宮坂の看板をみや、さかなが食べたくなる : 御料理 宮坂

未在で10年修行して東京に戻って開業した宮坂、開業してまだ２年経たないが、東京の和食やさんのベスト４に入る名店と言えよう。東京の和食やはちょっと刺身が弱かったりするが、ここはすばらしい。美味しい魚を食べたくなったらここに行くのがいいだろう。

◆汲み出す香煎茶
◆先付：舞鶴のトリガイ、ごま豆腐
　　　　熊本の車えびのジュレかけ
◆向付：気仙沼鯛、勝浦のまぐろ、くずよせ、岩海苔
◆椀物：淡路の鱧
◆焼物：のどぐろ実山椒ソース
◆新緑の八寸：丸ナス、万願寺唐辛子の和え物
　　　　スーパーフルーツトマト、ホワイトアスパラ
　　　　焼きホタテ
　　　　鯛のちまき
　　　　佐島のたこ
　　　　むらさきうに（はだて）
　　　　稚鮎の揚げ物、インゲンのお浸し
◆炊合：あいなめ、まるなす、万願寺唐辛子
◆強肴：昆布盛の毛蟹、ボタン海老、静岡の金目鯛
◆ご飯：長崎の大穴子、自家製香の物、
　　　　土鍋で炊いた古琵琶湖米をにえばな（アルデンテ）
　　　　から順に柔らかく４杯頂く
　　　　赤だし
◆お薄：そら豆餡のくずもちを添えて
◆水物１：びわのアイス、巨峰、デラウエア、宮崎マンゴー
◆水物２：愛知いちじく、佐藤錦さくらんぼ
◇ビール
◇天明
◇勝駒
◇七本槍

最初のトリガイからご飯のお供のアナゴまで素晴らしい魚と蟹、貝が続く。鯛は気仙沼産、もちろん当日朝締めに拘っている。まぐろも一級品。

もちろん、魚以外もすばらしい。ごま豆腐は他では味わったことのない、弾力というか、ねばりがある。長時間こねることでこのねばりを生むと言う。

出汁は瓢亭と同じくマグロ出汁、めずらしいのだがこれもはまっている機がする。

ご飯は最初、にえばなと言われる状態で出される。まだ芯が強く残るアルデンテ、そこから徐々にほぐれていく。お米の美味しさも東京の和食店でここまでのお店はあまりない。

未在ゆずりで量が多いので最後のフルーツを食べ終わることには御腹が一杯になる。

この感動が映像で伝えられないので是非、実際に行って体感してほしい。

約半年ぶりの訪問、京都未在出身らしく出汁が特筆もので、お造りも美味しい。もちろん素材もいいものを揃えている。黒漆喰の内装もすばらしく接客もいい。まさに欠点がなにもないのが宮坂だ。

12月なので香箱、松葉かに、白子が中心、どれも素材を活かした味付けで出汁以外は塩も醤油も控え目だ。出汁はもちろん昆布出汁が中心、料理に合わせて出汁を変えると言う。

ここは、鰹ぶしだけでなく、マグロぶしも使っているそうだ。確かに言われてみれば風味が違うと感じる。瓢亭のようにマグロぶしだけでなくかつお節使うのがバランスがいいと言われる。

お値段はその日によって違うが大体25000円前後、お酒を入れて3万円ぐらい。この内容ならこの金額で安いぐらいと感じる程、内容はすばらしい

◆くみ出汁のかりん湯
◆れんこんもちの餡かけ
◆真鯛と大トロ
◆煮物椀：津居山の松葉蟹と湯葉蟹しんじょう
◆宮城しらかわのぐじ
◆胡麻豆腐白みそ和え
◆八寸：揚げほたて、白子、うに、鮟肝、かますの寿司
　生からすみ、こかぶ、ばふんうに、汲み上げゆば
◆さわらの藁焼き
◆すぶき、にんじん炊き合せ
◆津居山の蟹にあわび菊菜のお浸し
◆御飯
◆あまおういちご大福
◆しなのほっぺなしのシャーベット
◆ふじりんご、マスカット、巨峰、柿、洋ナシ

未在で石原さんの元、料理の腕をふるわれていた大将、元々は関東出身で東京にお店を出された。マイレビューアーとは何と幼馴染だと言われる。お店は表参道からブランドショップが多いことで有名なみゆき道りをぬけ、根岸美術館の裏側にある。

表参道からみゆき通りを抜け、根津美術館の脇道を下って行く、お店のある地点に着くと白い服を着たお弟子さんが待ち受けていてくれる。

確かに案内されないとお店は判らないかもしれない。１階に写真のライトがあるだけで看板はない。狭い階段を降りてＢ１にいってもドアに何も書いて無くここがお店だとは思えない。

ドアを開けて中に入ると別世界。カウンターは８席だが、広々としている。黒い漆喰で全体を塗られており、幻想的な雰囲気がすばらしい。漆喰は何度も塗られ、磨かれているので表面はなめらかで黒光りがする。ちょっと感動的だ。

料理はお任せだけで25000円ぐらい、その日の食材によって値段も前後するようだ。

◆梅酒
◆先付：貝寄せ：白ばい貝、平貝、青のりと昆布出汁と土佐酢のジュレかけ
◆向附：八幡浜の鯛、北海道噴火湾のマグロ
◆焼物：熊本天草の海鰻
◆あわび
◆焼物：佐島のくじ
◆箸休め：車エビ、ゴールドラッシュ、鰹だしのじゅれ、夏野菜のすり流し
◆八寸：いそつぶ貝、しろいか、しろずいき、もずく、うに、マコガレーのちまき寿司
◆強肴：由良川のあゆの焼き物と揚げ物
◆炊合：賀茂なす、ごまゆずかけ
◆御飯：きゅうりなす、かぶ、赤かぶの漬物とご飯
◆水物：くずじたての茶豆のあんこ
◆フルーツ：グレープフルーツのゼリー、シャインマスカット、巨峰、さくらんぼ
◇シャンパーニュ
◇加賀鳶
◇飛露喜

未在出身の宮坂さん、未在とどれだけ似ているのかと思ったが、京料理の味付けとしては似ているがメニューは全く違う。貝寄のじゅれは、優しい酢が効いており、この暑い時期に心地よい冷菜、味付けも私好み。

お造りは食感重視、朝しめの鯛は噛んだとき弾力感がとてもよい。お椀の出汁は薄味だが、京都のお店のように昆布が全面でるというよりも、全体として控え目ですばらしい。

鰻は一週間の下ごしらえをしている。臭みは全くなくカリッとした表面の中にさっぱりとした脂がとろけだす。鰻好きの私だが、うなぎ専門店よりもこうやって日本料理の名店で出るうなぎの方が美味しいと感じることがおおい。

日本料理店は炊き込みご飯が多いが、ここは白米、松川の御飯も美味しいのだが、ここの御飯もすばらしい。御飯は白米が一番、同席した友人がお腹が一杯という中、３杯もお代わりしてしまった。

盛り付けはどれも美しく、美味しい料理写真を皆さんにお店できないのが残念だ