創作というかフュージョンというか。 : 今彩

赤城神社の程近く。隠れ家っぽい雰囲気。入口の門が閉められたりしてて、入口がちょっと奥まった感じもあり、ウカウカしてると通り過ぎちゃいそう。
８千円のコースに１０％のサービス料、席料として６００円。なんで、ひとりあたま１万円ちょいのお勘定。そこに酒代込みでそれでも１万５千円はいかなかった感じ。
お伺いした折、奥のほうの席も含めて、店はほぼ満席だった思う。カウンターの男性スタッフが、グラスを見ながら注いでくれたりとか、焼き物、サラダの盛り付けまでされていらっしゃってたり、ちょっとショートスタッフ気味だったような印象もある。コース全部で４時間近くかかってたのではなかろうか。

前菜は弁当箱のような籠の箱に入れて８品盛りで供される。
・大根のブイヨン煮。
・ゴボウ、パプリカ、ニンジンと根菜のピクルス。
・トマトとチーズを盛り合わせたもの。モッツァレラではなかったので、カプレーゼではない。
・茄子のカポナータ、モロヘイヤも一緒に。
・枝豆のペペロンチーノ。
・生ハムとメロン。
・キュウリとオクラと。
・それと、あと、もう一品。マダラの甘辛く煮たの。
基本、作り置いた惣菜を盛り付けて供される。
和な惣菜のようにも見えつつ、ちょいちょい、洋テイストみたいな感じ。

・茶碗蒸し。多分、オイルなんだと思うのだけど、思い切りトリフの香り。下のほうにはフォアグラが敷いてあったりと、見た目よりも派手な料理だった。
全粒粉とおっしゃっていたか、自家製のパンも供され。一緒にそのパン用にバターも添えられる。

・野菜サラダ。赤カブ、茄子、キュウリ、アイスプラント、ニンジン、それと、レタス、ルッコラを始めとして菜っぱ類と。
下のほうに、真鯛、カツオ、ホタテと生魚のカルパッチョと。店主いわく、混ぜれば旨くなるってのは、この下のほうに敷いてあったカルパッチョのことをおっしゃっていたんだと思われ。

・オマール海老を焼いたの。ちょっと控えめな大きさだったかな。緑色のソースがかかってたのは、ニラのバターソース。
アサリ、ムール貝と、ブロッコリー、インゲン、舞茸、ツルムラサキ。野菜がたっぷり添えられる。この野菜がこの店のトレードマークなのであろう。

・豚と羊と鴨とホロホロ鳥と、メインはいろいろと選べる。
小生は、イベリコ豚をお願いする。このプレイトにても、肉よりも、むしろ付け合わせのはずの野菜が主役なような盛り付け具合ｗ。
茄子、サツマイモ、カボチャ、トウモロコシ、パプリカ、ジャガイモと。

小豆粥みたいのが供されてて。あまり、食事って感じでもなかったけど、〆にご飯ってのは、和食テイストを意識してのことかと思われる。
その後、デザート。小豆アイス、スイカと胡麻ゼリー。

飲んだものは、以下。
・生ビール。薄口のグラス。
・ブルゴーニュの白、シャルドネにて。DFってロゴだった。
ここからの赤ワインなんだろうけど、ここは敢えて、日本酒に行ってみた。十分に飲み口がしっかりした日本酒の種類も揃っており、なかなかに楽しかったように思う。
・神亀。２合のカラフェをふたつ。
・それからの、一蕾（ひとつぼみ）。司牡丹、船中八策の熟成バージョンってことらしいんだけど。初めて見たかも。
・で、最後は、青森の豊盃。
最後、コースの一環なんだとは思うのだが、ハーブティ。レモンバーン、レモングラス、カモミール、ミントとおっしゃっていたか。

いろいろと凝ってる風ではあるし。野菜を力いっぱい出そうという心意気は積極的に評価できよう。この今彩っていう店名も、根菜にかけてるような感じだし。とにかく、野菜がお好きってことはあるんだろうなって感じ。
なんだけど、たまたまオペレーション上の問題で進行が遅めってこともあったし。やや重箱の隅をつつくような言い方をするとすれば、そもそも、茶碗蒸しがトリフの香りがするってのは、コンセプトとの納まりとして、どうなのって気がしないでもないし。

今度、機会を見つけて、もうちょい少人数、出来れば二人でとか、カウンターの隅っこで立ち寄ったとしたら、どんな感じなんだろうか。
ハコとしては、勿論、魅力的だし。若手とも言い難いフロア担当のお兄さんの客捌きは、酒のお勧めとかも含めて、ちょっと嬉しいような気もするし。
凄い良い店かどうかは、ちょっと判断保留だが。あまり張り込まずに、カルめに飲み食いする分には良さそうな感じかな。