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ランド・フォックスさんの他のお店の口コミ
店名 |
山ばな平八茶屋(やまばなへいはちぢゃや)
|
---|---|
ジャンル | 日本料理、料理旅館 |
予約・ お問い合わせ |
050-5869-5351 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
京都バス16,17,21,23,41,43 「平八前」下車すぐ 修学院駅から416m |
営業時間 |
|
予算 |
¥10,000~¥14,999 ¥4,000~¥4,999 |
予算(口コミ集計) |
¥15,000~¥19,999
¥4,000~¥4,999
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) 電子マネー不可 |
サービス料・ チャージ |
懐石料理に関しましては、15%のサービス料を頂戴いたします。 |
席数 |
170席 (大広間 最大60名様まで) |
---|---|
個室 |
有 (2人可、4人可、6人可、8人可、10~20人可、20~30人可、30人以上可) 椅子テーブルのお座敷と、座布団のお席がございます。 お一人様からでもご利用いただけます。 |
貸切 |
可 (20人~50人可) |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 庭に喫煙スペースあり |
駐車場 |
有 乗用車10台または、大型バス3台 駐車可 |
空間・設備 | 落ち着いた空間、座敷あり |
コース | 飲み放題 |
---|---|
ドリンク | 日本酒あり、焼酎あり、ワインあり |
料理 | 野菜料理にこだわる、魚料理にこだわる |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 景色がきれい、隠れ家レストラン、一軒家レストラン |
サービス | 2時間半以上の宴会可、お祝い・サプライズ可 |
お子様連れ |
子供可(乳児可、未就学児可、小学生可)、お子様メニューあり 個室もございます。 |
ドレスコード | ジーンズ、Tシャツなどの軽装でも可 |
ホームページ | |
公式アカウント | |
オープン日 |
1576年 |
電話番号 |
075-781-5008 |
備考 |
宿泊: チェックイン16:00 - チェックアウト翌10:00 |
初投稿者 |
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50年程度続いただけでも「老舗」といわれるが、この店こそ、老舗中の老舗だろう。安土桃山時代創業で430年続いている。
そう、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康が活躍していた時から続いている国内最古クラスの料理屋なのだ。
京都駅からタクシーで20分ほど。高野川を北に向かって行ったところにある。
タクシーの運転手さんに「山ばなの平八茶屋お願いします」というだけで通じるのは流石だ。
店の前の道は、昔は「若狭街道」と言ったそうだ。この店はもともと、京都から福井の若狭湾に抜けるための街道茶屋として発祥したそうだ。だから名前も初代の「平八」という名前と、「茶屋」を合わせたもので「平八茶屋」と。
当時は、水戸黄門のはちべぇが「御隠居、お団子食べていきましょう!」というような茶店だったそうだ。それが、若狭湾からの魚を京都に運んでくるときに、ちょうどこの店の前で、一昼夜たち塩がいい具合にまわる、つまり一番魚がおいしくなるのだ。それならこの場所で料理を出せば一番うまい料理が食べられるのでは?という事で、料理を出すようになったそうだ。
店の入り口には、「騎牛門」と呼ばれる山門がある。萩の山寺から譲り受けたそうで、築500年は経ってるとのことだ。普通に考えれば、文化財クラスでは?と思ってしまう。それが、普通に使われているのにはびっくりした。ちなみに、母屋は築250年だそうだ。なんと、当時の奉行所の建築許可書まである。
