宴会よりも個人向きのビールを楽しむお店 : 銀座ライオン 恵比寿ガーデンプレイスグラススクエア店

恵比寿ガーデンプレイス内にあるビアホールです。

宴会での利用でした。平日ですが、８月で暑いせいもあってか店内はなかなかの盛況ぶりです。みなさんビールを欲しているようですね。
宴会というものは、やはり個室が落ち着きます。ということで、個室をお願いしました。空間は完全に区切られていますが、一般席との間はガラスなので、丸見えです。音が漏れないが、店員さんも捕まえやすいですね。接待などで使う店ではないでしょうから、お店のグレードに合った個室かもしれません。

店員さんの制服はレトロ調で、店内には古いビアホールの写真も掲げられていて、雰囲気づくりは頑張っていますね。

いただいたのは、
■夏の限定特別プラン（４，５００円）
お店がおすすめの宴会プランでした。写真については、しめの冷やしラーメン以外は、すべて４人前の盛り付けの量です。

・前菜３品盛り合せ（ビンチョウマグロのタタキ、マグロの生ハム、マグロのタルタル）
マグロの生ハムは、軽い燻製ですが、刺身用のマグロを加熱する理由が見当たらない点をきにしなければなかなかの出来です。
マグロのタルタルは、いわゆる「ネギトロ」ですね。トロではないですし、ネギも入っていないので、有名レビュアーの言葉を借りれば、「たたき身」です。バゲットにつけて食べるので、ブルスケッタ的な感じになりますが、鮮魚な感じがしないので、パンとの相性は良いです。
ビンチョウマグロのタタキは、マグロ３種盛りにしたいがための数合わせといったところでしょうか？ビンチョウは冷凍ものが安定的に供給されるので、お店としては宴会料理に使いたい食材です。

・すずきのカルパッチョ
梅ソースのカルパッチョです。見た目もピンク色で美しいです。梅は梅肉ではなく、梅エキスを使っているようで白身魚に合うレベルの酸味です。食欲の落ちる夏場の料理として、これは、なかなかいい料理ですね。
メニューでは２品目に書かれていますが、配膳しやすい料理だったようで、こちらが最初に出てきました。最初にこういうバランスのいい料理が出ると次を期待してしまいます。

・夏野菜と鶏肉の黒酢炒め
酢豚の鶏肉バージョンです。たまに「酢鶏」と呼ばれている料理ですね。中華ジャンルの料理ですが、なぜかこのお店での完成度が高い。ビアホールの中華としては、ハイレベルであることを中華料理マニアの私が太鼓判を押します。
上質となるポイントとしては、フライドチキンなどの揚げ物料理が多いので、ベースの唐揚げの質が高いことがいえます。また、味付けの決め手となる黒酢ですが、酢の量が少なく、カラメルっぽい甘味があります。本格的に黒酢を効かせて仕上げると、酢の個性や量や炒め加減によってバランスを崩しかねないリスクを負いますが、酢の量が少ないことで安定した、甘味と酸味のバランスを得ることができていますね。

・穴子のフリットサラダ
酢鶏でなかなかお腹も満足したところで、の穴子の揚げ物の登場です。フリットと名乗っていますが、ほぼ天ぷらです。タルタルソース的なものも付いていますが、上にかかる褐色の甘みのあるソースもあって、そのまま食べると穴子天ですね。ソースがツメ（寿司の甘タレ）に感じます。
サラダでもあるのですが、野菜の量は少なく、また、前菜などで使われていた野菜とかぶっているので、いつでも三つ葉を食べている印象が残りました。

・サーロインステーキ
前の２品が揚げ物続きのところでのとどめのサーロインステーキです。この頃になると、お腹がいっぱいです。付け合せのフライドポテトを軽くつまむ程度になってきますね。
肝心のステーキは、脂身も旨いなかなかの肉質です。１枚を４人でシェアするので、カット済みです。
さすが、こういう料理は、ビアホールらしい質でしょう。

・茄子の挽き肉のパングラタン
主食は、独創的なパンを使ったグラタンです。取り分けしづらい料理ですが、ミニトマトが焼かれて味が凝集していい感じになっています。ここまでくると、味見程度にしか食べられません。

・冷やしラーメン
最後の料理は、なぜか冷やしラーメンです。家庭料理水準の味わいですが、ここまで、さんざんお腹がいっぱいと言っていたのに、これがするりと入ります。

・飲み放題
サッポロ生ビール、ヱビス生ビール、ヱビスプレミアムブラック、ハーフ＆ハーフ、ハウスワイン（赤、白）、パンチレモンサワー、緑茶割、グレープフルーツサワー、ウーロン茶割、芋焼酎「からり芋」、麦焼酎「和ら麦」、ジントニック、ジンライム、モスコミュール、スクリュードライバー、カシスソーダ、カシスオレンジ、カシスウーロン、スコッチハイボール、バーボンハイボール、日本酒（燗、冷）、梅酒「白加賀」、オレンジジュース、グレープフルーツジュース、コカ・コーラ、ジンジャーエール、ウーロン茶、プレミアムアルコールフリーが飲み放題です。
さすが、ビアホールだけあって、ビールが充実です。また、地味なところですが、ウィスキーがバーボンとスコッチと選べます。こだわりがある人も納得の構成です。
ビール用のグラスは写真のサイズのタンブラーのみです。大酒家の人なら、ビールもひと口の量です。
ジョッキなり、ビール用のグラスなりを借りようと思いましたが無いとのこと。別途料金が発生してもいいからとお願いしたのですが、どうやら、この日はお店全体が混雑しており、一般席のお客さんでグラスが不足しており、宴会客はタンブラーで通してほしいとのことでした。
宴席の出席者は若者が多く、ビールで通す人が少なかったので問題無かったですが、ビール好きの人が多い宴会だったら、どうするのだろうかと私は疑問に思います。


料理は、節操がない構成であるものの価格と勘案するとなかなかいい出来だと思います。強いて言えば、ボリュームがあるので、最後の冷やしラーメンをやめて、デザートを付けると女性が喜ぶ構成になると思います。
飲み放題にヱビスが入っている点は良く、飲み物メニューも豊富である点は評価できますが、ビールが主役のお店でビールをガブ飲みできないリスクは大きいと思います。
宴会よりも、個人での利用で、１軒目で行って、ビールとソーセージぐらいで恵比寿でヱビスを飲むという雰囲気だけを満喫するのがいいのではないでしょうか？