西伊豆の魚屋さんが経営する干物屋の中にある食堂…【海産屋】 : 海産亭

この日は、宇久須港の宇久須キャンプ場（今はシーズンオフ）の近くに以前から気になっていた干物屋さんがあったので、
件の磯釣りの後、土肥から国道１３６号を南下。宇久須(ｳｸﾞｽ)方面に向かいました。

くねくねしたアップダウンの激しい峠道を下って行くと、海が臨める坂道の途中。
社長さんの似顔絵が描かれた、インパクトの強い黄色の大きな看板が目を引きます。
ここが今日の目的地【海産屋】。

駐車場にはオリジナルの自動干物乾燥マシーンとでも言うべき機械で、秋刀魚の干物がクルクル回っています。

店の軒先で、焼き立ての干物の試食を振舞っています。
『鯵』を頂きましたが…生臭くなく脂が乗っていて、美味しい！

店内に入ると、干物や塩辛を販売している一角を間仕切って小さな食事処がありました。
張り出されたメニューが価格が非常にリーズナブルで、食事写真が豪華で…。

二人でメニューを見入っていると、看板似顔絵そっくりの…社長さんが声を掛けて来ます。
「トロ金目脂が乗っていて、旨いよ！干物定食は目の前で七輪で焼くんだよ。旨いよ！」
気が向いたら干物だけ購入して行こうかという気で来て見たのですが、急遽干物売り場内に併設された食事処で昼食を頂く事に。

見事、釣られてしまいました（笑）。


《本日のオーダー》


【干物定食　１０５０円】…
干物は、５種類の中から好きな２枚を選べます。
今日は『エボダイ』『金目』の２種をチョイス。

先に、お通しとも言える生海苔の入った酢醤油のところてんが運ばれてきます。
コリコリした食感がいかにも自家製という感じで美味しいです。

テーブルにセットされたガス式の七輪で、干物を焼いていきます…が、冷凍なんです。
解凍しないままで干物を焼くのは初めてなので、焼き加減が良く判りませんがとりあえず焼いてみます。
「身のほうから焼いて。」と言われたので、身の方を先に炙り、トングで返して皮の方を焼きます。
暫くすると、ジュクジュクと脂が身のほうに滴って来て、香ばしい匂いが当たり一面に広がります。

不思議な事に、全然魚を焼いている匂いではなく「焼き栗」とか、そういった感じの香ばしい香りです。

しかし魚が焼けてきても冷凍の干物が乗ってきた冷たい皿しかなかったので、火を消して七輪でそのまま頂くことにします。
「箸下さい、箸！」
箸を頂いて、熱々の干物を頬張ります。…美味しい！！

…私達が、せっかちなのでしょうね。

店員さんがサラダとかアオサのお味噌汁とか乗ったお盆を運んで来た時には、干物を食べ初めていました。

だって、この匂い、待てって言う方が無理でしょう。
箸休めの「自家製ネギ味噌のイカの塩辛」は、あまり塩辛は好きではない私でもペッロっと頂けました。
ピリ辛のネギ味噌が白飯によく合う！


【釜飯定食　１０５０円　※さざえ】…
金目かサザエの釜飯が選べますが、金目は今回残念ながら無し。

サザエの釜飯…コリコリ食感のサザエ、ホンシメジが入った釜飯はサザエの旨味が出ていて美味。
ワタも入っていて少し苦味がありますが、それからもいい出汁が出ています。
テーブルでミニ釜のコンロに火をつけて約２０分、炊き立てを頂きます。

小鉢には、干物定食と同じようにサラダや塩辛などが付きます。
１０５０円の釜飯定食とは思えない内容です。


１１時頃席に着いた時は、私達が初めの客で誰も居なかったのですが、気が付くと１２時前には小さな店内は満席！
他の方が頼んだ、「刺身定食￥１８９０」や、散々迷った「トロ金目の煮付け定食￥２１００」も、見ると非常に美味しそう。

予め申しておきますと、此方ではお店に「ホスピタリティ」は求めないで下さい。
漁師の女将さんたちがやって居る様な雰囲気の（サービス業としては素人の）店ですので…。

しかし味は、魚屋さんが経営しているだけあって非常に素晴らしいです。
※総合評価★４ですが、雰囲気★３はその為です。


そうそう。
此方の「堂ヶ島の塩」は温泉水と西伊豆沖の綺麗な海水を釜で煮出したオリジナルな塩です。
コレが、塩辛や干物に使われているそうで、角が立っていないまろやかでいい塩梅の味に仕上がっています。

海が荒れていたり、漁に出れない時などは提供出来ない料理もあるそうで早めに店を閉めてしまう場合もあるそうですよ。
来る度に、その時の旬の鮮度の良い物が味わえるお店の様です。
　　　　　ヾ(=ﾟ･ﾟ=)ﾉﾆｬﾝ♪