胃腸に優しいだけじゃない、全てが優しい鳥ベースのスープは絶品！ : 麺屋 Hulu-lu

外観はお洒落な喫茶店という風情。
中に入ってみると、ラーメン屋さんとは思えないほど、オープンで明るい。
客層が若いアベックか、立教大生と思われる女子学生たちがほとんど。
だから、なおさら店の雰囲気が明るい。
BGMもハワイアンで、池袋の雑踏の中で時間が半分くらいのスピードでゆったり流れているような不思議な空間。
店主の趣味なのだろうが、隅々まで凝っています。
こちらもハワイに１２回行って虜になったので、この雰囲気、よーくわかります。
しかも接客の女性がかなりかわいいし、丁寧！

初めから”塩”にしようと決めていたら、券売機の隣の張り紙には、「初めての方には、人気の”醤油”からお勧めします」
と書いてあったので、プチとボタンを押す指が一瞬、どちらにしようか迷ったのだが、結局、塩にすることにした。

麺は、細麺と平打ち麺が選べるとのことで、平打ち麺を選択。

若い女性が多いということもあって、客の回転率がとても悪い。
この世代は、ラーメンを食べに来ているのか、しゃべくりに来ているのかわからないくらい、
男性客に比べると、食べるスピードが二倍以上ゆっくりしている。
だから先客が３人なのだがかなり待たされることになった。
しかし、テーブルに着席して、あっという間に着丼。

店主は、お客さんの回転率をあげるために（待たせないように）、麺を熱湯に投入するタイミングをかなり工夫しているみたいだ。
だから、あまり待たされなかった。
カイワレ、メンマ、糸唐辛子が麺を覆うくらいいっぱい。
レンゲでかき分けてスープを一口！
一瞬、声を失う。そして、厨房で仕事をしている店主をチラ見！
真っ黒のサーファー焼けの横顔が優しい。

そう、この鶏ガラからできたスープが本当に優しい味なのだ！
都内の塩ラーメンでどこに近いかというと、たぶん、AFURIでしょう。

ちゃんとコクがあるのに、淡麗でさっぱりしているという真逆のベクトルの中心に位置している奇跡の味。
針の穴を通すような相当難しい味のバランスが絶妙に取れている。

淡麗しすぎると飽きてしまうし、コクがありすぎると、しつこすぎて嫌になってしまう。
塩ラーメンは、一瞬で店の味のレベルが見破られる、とてもこわーいラーメンなのだ！
しかし、最後の一滴まで、飲み干してしまいたいスープ！
塩味もほんの少し薄くしているところがちょうど良い。
おかげて最後まで飽きず全部飲み干してしまった。

アメリカで10年以上暮らしたが、アメリカ人のおふくろの味はほぼ90％、チキンベースのスープ。
ハーバード大で、チキンベースのカップヌードルを隣の大学院生のジェフにあげたら、
コロラドの田舎の僕のMomの味だと感激していたが、是非是非、ジェフを日本に呼んで、この店のスープを飲ませてあげたいと思った。
故郷のMomを思い出して、Hulu-luが大洪水になるだろう。
店主は、休みの日にサーフィンに行かなくても、ジェフのMomへの涙で、店内で自由にサーフィンができるでしょう。

それくらい、昔のことを一瞬で思い出してしまうような、アメリカ人に言わせれば
おっかさんの懐かしい優しい味なのだ。

初めは馬鹿にしていたが、若い女性の占有率が高い理由がわかった。
日本では、２０代の若い女性達にベストマッチのスープだと思う。
この点、AFURIの若い女性占有率が高いのと似ている。
彼女たちは、メタボのおっさんが好むドロドロ系のとんこつラーメンやてんこ盛りの二郎系ラーメンなど興味がない。
彼女たちは、スープのとても優しい味わいを求めて、この地に集まってくるのだろう。

時間差で追いかけてくる、柚子のほのかな味が、和のテーストへ我々を深く誘ってくれる。
柚子の量をほんのすこしにしたところも、店主のセンスを感じさせる。
私をスープだけで幸せにしてくれたラーメン。
もちろん麺もスープとの相性抜群でした。

この店の唯一の欠点は回転率が悪いこと。この店、居心地がよすぎるんです。
若い女性は寒いのが大の苦手です。一方、メタボのオヂサンは、エアコン耐性で美味しいものだけが目的なので食べたらすぐ退席します。
がんがん、エアコンをかけて長居をさせないようにしましょう。そうすれば回転率が飛躍的に上がるはず。

券売機に、うどんが主食さんのシールが貼ってあって、やっぱり、やっぱり、みんなで大爆笑しました！

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