落ち着いて和食を堪能 : しろう

【再訪　2010.04】
今回はランチのレビュー。
とにかく、米が美味しいです。
ふっくらとして甘味があってとても味のいいご飯。
小鉢に付いてくるちりめんじゃこをそのご飯の上にかけると、もうそれだけで一膳食べられそうな気がします。
ご飯はお代わりすると有料ですが、大盛りは無料。
このご飯なら、迷わず大盛りにしたいところです。

おかずの方もご飯に負けずにいい味出してます。
ある日は、鯖の味噌煮定食（1300円）。
八丁味噌で煮込まれた鯖は、口に入れると脂ののったその身が口の中でとろけるようです。
味噌の塩気と鯖の脂の甘味が口の中で混然一体となって、これはご飯が進んでしまいます。
しかも、この鯖には小さな中骨一本ありません。
丁寧なお仕事ぶりです。

ある日は、銀鱈の西京焼き定食（1800円）。
銀鱈の西京焼きって、時々水っぽいものを出してくる店があったりしますが、この店はそんな失態はありません。
ふっくらほっくりとした銀鱈。
西京味噌の味はそれほど強くなく、銀鱈本来の身の軽さと脂ののりを味のメインに出してくる控えめな西京味噌の加減。
こちらも中骨一本もない丁寧なお仕事。

ランチの値段としてはちょっと高めの設定なので、そうそう毎日食べる訳にはいきませんが、お客さんと一緒のランチなどに利用するなら、ランチといい、店の雰囲気といい、
きっと満足してもらえるのではないかと思います。

少し前までは、ランチにざるそばのセットもあったのですが、昼の蕎麦は今はお休み中とか。
夜なら蕎麦はやってるそうですが、そこらの蕎麦屋よりずっと美味しい蕎麦なのに、ランチになくなってしまったのはちょっと残念ですね。


【最初のレビュー　2009.12】
木造で落ち着いた雰囲気。ゆっくりとした気分で和食が楽しめます。
ここの料理は強烈なインパクトはないのですが、落ち着いた丁寧な作り方。
出汁もしっかり丁寧に取られている印象で、一つ一つが美味しいなぁと感じます。
夜のコースは7000円から。今日の料理をご紹介すると・・・

先付は、京菜花とウドの酢みそ和え。
ほんの少しの苦みのある京菜花、サクッとした歯ごたえのウド。
春を先取りする一品。とんぷりが上に乗っています。
薄味で出汁の味がよく分かる炊き方、あっさり目の酢味噌が素材の味を活かしています。

前菜は、ひめくわい、焼き銀杏、壬生菜とシメジの白和え、やりイカの自家製塩辛。
小さな可愛らしいくわい、味はしっかりくわいの味。これも素材の味がでる薄味。小さくてもホクッとしています。
壬生菜が歯ごたえのある白和え。上品な味です。
塩辛が酒のアテに最高です。ほんのり柚子の香り、塩味は控え目、ワタと煮切った酒かな？ご飯に乗せて食べたいです。

椀物は、カキのしんじょのみぞれ和え。
カキの味がちゃんと残る火加減。
身の締まったカキが入ったしんじょは、カキの旨味をしっかり吸っています。

お造りは、金目鯛とあおりいか。
金目は脂乗ってます。
イカも柔らかい。

揚げものは、京筍、タラの芽、蕗の薹の天ぷら。
春の息吹ですね。でもタラの芽はちと早い気が・・・　栽培ものかもしれないですね
蕗の薹はほろ苦さがいいですね。
筍はサックリとしていいお味です。

煮物は、海老芋。
開いて卵の黄身をつけて揚げた海老が一緒になっています。
海老芋ほっくり、海老はプックリ。

〆は10割蕎麦。
蕎麦の専門店ではないですが、蕎麦屋の蕎麦と比較してもそん色のない出来。
10割でも食べやすい蕎麦。つゆは出汁を強調してやや薄味。でもそばとの相性はいいです。10割蕎麦の強さを出しゃばらずに引き立てているつゆです。
蕎麦湯でつゆを割るとこれまた美味しい。

実は、仕上げの蕎麦の前に、出汁巻き玉子と甘鯛の西京焼きを追加。
出汁巻き玉子は出汁がしっかり効いて、酒のアテにいい味です。
甘鯛は、西京味噌のバランスがいいですね。白身のくせのない味がよく出ています。

デザートは黒豆ババロア。
黒豆と黒豆で作ったババロアに甘さ控えめの豆乳がかかっています。
口直しにいいですね。

久しぶりにゆっくり食事しました。時計を見たら2時間半くらいかけて食事してましたから。
でもそんな時間を感じないくらい、いろいろ楽しめる食事。

料理もちゃんと説明してくれたり、お酒のお代わりもタイミングを見てさっと気づいてくれるなど、スタッフの対応も丁寧でした。
ごちそうさまでした。