んで、後半はアテにもらった焼き海苔を千切って入れて『鴨なんばん花巻そば』にして食べてみた。
海苔の香りが加わって「キリ」っとした味になる。これも悪くない。
具と蕎麦を全て食べたら残ったツユを蕎麦湯で割って全部飲んで完食だ。
ああ〜、やっぱし美味い。
この冬、何度食べに来る事になるだろうか。
浅草の冬は並木藪の鴨なんばんがあってこそなのだ。

（この店に僕は4,5点を付けているが、それは温蕎麦の「鴨なんばん」と「おかめそば」に限っている）


（2015,4月）

常に観光客で行列の老舗蕎麦屋。
僕はこの店の冬季の『鴨なんばん』は大好きだが、春の訪れと共にメニューから消える。
では、夏季は何を食べるべきか？
僕は敢えて『おかめそば』を推したい。
この店のツユは硬派な辛口で知られる。
なので多くの人は『せいろ』を注文するが、この店のツユをただ「辛い」だけで終わらせてしまうのは勿体無い。
濃くて辛いせいろのツユの、その向こう側に隠れた味わいは温蕎麦でこそ、その姿を表す。
『てんぷらそば』だとごま油の香りが、『花巻そば』だと海苔の香りが立つ。
純粋にツユの旨さを味わいたければ『かけそば』という手もあるが、それだとチト淋しい。
ならば、江戸蕎麦の「粋」を同時に楽しめる『おかめそば』がベストだ。
この店のおかめそばの具は『かまぼこ、生麩、湯葉』で凄く品が良く、尚且つツユの味に影響を与えない。
返しの奥に潜む風味豊かな旨味を心行くまで楽しむ事が出来る。
薬味の山葵はちゃんと本山葵、菊正宗の樽酒も重要だ。
そばを啜りツユを飲み山葵をひと舐め、そして冷や酒をキュっという黄金のローテーション。
蕎麦と具を全て食べてしまった後は、残ったツユを蕎麦湯で割る。
するとさらに返しが消えて出汁の旨味を楽しめるというスンポーだ。
並木やぶのおかめそば、是非一度お試しください。


(2012,11月 再投稿)

お待たせ致しました。
11月1日、浅草の冬の代名詞として名高い並木藪の「鴨なんばん」がスタートしました。

と言っても1日は木曜日、この店の定休日なので、厳密に言えば本日2日が解禁日でした。
長いコト待ち望んでいたワタシは定休日のコトをスッカリ忘れて昨日も来ちゃいましたよ～。
店のシャッターに書かれた「木曜定休」の文字を見て、以来、泣いて暮らした24時間、明けた金曜日の11時、開店と同時に店の前に到着です。
「旨いっ!、旨すぎるっ!」
柔らかく肉厚な鴨の身、上品な甘さの鴨の脂身、食感が楽しい鴨のつくね、鴨と相性バツグンのネギ、心地よい歯触りの蕎麦、そしてそれらを一つにまとめる最高のつゆ、みんな、逢いたかったぞ～っ!

もう、どとーの如く完食です。
向かいの席で何にしようか迷っているおばちゃんにも「鴨なん喰わずして何にを喰う！」と無理やり注文させちゃいました。

並木藪の鴨なんばんは3月までです。
皆さんもゼヒ食べに来て下さいネ～。

(2012,9月 再投稿)

連休の福島ゴルフツアーから浅草に戻ったら、無性にココの蕎麦が食べたくなった。
普段ココには鴨なんばんの時期にしか行かないのだが、猛暑の中でのゴルフで身体がアッサリしてショッパいものを欲していたからなのか、妙にこの店のツユが懐かしくなった。

さすがに連休最終日の浅草の夜は静かだった。
浅草の夜はいつも早いが、この日も浅草の中でも特に有名な観光名所であるこの店も空いていた。
座敷に上がり「わさび芋」を肴に冷や酒をやりながら相方と他愛もない話で時間を過ごす。
かなり疲れていたせいか、たった一合の酒でほろ酔いになった。
なので早々に「ざるそば」に移行。
やはりこの店のツユは最高だ。
皆は「辛い」と言うが、ワタシは辛さよりもこのツユが持つかえしの奥深さとその味わいにいつも感服させられるので、一言で辛口と言ってしまう事に若干の違和感を覚えてしまう。
辛口でありながら1%もとんがっていないツユは、いくら新世代の蕎麦屋がガイドブックで星を取ろうが遠く及ばない領域だと思う。
ただ、麺には若干の不満もある。
やはり、そこは新世代の拘りの蕎麦屋に軍配が上がるが、あくまでこの店は藪であり大衆店であることを鑑みれば納得も行く。
大勢いる女性従業員さん達の卒がなく丁寧な接客も含めて、やはりこの店は間違いなく名店だと思う。
しかし、やはり鴨なんばんが待ち遠しい。11月まであと少しの辛抱です。


