5ヶ月前に予約「草喰 なかひがし」で、野山の春を満喫〜〜〜♪ : 草喰 なかひがし

2016.04.22

今日のディナーは、NHKの人気番組 "プロフェッショナル" で紹介されて
京都で最も予約のとりにくいお店といわれる「草喰 なかひがし」さん〜♪
野山の四季を料理する中東久雄氏のお店です。
(兄は京都の奥座敷 花背の名宿 摘草料理「美山荘」の先代吉次氏)

友人が5ヶ月前に訪問したときにその料理に感激して
自分を連れて行ってやろう！ と予約してくれたのです。

夕方5時前に京阪電車で大阪を出発、1時間弱で終点の出町柳駅に到着です。
駅を出てすぐのパン屋さんに立ち寄ってから、タクシーで東に2km
オープンの6時ちょうどに暖簾をくぐりました。

カウンター席に案内されると、目の前には赤い炊飯専用のおくどはんと焼き場が鎮座
大将と若い数名の調理人が開店準備にせわしく動き回っていました。
予約時点では2階の座敷席の予定でしたがキャンセルが出たようで
わざわざ電話で変更していただき、カウンター席に座ることができました。
大将のギャグ混じりの料理の説明を聞くのも醍醐味なのでラッキーですw

今回いただいたのは

◆飲み物
　　1杯目：芋焼酎 阿久根 ロック 540円(税込)
　　2杯目：麦焼酎 かぴたん 南蛮渡来の秘蔵酎 ロック 540円(税込)

◆夜の献立 16200円(税込)
　　八寸　　　　　　：筍を炭で蒸焼き＆エゴマ
　　　　　　　　　　　琵琶湖の鮎＆花山椒
　　　　　　　　　　　たらの芽味噌漬け&うど
　　　　　　　　　　　桜の飯蒸し(桜の花とえんどう豆を桜の葉で包んだもの)
　　　　　　　　　　　卵焼き(芯は黄身の味噌漬け)
　　　　　　　　　　　つくしの素揚げ
　　　　　　　　　　　ホタルイカ
　　　　　　　　　　　お猪口(日本たんぽぽともやしを米油で和えたもの・鹿のヒレの干し肉・野地いちご・たんぽぽ)
　　白和え　　　　　：こごみ・蕪の菜の花・乾燥つくし
　　白味噌椀　　　　：よもぎ餅・えんどう豆
　　焼物　　　　　　：富山のさくらますの味噌漬け・春キャベツ・ブロッコリー・スナップえんどう・春香(みかん)
　　春よ鯉　　　　　：鯉のお造り・醤油ムース・カタクリの葉・からすえんどう・人参・大根の花と実・うどの芽・
　　　　　　　　　　　辛子水菜の菜の花・大根おろしとのびる・球根のスライス・葉わさび・いたどり・
　　　　　　　　　　　鯉の骨のにこごり・鯉の皮湯引き・うろこ素揚げ
　　若筍の土瓶蒸し　：へしこ・花山椒
　　お米からご飯にかわる瞬間の状態
　　なれ鮨　　　　　：冬ネギ(ねぎぼうず)・ブルーチーズのペースト・ナイアガラ(信州松本ワイン)と共に
　　お浸し　　　　　：原木しいたけ・やまうど・三つ葉
　　炊合　　　　　　：筍・琵琶湖もろこ・かぎわらび・白菜の菜の花
　　揚げ物　　　　　：隠岐の島の岩牡蠣・アスパラ・クレソンの花・金時人参ジャム・クレソン
　　ごはんのお共　　：鹿味噌(新玉ねぎ・二色の人参・鹿肉・赤味噌を赤ワインと野菜の出汁で煮込んだもの)
　　　　　　　　　　　おから(緑の豆・筍・紫人参)
　　　　　　　　　　　目刺し
　　ごはん　　　　　：山椒ごはん
　　　　　　　　　　　パリ(おこげ・山椒オイルと塩で)
　　　　　　　　　　　鹿味噌ごはん
　　　　　　　　　　　ニューヨーク(梅干しはマンハッタンの夕陽・緑の山椒はセントラルパーク)
　　一保堂の京番茶(煎り番茶)
　　水菓子　　　　　：朝採り苺・きなこのシャーベット・本蕨の蕨餅
　　小菓子　　　　　：黒糖金平糖・蘇
　　コーヒー

自分は山口県日本海側の海と山のある田舎町出身、自宅近くの野山では春は山菜摘み
秋は山芋やキノコ狩りを楽しみ、裏庭の畑にはたくさんの野菜や根菜が育っていました。
今回の料理では、魚介類以外はほとんど実家で手に入る食材ですが
子供の頃から慣れ親しんだ野草たちがどのように調理されていくのか興味津々です！

まずは友人は冷酒で、自分は焼酎ロックで乾杯 (^o^)／　

"つくし" が『八寸』の中では素揚げされ、『白和え』では干涸びたものが出てびっくり
田舎ではつくしは佃煮か玉子とじでしか食べたことがありません。
"たらの芽" の味噌漬けは、優しい味噌味に包まれてその苦みが春を感じさせてくれます。

京料理に欠かせない白味噌で "よもぎ餅" と "えんどう豆" を入れた『白味噌椀』は絶品ですね！
『春よ鯉』と洒落た "鯉のお造り" は小川の渦巻きを模した皿に盛られ
沢山の種類の野草や草花が美しく添えられ見た目も涼しげ
すべてを混ぜて醤油ムースでいただくと思わず笑みがこぼれますw

目の前の焼き場では、かつて見たこともないほどの大きさの "へしこ" が焼かれていました。
それを小さく裂いたへしこは『若筍の土瓶蒸し』に添えられ、熱々で風味が凄い！
お酒がすすみますね。
この時期の "花山椒" は若芽で小さく柔らかく、土瓶蒸しのお出しにたっぷり入れると
その香りとピリッとくる上品な辛味がたまりません。

隠岐の島の "岩牡蠣" は味をつけて揚げたもので、金時人参ジャムにつけて食べると
牡蠣の旨味と磯の香り・醤油の風味・人参の甘さがマリアージュ
生よりも遥かに旨いと感じました。

おくどはんの土鍋で炊かれたごはんもツヤツヤして旨い。
ほんの少しずつを色々な食べ方でいただいて、思わずニッコリですw
お供の "目刺し" は、ごはんの美味しさをさらに感じさせてくれ
"鹿味噌" は持って帰りたいほど旨味が凝縮していました。

デザートとコーヒーをいただいて、至福の3時間が終了です。
高級な食材は使っていなくとも、身近にある素朴な野草や野花が
こんなにも素敵に味わえてとっても幸せを感じました。

価格的にも大満足、人気の理由がよくわかりました。
タクシーを呼んでもらって出町柳駅へ
ほろ酔い気分で京阪電車で大阪に帰りましょう！

ごちそうさん (●^o^●)