騎牛門をくぐると、800坪の日本庭園がある。樹齢何百年という木々が所狭しと立っている。もちろん、庭の手入れは完ぺきだ。北山を眺め高野川のせせらぎを聞ける座敷。京都中を見渡しても、これだけ広い庭、点在する座敷を持っている料亭は、ほとんどないのではないか。
座敷に上がると、変わったユニフォームを着た仲居さんが接客をしてくれる。聞くとこのユニフォームは、「大原女」と言い、京都の北の方の「大原」というところから、京都の市内に薪を頭に載せて行商する時の恰好だそうだ。
お茶と名物の「とろろ饅頭」を食べていると、女将さんが挨拶に来てくれた。20代目だそうだ。
今回の記事の内容は、実はほとんどがこの女将さんから聞いた話だ。質問すると、料理のことだけでなく、歴史や建物、お店に訪れた文化人の話を聞かせてくれる。その話を聞くだけで、もう歴史の中の主人公の一人になったような気分になり、料理への期待も高まるから不思議だ。
女将さんが、いろいろ話を聞かせてくれる間に、料理の準備が整った。
まず、黒の塗りの盆に、「先付」と「八寸」が出てくる。
先付けは、蓮芋のゴマ和え。普段、口にすることがない蓮芋だが、ゴマの香りが味を引き立ててくれる。ゴマペーストも絶妙な味付けだ。この1品だけでも、この店の技術の高さと料理へのこだわりが伝わってくる。
続いて「向付」。
名物の一つ「若狭湾のぐじの刺身」だ。東京では、アマダイというが、ほとんど食べない。食べたとしても塩焼きぐらいだが、この店は刺身で食べさせてくれる。トロッとした触感と、口の中に広がる甘み。なかなか形容しがたいが、僕が食べた刺身の中で3本の指に入るのは間違いない。
そして、「吸い物」「炊き合わせ」と続く。
吸い物も、炊き合わせも、「さすが京都の老舗料亭」と思わせる。昆布とカツオの絶妙な出汁で味をつけてあるのだが、、、本来「素材の味を活かす」というのはこういうことなのだと思い知らされる。
続いて、「焼物」。今回は、鮎の塩焼きが出てきた。
先日、「サライ」を見ていて、ぜひとも食べたいと思っていた一品だ。
あの美食家、北大路魯山人も若いころ平八茶屋で鮎の美味さを勉強したといわれているのだ。平八茶屋にもしばらく滞在していたとのことで、先々代の主人と料理の事で「あ~でもない、こーでもない」とよく言い合っていたそうだ。ほんと、この店にいると、歴史の偉人を身近に感じられる。
「揚げ物」には、スズキの香り揚げ、「酢の物」には、鱧の落とし。
日本料理ほど季節を感じさせるものはないだろう。目の前には夏が広がっていた。
そして最後は、平八茶屋の名物中の名物。「麦飯とろろ」だ。
丹波のつくね芋を、秘伝の出汁で伸ばしたとろろ。味がしっかり付いているのだが、なぜか「真っ白」なのだ。ほかの地方のとろろ屋さんに行くといつも、茶色っぽいとろろなのだが、この店のとろろは違う。それを、麦飯にかけてがっつりと頂く。京都の伝統芸能の一つ「壬生狂言」の演目に「山ばなとろろ」というのがあるが、それはこの平八茶屋を舞台にしたものだ。
ほかにも、夏目漱石の「虞美人草」やら「門」。徳富蘆花の「思い出の記」。頼山陽の漢詩「山陽詩鈔」などにも、「平八茶屋」という名前が登場する。作品には登場しないが、高浜虚子や、正岡子規もたびたび訪れていたようだ。
また、明治維新のときには、尊王派の会合場所になっており、岩倉具視が平八にあてた書状があったり、逆に新鮮組が嫌がらせで切りつけた刀傷が母屋の柱に残っている。これは、仲居さんに「刀傷みせてください」というと、案内してくれるので、ぜひ見てみるといい。
ほかにも、今回は利用しなかったが、伝統的な蒸し風呂の「かま風呂」もある。じつは、4組だけは宿泊もできる隠れ宿でもある。今度来る時はは泊まりでゆっくりとかま風呂に入り、京都の歴史と芸術そして、美食を堪能したい。
最後に、無粋な話になるが、、、、これだけの歴史、伝統、格式、庭、料理が、1万円から楽しめるというのはびっくりだ。東京だとビルの一室みたいな料理屋でも1万5千円、2万円が当たり前なのに。また、ちゃんと予約をすれば、「一見さんお断り」みたいな事もないし、分からないことは聞けばいやな顔一つせず親切に教えてくれる。
京都の老舗料亭。意外に敷居が低く、僕らのようなものでも楽しめるというのが分かったのは、今回の京都行きでの一番の収穫かもしれない。