マダム・チェチーリアさんが投稿したアルポルト(東京/六本木)の口コミ詳細

フォトエッセイで綴るマダム・チェチーリアのレストラン探訪

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マダム・チェチーリア (女性・東京都) 認証済

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アルポルト六本木、広尾、乃木坂/イタリアン、パスタ、ワインバー

1

  • 昼の点数:3.4

    • ¥4,000~¥4,999 / 1人
      • 料理・味 3.5
      • |サービス 2.6
      • |雰囲気 3.0
      • |CP 3.5
      • |酒・ドリンク 3.3
1回目

2013/04 訪問

  • 昼の点数:3.4

    • [ 料理・味3.5
    • | サービス2.6
    • | 雰囲気3.0
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク3.3
    ¥4,000~¥4,999
    / 1人

美味礼賛

(2013年4月)

前回のメンバーに1名加わり5名で土曜日のランチにおじゃま致しました。
相変わらず混んでいますねぇ〜12pm ぴったりの到着でしたが、私達のテ
ーブルの後ろでは大学生らしき男女混合10名ほどのグループが既に大盛り
上がり!! 落ち着いてメニューも読めないほどの声量でございました。お
席を移動できないか・・ご招待してくださったお友達の伯母様がわざわざ席
を立たれて行かれましたが本日は満席〜今空いているテーブルも全て予約で
一杯〜大変申し訳ございません、との回答に諦めてじーっとメニューに目を
落とす私達・・いたたまれない気持とせっかくお席を設けてくださった85
歳とご高齢の伯母様に申し訳ない気持で一杯になりました・・が、気を取り
直して私達のランチの時間を愉しむことに致しましょう〜〜♡

前回と同様〜シェフお任せのランチ・コース(¥3150)は前菜5品の盛
り合わせで始まり、パンとバターで帆立貝のグラティネへと進みます。この
味の流れと時間の流れが正に!アルポルトです!!パスタは5種から選べて
〜1名がアマトリチャーナ、3名がアサリ・ズッキーニ・フレッシュトマト
のリングイネ(2色のパプリカを入れたピリ辛)私は沼津産ジンドウイカ・
水菜・わけぎのフェデリーニ、主菜は愛媛産甘とろ豚肩ロースのグリルが1
名、真鯛のソテーが2名、真鯛のアクアパッツァが2名でございました。

私はパッツァに致しましたが、シチリアでのアクアパッツァ初体験〜♬ ドー
ーンと大皿にお魚一匹!その周囲を貝やオリーブ、ドライトマトが飾って〜
という豪快な漁師料理のインパクトが未だに大きく、やはり厨房で既に取り
分けられて小さな器に入れられた切り身のパッツァより真鯛のソテーをバル
サミコ・ソースで、という選択が正解だったかしら、とチラッと思いました
が、お味はアルポルトですから〜♬ ポーションは小さくても満足感のある
片岡マジックでございます。ただ、ジンドウイカのフェデリーニはイカが干
物っぽく旨味があまり感じられませんでした。塩が立っていて和風仕立てに
してもイタリアンにしても〜ソースが全体をまとめるところまで到達せず、
完成度の高い一品になるまで〜あと10歩・・という印象でございました。

ドルチェはヘーゼルナッツのタルトとマンゴーのジェラートで〜冷たいもの
がいただけない伯母様ともう一名にはジェラートの代わりにパンナコッタ、
カフェの後でお詫びの印にと全員にハーブ・ティーが振る舞われましたが、
まだ彼らは盛り上がったままの状態で・・”周りのお客様のご迷惑となりま
すのでもう少し声のボリュームを抑えてお話しになってくださいませんか”
とマネージャーが彼らのテーブルに出向いたのは一回だけ、彼らが少しだけ
小声になったのは一瞬だけ・・その後は何事もなかったかのように同じボリ
ュームでお喋りを続けていらしゃいました。

どこか場所を変えて思う存分お騒ぎになればよろしいのに・・私がガッカリ
したのはマネージャーが彼らを一回しか注意しに行かなかったことでも彼ら
が非常識だったことでもなく、ランチとは言え〜アルポルトの客層がここま
で変わってしまっていたのか・・というところでした。見渡せば〜デート組
カップル多数、入学お祝いファミリー、中高年グループと幅広いアルポルト
・ファンは健在で店内は満席・・たまたまだったのかもしれませんが余りに
も哀しい環境でございました。

