キラリと光る料理もありましたが、基本的に私の肌には合わないお店でしたね : 鳥茂

【夜】[料理・味]3.5*40%+[サービス]3.0*15%+[雰囲気]3.5*10%+[CP]3.0*30%+[酒・ドリンク]4.0*5%=3.30(3.3)


会社関係の慰労会に、どうせなら行ったことのない高評価なお店を…ということで、こちら『鳥茂』をチョイスしました。
宴会型で高評価、こういうお店は食べログではあまり見掛けませんよね(笑)

私の日程を2、3伝えて、あとの仕切りは部下にお任せ。
氷雨のぱらつく生憎の夜、総勢8名でお邪魔しました。
というか、私は出先からタクシーで向かい、みんなと現地で合流したと言った方が正しいですね。

場所は新宿の南口、甲州街道の陸橋を初台側に渡り切ったところ。
一つ目の交差点「西新宿一丁目」を左に曲がってすぐの路地の角になります。
エントランス付近の壁には『鳥茂』の二文字がライトアップされ、妖しく輝いており、期待感が膨らみます。

入口は大きな木製の扉。
その脇によく見掛ける「紀州備長炭」の札とご主人「酒巻政夫」さんの表札。

扉を開けると、大きな声で出迎えを受けます。
いわゆる居酒屋スタイルの掛け声ですね。
正直、ここでちょこっと凹みました(笑)

1階は入って正面がカウンター、右側にテーブル席が。
店舗中央に大きな階段があり、これを折り返して上がると2階へ。
階段部分は大きな吹き抜けとなっていて、天井からは和紙で作られた大きな照明が吊り下げられており、結構いい感じですね。

2階のテーブル席に着席。
18時半には2/3くらい空席でしたが、1時間後には完全に満席。
めちゃくちゃ活気があります。
こちら80席以上もあるデカ箱のようですから、スゴイ人気ですね。

この日は担当幹事が、特選コース（特上焼物6品・お刺身・雑炊）＠6,000円を事前予約したとのこと。
足りないものは遠慮なく追加するよう、最初に幹事に伝えました。

この日もスタートから日本酒。
部下には日本酒以外飲ませない、ホント勝手な社長さんです(笑)
メニューにないものも色々あるとのことなので、担当のスタッフと話しながら基本はおすすめで出してもらいました。
全部はメモり切れてないかも知れませんが、こんな感じを鉄瓶で四合ずついただきました。

　田酒（青森）純米大吟醸 1,800円×4
　石鎚（愛媛）純米吟醸 1,000円×4
　松の寿（栃木）うすにごり 1,000円×4　※ラベルが鳥茂バージョン
　奈良萬（福島）純米 ×4
　奈良萬（福島）ひやおろし ×3　※3合で終わり
　〆張鶴（新潟）純米吟醸 ×４
　正雪（静岡）純米吟醸 1,000円×4

もう少し飲んだ気がするので…笑
幾つか洩れているのでしょうね。

さあ、お料理の方です。
と、その前に…箸が串2本。しかも使用済み（もちろん洗ってはあるのでしょうが）。ちょっと笑えますよねぇ…

　１．お通し　玉ねぎとガツ(豚の胃袋)の和え物

　２．焼物①　豚レバーのレア焼き

　３．焼物②　豚の軟骨入りつくね 牛鶏の合挽き肉

　４．自家製糠漬け　胡瓜 大根

　５．焼物③　上シロ(一枚が豚一頭分の直腸)焼き

　６．豚刺し盛り　脳ミソ レバー ガツ

　　（豚刺しの代替料理　牛ヒレステーキ 　　※苦手なものは最初に聞いてくれます）

　７．焼物④　豚のコメカミのねぎま トリュフ塩とブラックペッパーで

　８．焼物⑤　ピーマンの肉詰め焼き 牛豚鶏の合挽き肉

　９．焼物⑥　黒毛和牛A5ランク サーロインステーキ 塩と山葵で

＜追加＞自家製糠漬け 胡瓜 大根　　※追加でお新香を頼んだら全く同じものでした(笑)

＜追加＞豚の気管 600円×2

＜追加＞豚ののどぶえ 600円　　※二つ頼みましたが一つ分で終わりとのこと

１０．口直しの野菜 オクラ 茗荷 卵黄

１１．〆の豚骨雑炊

＜追加＞冷やしマカロン 600円×８

＜追加＞塩アイス 400円×8　　※途中でレモンを絞ったらチーズケーキ味に…これホント！笑

美味しかったのは、つくね、シロ、ピーマン肉詰め、雑炊の4品。
牛肉はスジ張っていたりして、美味しくありませんでした。
また豚刺しは、「当店のお刺身（生ではありません）は、75度以上で1分以上熱処理の上、冷やしてご提供しております…」とありますが、結構グレーな感じを受けました。

前記の美味しかった焼物3品に共通なのはタレの旨さ。
甘めだけれども決してドロッとしていない。
コク、深み、旨味はしっかり感じられるのに、全然しつこくなく、ある意味あっさりすらしている。
これぞ昭和24年創業、伝統の味なのかも知れませんね。

またつくねには豚の軟骨と牛鶏の合挽き肉を、ピーマン肉詰めには牛豚鶏の合挽き肉を使用しているとのこと。
牛・豚・鶏の部位や配合割合などにも、かなりのこだわりがあるのではないかと推測されます。
珍しく合挽き肉が旨い！と思ったから、です。食感も含めて。

シロというのは独特な部位ですね。
豚の直腸ですが、見た目も食感も牛のホルモンに近い感じです。
でもやわらかく、トロッという食感、そして何よりも脂っぽい感じがするのに脂っぽくない…という不思議な食べ物です。

ただ焼物が冷めて出て来るのには閉口。
混み合っていることもあるのでしょうが、はっきり言って料理の出は最悪に遅い。
スタッフは多いのに、焼き場担当が少ない。誰にでも焼かせるものではないと思いますが、キャパがキャパですからね。
それなのに、出て来た焼物が冷めていると、はっきり言ってかなりショックですね。

またサービス面も、もう少しどうにかならないのか。
気持ち良く挨拶するのはいいのですが、あんなに怒鳴らなくても…と思った方はかなりいると思います。
スタッフの数は多くても仕事ができる人が限られているので、何を頼んでも遅い。料理が出るのも、お会計も…。
こちらで「できるスタッフ」を探して、待って、それでお願いしている始末ですから…笑

その上、椅子が座りにくくて、尻が痛い！

そんな私が一番文句を言いたいのは、『鳥茂』なのに豚なこと。

食べログのトップにも「創業は昭和24年で、その頃の焼鳥といえば豚モツが一般的でした。」と書いてありますが、昭和24年がどうだったかは知りませんが今は平成26年。
鳥と豚は全くの別物ですし、焼鳥店（もちろん鶏を提供するお店）の多くに「鳥」もしくは「鶏」が付いていることを鑑みても、いくら固有名詞的な「店名」と言っても、一般消費者に誤解を与えかねない表記だと言わざるを得ません。

鳥料理や一般的な焼鳥もあればまだしもですが、ないですからね。
ここは焼トン屋です。

そんなこんなで8名で10万円オーバー。
たくさん飲んだので、安くはありませんがこんなものでしょう。

キラリと光る料理もありましたが、基本的に私の肌には合わないお店でしたね。