絶品の天ぷらがいただけました : 松翁

＜2016年7月再訪＞
神田猿楽町にあるこちらのお店。。。蕎麦の出来はもちろんのこと、専門店顔負けの天ぷらが味わえるお店であり、季節を変えて再訪を狙っておりましたが、約2年以上空いてしまいました。。。

平日の午後、休暇を利用しての再訪です。

13:30過ぎに入店しますが、この時間でも約8割の席が埋まっており、人気のほどを感じます。
中央の4人掛けのテーブルに案内されました。

【オーダー内容】
・琥珀エビス樽生（590円）
・自家製佃煮（650円）

炎天下の中、神保町の駅から歩いたので、何はなくとも生ビールを所望。。。お通しはつかないので、壁の短冊メニューから自家製佃煮をお願いしました。

佃煮の具は、浅蜊と葉唐辛子。。。甘辛くいい味付けが、酒にぴったりと合います。すぐに日本酒に移りたくなりますね（笑）

・冽 純米特別限定酒（720円）
そんなわけで、短冊メニューから山形の冽 純米特別限定酒をチョイス。。。東北らしいきりっとした辛口が暑い季節にぴったりです。。。

・鮎の天ぷら（1600円）

松翁といえば、天ぷらは外せません。。。定番の海老に加えて季節の品は、”松茸”、”鱧”、”鮎”の文字が。。。
さすがに松茸は贅沢すぎるだろうということと、まだ走りといっても7月には。。。という思いからこちらは却下。。。
関西では夏の人気メニュー鱧も迷いましたが、日本の夏の味といえば、やはり鮎をチョイスしました。

こちらの天ぷらは、盛り合わせではなく、専門店のように一品ずつ提供されるスタイル。。。最初と最後にメインの素材がきます。
詳細は写真を参照いただきたいところですが、最初の鮎の美しいまでの姿。。。

まずは塩でいただきます。。。

”このほろ苦さ。。。たまらん。。。”

甘い香り。。。そしてほろ苦いわたの味が口いっぱいに広がります。。。薄目の衣に閉じ込められた柔らかい身のうまさ。。。日本の夏といえばこの味です。

二品目は新蓮根。二つに割って提供いただけたので、塩と天つゆ両方で楽しめました。
さくっと歯触りと新ものらしいさわやかな風味が秀逸。。。

三品目は、トウモロコシのかき揚げ。。。甘い風味が天つゆとも塩ともマッチしてこれもうまいです。

最後に再び鮎が登場。。。天つゆでいただます。。。ほろっとした身が柔らかさが、塩で食べた時とはまた違ったうまさを感じさせます。

・むぎめおと（1050円）

〆の蕎麦は季節の変わり蕎麦や、田舎との盛り合わせとも迷いましたが、夏季限定の文字に惹かれて、”むぎめおと”を選びました。
大変粋なネーミングですが、写真を参照していただけますと、蕎麦と自家製だという冷や麦が夫婦が添い寝するようにして提供されます。

汁は共通ですが、薬味は冷や麦用におろし生姜が付くのが特徴的・・・

”冷や麦に移るときにお使いください”という、女将からのアドバイスいただきましたので、まずは蕎麦からいただきます。
こちらの蕎麦はまさに安定のうまさ。。。厳選したそば粉を確かな技術で打ち上げた実に美味い蕎麦でした。

さて、今回初体験となる自家製の冷や麦です。。。
すこし、生姜をつけていただきましょう。。。

”こ、これは。。。”

正直に言います。これまで食べてきた冷や麦とは全く別の食べ物。。。
もちもちした歯触りとつるっとした喉コシ。。。そしてそのときに感じるうまみ。。。それでいて、さっぱりとした後味は日本の夏の定番の冷や麦。。。久々に目から鱗の一品でした。

さて、久々に訪問しましたが、やはりこちらの天ぷらのうまさと蕎麦の出来には改めて関心した次第です。
接客面では多くのレビュアー様が触れているようにだいぶ難がありましたので、落ち着いた蕎麦屋酒とはいきませんでしたが、これからも季節を変えて訪問したいと思います。

ごちそうさまでした。

※評価を見直しました。
※新規に18枚の写真を追加しました。
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＜2014年2月レビュー＞
蕎麦屋でのお酒の魅力に目覚めた若造が、都内有名蕎麦屋を巡っています。

