一番町アーケード、座敷で味わう春夏秋冬の蕎麦。山形の大きななめこは、食感がご馳走！ : さん竹

［宮城県仙台市］ [来訪回数：5回]
2013/10/11（金）
一番町四丁目アーケードの蕎麦店。
落ち着いた雰囲気の店内で、旬の蕎麦を楽しめる。

昼休み、商店街を歩いていて、ふと「山形産大きななめこ」という垂れ幕に惹きつけられた。
会津若松を旅したとき、なめこの缶詰が売られていたのを思い出し、
この店に入ってみることに決めた。

ホームページによれば、中国・上海にて 1907年に創業したあと、
仙台に移転し 1947年に開店。
創業106年、当地で66年の歴史を持つ老舗のようだ。

ちょうどお昼どき、1階は満席で、2階へと案内された。
すると、2階もまた満席。かなりの人気店である。

立ち食い蕎麦屋とはまるで異なる、あくまで上品な雰囲気。
蕎麦ではなく、「おそば」という呼び方がぴったり似合う。

2階にはテーブル卓のほか、小上がりの座敷席（6卓20席）があるのが特徴的。
一人でも大丈夫だが、少人数での会食に最適な雰囲気だ。
（少なくとも）座敷は禁煙。

客層は、シニア女性の比率が高い。
1階のテーブル席は、相席になる可能性もあるが、私はなかなかそうならない。
おそらく、男性と女性を相席にしないというような、店側の配慮があるものと思われる。

主なメニューは
　・天ざる　　・天ぷらそば　　・徳島のすだちそば　　・伊達鶏せいろ　　・伊達鶏カレーそば
　・山形の大きいなめこそば　　・花そば　　・ひやとろ　　・玉子とじ　　・あん五目　　・にしんそば
　・伊達鶏親子丼　　・車海老天丼　　・おにぎり

特筆すべきは、季節限定メニューの多彩さ。
春は白魚天ざる・葱そば、夏は活あなご・帆立・じゅんさい・辛味大根、
秋は揚げ茄子になめこ、冬は牡蠣に鍋焼きうどんと、四季折々の蕎麦・うどんを楽しめる。

ミニ天丼とのセット、持ち帰り可能な蕎麦・うどんもある。
初志貫徹し、なめこそばと天丼のセットを注文。

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■【秋】山形の大きいなめこそばと、ミニ天丼のセット（￥1200）
まずは、蕎麦のおつゆをひとすすり。
うん、程よい甘辛感、上品で飽きのこない味わい。

浮かんだ三つ葉とともに味わえば、さらに風雅な気分を味わえる。
レンゲが付いており、つゆを味わいやすいのが良い。

山形特産のなめこは、期待通りにシャキシャキの食感。
さらには、蕎麦つゆを含んだジューシーさも味わえる。

麺は白みを帯びてつややか、どちらかといえば信州の更科系だ。
細く柔らかく繊細な蕎麦、つゆとの相性はなかなか良い。

天丼の方は、海老・茄子・ピーマン・南瓜が乗る。
これまた甘辛い味付けが、食欲をそそる。

つゆが美味しく、ラーメンではないが、思わず飲み干してしまいそうになった（未遂）。
しっかり満腹、十分満足できる内容だった。

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■【冬】名物かきそば（￥1400）
かけそばの上に、贅沢にも牡蠣が丸ごと5個！
牡蠣はもちろん、ご当地・宮城産を使用。

ぷるんとした身を口に入れると、
磯の香り・独特なほろ苦さ・複雑な旨味が溢れ出す。
この店の特徴である「甘辛いつゆ」が、牡蠣の個性と絶妙にマッチする。

宮城の牡蠣は、小ぶりな中に濃厚な旨みを蓄えていると言われる。
松島、石巻、南三陸。養殖施設も徐々に立ち直ってきた。
美味しく食べて、わずかながらも復興の一助となるだろう。

牡蠣のほかには、わかめ・三つ葉・柚子・葱といった薬味が、脇を固める。
またしても、つゆを飲み干してしまいたくなる、一杯。

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■【早春】ねぎそば（￥900＋ミニ天丼￥300）
葉玉ねぎを使った、この季節ならではの旬そば。

一見、普通のねぎに見えるが、玉ねぎとは。
1～3月、玉ねぎの球が大きくなる前に収穫し、球の上に伸びた葉を食すのだという。
こんな食材があるとは、知らなかった…

葉玉ねぎは、店頭写真より少なめに見えたが、つゆの中に沈んでいるものと解釈。
甘くて柔らかく、さらに玉ねぎらしい香りもある。
これは、とても美味しい食材だ。

葉玉ねぎの甘さが、上品な味わいのつゆに溶け込んでいるようにも感じられる。
一切れ浮かべられた柚子の風味が、また風雅。

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■【春】白魚玉とじそば（￥1550）
白魚って、知っているようで知らない魚。
まずは、その食感に驚かされる。
不思議なことだが、シシャモのようにぷちぷちしているのだ。

白魚は繊細な風味なので、そばと同時ではなく、別々に味わいたい。
ふわふわ柔らかな玉子とじは、色も食感も、なんだか春らしい。
三つ葉の香りがアクセント。

瓢箪に入った山椒がついてくるのもユニーク。
うなぎと同じイメージか。
上品かつ深い旨みのつゆにひと振りすれば、また変わった切り口でそばを味わえる。

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■【夏】あげなすそば（￥930）
茄子がアツアツでびっくり！
揚げたてほやほやの茄子が、冷たい蕎麦の上に乗っかってくる、珍しい一品だ。

茄子のほかには、千切りの茗荷と貝割れが添えられる。

トッピングされているのは、単なる味噌ではなく、蕎麦の実が入った蕎麦味噌。
この味噌で日本酒が呑めるよなぁ～と思いつつ、
アルコール御法度の平日ランチ(笑)

普通の冷やしそばと同様、冷たいかけつゆが付いてくる。
（蕎麦猪口ではなく、ぶっかけ用のつゆとして供される）

茄子は味噌で食べるとして、蕎麦はつゆで食べるか、味噌で食べるか迷いどころ。
最初は味噌で食べ、それが終わったところでつゆを投入した。

味噌で蕎麦を食べるのは初めての体験。
悪くないが…　やはりつゆの方が好みかな。

また、蕎麦湯を出して下さるが、
蕎麦猪口がないため、丼で飲むこととなった。
別に器があると、より良いと思った。

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■おにぎり・梅（￥200）
ハーフ丼は、特定の蕎麦にしか付けられないので、おにぎりを注文。
なお、蕎麦の大盛り（￥230）を頼むという手もある。

粒がはっきり、つやつやしたお米。
添えられたのは、山形名物のおみ漬けだろうか。
シャキシャキとした食感は、野沢菜に近い。
ご飯のお供に最適な、みちのくを代表する漬物のひとつだ。
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今度は、地元のブランド鶏「伊達どり」を使ったカレー蕎麦を頂いてみたい。
一人でも小グループでも、安心して入れる蕎麦店である。