（２０１１、１１月再投稿デス）

１１月１日、ずっと休業していた並木藪が新装開店しました。
お昼に行ったケド、並んでる人もなくアッサリ入れました。

「近代的なビルになったらヤだな～」って思っていましたが、新しくなったお店は以前とあんまし変わっていない。
テーブルと小上がりと、で、奥に厨房、外観同様店内のレイアウトも以前と殆どいっしょです。
「コレだったら以前の風格ある古い建屋のままの方がよかったのにな～」とも思いましたが、まあいろんな事情があるのでしょう。

お酒と焼き海苔と共に頼んだのが、並木藪の冬だけの逸品『鴨なんばん』です。
日本全国鴨なんばんは数あれど、ワタシはココの鴨なんばんが１番好きです。
追加で汁無しも１枚もらって残ったツユにつけて食べました。

イヤイヤ、無事開店を迎えて良かった良かった。
近所の蕎麦屋として、ココの鴨なんばん無しの冬なんて考えられませんからね～。
味や他のメニューも以前といっしょ、何よりです。

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（２０１１、１月再投稿デス）

長引いた風邪もどうにか治まってきたので、何日かブリに相方と外食に出掛けました。
といっても遠くに行くのはしんどかったのでココでソバを食べることに。

この時期はやっぱし『鴨なんばん』ですな～。
ワタシ、冬場のソバ屋は『カレーソバ』一辺倒になるのですが、ココにはカレーソバは無いし、なんと言ってもココの鴨なんばんはワタシ的に「鴨なんばん」のワールドチャンピオンです。
極めてオーソドックス、でも一味違う。
肉厚で軟らかい鴨の肉も旨いし鴨のつくねも入ってます。
甘からず辛からず、全てがちょうどいいのがチャンピオンの理由ですな。

シロクマさんや本生ジャイアントさんに叱られながらも、ついつい熱燗を頼んじゃうワタシ。
「この時期、夜にソバ屋に来て熱燗を注文しないなんて、ヅラを着け忘れた加○雄○と同じくらい見苦しいものなのだ」と自分に言い聞かせながらチビチビ飲む酒はカクベツですな～。

しかし、今年の風邪はしつっこいですよ～。
皆さんも予防対策を万全にして日々の仕事に望みましょう。

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（２０１０、２月投稿分です）

ここは近所のソバ屋として昔から馴染みのお店。
しかし、最近は観光客だらけでメチャ混み、都合のいい時間に行くと行列なんてこともある。

マンガや雑誌に取り上げられたが最後、様子はイッキに変わってしまいます。
店の外観をパシャ、内装をパシャ、料理が出てくるとパシャ、もうそこいらじゅうがエセ写真家やにわかグルメ評論家で埋め尽くされて、うっとーしー事この上無い。
「ツユはチョットしかつけちゃいけない」「まずは天ヌキで」「ネギやワサビはツユに解かずに」、、、知るかっ！そんなの好き好きじゃっ！
「ソバの風味がどうたらこうたら」、、、知るかっ、そんなにソバの風味が好きなら蕎麦の実でもカジっとけっ！

しかし、そんな状態が続いてますが、この店が立派なのは何一つ変わらず味を守り続けてるところです。
値段だって、そりゃそこいらへんのソバ屋と比べれば少しは高めですが、ヤレ「どこどこ産の蕎麦粉」だの、ヤレ「どこどこの水しか使ってない」だのと、能書きばっかし書き連ねてチョビットのモリで千円以上取るような勘違い蕎麦屋とは違います。味も守るが値段も守る。誰でも楽しめる庶民の食べ物というスタンスを崩さない。素晴らしいことです。

寒い冬には鴨なんばん、柔らかい鴨肉に鴨のツクネまで入ってる。絶品です。