先日〜2009年よりアルポルト料理長を勤める片岡シェフのご長男片岡宏
之氏が ”料理のベースは継承しつつも時代の流れに合うものを提供していき
たい” と書いていらした記事を読んだばかり・・お料理だけでなく!料理人
を育てるだけでなく!レストラン運営・マネージメントの出来る人間の教育
もお忘れなきよう・・お願い致します!!この日〜何回かお皿を下げに来た
19歳〜☆ キラキラした目をした B-ボーイの男の子とテーブルで短い会話
を交わしました。素晴らしいですネッ!彼のように希望に燃えてアルポルト
に就職した男の子が生き生きと働ける仕事場であれば〜♬ きっと!だいじ
ょうぶ、私達も伯母様のように次世代もアルポルト〜♬ と心の中で願いな
がらアルポルトの更なる進化を願って・・ 頑張ってネ! BB くん!!
(今回の写真は最後の12枚になります)

(2011年12月)

西麻布のマンションの地下に片岡シェフのアルポルトがオープンして28年
・・当時は石鍋シェフのクイーンアリスがすぐ近くにあって、イタリアンと
フレンチの若き巨匠が腕を揮い、山本益博の東京グルマン、雁屋哲の美味し
んぼ、などハンディーな読み物を通してグルマンディーズという概念が日本
の社会にもたらされ私達は皆新しい時代の幕開けに心を時めかせたものです。

90年代に入るとイタリアン・ブーム全盛となり、数々のイタリアンの名店
ができ・・名シェフの元で修行をしたり、海外で研鑽を積んだ料理人たちが
トレンド・セッターとなって新しいレストランが次々にオープンして行く中
アルポルトは店舗数を増やし、片岡シェフは様々なメディアに登場し、確か
な技術と暖かい人柄で人々を魅了し〜彼の名前は不動のものとなりました。

過去20数年間に亘り、ずっ〜〜と!ディナーのみの訪問でしたので〜先週
の日曜日初めてランチでおじゃますることになり、楽しみにしておりました。
エントランスからダイニング、テーブルの配置、花器の位置からお花のボリ
ュームまで何ひとつ変わっていません!少し古びて色褪せた感じはありまし
たが、まるで時間が止まったかのようです。昔からアルポルトがお気に入り
でいらっしゃるお友達の伯母様のご招待でお呼ばれ致しました。

アルポルトのランチは大人気なのですネッ!店内はファミリーとカップルで
満席!!テーブルとテーブルの距離は近いですし、壁際にずらっと一列です
からちょっと大変。以前はディナーもビジネスでの接待が多いレストランで
〜私が最後におじゃましたのもベルギーのチョコレート会社の通訳で男性は
全員スーツでしたが、日曜日ということを考慮に入れても男性でジャケット
を着用されているお客様は皆無で、お店の雰囲気がすっかり変わっていて〜
随分カジュアルなレストランになっていたのね・・という印象を受けました。
インテリアは全く変わっていませんが顧客層が変わりビジネスで使うレスト
ランでも、お洒落なデートで使うレストランでもなく、ファミリーで愉しむ
普段着のイタリアン・レストランになっていた、ということかもしれません。

ランチは3種類あり、私達はプリフィックス・メニューから前菜5種盛り合
わせ→帆立貝のグラティネ→プリモはキノコのクリーム・スパゲッティー
(伯母様は〜いつも雲丹のスパゲッティー)→セコンドは白身魚のソテー・
カポナータ添え・ソースはバルサミコで〜お肉は仔牛のソテー・マルサラ・
ソース、私は岩手産いわい鶏のコンフィ・ジャガイモのピューレ添えをお願
い致しました。パンはフォッカッチャとフランス・パン〜バターでいただき
ます。イタリアンと言えば〜パンはオリーブ・オイルがお約束のようですが、
イタリアも北は ’バター文化’ ですから〜初志貫徹される片岡シェフにエール
を送りたくなります。どのお料理もきれいにまとめられていて〜♬ 前菜の
生ハムと山芋、雲丹のスパゲッティーが素晴らしく!マンゴーとラズベリー
のジェラートも滑らかで大変美味でございました。