今回訪れましたのは、敬愛する池波正太郎先生も足繁く通ったという神田猿楽町にあるこちらのお店です。

池波先生をして「うどんも、そばも、主人も気合いが入っている」と称したこちらのお店、一度行ってみたいお店のひとつでありましたが、代休をからめて初訪問いたしました。

平日の１４：００過ぎに訪問、さすがに昼のピークは回っており、店内には２、３組の先客がいるだけですが、蕎麦前を楽しむ方はいらっしゃりません（笑）

【オーダー内容】
・浦霞（熱燗）
・焼きみそ（５５０円）

この寒さですので、まずは何はともあれ熱燗をお願いします。

お酒の種類はかなりありますので、わたしのような飲兵衛には大変ありがたいですね。

数ある品揃えのなかから、熱燗で欲しいと伝えると”浦霞”（おそらく特別純米酒）を薦められました。

無難な選択かと思います。

お通しはいただけないようなので、定番の”焼きみそ”を一緒にオーダー、少し時間はかかりましたが、のんびりするのが目的ですので問題ありません。

こちらの焼きみそ・・・絶品です！

これまでいただいた中でも、１，２を争う絶妙な味・・・蕎麦の実が入ったタイプですが、味噌の味が何とも言えない旨さです。

当然、お酒との相性も抜群、これだけ１合軽く飲めてしまいます。

・白子の天ぷら
・〆張り鶴

こちらのお店ですが、読者登録させていただいているレビュアーの皆様の多くが絶賛されてらっしゃるのが、”天ぷら”でしたので、訪れる前からこれは頼もうと決めておりました。

定番のエビと穴子の天ぷらと季節の白子から選べるということでしたので、寒い季節限定につられて白子の天ぷらにします。

ついでにお酒も追加、だいぶ暖まってきましたので冷酒に変更、久々に大好きな〆張り鶴にしました。

大きめの片口で提供されるお酒はきっちり１合なんでしょうが、なんとなく量が多く感じられて嬉しいです（笑）

さて、天ぷらですが、上品な天つゆが用意され、本格的な専門店のように揚がった順で提供していただけます。

まずは白子から。。。

天つゆか、塩でいただくのとどっちが良いか迷いましたので、おたずねしたところ、「後からもう一つ出てきますので、どちらでも」とのこと・・・

なんで、天つゆでいただくことにします。

”甘い！旨い！”

上質な鱈の白子は絶妙なコクと甘み。。。これは専門店顔負けの出来です。

続いて出てきたレンコンと舞茸、これも衣はさくっと、中はふっくら野菜の旨みを引き出したかなりの味

最後にもう一度、メインの白子を出すところなど、本当に専門店のようです。

・二色もり（１０５０円）

締めの蕎麦は、普通の蕎麦と変わり蕎麦の両方が楽しめるという、二色蕎麦をお願いします。

本日の変わり蕎麦を訪ねたところ普通の更科とのこと、日によっては様々な変わり蕎麦が楽しめるようですね。

また、つゆも濃い口と薄口が選べるのですが、蕎麦の味を楽しむには濃い口がおすすめということで、濃い口をチョイスしました。

提供された蕎麦は写真を参照いただきたいですが、想像以上のボリューム・・・

まだまだ修行不足ですので、詳細は省きますが、どちらも大変美味しかったです。しっかりとした分量があるのも大変嬉しいことですね。

鉄瓶に入った濃いめの蕎麦湯でしっかりと余韻を楽しみ、大変満足いたしました。

一部のレビュアーさんから、賛否両論いただくスタッフもいらっしゃるようですが、わたしが訪れた際にその方と思われる方はおらず、修行中の職人さんに接客いただきました。

不慣れなためか、少々ぎこちない部分もありましたが、大変一生懸命やっているのが伝わってきて、かえって好感度を感じました。

ご主人が２０代で脱サラして始められたお店ということで、話題となったこともあったようですが、蕎麦の打ち場あることをのぞけば、わたしにはごく普通、街の蕎麦屋のような雰囲気もある居心地のよいお店でした。

敬愛する池波先生も通われたように、これかも季節ごとに行ってみたいと思います。

ごちそうさまでした。