人形町今半の個室で、仲居さんにすき焼きを作ってもらいました・・すき焼きの旨さを再認識！ : 人形町今半 上野広小路店

今半は「浅草今半」と「人形町今半」があって、それぞれ浅草と
人形町に本店があって、両店ともに他に支店がありますが頭につく
店名の由来の詳しいことは長くなりますので、ネット等の情報を
参考にして頂くとわかります。

簡単に書くと、文明開化の牛鍋屋から続く老舗で、浅草今半の日本橋
支店として出来て、その後に別会社となって人形町今半を名乗った
訳です。両店とも牛鍋のスピリットは変わりませんです。

店名の「今」がつく店は開業当時の「芝区白金今里町」にあった食肉
処理業者から卸された肉を使った店には「今」を付けるのが許された
そうです、食肉処理場は現在は芝浦にあります。

今回はちょっとした客人の接待的な利用で、ランチで個室をお願い
していました・・・ホストなので結構、準備には気を使いました！

当日は大人が６人で、すき焼きコースで前菜２品にすき焼きと御飯
デザートで￥５４００です。これに個室利用の場合は１０％のサービス
代金が追加されますが、今回はサービス料が安いと感じたましたです。

サービス料が安いと感じる店は、そんなに多くはありませんで、仲居
さんの所作と出すぎずに気が付く絶妙なサービスは老舗ならではの
物であると思いました。

店は上野広小路の交差点すぐそばの着物の老舗「鈴乃屋本店」ビルの
６階にあります、いったんは１階の着物店の店舗に入ってから６階へは
エレベーターで上がります。おりるとすぐの正面が受付で名前を告げる
と、履物を脱いでから個室への案内です。この時から担当の仲居さんは
見送りまで、同じ人がサービスです。

以下は￥５４００のすき焼きコースの内容です。

前菜：白菜豆腐、蓬餡かけ・蓬麩、槍烏賊詰め物、筍の盛り合わせ。

お造り：かんぱち・鯛の昆布〆

すき焼き：和牛肩ロース、千住葱、京人参、聖護院蕪、春菊、しらたき
　　　　　お麩、焼き豆腐

御飯：玉子丼・赤出汁味噌汁・香の物

デザート：日向夏のシャーベット

酒類＆ソフトドリンク

・キリンクラシックラガー中瓶（６本、１本￥７５６）
・黒烏龍茶（３杯、1杯￥５４０）

店内から個室までも和風な作りで我々が案内された部屋は「桜の間」です。
部屋は畳ですが、堀炬燵になっていて長い時間の会食にも最適で、簡単な
床の間と畳から先の３畳くらいのスペースが簡単な庭を演出しています。
窓から見える景色は中央通りを挟んで「松坂屋デパート」が見えます！

最初に運ばれた前菜は野菜主体の春を感じるもので写真左からですが、まず
は「白菜豆腐」・・これは説明されるまで気が付きませんでしたが白菜を
擦って豆腐状にしたもの、餡は山菜の蕗の薹で苦味が爽やかで初春を感じ
ました。
真ん中のは蓬の色を付けた「お麩」、筍の煮物、槍烏賊の詰め物で、味が
かなりな薄味でしたが、しっかりとした出汁に支えられていて、初春の
前菜らしかったです。１番右の「福」の入れ物に入った料理は大豆を含む
豆の煮物で、縁起物的な物と初春を演出したそうです。

これらに酒類はビールを合わせたのですが、全体的に薄味なのにビールに
合う・・支える味がしっかりしているからに他ならないですね！

続いて「お造り」は、カンパチと真鯛の昆布〆で、カンパチは普通に旨い
ですが、真鯛の昆布〆は絶妙な〆方で抜群な旨味が出ていました、昆布で
〆る白身魚は素晴らしい調理法ですが、〆過ぎると海藻臭さが出てしまう
ので、今回のは秀逸な出来でした。

さて、ここからは仲居さんによる「すき焼き」のサービスですが、我々は
一番の食べ頃に作ってくれたものを食べるだけです・・作り方を見ていると
焼き油は使用しないで、肉の脂のみで勝負するそうです。最初に生卵を専用
の掻き回す道具でふわふわに各自に配膳、鍋には割下を入れて牛肉を煮始め
ます・・まずは１枚目、旨い～～とろける・・部位は厚切りにするとリブと
リブ芯がある所で、適度なサシの入り方は本当に美味しいです。

２回目からは野菜を適度に組み入れるのですが、長ネギも千住葱は初めてで
少し甘味があるようで、白く太い部分だけ使ってました。京人参と聖護院蕪
は下調理してあって、少しの鍋調理で美味しく頂けました、肉は１人に３枚
ですが、後半は焼豆腐とお麩が入って来て、１番最後は春菊です。

肉の追加を聞かれましたが、結構な腹具合になったのでお終いにしました。
続いて御飯物は先程、すき焼きに使用した鍋を使って作る「玉子丼」です！
少し割り下を加えて、玉子を割りいれて軽く火入れしてから盛ってあった
各自の御飯にかける・・簡単に見えますが、これは美味いに決まってます・・
牛肉の旨味とその油脂のみに少量の割下、御飯は茶碗の半分でしたがお代わり
したくなるような旨さでした、こんな旨い「玉丼」を初めて食べました！

これには、赤出汁の味噌汁と香の物が付きますが、これらも手抜きはまったく
ないです・・最後まで満足できました。そして￥５４００のコースの場合は
デザートか珈琲のどちらかの選択になるので、日向夏のシャーベットを選択。
肉をタップリ食べた後の口直しには最適でした。

コースは以上ですが、今回は「すき焼き」と言う料理を見直しましたです。
今でも我々より年配の方たちは個室ですき焼き・・は、主に外国人の接待に
使用しています、その訳が少しだけ理解出来ました。

「SUKIYAKI」は日本料理の代表のようになっています「SUSHI」と共に
です。これでも、￥５４００は人形町今半のランチで１番リーズナブル
なコースでして、夜は前菜や肉の質＆量をグレードアップしたりして２万円
を超えるコースもあるそうです。

仲居さんの立ち振る舞いも素晴らしい物がありまして、皿やグラスを客の前に
置く場合、離れた人の場合も、その場所まで歩いて行って（近くても）配膳・・
間違ってもテーブル上を皿をずらすような事はしないです、こんな所作は
案外と出来ないもので、見ていると流れるような綺麗な動きでした。

個室利用はコースで￥５４００～ですが、テーブルでは￥３５００前後の
ステーキ御膳などもあります・・サービス料金を加算しても、それを安く感じる
店はなかなかなくて、大変に満足出来たランチで接待的にも大成功で先方も
満足していました、今度はプライベートで伺いたい物です、御馳走様でした♪