マエストロ・バリスタに見とれます : 茶亭 羽當

～２回目訪問～

　大雨です。
東京が冠水するのをニュースではよく見るけど、実感。
普通の道路がすでにけっこうジャブジャブですな。(；´Д｀)
１か月ぶりの東京。
今日は用事を済ませたらまっすぐ帰ろう。
どこも寄り道なんかしないぞ。(-_-)
なんて誓いながら羽冨のメニューをチェック。
いやほら、原則一期一会で終了のわたしが再訪問するって、よっぽど気に入ってるらしいし、前回寝ててフィルターかかってるかもだから冷静な判断で見ようとしてだね。(´∀｀；A

店内には、外の雨と打って変わって賑やか。
今日は昭和モダンボーイさんはお休みのようで、バリスタもセンターポジションは別の人。
この３人に格付けってあるんだろうか。
それともなんとなく真ん中取った人が勝ちの、椅子取りゲームポジションなのかな。
今日は頭がクリアなぶんだけ、どーでも良いことが気になる。
ヤバイ、今日は採点厳しいかも。(；・∀・)
ブレンドを飲まなきゃなーと思いつつ、どーしてもここの生クリームの誘惑に勝てなくてカプチーノとかぼちゃプリンを注文。
忘れないうちに調べなきゃいけないことがあってタブレットを出すけど、電波が届いてない。
ナンダトーゥ！！щ(`Д´щ;)
ここ、地上だぞーぅ。
でも羽冨だからありえるなぁ・・・。
実は店員もお客も幽霊だったとしても、なんとなく「あ、そうなの？」と認めてしまう雰囲気が、このお店にはあるんです。

もだえて諦めた頃にカプチーノとかぼちゃプリンが到着。
あふぁぁ。。。(人´∀｀)
生クリーム on the カプチーノwww
スプーン代わりのシナモンスティックにクリームを乗っけて舐めつくしたいww
さっそく一口。
やっぱ、うまあああーーーーーー！Ｏ(≧∇≦)Ｏ
やっぱりね、やっぱりねー♪
甘味を含んだ濃厚なコーヒーに生クリームの脂肪が絶妙に絡んできて、ああ、生クリームを掬いたい、でも掬うとバランスが崩れる、でも合わせて飲むとやっぱり生クリームを掬いたくなる、早くしないと溶けちゃう～という悶絶を繰り返してるうちに一気飲みしちゃえる。
『２杯目はどれも５００円です。』のメニュー表示は、このカプチーノにこそあてはまるんじゃないかしら。
今日は時間がなくて２杯目は無理だし、カップから未練たらたらの唇を剥がして、かぼちゃプリンへと移りましょう。
わたしはプリンも野菜を濾したケーキ類も苦手なのに、この超合体作のかぼちゃプリンをどうして頼んだか。
それは、羽冨マジック。
たぶん、なにか私を納得させる理由があるからなのね、と自分でも不思議に思いつつ、一口。
Oh-uuch!!━━(ﾟДﾟ;)━━━
こ、これは・・・・！
かぼちゃだ。(_-_)
だって、ほかにどう表現すれば。
わたしの感覚でいう、プリンではないです。
かぼちゃのすり身にあいさつ程度に卵と牛乳で固めました的な、本体だけならだし醤油かけても食べられそうなくらい。
「俺はかぼちゃじゃねえ、南瓜だー！（一緒だけど）」という主張が聞こえてくるほど、かぼちゃ独特の香りや含味があって、かなり野菜主張、高し。
でもプリンプリンしてないから、わたしでも食べやすい。
かろうじてこれはプリンと言い張ってる生クリームやカラメルソースに絡めて食べるとさらに美味。

食べながらも、今日もやっぱりバリスタ観劇。
皆さん、基本動作は同じだけど、微妙なタイミングとか速さに個性が出てて面白い。
こうなるとモダンボーイが絶賛気になるので、３回目の訪問も止む無しになっちゃうのか。
まだシフォンケーキ食べてないし、肝心のブレンド飲んでないし、久しぶりに紅茶のスーチョンも飲みたいし、クロックムッシュも果汁も気にかかる。
果汁って・・・今どきそんな表現アリ？（;^_^A``

