あわてんぼうのサンタクロース : ラ・ブラスリー

あわてんぼうのサンタクロース、という童謡がある。
クリスマス真っ盛りのこの時期に妻が子どもに歌って聞かせているのだ。

しかし、
僕はこの曲がとても物悲しい調子を持っているような気がして仕方がない。
僕にはまるで挽歌にしか聞こえないのである。

たとえば「鳴らしておくれよ、鐘を♬」の部分はまさにそうで
悲しみをふっとばさん限りに「せめて鐘だけでも鳴らしておくれよ」と
言っているように聞こえるのである。

挽歌とは葬送歌である。

たとえば自分の亡くなった母親の棺を馬車で運ぶとする。
死出の旅だからもっと派手にしてあげたいが先立つものが全くない。
せめて埋められる前にはなむけのひとつもしたい。
そのために歌った庶民の歌といってもいい。

そんなことを話せる
仕事上の友人と２人でこの店にはいる。
ワインを空けて僕は泣きながらそんなことを話した。
友人は昨今の義理人情についての話。
義理と人情が日和見を決め込んだら鴬が鳴いた、と友人はつぶやいた。
彼の方が闇が深い。短歌をやっている人だ。

というわけで６０００円のグルマンコースを選択。
メインが魚と肉が付くコースである。

☆イベリコ豚のほほ肉のサラダ　☆＝3.3

イベリコのほほ肉がアクセントなんだけど、
割とルッコラや水菜、リーフサラダに自家製のピクルスがあるので
これだけで完結しているような気はする。
塩と酢の遣い方が絶妙でなかなかにして美味いつまみである。
ちょっと馴染んでしんなりした頃が食べ頃かな。


☆スズキのポワレ　☆＝4.0

スズキの火の入り加減がよくて、皮がパリパリに焼いてある。
パリパリの部分に効いた塩味がいい。ただ塩を振ればいいわけではない。
僕のは尻尾の方だったけどそんな不公平感はなかったな。
それにも増していいなと思ったのが、スズキの下の温野菜である。
わりとバターソースが濃厚な分人参やもやしやら食感の違う野菜の甘さが引き立つ。


☆仔牛のフィレ肉のソテー　トラペットソースがけ　☆＝3.8

トランペットとはマッシュルームの一種で「トランペット茸」とも言われる、滋味深い茸。
出汁をとってソースを作り、その泡を全体にかけまわしている。香りはちょっとしなかったかな。
仔牛だけに筋繊維のきめ細やかさは誠に味わい深い。あと付け合せの下に敷いたマッシュポテトが美味い。
パンですくってきれいに食べてしまった（笑）

帰りにサンタクロースが屋根から送ってくれた。
なんだか早く来すぎただけでこんな目に遭わなきゃならないんだろう？
なんてね…


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神楽坂ダイナー　冬がくるまえに編


１０月夕方、飯田橋を出て、お客と合流。

「市ヶ谷から行った方が近かったのではない？」などとのたまわれて、
そうかな？と思うがそれは口に出さぬが華。

日仏学院を入ると件の店がある。
今日は接待も兼ねて、夕食フレンチ。

ワインも軽くて美味しいものだったが失念した。

コメントで「ＢＭしました！」と仰っていた
マイレビュアーの「偏差値５０のお父さん」様はこのお店に
いらしたのであろうか？

今日は４５００円のプレジ―ルのコース。
前菜とスープとメインが魚か肉かで選択出来て
最後にデザートが付くコース。

前菜の前に「ほうれん草のケークサレ」がでてくる。
スポンジケーキのようだがチーズとベーコンが塩気を含んで美味！
これはいい！　ワインのおともに最高！

前菜は「鹿肉の生ハムのサラダ」
鹿肉が野趣あふれていい。塩気は少し強いが、
肉の個性が断然勝っており、
ドレッシングの酢との相性がいい。

スープは「南瓜のポタージュ」。
甘くてうまい。土臭さを完全に抜いてクリームを纏っている。

メインは「黒鶏のソテー　キノコ風味のブラウンソースかけ」
鶏の爆発力はどれくらいあるのか？が心配だったが、
鶏の下に敷いたマッシュポテトがかなりの縁の下の力持ちか。

