女性店主の拘りを感じる店です。 : キッチン風

此の日は、嫁もおいらもOFF日で嫁を同行させランチを頂きに、、、
普通の御家庭にお邪魔する様に、玄関ドアを開けると下駄箱があります。
靴を脱いで右手の部屋へ、、
家庭で言うリビングルーム、間仕切りが外され6帖程の部屋に4人×3卓、2人×2卓のテーブル席。
床はフローリングだが足元が冷えない様にとホットカーペットが各テーブルに敷かれている。
此処は御家族で切り盛りされています。
お母様が配膳と接客、娘さんが調理担当と言う事になる。
そう女性だけで切り盛りされているのだ。
店内見渡せば所々女性らしい心配りが随所に現れている作りとなっているし、
食器、入れ物もそれらしさを感じる事が出来る。
心温まるというのは、まさにこう言う事であろう。

さて、注文だがお母様が如何にも「今日は何にする?」と言った雰囲気で、
さながら、幼少の頃母親との思い出を浮かべてしまう。
おいらは、風御膳(日替わり)、嫁はカキフライ定食(※カキは三陸産のもの)
そして、白飯か玄米のどちらかを選択出来る。
おいらは、玄米、嫁は白飯。
米に関しては玄米は茨城産、白飯は福島産とこれも店主の拘りである。
ご馳走が出来上がるまでビール(大瓶)を飲んで待つ。
驚いたのは、ちゃんと突き出しの小鉢が2皿出て来た事。
最近、食べてきた店でビールを頼んでも大体がそれに対し一皿だったからである。
小鉢はポテトサラダ、手作り感満載の代物だった。
昼時も過ぎたからであろうか? 客も居なくなりそこら辺の定食屋とは異なるなんとも言えない心地良さで、
あっと言う間に時間も経過し、お待ちかねの御馳走の到着である。
配膳される御盆も食器も立派なものではないが、やはり女性ならではの可愛らしいもの。
いやいや、そんな事はどうでもいい。

【嫁が注文したカキフライ定食】

先ず、今回嫁はカキフライを頼んだのだが、注文時、お母様に、
「通常の半分の数しか残ってないので帆立フライを半分で宜しいでしょうか?」
と説明を受けたが勿論それで承諾。
【半チャンラーメン】では例えが悪いが、こういうサプライズは、嬉しいものである。
カキは中々の大ぶりでやはり毎日築地に自ら仕入れているだけ新鮮さを味わえるもの。
これだけのものならもう少しレア状態でも好いかなと思ったりもしたが、
そこいらのカキフライとは雲泥の差。
このレベルのカキで1000円以上とる店はザラだから、、、
帆立フライは網走産のもの。普通サイズでこれも中々。
これに大根の煮物、香の物とが付く。

【おいらが注文した風御膳】

鶏肉とじゃがいもロマネスコのソテー
アッサリとした味付けが好い。鶏肉は若干のパサツキ感は感じられたが、
肉自体の旨味は損なわれていない。
じゃが芋も素材を生かしたいのであろう? 余り火を通していない仕上がりが何とも言えない程、絶妙だった。
そしてロマネスコなる食材、、これは生まれて初めて頂いたと思う。
wikiによれば、アブラナ科に属し、イタリア(ローマ近郊)で16世紀頃、開発されたものらしいが、
カリフラワーをイメージされるといいかも知れない。
食感もよく癖もなく、これ、天麩羅にして食べてみたいとも思った。
今回、提供された胡麻塩ないし天然塩、抹茶塩なんかで頂いたら尚更、堪能出来るのではと、
勝手ながら想像してしまった。
中々興味深い食材との印象を受けた。
　
ほたてのカルパッチョ
自家製の醤油ベースのドレッシング(これがまた美味しい)で拵えたものだが、
水菜と一緒に頂くとサッパリ感があり箸休め的なものなれど、
素材が良いので中々のものだった。
　
カボチャと黒豆の卵焼き
南瓜と黒豆から甘味を補っているのであろう。
玉子自体の素材の主張を調味料の補助あまり受けない様にと店主ならではの狙いであろうか?
毎朝、こんな玉子焼きが出てきたらおいらの仕事もはかどるだろうと思った。
　
ごはん　みそ汁　漬け物
（白米　福島県・玄米　茨城）
実は、おいらは玄米は余り好んで食べない方だった。
しかし此処で頂いてからその考えはなくなったと言っても過言ではない。
自家製の胡麻塩(黒と白が混ざったもの※胡麻は炒ってあります)を振って頂くのだが、
一寸感動モノだった。
味噌汁は、御年賀と言う事で通常250円で提供されている豚汁が此の日は付いた。
具沢山で一つ一つの野菜にシッカリと素材の良さを感じるもの。
人参は皮付きでこれも店主の拘りからなせる業、無農薬野菜ならではである。

果物
【温州ミカン】
そのまま自宅に持ち帰り美味しく頂きました。

【食後の珈琲】
此方の珈琲、専門店さながらの出来栄えだと思います。
熟成した豆を使用しているのですが、
程よい酸味、苦味とブラック派のおいらには大変満足のいく代物でした。
因みに200円ですよ、200円。(400円でも安い位)

総じれば、ごく普通の家庭料理感は拭えないが、兎にも角にも店主の拘りを随所に感じ取れる料理。
こういうお店って有りそうで中々ないのも事実。
しかも庶民感覚で味わえるのが素晴らしい。
帰り際、お母様より「是非一度、夜もいらして下さい」と説明受けたので、
次回、この時季ならではの鍋でも舌鼓しようかと店を出た。

撮影許可はお母様から承諾を快く頂いたのだが、
ブログ等、ネットの掲載許可を頂くのを忘れ、帰宅途中営業時間外、恐れながら電話をいれたら、
娘さんが出られ掲載許可を快く頂いた次第。

此の店、、、おいらの大事な隠れ家として今後も利用させて頂くのは言うまでもない。
昼時は近隣の会社関係の方々が舌鼓打っておられるので、
ゆったりとした雰囲気で堪能されたい方は13:00前後が宜しいかと思われます。