どうせジュースだろと思っても、もしかしたら何か違う？と思わせる喫茶店。
自分の見立てにますます確信を持った、２回目の訪問でありました。

リクエスト：
ケーキと生クリームの比率が逆転したシフォンケーキ、もしくは生クリームをモンブラン盛りにしてクッキーかなにかにつけながらモリモリ食べたいです。<(__)>


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～初回訪問～

　せっかく東京に来たのに、酔い止め薬のせいでひどい眠気・・・。(o_ _)o.。oOO
まともにカフェ探しもできず、かろうじて見つけたカフェへのたった10分の距離さえキツイ。
これじゃあコーヒー飲む前に寝てしまうー。(ﾉД`)
カラオケボックスの￥100/1時間の誘惑にめげそうになってると、曲がり角すぐのところに「珈琲」の看板。
古びた木製で「羽冨」と書かれた文字をどう読んで良いのかわからないけど、とっても小さな店構えから若いオサレなサラリーマンが出てきたり、ベンツを横付けしてシールドの向こうから強面のお兄さんがお店を伺っていたり、何やらタダモノではない雰囲気。
ベンツの存在が別の意味を持つ関西人としては、そっち関連の連絡通路的な？という心配がよぎるけど、それ以上にもう眠いわっ。
よし、れっつごー。

　店に入ると、ちょうど会計をしていたお兄さんと目があい、カウンターへ案内される。
昭和の、人工的にカラーをつけたファッション雑誌から出てきたようなお兄さんのモダンボーイな風貌だけで、ベンツが横付けする意味がちょっとわかった。

すごい店入っちゃったかも～♪　ヾ( ﾟ∀ﾟ)ﾉﾞ　コーヒー1杯5,000円とかだったらどうしよう～っ(ﾟДﾟυ≡υﾟДﾟ)

払うのは良いけど、同じような料金で東京に来た私としては、あと幾らか足せば新幹線乗れちゃうじゃんな勢いなんで、いちおう覚悟をね。(ﾉ∀`)

　カウンターの真ん中に座して、メインのバリスタらしき人の寄せてくれたメニューを眺める。
眠くてなに書いてるのかぜんぜん頭に入ってこない・・・。(￣□ヾ) zzz
右から左へ視線を流して、「オー・レ・グラッセ」という文字に目が留まる。
よし、聞いたことないからコレで。
迷った時はけもの道。わたしの鉄則。
900円なら、美味しいコーヒー屋さんとしては平均なので、安心してケーキも食べちゃえ。
シフォンケーキが食べたいけど、プレーンがないかあ…じゃあチーズケーキで。
せっかく良いお店っぽいので、強烈な眠気、お願いだから飛んでいってと呪文を唱えながら店内を拝見。

　入口の小ささからは予想できないほど、奥に長細い造りで、カウンターとテーブル合わせると３０～４０人ぐらいは入れるかな。
店奥には６～８人座れる大テーブルもあり、中央に花がドーンと飾られているにも関わらずその雰囲気はひっそりという感じ。
カウンターテーブルは１０ｃｍぐらい厚みのある一枚板がこれまたドーン、カップ＆ソーサーを設えた壁付けシェルフも同じ材料でドドーン、なのにその雰囲気はしっくりと店に馴染みきってる。
重厚7割、エレガント2割に、後ろで賑やかにしゃべる常連らしき年配方が店の「スゴイ」雰囲気を良い感じに砕いてフランクに仕上げてくれていて、居心地抜群。
コレクションと伺われるカップ＆ソーサーはどれも１組づつで、バリスタのセンスでカップを選び、それぞれのお客さんにきちんと指定して渡すこだわりを見せている。
このカップ、大小とりどりあって不公平が出そうなのに、いざコーヒーを注ぐとぴったり同じ量に入ってるのが不思議だった。

