【初訪】大阪拳　～ あくまで『大阪拳』時代の一杯のレビュー ～ : 麺のようじ

2013年8月 初訪

最初に断りを入れておくのだけれど今回のレビューは屋号変更前の『大阪拳』のレビューであり、現在の『麺のようじ』のレビューではない　2013年5月に鳴り物入りでオープンした此方は京都の有名人気店『拳ラーメン』の大阪初進出店であり、『拳ラーメン』で修行された方が暖簾分けの形での出店であった


『拳ラーメン』と言えば好き嫌いが結構はっきり分かれるお店かと思うが個人的には相当上位のお店　鮮魚系出汁をいち早く取り入れ、塩釜チャーシューとの二枚看板であれよあれよという間に大人気になった実力店　当然そんな『拳ラーメン』の系譜を汲む此方は当然早々にＢＭ入り　とは言え和歌山からの訪問は結構難しく、オープンからおよそ3ヶ月経ったとある日曜日にようやくの初訪問に漕ぎ着けた


お店に着いたのは12時過ぎ　日曜のお昼時ど真ん中なだけに行列も覚悟しての訪問だったのだけれど何と外待ちなし　オープン当初はさすがに鳴り物入りということで相当な行列が出来たと聞くが3ヶ月経ってちょっと落ち着いたというところか　そもそもこの辺りは結構ラーメン店が多くある意味激戦区　しかもその激戦区の端っこ的な立地　いくら鳴り物入りと言えども苦戦されているのかもしれない


とにもかくにも店内へ　テーブル席が少しと厨房に向かったカウンター席が少しばかりのこじんまりしたお店　テーブル席は全て埋まっていたがカウンター席には先客ひとりのみ　店員さんは店主さん含めて3人の体制　この小さなお店で3人というのはちょっと贅沢なような気もしたが・・・


まずは席に着いてメニューを拝見　メニュー先頭は「ナックル塩そば」、続いて「ナックル醤油そば」　これらは此方のオープン前に何度か京都の本店で一日限定として提供されてたメニューで、要するにアレは此方のオープンに向けての試作だったということだろう　そのことからも確実に完成された一杯であることは容易に想像がつく


つけ麺は「鶏ドロつけ麺」と『拳』お馴染みの「ドロ」系になっているようだ　加えて本店でも提供される「黄金鶏和え麺」や「石焼カレー担々和え麺」　他にも夜限定があったりとこの小さなお店にしてはかなり精力的　そこはやはり『拳』イズムというところだろうか　色々悩まされはするけれど結局安定感を求めて「ナックル醤油そば」をいただくことにした


「ナックル醤油そば」

さてやって来た一杯　なるほどこれは『拳』の一杯　シンプルではあるけれどどこか華やかさを感じるビジュアルがそう思わせてくれる　表面に油分を浮かべたスープは澄んでおり、そこから猛烈な鶏の香り　綺麗なピンク色のチャーシューにざくっと刻まれた玉葱に小口切りされた青ネギ　しっかりと味の入ったことが分かる味玉がまるまる一つ　もうこれだけでそそられる


まずはスープを一口　当然魚介系も使ってると思いきや予想を裏切っての「純鶏」スープ　まるで白湯かと思わされるほどの猛烈な鶏の旨みに驚かされる　ガラというより肉系の旨みに溢れていてとにかくこの鶏の旨みが半端ない　そこへ合わされた醤油ダレはこれまた『拳』とはちょっと異なり仄かな甘さを持ったもので心地よい甘さで実によいバランス　いやぁ、これは旨いわぁー


合わされた麺は中細の平打ちストレート麺　この麺がまぁまた旨いのなんの　やっぱりこれも棣鄂さん？　小麦がぎゅっと詰まった感が凄くて噛めば小麦の旨みが口の中に広がっていく　平打ちならではの食感がこれまた実に良いし、喉越しも実に滑らかで素晴らしい　当然スープとの相性も抜群で考え抜かれた麺なんだなぁと感心する　いやぁ、まじ旨いな、これはー


さてトッピング　『拳』と言えば塩釜チャーシューだけれど此方のものはちょっと違うタイプ　レア気味に仕上がってはいるけれど肉感しっかりの巻きチャーシュー　これがまぁまた旨い旨い　で、海苔に隠れてたけれどなんと鶏チャーシューまであったり　これもまた鶏の旨みがしっかりでジューシーで柔らかで・・・・・うーん、旨い！　まさに『拳』らしい足し算足し算のバランス


ずっと行きたくてウズウズしてた『大阪拳』　『拳』の新たな一面を垣間見ることができて本当に満足度の高い一杯だった　これは結構ウケるだろうなぁーと思うのだが　冒頭にも述べたけれどあくまでこのレビューは『大阪拳』時代の一杯　今のラーメンがどうだか分からないので何とも言えないが、とにかくこの日いただいた一杯だけ考えれば本当にすばらしかったと思う　ごちそうさまでした！