召しませパーコー麺。チャーハンとのセットは笑みがこぼれる至福の味。 : 中国料理 星ヶ岡

仕事でキャピトル東急に泊まった翌日に訪問。遅れて東京に来る同僚とのワーキングランチのつもりでお席を手配していたのだが、日ごろからの行いの悪さに定評のあるこの同僚はよりによってピンポイントで遅延する新幹線に乗るという引きの良さを見せ、車内から泣きのメールを入れてきたが、到着の見込みが立たず一人で食事することに。テーブルセットは２人分用意されていたがかくかくしかじかの事情で一人で先に食べます、という意思表示をホールスタッフにしたところ、「手前どもはどれだけお待ちいただいても構いませんので、どうぞごゆっくり。温かいお茶をお持ちします」とジャスミンティーのおかわりを出してくれた。突発的なアクシデントに対する対応力の高さはまず評価できた。

ここの名物は土日祝日のスペシャルトリート。同僚がいれば迷うことなくそうするつもりだったが、一人で昼から中華料理食べ放題は涙ぐましいのでアラカルトメニューにした。このホテルのレストランでアラカルトとなれば何をおいても外せないのがパーコー麺。星が岡スタイル、である。おなかも空いていたので五目チャーハンをハーフサイズでいただく。凡そ考え得る限り最強の「半チャンラーメン」である。

さてパーコー麺。同じホテルの中にある『オリガミ』のパーコー麺と比べると、パーコーにカレー粉で下味をつけているのと、薬味類が先に入っているところが違う。ただ、鶏ガラスープとしょうゆベースのすっきりした味は変わらない。どちらが好きかは、もうこれは好みの問題としか言えないだろう。なぜなら、どちらもおいしいのである。厚みも大きさもたっぷり、旨みたっぷりのパーコー、さっくり揚がった衣があっさりした味のスープをたっぷり吸うと、もうやめられないとまらない。麺はシンプルなストレート麺で、しっかりした味のパーコーとあっさり味のスープの味がうまく絡む。付け合わせも油通しした青菜だけで、ドカンと乗っているパーコーと麺、スープの味を存分に味わえる。

一緒にオーダーした五目チャーハンは、カニ、チャーシュー、ハム、エビなどが入った豪華版。米の一粒一粒が油と具材の味をしっかりと吸い、でもきちんと必要以上の油は切られてパラパラ。パラパラのチャーハンを家庭で作る方法はいくつもあっていろいろな所で紹介されているが、このおいしい油をきちんと米に吸わせる技術は、さすがの技としか言いようがない。たくさん入っている具もそれぞれにきちんと味があり、何を口にしているのかが分かる。本当は邪道なのだが、チャーハンを少しだけ残しておいて、パーコー麺のスープをチャーハンにかけて食べると、思わずのけぞる旨さ。

ちょっと量が多いなというときは、ハーフサイズのパーコー麺＆ハーフサイズチャーハンの「ハーフ＆ハーフ」で楽しむこともできる。いろいろな料理を食べられるスペシャルトリートも確かに魅力だが、ここのパーコー麺を食べない手はない。

日枝神社の緑を見ながらいただくロケーションも良く、お腹も気持ちも大満足。ご馳走様でした！

（２０１５年２月９日訪問）

仕事と休暇を終えてチェックアウトの後にお邪魔。次に向けたワーキングランチにしたいとの先方の意向もありこちらへ。パーコー麺とチャーハン（ハーフサイズ）のセットはいつも頂いているのであんかけ御飯のセットにしようかなと思っていたのだが、こちらのパーコー麺をこよなく愛する先方に従う。「ＯＲＩＧＡＭＩのパーコー麺とここのパーコー麺とハーフ＆ハーフで食べたいんですよね」とのたまう剛のものである。もしかしたら願いが叶いそうな気もしなくもないが、そういうことはルームサービスでやりましょう。雪のちらついてきそうな曇り空と如月の凍てつく空気に冷たい風が外を眺めながら温かいジャスミンティーを喫し、しばし待つ。

おいでなさいましたのはドドォーン！！と分厚い豚ロースの揚げ物がまるまる１枚乗った鶏がらスープに醤油味の中華そば。薬味のねぎ以外は潔く青菜の油通しのみ。パーコーは「ＯＲＩＧＡＭＩ」のよりも香辛料を利かせ、カレー粉もまとわせたスパイシーなお味。これだけ分厚いパーコーだから揚げ衣は薄目・・・かと思ったらそうでもない。割としっかりと衣がついている（もちろんスーパーの揚げ物のような厚さではない）。なぜかは食べればわかる。すっきりした味のスープをこの衣が吸い込むと、揚げたてとはまた違う複雑な味になりこれがおいしいのだ。もちろん揚げたてのサクサクを頂けばそれも美味。細めの麺との相性もよく、たっぷりの量があるのにするっと入る。

一緒にいただくのは五目チャーハンのハーフサイズ。以前はチャーハンもレギュラーサイズでいただいていたのだから、歳を取ったことを実感（汗）。五目、と言っているがもちろん具材は五種類以上。カニ、エビ、チャーシュー、ハムに野菜と卵。当たり前のことだがパラパラ。だが変に油っぽいこともなく、それぞれの具材の味が飯粒の一つ一つに十分にしみこんでいる。しっかり炒められてぱらぱら、それなのに具材の味の染みた油を吸ってしっとり。個別にどっしりと存在感のある具材が、ご飯と一緒になって一つにまとまる。スープはついていないのだが、パーコー麺のスープがちょうどよい。さりげなく出されるザーサイも、噛みしめるとしみじみ、うまい。

パーコー麺とチャーハン。平日の昼を彩る黄金の組み合わせ。今度は「ＯＲＩＧＡＭＩ」のパーコー麺とハーフサイズのピラフにでもしてみようか。