とろける石垣牛の美味しさに、ただ絶句しかできない・・・ : ステーキレストラン パポイヤ

せっかくの石垣島ということで、ランチに石垣牛を食べようといくつかのお店を検討。

悩みに悩んだ果てにこちらのパポイヤさんに電話で予約しました。電話の対応は非常に丁寧で、上品な印象。「ディナーは混み合うこともありますが、ランチはだいたいすぐに入れますよー」とのことで、すぐさま直行。

しかし、お店の入っている建物に来ると、古めの飲食ビルでかなり怪しげな感じ。お店の看板も古めかしく、これは・・と思わず後ずさる。（お店の方、誠に申し訳ありません）

とはいえ、先も予約しているしと、気持ちを奮い立たせてエレベーターで8階に。

エレベーターを出ると右側にお店。1フロアをこのパポイヤさんが占有しており、テーブル席がたっぷりでかなり広い。わざわざ石垣の街並みと海を見渡せる広い窓に面したテーブル席を用意してくれ、開放感は抜群。お店もかなり古めだが、しっかりメンテナンスされており清潔感がある。トイレもきれい。

メニューを開くと、石垣牛に自信と愛情を持っていることが伝わってくる、まさに石垣牛づくしの内容。

最初から決めていた「特上石垣牛サーロインステーキ」（9,300円税込）をオーダー。連れは「特上石垣牛テンダーロインステーキ」（9,300円税込）を。このお店は、お料理を注文するとスープ、サラダと、少しだけサービスのお料理が出る。

1品目.ゴーヤーのピクルスと石垣牛の脂身のカリカリ焼き（お店からのサービス）

「お店からのサービスです」と最初に出てきたのがこの1皿。ゴーヤーの苦味はそのままに酢漬けにしてピクルスにしたものと、石垣牛の脂身をカリカリになるまで焼き上げたものが乗っている。美味しい脂身は焼くと美味しく食べられることは知っていたが、この脂はまさに美味。スライスしたニンニクと一緒に焼いているのだが、そんな一手間を加えずともあっさりといただける。泡盛を飲みながらつまむと絶品。

2品目.サラダ

サラダはシンプルだが、ドレッシングが手作りで美味しい。家庭的な、心のこもった美味しいサラダだ。

3品目.島どうふの柚子胡椒焼き（お店からのサービス）

さらにサービスですと出してくれたのが、こちらの島どうふの柚子胡椒焼き。島どうふに柚子胡椒を塗って焼き上げて、アツアツのまま提供。焦げた柚子胡椒の風味がこんなに美味しいとは！と驚き。

4品目.にんじんのポタージュ

鮮やかなオレンジ色のポタージュは見るからに美しい、オールドスタイルな一皿。気をてらわずど真ん中直球勝負の美味しさ。濃厚というよりは、味は深いけどサラッとした飲み味。ステーキへの期待が高まる。

5品目.ステーキ！

ステーキは焼き始める前にシェフ自らがお肉をテーブルまで持ってきて見せてくれる。「こちらは今年の石垣牛の第1回の品評会の入賞牛のお肉」という説明。なるほど、特上というのは石垣牛のチャンピオンのようなものかと納得。ただでさえ日本の牛肉の中でもトップクラスの石垣牛の、さらにチャンピオンということは、まさに牛肉界のキングオブキングではないか。

などと考えながら、鼻息荒く待つこと数分。

香ばしい香りを上げながら、加熱された鉄板で提供。これは本当に200gなの？と思うほど、どっしりとした厚切りのステーキ。そして焼き目の美しいこと。表面、サイドともしっかり焼き目が付いているが、ナイフで切ると中は赤いミディアムレア。（ミディアムレアで注文したので）

ナイフを入れるとまったくスジがなく、おそろしいほどスッと切れてしまうことに驚かされる。

「まずは何もつけずそのままで召し上がってください」という教えの通り、そのままパクッと口の中へ。

もう、なんと言いますかね。本当に言葉が出ない。絶句状態。

噛まなくてもとろけるという文章表現はよく見かけますが、これはまさにその境地。逆に言うと、この石垣牛を食べてしまったら、おいそれとその言葉は使えないなと、そこまで考えさせられるほどの「噛まなくてもとろけて、噛むと旨みが出るお肉」。

連れとしばらく無言で、ひたすらお肉とご対面。シェフが鉄板に「そのままのお味で楽しまれたら、こちらの塩で召し上がってください」と岩塩を乗せてくれていたので、そちらを付けるとさらに甘みが際立つ。

自分はサーロイン、連れはテンダーロインを食べていたのだが、サーロインは信じられないほど脂が美味しく、まったく胃もたれしないのだ。「牛肉の脂ってこんなに美味しいのか？！」という驚嘆の美味しさ。

テンダーロインは「こんなに赤身ってやわらかくてとろけるのか？！」という驚嘆の美味しさ。

わかりやすくいえば、サーロインは「脂の美味しさ7:お肉の美味しさ3」、テンダーロインは「お肉の美味しさ7:脂の美味しさ3」といったイメージだろうか。

ステーキソースも山葵ベースのものと、一般的なステーキソースの2種類が提供され、どちらもちゃんと仕込みされているのだが、まったく使うことなく完食。

シェフとお会計のときにお話させていただいたのだが、「脂の本当の美味しさはサラッとしていること」「ギトギトしていたり、胃がもたつくようなお肉は決して美味しいとは思わない」というポリシーを聞かせてくれて、その内容にいろいろな意見はあるかもしれないが、こんな強い思いを持った人の料理を食べられることはまさに極上。

この牛が産まれてきてくれたことにまで感謝したくなる、そんな極上のステーキ。石垣に行ったら必ず足を運びたいお店ができました。