【神田 淡路町】 天ぷらが美味しいカウンターだけの割烹的なお蕎麦屋さん。 : 手打蕎麦 松竹庵 ます川

御茶ノ水のボルダリングジムで相方や友人と頑張った後に訪問。
ホントは神田まつや辺りで軽く蕎麦屋酒したかったんだけど、営業時間の心配もあったのでこの店に入る事にした。
カウンターに座り一人前5000円のコースをオーダー。
前菜2皿と天ぷらと蕎麦が付いた内容だった。
先ずは冷酒でお互いの健闘を称え合いながらのカンパイ。
好物の『黒龍 大吟醸』はもちろん美味しかったが、『田酒』がビックリするくらい美味しかったのには驚いた。
女将さん曰く「今年の田酒は出来が凄く良いんですよ」との事だが、確かに僕が記憶していた最高にパンチが効いた東北らしい力強い味わいの田酒とは違って、とても爽やかで飲み易い綺麗な酒になっていた。
さらに、大将が勧める『稼ぎ頭』と言う伏見の酒にも感心させられた。
ちょっとダサいネーミングだが、爽やかな酸味と甘さと綺麗さを併せ持つ独特な味わいで、今まで飲んだ事のないちょっと変わった、でもとても美味しい酒だった。
酒はとても良い、料理も美味しかったんだけど、いかんせん提供される間が開き過ぎてこれには参った。
最初の皿が出るまで小1時間近く、次の皿が出るまでまた小1時間、他にツマミも無く、その間酒だけなのはとても辛かった。
手の込んだ料理が並ぶのは良いのだが、それほど混んでる訳では無いのだが手際がかなり悪い。
せっかくの焼き立ての穴子も、皿に盛られて出される頃にはすっかり冷めきっていた。
形に拘るあまり、美味しい食べさせ方が出来ていないのは些か残念だった。
天ぷらは一つ一つ揚げたてを出してくれるからアツアツを食べられてとても美味しかったが、好物の牡蠣が切れていたのはかなり残念、しかし、万願寺などの野菜の天ぷらは稼ぎ頭とピッタリで楽しめた。
蕎麦は福井産の十割蕎麦、挽きぐるみの田舎かなめらかなせいろを選べるシステム。
僕は田舎をもらったが、これはせいろも同じなのだが太めで硬めで「ギュッ」っとした蕎麦だった。
しかもかなり冷たく〆るから蕎麦の風味や甘味をほとんど感じる事が出来なかった。
この蕎麦は僕の好みとはかなり違った蕎麦だったが、それぞれの職人さんの流儀があるのだろうし仕方ないかな。
このレビューを書く際に1年前の自分のレビューを読み返してみたら、やはり同じ事が書いてあった。
すっかり忘れて訪問しちゃうあたり僕らしいが、やはり蕎麦はもう少し細くてあまり冷た過ぎないものが好みだ。
とは言え、美味い酒はあるし天ぷらも良いので、次回は蕎麦は温蕎麦にしてもらうのが良いかも知れない。


（2015,1月）
今週末の山歩きのためのアイテム購入のために神田の山ショップへ。
その帰りにこの店でランチをとる事にした。
蕎麦屋と言うより天ぷら屋ってカンジの店内。天ぷらの香りが店じゅうに漂っていてカウンターには季節野菜の天だねが積まれていた。
ダイエッターとして天ぷらは極力避けたかったがこの香り、この雰囲気には抗えない。
メニューを見たら大好物の牡蠣の天ぷらを発見。
さらに、蕎麦のメニューにも『ごまそば』を発見、好物の２つが同時に揃ってしまったらもう決定だった。
『牡蠣の天ぷら』を単品で、それと『ごまそば』を即座に注文した。
先ずは牡蠣の天ぷらから。
「厚岸産の牡蠣です」と言いながら、カウンター内で天ぷらを揚げる専門の職人さんが揚げたての牡蠣を１つ目の前に置いてくれた。
天つゆと塩が両方出されたが、牡蠣の天ぷらにはもちろん塩だ。
旨い。
比較的小振りの牡蠣、天ぷらで食べるには丁度良いサイズだ。
衣の具合も良い。油も含めて軽めだ。
ただ、何回かに分けて出されるのかと思ったがコレ一個だけだった。
「なんだ、お好みは個数も指定しなければならないのかな？」と思ったが、ダイエッターとしてはこれでガマンもアリかな。
それからしばらくして蕎麦が来た。
カウンター内のキッチンには職人さんが4～5人居る割には遅かったかな。
大好物のごまそばだが、この店は初めてなので先ずは蕎麦に塩をパラリとかけてそのまま食べる。
これはなかなかよくできた蕎麦だ。
手打ちの１０割。
些か冷し過ぎのきらいがあって香りや甘めが弱い。もう少しぬるい方が好みだが、蕎麦はのど越しが一番な僕にとっては大した問題ではない。十分に旨い蕎麦だ。
ごま汁は？
残念ながら、このごま汁はあまり好みではなかった。
ごまの香りが乏しく、割っているつゆが辛いので辛口のごま汁になってしまっていた。
ごま汁は甘めの方が良い。
もちろんこれは好みの問題だろうが、僕にはちょっと合わなかった。
また、締めに出される蕎麦湯が不自然なほどのドロドロ系でちょっとやり過ぎ、天ぷらが主体の蕎麦屋としたら締めの蕎麦湯はサラリといきたいところだ。

気になった点は2つ。
1つは、その価格。
ごまそば自体は850円なのでこれは普通なのだが、単品で頼んだ牡蠣の天ぷらが800円だった。
メニューに価格や個数の表示がなかったのでお会計の時まで気が付かなかった。
「小さな牡蠣の天ぷら1つで800円もするの？」と花番さんに聞いたら、「単品だとそうなんです」という返事。
こういう商売の仕方は好きじゃないな〜。
それではせっかくカウンターの上に季節の天だねをいろいろ並べてあっても、「アレちょうだい、コレも揚げて」と気楽に楽しめない。
今時こーゆーやり方は良くないと思う。
2つめは、店内の温度。
僕が座った席はL字型のカウンターのちょうど角だったのだが、やたら隙間風が通る場所だった。
特に腰から足先にかけて寒い。
なので一旦脱いだジャケットとコートを再び着て食事する事になった。
「ここ、寒いね〜」と言ったら、「この場所はちょうど風の通り道なんです」と花番さん。
建物は鉄筋コンクリートのビル、店内も割と新し目の内装なのになんで「風の通り道」なんてものが客席に有るのか、それでは欠陥じゃないか。
コレ、普段あんまし寒がらない僕でも寒いと思うので、女性の相方連れてきたら怒り出すんじゃないかと思えるレベル。
しっかりとエアコンで暖房がかかっているのにコレではちょっと頂けない。
雰囲気の評点が低いのはこのためです。