つぎはメインは牛肉にしよう。

デザートもアイスクリームの４種盛り。
ホントは３種だったが、あまりに悲しい感じだったのだろう。
やっぱり、タルトにすればよかったかな？
まあ、美味しかったけど（笑）

駆け足で紹介してきたが、美味しい料理でした。
行ってみる価値はあります。
やっぱり僕の場合はランチかな？と思いました。


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以前、噂を訊きつけて、
予約をしようとしたが予約がとれず、
非常にやきもきしたことがあったので、
今回はきちんと予約をしていった。

平日の昼は比較的にとりやすいのではないだろうか。

わざわざ店の場所に行って確認しておいたので
準備はバッチリなのである。

「あなたも食べるのすきねぇ？」と妻に言われる。

「執念の勝利だね。この間、予約をとれなかったからねっ」と鼻息あらく答える。

日仏学院のなかにあるので初めて訪れる場合は
すこし戸惑うかもしれない。
坂を上って学院内に入ると中庭らしきところにでる。
すると右手に見えるのがオープンテラス。

外国人らしき人たちから
ちょっと出てきた近所のおばちゃんらしき人たちまで多種多様だ。
ドレスコードもなく、気軽に味わえるカジュアルフレンチである。

僕たちが伺ったのは平日の昼の１時前で、
１２時台のお客がまとめて帰ったのか片付けに随分手間取っており、
なかなか注文を訊きに来ない。
その間、何を食べようか話をしているとやっとこさ、訊きに来てくれる。

さて、僕たちが頼んだのは２２００円のメニューB。
前菜、主菜（魚か肉か選択する）、デザート、コーヒーがつく。

僕は、自家製ベーコンのサラダとステーキフレンチフライ、
プルーンのタルトアイスクリームがけをチョイス。
妻は、本日のキッシュタルト、鴨胸肉のローストの赤ワインソースがけ、
と同じくプルーンタルトのアイスクリームがけをチョイス。


早速、前菜が出てくる。

「自家製ベーコンのサラダ」は
ルッコラや玉ねぎやイタリアンパセリ、ピクルスなどを
自家製のオリーブオイルベースのドレッシングを纏わせたサラダの上に
厚切りのベーコンに焼き目をつけたものをデ―ンとのせたもの。
かなりボリューム感があるが、まったく大味ではなく、食べやすい。
味としては、イタリアンサラダに近いものだろう。
ベーコンはうす塩でペロッと食べられる。
女性でもぺろりといけるのではないか。

「本日のキッシュタルト」は
サツマイモとミニソーセージが入っていて、とにかく大きい。
成人男性の手のひらくらいはある。
普通の店ならこの３分の１でメインにしてしまうくらいだろう。
キッシュは「たまご感」を大切にしているようであまり味をつけずに
さつまいもの甘さとソーセージの塩味を考えて調味している。
付け合わせのにんじんサラダも甘さがあっておいしい。

食べ終わると主菜が運ばれてくる。
ポーターは、よく見ているな。
ワインでも頼もうかと思ったが、妻の冷たい視線を感じたのでやめた。

「ステーキフレンチフライ」は
ボリュームのある牛ステーキをミディアムで焼きあげ、
フレンチフライとトマトとレタスを添えた逸品。
妙にアメリカンな感じもするが、表を焼きあげて肉汁を閉じ込めてあって
技ありな感じがとてもうれしかった。

「鴨胸肉のロースト赤ワインソースがけ」
脂身も美味しい鴨の胸肉のローストに
甘酸っぱい赤ワインソースを絡めて食べる逸品。
鴨肉を頬張ることがこんなに幸せだったとは！

ここまでで結構お腹はいっぱいになっている。

デザートは
「プルーンタルトのアイスクリームがけ」
キッシュのこともあったのでかなり大きいのではないか？
と訝しいんでいたが通常のサイズであった。

お腹いっぱいフレンチを食べるのにいいお店だと思う。
わりとカジュアルで周りを変に気にしないで食べられる。
こんなお店もあるのだ！味もＣＰも良くてうれしくなっちゃう！

ぽんき楼。