　バリスタさんの無駄のない流麗な動作に見とれてると、氷水で冷やしたワイングラスにシロップを注ぎ、なみなみと牛乳を注いでいる。
この時点でピンときたわたしはもう一度「オー・レ・グラッセ」の意味を考える。
さっき、あまりに眠くて適当に頼んだけど、よく考えたら「レ」て牛乳じゃん。
わたし、牛乳飲めねえじゃんん(ﾟωﾟ;A)
もう、そりゃもう、300㏄近く注ぐもんだから、とりあえず「ストップ！！」て言いたくて仕方ない。
おわった。orz
「au lait」をフラメンコの「ole!!」とでも不思議変換したか。。。
しかもチーズケーキも、ベイクドじゃなくてレア頼んでるし。
痛い。イタすぎる。
牛乳と乳臭いレアチーズとか、倒れそう。
よく見たらシフォンケーキにシナモンあるじゃん。シナモン好きじゃん。おーいいいい...　；∀；)
注文変更なんてもう無理だし、どうやって我慢して飲もうか考えてると、直角に曲がったスプーンへ慎重にアイスコーヒーを注いでいくバリスタ。
シロップが入って比重差ができた牛乳の上に綺麗にダークブラウンの層を作るコーヒー。
これを見てわたしが２倍にも３倍にも感動したのは言うまでもなく。
よかった。普通のカフェオレだった…。
これなら混ぜてなんとか飲める。(;つД｀)
作られたグラッセを一度冷蔵庫で冷やすこだわりを見せてから、私のもとに運ばれたグラスは、でもストローがない。

（「・・・・・｡゜:(つд⊂):゜」）

わかってるんですよ。
ストローなしで飲めってことは。
でも牛乳：コーヒーの比率が８：２ってのは、すなわちコーヒーが先に無くなるってことを予言してるようなもんなんで。
見つめてても沈んでくれないコーヒーに諦めて、多少違和感を感じながらワインを飲むような動作でコーヒーを一口。

うまあああああああああっっっ━━━━━━ヽ(ﾟДﾟ)ﾉ━━━━━━ !!!!!

なにこのコーヒー？！
めっちゃうまっっ！！
口の中で一気に風味が広がったと思ったら、後味はむしろ甘く、変な酸味やエグさもないし、うひゃーーww
この一口で５００円払うわっ。
最初はうっかりコーヒーだけ入っちゃったので余計に印象が強く残ったんだけど、めっちゃ美味しいぃいい♪
心配だった牛乳層は、このグラッセ自体に飲み方のコツがあって、コーヒー層の下から徐々に牛乳が入ってくるのでそれを上手にコントロールしていけば、飲み干すまでコーヒー層も残せる理論のもとに作られている。
わたしはとにかく牛乳を先に片づけたかったので、牛乳層に意識を向けて飲んだのが正解だったらしく、最後までコーヒーが残る比率を守ってなんとか飲めた。
レアチーズケーキも結構質感があって、あっさり風味のブルーベリーソースと生クリームのコンビデコレーション。
ブルーベリーのほうが好きだろうなと思いきや、意外にも生クリームとチーズケーキのホワイトコンビのほうが、よりこってりした風味がしてこれまたおいちいいいい♪
ほんとに牛乳嫌いなのかってくらい、生クリームを舐めてたけど、乳臭くないから幾らでも食べれます。

　味覚はコーヒーとケーキに感動しながらも、目はバリスタさんの動きに釘づけになっていたのですが、ほんとに無駄がなく流れるような動作で、でも客の会話やしぐさ、もちろんコーヒーのモコモコと膨らむ豆具合にも神経を向けながらカップの扱いにも余念がなく、結果からいうと私は１時間半、ずーっとバリスタの動作を眺めてた変な客ですが、まるで舞台を見てる観客の気分でした。

　美味しいコーヒー、一流のバリスタの店は多数あるけど、コーヒーを淹れることだけに夢中になられてもしんどいし、高い食器を「壊すなよ」と緊張感バリバリで出されるぐらいならスタバでイイやと思う時もあったり、客をチョイスする傾向の店がめんどくさいと感じたり、それらの店に共通する「自分たちは一流だ」という自己主張を感じさせず、あくまでも喫茶店は客が休憩し、くつろぎにくる場所であることが大前提として捉えてるからこそ、自分たちの見せるこだわりを良い意味での後回しにしながらも、気取りも自慢も見せない中に何かピリっとしたエスプリを感じさせる、これがほんとの一流だよねと頷くコーヒータイムでした。
ここを日本一と言うには私の喫茶経験は足りないけれど、１０年経っても最高のカフェの一つだと言うと思います。