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店名 |
うなぎ藤田(ふじた)
|
---|---|
ジャンル | うなぎ |
予約・ お問い合わせ |
053-438-1515 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
浜松西インターから車で10分 上島駅から2,091m |
営業時間 |
|
予算 |
¥4,000~¥4,999 ¥4,000~¥4,999 |
予算(口コミ集計) |
¥4,000~¥4,999
¥6,000~¥7,999
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) 電子マネー不可 QRコード決済不可 |
席数 |
148席 |
---|---|
個室 |
有 (2人可、4人可、6人可、8人可、10~20人可、20~30人可、30人以上可) |
貸切 |
不可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
有 大型バス駐車可 |
空間・設備 | カウンター席あり、座敷あり |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 一軒家レストラン |
サービス | テイクアウト |
お子様連れ |
子供可 |
ホームページ | |
お店のPR |
創業明治25年、四代続く浜松の老舗
創業明治25年、浜松の地で”鰻”にこだわり、四代続く鰻専門店。素材は浜名湖産養殖鰻を中心に、厳選した活鰻のみを使用。 開きたての鰻を素焼きし、じっくりと蒸す。そして代々受け継いだ秘伝のタレと、備長炭で一気に香ばしく焼き上げた蒲焼はまさに絶品。 |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
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うな重(山)3,500円を食す
平日19時10分頃の訪問。
浜松を代表するうなぎの名店。
しっとりとした高級割烹風の佇まい。
炭火で焼かれた関東風のうな重を堪能出来る。
うな重は2,500円~5,150円まで(いずれも、きも吸いお新香付き)
接客も良好。
大型のガラスサッシが目を引く。
適度にエアコンディショニングされたこの部屋は、
外の世界が気温35度に達する猛暑である事を感じさせない。
窓の外に目を向ければ、
真っ青なコバルトブルーの空が広がっている。
その中に白い大きな雲が幾つもぽっかりと浮いている。
夏の青空。
ほんの少し目を落とすと、緑濃い木々を湛えた山々。
美しい故郷の風景は、この部屋に臥せている人たちにいくばくかの安らぎを与える事だろう。
決して上等とは言えないベッドに、母もまた臥せていた。
母は不自由な手で財布から5,000円札を取り出し、私にそっと差し出した。
「これで藤田さんで食べて。気を付けて東京まで帰るんだよ」
三十数年ぶりにもらったお小遣いは、母からの最後の贈り物になるかもしれない。
そう思わずにはいられなかった。
私の瞳は溢れ出す涙で曇った。
病院を後にした私は、シルバーのトヨタで浜松駅を目指す。
住吉バイパスに入ってすぐ、サークルKのある交差点を左折する。
カナダホテルの隣、立派な和風の建物が「うなぎ 藤田」。
都心ではまずあり得ない広さのアスファルトの敷かれた駐車場に車を止める。
車を出てすぐに、炭の香ばしい匂いが広がっている事に気付く。
暖簾をくぐるとちょっとした回廊。
そして店の入口だ。
右手にお会計、左手が客席。
奥にカウンター席が見える。
中庭の見えるテーブル席に案内された。
2階には個室と宴会場を備えている。
宴席も入っているようでなかなかの活気。
立派なお品書きに目を通す。
うな重の他にも割烹のコース料理などが目に入る。
うな重は2,500円~5,150円まで。
このご時世、なんとか許容できる範囲の価格で料理を提供しているところに老舗の矜持を感じる。
「うな重(山)」3,500円とノーアルコールビールを注文した。
お通しとしてうなぎの骨せんべい。
ノーアルコールビールで喉を潤していると、びっくりするぐらいの早い時間で
私のうな重が運ばれてきた。
これだけの大箱の店だ。
注文が入ってから捌くなんて悠長な事をしている時間は無いのだろう。
お重の蓋を開ける。
そこには思わず息を飲む、美しい照り色と仄かに焦げを纏った大ぶりのうなぎが
敷き詰められていた。
これは実に素晴らしい。
そして、うまいに違いない。
正にうな重の見本。
あまり見かけない、大変コストをかけた山椒を振りかける。
炭の香ばしい匂いと、うなぎのタレの香りが私の五感を刺激する。
良く言われる事だが、この匂いだけでごはん3杯はいけるだろう。
うなぎは所謂関東風である。
蒸して焼き上げたもの。
口へと運ぶ。
外側はカリッと焼かれ、身はふわっとして柔らかい。
甘辛のタレが絶妙な塩梅。
ごはんは程良い硬さに炊かれている。
タレの沁み込み具合も、丁度いい。
かなり私の理想に近い、うまいうな重。
そして、母が好きだったうな重。
ボリュームはこちらの(山)で申し分ない。
箸休めのお新香も自家製だろう、手抜きなし。
きも吸いは薄味。
きちんと出汁が取られていて好感。
お会計。
私はブリーフケースの中から財布を取り出す。
母からもらった5,000円札を避け、10,000円札で支払った。
帰り際、女将が
「またのお越しをお待ちしています」と声をかけてくれた。
腕時計を見ると、まだ19時45分。
大丈夫、20時代台の新幹線で東京に帰る事が出来るだろう。
ひかり号の車内。
流れゆく車窓から見える風景は暗闇だ。
私は思う。
今日の出来事を生涯忘れることはないだろう。
母からもらった5,000円札は形見と思って大事にとっておこうと決めた。
この5,000円札は、これから私と長い旅に出るのだ。
母の思い出と共に。
この世で私の役割がすべて終わった時、
私の肉体と魂が灰となり、土へと還えるその時まで。
(了)