季節感を最も感じられる割烹でしょうか。。。 : 栞庵 やましろ

【夜】[料理・味]5.0*40%+[サービス]4.0*15%+[雰囲気]4.5*10%+[CP]4.0*30%+[酒・ドリンク]3.5*5%=4.43(4.4)


■2015.8.3x再訪

季節の変わり目とは言え、まだまだ暑い日が続きます。
この日は鱧、鮎、松茸、選りすぐりの茸、〆は玉蜀黍のご飯。
肉なんか一切れもなくても、全く物足りなくもないし、飽きることもありません。

割と直前に電話して予約を受けてもらいましたが、当日は何と私たちカップル二人きり。
もしかしたら元々お休みを予定していたのかも、、、山城さん、ありがとうございます。


　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇


■2015.4.3x再訪

どこまでも山菜。
見たことも聞いたこともない山菜が次から次へと。。。
山城さんに色々教えてもらいながら、思いっきり春を堪能！
〆は筍ご飯と天然鰻。旨し！


　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇　　◇


以前よりチェックしていた『栞庵 やましろ』に、やっとお邪魔しました。
銀座コアビルのすぐ裏、銀座あずま通り沿いのビルの地下にあります。
有名寿司店『さわ田』（食べログ4.28点）の入っているビルです。

私は若かりし頃、こちらのビルからすぐ側に事務所があったので、銀座の中でもとりわけ懐かしい場所です。
数軒先の『トリコロール 本店』では、毎朝のようにモーニングコーヒーを飲んだものです。
この日もちゃんと営業していました。嬉しいですね。
とはいえ、松坂屋も四丁目交差点角の日産ギャラリーも取り壊され、周りの雰囲気は随分と変わりましたが…。

階段を下り、暖簾の先の扉を開けて店内へ。
私が行ったことのある和食店の中でも一二を争う小ささにまず驚かされます。
L字カウンターに6席。
予約状況で6～8席くらいの幅で変動するそうですが、この日の6席は隣との間隔もちょうど良かったですね。

ご主人の山城さんは、見た目通りの沖縄出身(笑)
まだまだお若い34歳とのことですが、最近日本料理の世界は、この世代の活躍が特に目に付きますね。

中学卒業後、料理の世界へ。
沖縄と正反対の北海道にもいたそうですが、京都花背の名料亭・旅館『美山荘』（食べログ4.19点）で主に修業されたとのこと。
銀座の三越が改装した4年前に『美山荘』がレストランフロアに『石楠花』を出店し、そこのオープニングを任され上京したようです。

その後、縁あって独立し、銀座8丁目に店を構え、昨年現在の場所に移転されたそうです。

厨房は完全にご主人一人で仕切られており、未来の奥様がホールを。
別の世界から入ってきたのでまだまだ不慣れなんです…なんてコトを言っていましたが、何をおっしゃるうさぎさん、もう立派に女将然としていましたよ(笑)
カウンターが小さいので、おのずとカウンター内のスペースも狭いため、ご主人が暖簾の先の裏厨房で作業していることが多いのは少し残念です。

ちなみに3～4週間前に電話で予約。
料理はおまかせコースのみとのことで、特に金額の話しもありませんでした。
小さなお店なので、その日の仕入れ食材に応じて多少の幅で変動があるのかも知れませんね。

この日のコースは下記の通り。
食材的にも完全に ”秋色” に染まっていて、嬉しい限りです。

　１．岩手産 天然キノコ香茸（コウタケ）と菊花・菊菜のおひたし

　２．芋の葉に盛り付けられた八寸 ずいき 利平栗 南瓜 銀杏 むかご ばちこ 黒豆 さつまいもの団子

　３．小吸物 すっぽん

　４．お造り 福岡玄界灘産 アコウ（アズキハタ） 唐津産 赤ウニ すだち 醤油 藻塩

　５．お椀 岩手産 開き松茸 鱧

　６．焼き物 アマダイ 信州産 つぼみ松茸 なます

　７．炊合せの代わりに ホウキタケ いくち茸 里芋 大根 加賀蓮根ボール（すりおろして揚げたもの）などのキノコ汁

　８．お食事 松茸と鯛の土鍋炊きご飯 赤出汁 香の物 茄子 胡瓜 蕪 昆布

　９．水菓子 洋梨 次郎柿 シャインマスカット

この日はなんと言っても「松茸づくし」ですね。
あの香りと食感、そして噛んで食感を楽しんでいる時の鼻に抜けるあの香り…。
幸せですね。連れの彼女も幸せだって、言ってました(笑)
しかもご主人、岩手産の「開き」と信州産の「つぼみ」を料理によって使い分けますからね。

あとは、一品目のおひたしが上品に出汁の効いた薄味で好みでした。
最初にグイッと引き込まれた感じで、またこの日の料理の方向性が見えた感じで、ワクワク感が増幅しましたね。
あとで見せてもらいました（写真あり）が、岩手産の「香茸」も良かったです。

また八寸にあった利平栗やお造りの玄界灘産のアコウ（アズキハタ）などは、いいものいい食材を良く知ってらっしゃるなと素直に脱帽です。
更にはキノコ汁の具材にあった「加賀蓮根をすりおろして揚げたもの」なんか、お椀に入れる小さな揚ボール一つのために丁寧な仕事をしていることが十分に伝わってくる逸品でしたね。

全体的には、さすが京都の名店での修業が長かっただけあって「出汁」が美味しく、いろいろとこだわって使い分けされているように感じます。
ご主人は、修業先にとらわれず独自に良いものにチャレンジしたいとおっしゃっていましたが…。
でも私的には久しぶりに薄味の出汁、薄味の料理（香の物を除く）で、しっかりと素材を引き立たせ、香りや味の余韻を楽しませてもらったと喜んでいます。

梅酒とノンアルコールビールをそれぞれ2～3杯で、お会計の方は47,000円。
サービス料10％と消費税を勘案すると、コースは＠17,000～18,000円くらいになるでしょうか。
お会計も良心的、また是非お邪魔したいお店が増えたことだけは間違いありません。

尚、予約が入ればランチも営業するとのことでした。

外はすっかり秋の風。
松茸づくしのあとも、幸せな秋の夜長はまだまだ続きます。
とりあえず『ネ プラス ウルトラ 銀座』で2、3杯飲みながら葉巻でも吹かして愛を語り合いましょうか(笑)