半年ぶりに伺ったら、いろいろな点が変化していた（いい方向に）。 : 自家製麺 伊藤 銀座店

【２０１６年６月ランチ往訪】
　半年ぶり。足が遠のいていたのは、総合的な居心地の良くなさ、というかホスピタリティのなさだった気が。ラーメン屋とはいえ、やはり食べ物の評価だけじゃない。

　で、この日、通りがかりに思いついてランチに立ち寄った。いろいろな点で小さな、しかし明らかな変化が感じられた。

　まずは階段を下りた月当たりのガラス面に、かわいいカラーのテープと写真で作られたメニュー紹介コーナー（写真参照）が。こんな、女性らしい雰囲気はいままで皆無だった。悪く言えばラーメンさえ旨けりゃいいだろ的な、ストイック過ぎる空気感があった気がするのだが、メニュー紹介だけでなく、中に入ると券売機にも女性的な配慮が。以前は確か「小」ってなかったような。すべてのメニューで「小」が選べる。しかもメニューの補足説明が書いてあって、とても選びやすくなっている。僕は肉そばの小を注文。７５０円。これまでは普通盛り８５０円が僕的な最低価格だった。しかも、結果としては「小」でも結構十分な麺の量なのだ。僕にとっては実質的に１００円の値下げ。

　席に着くとここにも変化が。カウンター前に、紙のエプロンご希望の方は遠慮なく言ってください的な貼り紙が。

　いただいてみると、スープはこれまで通り、煮干の濃厚な香りだが、スープの温度が以前より高く感じられ、美味しい。温度が高いと煮干の臭みは感じられにくくなっている気がする。麺は相変わらず手打ちのコリコリというほどの素晴らしい食感で、美味しい。肉も味がマイルドになった気がして美味しい。

　というわけで、経緯も真実も知らないものの、全くの推測だが、あまりにマニアックな存在になりつつあった店、ディープなおっさんファンしか来なくなりつつあった店の状況を、ご主人の奥様？（この日、ホールを仕切っていた方？）が心配し、客目線、特にほぼ見かけたことのなかった女性客にも来て欲しいという想いのもとに、改革を断行したのではないか。事実、ホールを仕切られていた女性はとても丁寧かつ明るく客を迎えてくれて、以前とはかなり異なる印象の店になった。

　Evolution, not revolution. そんな、伊藤の変化を感じたこの日のランチ。サービスが3.0から3.5へ。料理・味は3.5から3.7へ。CPは3.3から3.4へ。総合点は3.5から3.7へ見直しました。

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【２０１５年２月ランチ往訪】
　これも先月ですが。二度目。前回は中華そばだったが、王子神谷にない「比内地鶏そば」を試してみたくなり、立ち寄った。強い煮干し臭の中華そばとはかなり異なる味と香りをイメージして行ったが、結果としては比内地鶏の風味はあるものの、こちらにも煮干しがかなり混じっていて、それが勝ってしまっている気がしたのは気のせい？それとも、なんかの間違い？それとも、これで正しいのか？ちょっとキツネにつままれた感あり。これはもう一度試してみるしかないか。。。今回は採点は留保。

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　秋田・角館の伊藤を知ってから、王子のビブグルマン伊藤を知り、そしてさらに銀座にもあることがわかり、行ってみた。こちらもビブグルマンだそうで。こちらは、王子神谷の店の店主（角館の弟さん？？）の息子さん？？がやっていると何かで見た。

　銀座6丁目の裏通りの古めかしい飲食店ビルの地下にある。前の店舗の居抜きをベースに気持ち手を入れた感じ。
他二店と決定的に異なるのは、中華そば以外に、比内地鶏ラーメンというメニューがあること。比内地鶏は後日に譲り、まずは基本の中華そばを注文。肉そば中盛りを。

　スープを少し飲んで、他二店と少し違う印象を受けた。一言でいうなら、煮干しが濃い。または、煮干し以外の混ぜ物が少ない感じ？当店のは、煮干しと他の魚粉的な香りが支配的。かたや他の二店はそれぞれ違いはあるものの、煮干し以外に鶏ガラというか比内地鶏？のガラスープの香りが少なからず感じられた。何故こういう違いがあるのかを考えてみると、こちらのメニューにある比内地鶏そばにヒントがありそう。

　要するに、当店では、比内地鶏そばと中華そばの違いを明確にするため、中華そばのスープには比内地鶏スープの添加量を極小にしているのではないだろうか。一方、スープ一種で商売している二店は、比内地鶏スープをある程度の量加えることで、煮干しの香りを強く残しながらもまろやかで煮干しの臭みを抑えた１種類のスープを提供しているのではないかと想像できるが、どうだろう？
　
　いただいた印象としては、正直、自分としては煮干しと塩気が強すぎて、リピートするにはややつらいかな、という印象。麺は、あの角館の店の孤高の硬麺を彷彿させる素晴らしい細麺。肉は角館の素朴さと王子神谷の洗練の中間的な印象。私なりの総合点というかリピートしたい順位としては、　王子神谷＞角館＞銀座、ということになろうか。

　とはいえ、まだ比内地鶏をいただいてないので、それをいただいてから最終判断としたい。とはいえ、秋田のあんな小さなローカル店を、一気にこんな自然体で都内に２店舗も展開し、２店舗ともビブグルマンいただいてしまう才覚はあっぱれと思われる。