『うを徳(東向島)2016年9月』やっぱりモツが好きさんの日記

春は山菜・夏は川魚・秋は茸・冬は獣肉・モツは一年中

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日記詳細

先月(2016年8月)は過去最多4個の台風が日本に上陸。
9月に入って台風12号も九州に近付いています。
都内に住んでいると直接的な被害はあまり受けなかったのですが、
市場へは大きな影響を及ぼして魚がほとんど無いようです。

元から高級食材のウニが何倍もの値段にインフレ。
いつもなら1箱5,000円のウニが20,000円で取引される異常事態。
白身魚にこだわるうを徳でもクエとヒラメを仕入れるのがやっとのよう。
今回は戸井の本鮪や天然鰻が主役で「丼尽くし」となっていました。

01 昆布森牡蠣、土佐獅子唐、イスラエル産シーアスパラ
02 与論島石川小芋
03 根室秋刀魚有馬煮、仁淀川子持ち鮎甘露煮(写真撮影失念)
04 千葉大原蒸しアワビ、山形庄内茄子
05 明石タコ、丹波栗渋皮煮
06 壱岐クエの潮汁と帆立真丈のお椀
07 霞ヶ浦天然鰻の鰻丼
08 戸井本鮪カマトロ握り
09 戸井本鮪赤身ヅケ丼
10 戸井本鮪カマ焼き
11 利尻平目お造り
12 天草天然鰻白焼き
13 徳島海老芋と山口松茸のお椀
14 山梨甲斐路
15 戸井本鮪大トロスジ串焼き
16 天然鰻肝焼き
17 島根赤イカゲソエンペラ丼
18 利尻平目の潮汁
19 標津イクラ丼
20 壱岐クエ(握り)
21 戸井本鮪大トロ(握り)
22 淡路島〆サバ(握り)
23 利尻平目(握り)
24 根室秋刀魚(握り)
25 戸井本鮪中トロ(握り)
26 大阪湾コハダ(握り)
27 石川ルビーロマン

まずはアヒージョにした昆布森の牡蠣。
初物の頃は昆布森ならではの濃厚さが物足りなかったのですが、
そろそろ本領発揮のようで濃厚クリーミーで美味しい。
土佐の甘い獅子唐、与論島の石川小芋など野菜も相変わらず非凡です。

秋になって脂の乗ってきた秋刀魚の有馬煮もかなり良いですし、
アワビも前回よりサイズこそ小さいも旨味抜群。
丹波の和栗は大将曰く「もう三息」、若い味わいでフレッシュですが、
過去に食べて感動した和栗のあのネットリ濃厚な旨味に欠けます。

お椀は相変わらずハイレベル。
クエの潮汁にクエの姿は無くて、エソのすり身を入れた帆立真丈が椀種。
吸い口は木の芽(山椒の葉)のようで山椒の香りも食欲をそそります。

そして「丼尽くし」第一弾に天然鰻の鰻丼が登場。
キロ1万円の霞ケ浦産天然鰻をタレで関西風の蒲焼きにしています。
タレは天然鰻の骨から出汁を取って3種類の醤油を使うなど本格的。
骨煎餅をリクエストしてもタレの出汁にするからと断られたぐらいです。
「うを徳」から「うな徳」にでもなっているかのよう。

ジビエの天然鰻を蒲焼きにするとタレで風味が消えないか心配だったのですが、
大将はその辺り心得ているようで鰻にタレを塗るのは2回だけ。
アッサリとしたタレ味で天然鰻の特性を邪魔していません。

鰻屋であれば1杯で1万円になりかねない天然鰻の鰻丼。
鮨屋ならではでしょうか丼のご飯が赤酢の酢飯。
これが意外と合うのだから驚きです、ポワレのようにカリッとした皮も絶品。
そういえば初音鮨(蒲田)でも天然鰻を握りにしていました。

前述のように台風の影響でキロ15,000円の戸井の本鮪を仕入れていたうを徳。
同じ本鮪のカマも仕入れていたようでドカーンと登場。
刺身で食べられる部分はカマトロの握りにして貰いました。
大トロよりスジっぽくて食感は劣りますが、その美味しさは大トロに肉薄。

それ以外はカマ焼きとなってお腹いっぱい本鮪を堪能。
赤身はヅケ丼となって「丼尽くし」第二弾。
築地に1枚だけ残っていたという平目ですが旨味は弱めで台風の影響を痛感。

霞ヶ浦より高いキロ15,000円の天草の天然鰻(海鰻)。
こちらはいつも通り白焼きで味わったのですが酢飯と白米もお願いしました。
「丼尽くし」第三弾は天然鰻の白焼き丼。
食べ比べると白米より酢飯のほうが白焼きと合います。
蒲焼きであればタレご飯も良いですが、白焼きには酢飯がベストでしょうか。

串焼き屋としてもスキルを高めつつあるのか。
大トロのスジや天然鰻の肝を鉄串に刺して炭火で焼いてくれます。
そして恒例のゲソ丼で「丼尽くし」第四弾。

「丼尽くし」で天然鰻の次に良かったのが第五弾のイクラ丼。
プチッと弾けてイクラから溢れ出てくる旨味が超濃厚で何とも美味しい。
丼を実質5杯も食べたのに、〆には握りを7貫。
平目がお造りで食べるより美味しくなっていたりと最近は握りのスキルも向上。

水菓子は1粒50円の甲斐路と1粒1,300円のルビーロマン。
コストパフォーマンスまで考えると甲斐路のほうを評価したいです。
台風というハンデがあっても相変わらずの満足度の高さ。
天然鰻のバリエーションに蒲焼きまで増えて、この先どこに向かうのでしょうか。
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