鶏のコンフィは皮のパリパリとピューレはよかったのですが、鶏肉がパサパ
サで ’乾き’ 切っていました。残念!!どうしちゃったのかしら〜でもプレゼ
ンは見事でとても美しい〜♬ いただいてみるまでは100点満点。周りを
見渡す限り、そして前菜5品をいただいてみれば今のアルポルトに特別な輝
きやインパクトは求めないとしても・・コース全体を通して一世を風靡した
あの片岡シェフのオーラが舞い上がってくるということはなく、少し寂しい
気持になりました。でも28年という歴史に支えられた安心感には代え難い
ものがあり、さすが学習院初等科から大学まで進まれた83歳インテリ伯母
様の賢明なランチの選択です。私達はお喋りをしながら〜ゆっくりランチを
愉しみたかったのですから〜当初の目的は充分に達成できたと言えます。私
が伯母様の年齢に達した時、お気に入りのイタリアンがあるかしら?伯母様
みたいに頭脳明晰で美味しいものとウイットに富んだ会話を愉しむことがで
きるかしら・・素敵な午後の時間に感謝です〜♬

あとひとつ気になったことがあるとすればスタッフのサービスのレベルです。
カジュアルなレストランになったとは言え〜レベル・アップが必要であると
私は感じました。洗練された完璧な接客というところまで行かなくても!現
況では個々の動きがバラバラでオペレーションにばらつきがあり、お料理の
説明も、どれぞれの動きも、アルポルトですから願わくばスタンダードまで
は届いてほしいという初歩的レベルで〜私達のテーブルでは特に大きな問題
はありませんでしたが、接待のディナーで使えるレベルではないと思いまし
た。昔のように片岡シェフが各テーブルを廻られたりすれば〜彼の笑顔とト
ークでカバーできる部分はかなりあったかもしれませんが・・もはや、彼の
お仕事場は西麻布の厨房だけに留まらなくなってしまいました。

最後に片岡シェフが敬愛するブリア・サヴァランについて〜〜♡
西麻布のグランド・メニューの表紙にはブリア・サヴァランのアフォリズム
が引用されていました。彼は1755年生まれ、フランス革命の時ヴェルサ
イユ憲法会議で活躍した弁護士で〜亡命先から祖国に戻った判事時代に ’味
覚の生理学’ を執筆、ナポレオンの時代は高級官吏として余裕のある晩年を
送り ’美味礼賛’ という食に携わる人にとってはバイブルのような本を書いた
フランス人です。わざわざイタリア語に翻訳された彼のアフォリズムを載せ
るとは〜片岡シェフの座右の銘は表紙にある ”新しいご馳走の発見は人類の
幸福にとって天体の発見以上のものである” なのかもしれませんネ!ブリア
・サヴァランは法律家でしたが〜ガストロノミー(美味学)の大家でもあり、
グルマンディーズについて〜グルマン(美食家・食道楽・旨いもの好き)と
は・・特に味覚を喜ばすものを情熱的に、理知的に、また常習的に愛する心
である、と定義しています。

片岡シェフのメニューに載っているアフォリズムとは別に私が昔から好きな
ベスト3行をここにご紹介致しましょう〜〜♬
”獣は喰らい、人間は食べる。教養のある人にして初めて食べ方を知る”
”国民の盛衰はその食べ方いかんに依る”
”君がどんなものを食べているか言ってみたまえ。君がどんな人であるかを
言い当ててみせよう”

ブリア・サヴァランを敬愛する片岡シェフが〜これから西麻布のアルポルト
をどのように展開されて行かれるのか・・☆ 楽しみに見守りたいと思います。
そして次回〜☆ またお友達と伯母様とアルポルトでランチを愉しむ機会があ
りましたら美味しい雲丹のスパゲッティーはもちろんですが、前菜にも感動
の一品が増えていますように!サービスのレベルが向上していますように!!

追記:ひと月ほど前2013年4月のレビューに食べログから修正依頼が
あった為、更新アップ致しました。

  • 28年間変わらないエントランス

  • 表紙にブリア・サヴァランの格言

  • ランチ・メニュー

  • プリフィックスのチョイス

  • 前菜5種盛り合わせ

  • 白身魚・カポナータ添え

  • 帆立貝のグラティネ

  • キノコのスパゲッティー

  • 落ち着いた角のテーブル席

  • 鶏のコンフィ

  • 仔牛のソテー・マルサラソース

  • ベルニーニの世界

  • 壁際には天使が並んでいます

  • 色鮮やかなジェラート

  • 昔からお花がゴージャス!!

  • 美しいドルチェ

  • 2013年4月ランチの白は〜

  • トレッビアーノ〜♬

  • 左上の鯵が美味!!

  • これぞアルポルト!

  • アマトリチャーナ

  • アサリのリングイネ

  • 真鯛のアクアパッツァ

  • ジンドウイカのフェデリーニ

  • 真鯛のソテー

  • 甘とろ豚:肩ロースのグリル

  • ヘーゼルナッツのタルト

  • 美味!マンゴーのジェラート

2015/03/24 更新

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