飲食業界の脅威！ : 俺の割烹 銀座本店

有名店に勤めていた一流の料理人を集め、手ごろな値段で、
極上の美食を味わえると最近評判の「俺の○○店」
最初は、フレンチとイタリアンが出現、和食系の店も出店する中、「割烹」に行ってみた。

日曜日の夕方、すぐ近くの「俺のイタリアン」の長蛇の列に比べると、
割烹に列が無く、ラッキー！と意気込み入店するも、満席のため外で並んでくれと言われる。
名前を告げ、呼ばれるまで、外のメニューを眺めつつ、なにを食べるか決めておく。

いざ入店すると、客の賑わいと混雑ぶりがハンパない。
ここは立飲みシステム、オープンキッチンにつらなる長いカウンターと、
２人用の壁寄りには丸テーブル、入口近くのカウンターに案内される。
目の前には、名店に勤めていたというだけあって、立派な職人４人が働いていた。

酒だけで大型メニュー表２つ、極上のワインや銘酒のも揃えている。
コピー用紙のような本日の料理メニューが１枚渡される。
和牛、スッポン、ウニ、フカヒレ・・・高級食材のオンパレード、目移りしてしょうがない。

ここは、高級食材をおもいっきりオーダーし、モト以上取ろうなんて欲深い考えを頭から払拭したい。
ここはバランスよく、高い食材を重視せず、めったに口にできない料理を堪能するべしと誓う。

オーダーは、忙しく動き回っていたシックな装いの女性スタッフへ。
手のひら内で、ピッピッピと電子オーダーシステムは、ファミレスと一緒だ。

まずは、白穂乃香（５８０円）かるく一杯に、和牛すきやき鍋
デカイ土鍋をすき間なく覆うレア煮な肉がド～ン！と山盛り。

歯がいらぬほど柔らかく、口の中で溶ける。あじわいのあるこの美味い肉、すぐに和牛ってわかる。
シラタキと豆腐、白菜は、この大きな和牛の下に隠されていた。濃い割り下の塩梅もグー
出れば出るだけ赤字になりそうなこの一品、９８０円でも安いのに、
なぜか４９９円のプライスダウン、こんなに安くて大丈夫？
この一品で頭と胃袋に火がつき、テンション上々、どうにも止まらな～い！どんどんいこう！

鯖寿司（６８０円）美味いサバってシマ模様が綺麗だからすぐわかる。
目の前に仕込段階のラップにくるまれたサバ寿司を見て即オーダー

２切れの鯖寿司は、ワサビをちょこんとのせ、海苔で挟まれていた。
厚くて、口ざわりシットリ、酢加減もちょうどいいサバ身
料理人によると、店の人気料理で開店してすぐなくなるから今のうちに頼んでおけということだ。

白鹿（兵庫）の超辛をお燗（５００円）に合わせるは、今が旬の蛍イカのぬた（６８０円）
極小のイカに青菜が多め、甘い酢味噌が絡む、なんとも燗酒にピッタリ

鯛の刺身（７８０円）魚介類の目効きは、店の実力を見るのにも生ものに限る。
ただ刺身系の種類は少なく、オコゼかタイどちらにしようか迷い、タイにした。
なんと昆布〆と皮付きの刺身２点盛りとは凝っている。味はモチロン最高

ふかひれと雲丹の茶碗蒸し（８８０円）２点高級食材におされ好物の茶碗蒸しの味も忘れそう・・・
写真見ていただけるとおわかりですが、こんな豪華

磯自慢・純米吟醸（１２０ccグラス８００円）私の大好きな静岡銘酒
こんなに美味い酒を飲んだら、他の銘酒で余韻を消したくありません。２杯おかわり。

カニクリームコロッケ　（４８０円）１人前１つだがビック
フツーよくあるクリーム状ではなく、具材が多くてクリームになっていない。
具材がカニ以外、よくわからないが、風味が鼻まで届き強く、
採算度外視ほどカニ肉を入れているということだけわかる。

万願寺炒め（３８０円）冷製な品、冷たいがゆえコンニャクと鰹節が味が染みて。

店の一押しメニュー、からすみそば（７８０円）でシメ。味つけもツユもないただの日本蕎麦に、
「これでもか！」と削ったカラスミが。カラスミの塩っけで蕎麦食べるみたいな。
カラスミってそんなにウマいもんじゃない。個人的な意見で。

時を忘れ、飲み食いしていたら、閉店でもないのに、ラストオーダーを告げられた。
完全２時間制なのをすっかり忘れていたのだ。客の回転よくしなければ、儲け無し。
こんな美味しい料理を低価格で提供しているのだからここは素直に終了。

老舗が連なる銀座に、あえて低価格で美味い料理店を続々と出店し、
挑戦状を叩きつけた「俺の」グループの社長の狙ってさすがだ。儲けのからくりはわからないけど・・・
予算的に手が届きにくい料理や食材をたくさんの人に知ってもらうという点でもあっぱれ。

消費者としては、あまり食べられない高級料理を安い値段で食べられて、
しかも味も保証となればもう「俺」のとりこ間違いなし。業界を脅かすグループ出現に他店は焦っているはず。