『うを徳(東向島)2016年4月』やっぱりモツが好きさんの日記

春は山菜・夏は川魚・秋は茸・冬は獣肉・モツは一年中

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日記詳細

01 佐島鯛の子と白子 花山椒
02 青森鮟肝スモーク 与論島石川小芋 新潟車麩
03 京都物集女タケノコ
04 大分城下鰈肝刺し
05 大分城下鰈お造り
06 大分城下鰈エンガワ
07 北海道吉岡ムラサキウニ
08 玉子焼き(車海老入り)
09 玉子焼き(鱧と車海老と和三盆入り)
10 琵琶湖天然鰻 白子お汁仕立て 花山椒
11 琵琶湖稚鮎 天ぷら
12 信州コシアブラ 天ぷら
13 琵琶湖天然鰻 骨煎餅
14 琵琶湖天然鰻 肝焼き
15 長崎普賢岳養殖鼈と花山椒のお椀
16 琵琶湖天然鰻白焼き 花山椒
17 花山椒鍋1杯目(山形牛と物集女筍)
18 花山椒鍋2杯目(新潟新発田麩と徳島養殖鰻しゃぶしゃぶ)
19 花山椒鍋3杯目(山形牛と物集女筍と徳島養殖鰻しゃぶしゃぶ)
20 花山椒鍋の〆雑炊(このことウド入り)
21 明石甘手鰈(握り)
22 壱岐本鮪大トロ(握り)
23 船橋小肌(握り)
24 壱岐本鮪中トロ(握り)
25 出水〆鯵(握り)
26 苫小牧小柱(握り)
27 壱岐本鮪赤身ヅケ(握り)
28 太巻き(鰹、穴子、イクラ、玉子焼き、椎茸、干瓢、山牛蒡、葉山葵)
29 山形佐藤錦(さくらんぼ)
30 山梨高砂(さくらんぼ)

この日は而今(三重)の特別純米酒を入荷しているということで注文。
生ビール、而今、飛露喜、鶴齢と飲んで食べて1人17,500円。
月初に訪れた京味(新橋)が4万超えだったことを考えると、
この値段でも圧倒的にリーズナブルに思えます。

料理1品目は佐島の鯛の子(卵)と白子を花山椒添えで。
京味で食べて美味しかったのでリクエストしたのですが、
鯛の白子の濃厚な旨味とクリーミーさが堪りません。
今の時期限定でトラフグの白子にも負けない美味しさ。

青森のアンキモはブナチップで軽くスモークに。
場所によって薫香の強弱に差もあるのですが、
やわらかいアンキモがスモークで少し締まってこれもまた絶品。

物集女のタケノコは茹でただけというシンプルな調理。
しかしタケノコ自体が良質なので塩だけで十分に風味を味わえます。
こうやって潔く提供するのも料理人の英断ではないでしょうか。

大分の城下鰈は肝刺しも良いのですが身の美味しさが圧巻。
熟成させたのではなく〆たてとのことでプリプリした食感を楽しめながら、
甘みや旨味が強く風味も感じられてこれは素晴らしいです。
星鰈より美味しいぐらいで白身魚としてキング級の美味。

ゴールデンウィークということで築地は処分セール。
通常であれば1箱4万円級のムラサキウニを半値以下で仕入れ。
少しミョウバンを使ってそうですが甘く濃厚な味わい。
塩や醤油は不要で、そのまま食べても圧倒的な美味しさ。
1万円台の飲食店で出てくるウニのレベルではないです。

鱧、車海老、和三盆を使ったという特別仕様の玉子焼き。
いつもの車海老入りの玉子焼きもバランスが良く美味しいのですが、
こちらのほうが濃い味わいのように思いました。

キロ18,000円の琵琶湖産天然鰻1.8キロもの。
またしてもリヴァイアサンのように巨大な天然鰻ですが、
捌いてみるとお腹の中に白子たっぷり。
その白子はお汁仕立てで花山椒と一緒に楽しんでいました。
鱧の白子に似ているとのことですがアッサリした味わいでこれも良し。

骨は油で揚げて骨煎餅に。
この日捌いたばかりという肝は川魚特有の風味こそあるも苦味無し。
鮮度の良い天然鰻の肝は、日が経った肝とは別格の美味しさです。

身は白焼きにして今の時期ならではの和ハーブ「花山椒」と一緒に。
1.8キロものとのことですが意外と脂がアッサリしており、
パリパリの皮の美味しさは流石のうを徳の火入れ。
鰻には山椒が定番ですが、花山椒ともやはり相性良し。
脂の乗った鰻であれば更に花山椒と合いそうな予感がします。

春の山菜でトップクラスの美味しさと思うコシアブラは天ぷらで。
京味でも出てきたのですがサイズが小さくて不満がありました。
これぐらいボリュームあるコシアブラを口いっぱいに頬張る充足感。
コシアブラ特有の仄かな苦味や独特の風味が堪りません。

花山椒尽くしとも思える今回はお椀にも花山椒。
普賢岳の養殖スッポンに薄口醤油とお酒だけで調理したというお椀。
スッポンの旨味を引き出しているのでシンプルでも抜群に美味しい。

そして本日の主役とも言える「花山椒鍋」。
琵琶湖天然鰻の頭、牛脂(山形牛とともに雷門松喜で購入)を、
カツオ、マグロ節、利尻昆布、薄口醤油の出汁に入れてスープに。
島根の「李白みりん」という甘い味醂も使っているそうです。

同じ花山椒の入った出汁でも先ほどの鼈のお椀より甘くて強い味わい。
まずは山形牛と物集女の筍、水菜で。
続いて骨切りした養殖鰻と新潟新発田麩に具をチェンジ。
この麩が出汁を吸いまくって何とも面白いです。

3杯目はまた山形牛を入れるのですが出汁の旨味が1杯目より複雑に。
最後はお米、このこ(海鼠の卵巣)、ウドを入れて〆雑炊。
このこの濃厚な塩味とウドのシャキシャキ感が良い仕事しています。

握りは酢〆した小肌と鯵の塩分を強めに感じましたが脂ノリまくり。
脂に合わせて塩分も強めにしているのでしょう。
いずれも蕩ける食感で、鮨屋だけあって鮨も当然美味しいです。

今回特に良かったのは小柱。
小柱と思えないぐらい大粒で旨味もかなり強いです。
鮨あらい(銀座の2万円超鮨店)で食べた小柱より感動しました。
いよいよ鮨のレベルも上がってきているのでしょうか。

シャリは既に都心の高級鮨店に負けない美味しさ。
鰹、穴子、イクラ、玉子焼き、椎茸、干瓢、山牛蒡、葉山葵。
これでもかと色々な食材を巻いたスペシャル太巻き。

下町ならではの食べ応え抜群なボリューミー巻きものですが、
意外とバランス良く完成度の高い味わいとなっていました。
この美味しさに限っては都心の高級店を凌駕しそうです。
勝浦産というカツオは別途藁焼きでも注文したいほどの良質さ。
フワフワの穴子も美味しくて、単品で握りを追加したくなりました。

最後は山形佐藤錦と山梨高砂のさくらんぼ食べ比べ。
「特秀」と箱に書かれていて1箱でいくらするのでしょうか。
鮨屋とは思えないぐらいフルーツにも強いこだわりがあって、
デザートまで抜かりなく美味しいです。
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